田中美智子の発言 (社会労働委員会)

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○田中(美)委員 私は、日本共産党・革新共同を代表して、政府提出の健康保険法及び船員保険法の一部を改正する法律案並びに自民党提出の同修正案について、反対の討論を行います。
 今臨時国会は、何よりも不況とインフレの深刻化にあえぐ国民生活の防衛問題など景気対策について審議を尽くし、その対策を講ずることこそ重要であり、当委員会はその先頭に立って国民の期待にこたえるべきです。ところが政府・自民党は、この期待に逆行して、赤字対策のつじつま合わせに健保改悪を強行成立させようとしています。これが不況に苦しむ国民の生活を一層破壊することは火を見るより明らかであります。
 自民党は国民の怒りをそらすために、政府原案のうち、ボーナス保険料率を原案の二%から〇・五%引き下げて一・五%にする修正案を提出していますが、これは何ら評価できないものです。仮に〇・五%引き下げても、政府の試算によると、ボーナスからの特別保険料二千六百五十六円を初め、年間一人当たりの負担増は五千円にもなります。さらに特別保険料の導入は、政管健保と組合健保の負担格差を一層拡大するものであり、断じて容認できないものであります。
 次に、政府・自民党は、今日の赤字を生み出した政管健保の構造的な問題には何ら必要な対策を講ずることなく、いま、その責任を回避し、そのツケを国民と中小企業主に押しつけようとするものです。
 また、今回の一部負担の引き上げである初診料二百円から七百円に、入院時一日六十円から二百円への大幅引き上げは、差額ベット料、付添料などの保険外負担に苦しむ患者をますます苦境に陥れるばかりでなく、国民の受診機会を抑制しようとするものです。私は、このような政府原案並びに自民党修正案は、国民生活をいよいよ破滅に導くものであり、いささかも評価できるものでないことを重ねて強調し、強く反対いたします。
 製薬大企業は保険財政に寄生して、もうけをほしいままにしてきました。さらに、最近の円高による為替差益でますます肥え太っています。薬の安全性と有効性の問題、労使の負担割合の問題など、当面、解決すべき課題は山積しています。いま重要なことは、健保財政の赤字を招いた根本原因にメスを入れることであり、それを避けた、このような安易な値上げ法案は、赤字と値上げのイタチごっこという、保険制度そのものの存立を根底から掘り崩すものです。
 共産党・革新共同は、かねてより医療保険と医療制度全体の抜本的な改革案を国会で十分に審議することこそ先決であると主張してきました。
 なお、離職者対策特別措置法と健保改悪法案とを絡める問題についてです。
 今日きわめて深刻になっている雇用・失業問題について十分審議し、その対策を講ずることは、当委員会独自に追及する課題であることは言うまでもありません。ところが自民党は、離職者法案の成立と引きかえに健保改悪法の成立を図ろうとする態度は許すべからざることです。
 また、自民党修正案は、国保組合の国庫補助率の引き上げの法定化を出していますが、共産党・革新共同は従来から、この法定化について、その実現のため奮闘しており、当然な改善措置であると考えます。しかし、これが健保改悪との抱き合わせである以上、本修正案全体としては賛成できないことを表明して、私の討論を終わります。

発言情報

speech_id: 108204410X00319771101_014

発言者: 田中美智子

speaker_id: 4995

日付: 1977-11-01

院: 衆議院

会議名: 社会労働委員会