中山一郎の発言 (商工委員会)
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○中山参考人 ただいま御紹介にあずかりました軽金属製錬会会長の中山でございます。
アルミニウム産業の現状と問題点をかいつまんで申し上げます。
わが国のアルミニウム産業は、石油危機によるエネルギー価格高騰を直接的原因とする生産費の急上昇によりまして、戦後、営々努力、涵養してまいりました国際競争力を短時間のうちに喪失しました。加えて、内外市況の停とんと最近の円高傾向によりまして、競争力を強化した輸入品との競争上、国内価格水準の下落、操業率の低下を余儀なくされ、文字どおり存立の危機に立ち至っております。
石油危機以降の不況下におきまして、本産業は、自主減産、備蓄の実施とか販売価格の引き上げ、いろいろの努力をいたしましたが、最近の外的環境の悪化で、企業努力をもってしてはいかんともしがたい段階に入っております。
たとえば、五十一年度末において、アルミニウム精錬業は、ほぼ資本金に匹敵する五百億円の累積損失を計上しました。借入残高も約六千億円の規模に達しております。また、われわれのお得意さんであります圧延業におきましても、大手五社だけで三百億円に上る累積赤字と、二千億円に上る借入残高がいまの現状であります。
他方、アルミニウムは、すぐれた金属特性のために輸送や建設、電力、機械など国民生活の多方面に使用されております。もはや近代生活に不可欠な基礎資材となっております。特に、軽量、加工性のよさなどによりまして多方面に使われております。省エネルギー時代にふさわしい材料として、今後も需要の成長が期待されております。
最近のアルミニウム製品需要は約二百万トン近くになっておりまして、わが国は、アメリカに次ぎ、自由世界第二位の生産並びに消費国にまで発展いたしました。このため、一定限度の供給能力を国内に保有することは、安定供給の観点からも各方面から強く望まれております。
こうした状況下において、アルミニウム業界は、石油危機の痛手をいやし、正常な産業の状態に復帰するまでの一定期間、今回の事態の根源である電力コスト面において、海外競争企業との競争力格差を何とか補てんする措置の導入をお願いしてまいりました。一キロワットについて一円の電力の価格差は、アルミニウム一トン当たり一万五千円のコスト差になります。ただいま約八万円から十万円のコスト差がアメリカと日本の間にございます。三十数万円の原価の中で、電力代金だけで八万円から十万円の差があるのが実情でございます。ECの方は、これは全部政策料金をやっておりますから、高くて四円五十銭ぐらいでございます。普通三円から四円の間でございますが、日本は、御承知おきのとおり、大体九円前後というようなことでございます。アメリカが一円から高くて二円という電気を使っております。そういうようなことで、電力の政策料金導入につきましていろいろお願いしてまいりましたが、なかなかこれはむずかしい、時間のかかる問題であるというふうに承知しておりますが、長い目で見て、そういうエネルギー問題としてこの電力問題を先生方に御勘案願いたいと思います。
それでは、現在、電気がそんなに高いのに生きる道はあるのかというと、これはあります。要するに、私どもはいま大体三分の一輸入しております。本当は輸入しなくてもいいのですが、円高のために輸入した方が安いものですから、どうしてもわれわれの売り値が輸入品に足を引っ張られるということでございますから、電力の問題が時間がかかる、すぐというわけにいかないということであれば、輸入をお行儀のいい秩序ある輸入にしていただきたいと思います。一カ月に数万トンも入られたのでは、これはとてもじゃないがどうしようもございません。したがいまして、いま産構審のアルミニウム部会の方でいろいろ御審議願っておりますが、やはりこの輸入を適当にコントロールしていただく。輸入規制という言葉を使うとあるいはどうかと思いますが、輸入の方を何か手をつけていただかないとわれわれの方は成り立ちません。
そういうわけで、いま通産の方でもいろいろ御研究願っておりますが、いや電力もだめだ、輸入もだめだ、関税上げるわけにもいかぬよ、数量を規制するわけにもいかぬよと、こう言われてしまうともうどうにもならぬわけですが、先ほど申し上げましたように、われわれは精錬だけで約六千億の長期借り入れ、圧延の方で五社だけでやはり二千億も借りておるようなことでございますから、この金利の方の引き下げを何とかできないものか。一定期間で結構でございます。数年の間、特別な金利の措置はお願いできないだろうかというのがわれわれの考えでございます。
それから、最後にもう一つ。いや、それもだめだといろいろおっしゃられてはもう立つ瀬がございませんが、いまドルが非常にたくさんあるので、円高を来しているような時代でございますので、われわれの品は変質しませんし、形が変わるわけでもございませんし、将来は、数年の後にはこれは必ず世界的に足らなくなるようになっておるのです。そういうような場合のためにこれは備蓄したらいいと思うのです。十万トンでも二十万トンでも政府で買い上げて備蓄していただいたらどうかと思います。アメリカあたりでも、ベトナム戦争の前は百二十万トンも政府が備蓄したわけです。もしわれわれ民間で備蓄をやるとしたならば、非常に低金利でもって融資していただいて、輸入した安い余分なものを一応備蓄して凍結しておければ、これは秩序ある輸入ということになりまして、国内価格も安定し、需要家も皆さん喜んでいただけるのじゃないか、そう考えておりますす。
要するにアルミニウム産業というのは、省エネルギー基礎資材としてなくてはならない資材でございますので、どうか生かしていくような政策をとっていただきたいと思います。アルミは、精錬の場合は非常に電気を使いますが、でき上がったものは非常にエネルギーをセーブいたします。数字で申しますと、一のエネルギーを使ったものが耐用年数を考えますと、約十八倍ぐらいの使ったエネルギーをまたもとに戻しております。こういうような関係で、自動車の軽量化あるいは地下鉄の軽量化、それから新幹線の軽量化をいま一生懸命やっております。これは全部エネルギーをいかにセーブするかという基礎資材であるということも御認識いただきまして、何分よろしく御指導願います。
どうも御清聴ありがとうございました。