井内慶次郎の発言 (文教委員会)
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○井内政府委員 先ほど申し上げましたような規模で受け入れをいたしておるのでございますが、留学生制度の実施を上げてまいりますためには、質の改善とかいろいろなことをやらなければならないわけですが、留学生制度に対しまする各国、各地の評価というものに対しまして、私どもも謙虚に耳を傾けてまいらなければならないと思います。その評価の中には、各国の文化的基盤とか社会体制とか、日本の大学に対する評価等も一律でございませんので一概には申せないところでございますが、非常に厳しいものもあるように伺っております。わが国に留学する外国人留学生諸君は、日本語を学ぶという非常な苦労をまず乗り越えながら勉学をしてくれておるわけでございますし、この日本において留学生として勉強をいたしました効果の評価に連なるものとしまして、やはりアフターケアの問題は、従前決して十分とは申せないのでございますが、アフターケアの問題を本格的に取り上げなければならない、かように考えております。
具体的な点で申しますと、帰国留学生のアフターケアの問題といたしまして昭和四十四年ごろから文部省として実施いたしておりますのは、わが国に留学をして帰国した諸君に、希望にもある程度応じながらでございますが、工学系統なら工学系統、理学系統なら理学系統というふうに、学会誌、学術関係の雑誌等を個々の人たちに送付するという事業を一ついたしております。五十一年の実績で見ますと千三十七件の送付をいたしております。私も先般拝見したのですが、たとえばバンコク等では、ある留学生のための協会がビルを持ってそこでいろいろな仕事をしておりますが、そこに系統的に、送付されました学会誌等が展示してあるというふうなこともあるようでございます。
それからもう一点、特に帰国をした後におきまして、自分の国で学術研究あるいは高等教育に従事しようということで、学者または大学教官として成長していく諸君もおるわけでございます。こういう諸君の間から短期間の再留学制度をぜひ実施してほしいという強い要望がございまして、これは最近始めたばかりでございますが、五十二年、ことしは十五人でございますが、三カ間再留学をしてもらう、そして最初に留学しましたときに教わりました恩師の手元で三カ月間再留学で勉強してまた帰国する、こういう制度を実施しております。
それから第三点としまして、これもいろいろと指摘を受けた点でございますが、わが国の大学院における学位の授与が非常に厳しゅうございまして、特に専攻分野によりましては取得が容易でないという点がございます。まして留学生の場合はそこにもう一ついろいろな問題もあろうかと思うのでございます。そこで、先般文部省にあります学術審議会からの意見もありましたので、明年度からできれば論文博士の制度を活用いたしまして、帰国後自分の国で勉強しておる元留学生諸君に対して、日本側から、そのめんどうを見られたプロフェッサーが行って指導をされるようなこととか、あるいは論文指導を受けに元留学生で帰っておった人が日本へやってくるとか、そういう論文指導のアフターケアもしたらどうであろうか、かように考えておるところでございます。
それから一最初に中村先生から御指摘のあった点でございますが、帰国留学生の同窓会の活動がアジア各地であるようでございまして、御案内のように、六月の二日にマニラで、元日本留学生のASEANの人たちが集まられまして協議会を結成されました。フィリピン、マレーシア、タイ、インドネシア、シンガポールでございまして、アスコジャとかいうふうに略称しているようでございますが、やはりアフターケアの問題としまして、この点は外務省の御協力もいただかなければならぬのですけれども、同窓会の方の活動もぜひ活発にしていきたいものだ、かように考えておるところでございます。