八木哲夫の発言 (社会労働委員会)
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○政府委員(八木哲夫君) 先生から御指摘いただきましたように、医療保険の問題につきましては、厚生省におきます社会保険審議会、あるいは総理府におきます社会保障制度審議会においてたびたび御意見をちょうだいしているわけでございます。個別的な政府案を提出しました際の意見、あるいは抜本的な意見、いろいろございますけれども、先生御指摘のように、何度も御意見はちょうだいしているわけであります。特に最近の問題といたしましては、昭和四十六年に「医療保険制度の根本的改正について」という答申を四十六年の十月にいただいておりますし、四十六年の九月におきましては、社会保障制度審議会から、「医療保険制度の改革について」という基本的な問題につきましての答申をちょうだいしているわけでございます。
厚生省におきましても、両審議会の御意見というものを踏まえまして種々検討を行っているわけでございまして、何分にもいろいろ御意見が対立するというような問題もあるわけでございます。しかし、私どもも何もしてなかったというわけではございませんで、四十八年の改正というのは一つの抜本改正の大きな足がかりになるというように考えているわけでございまして、たとえば四十八年の改正におきましては、四十六年の答申を踏まえまして、家族給付率の引き上げというような問題等につきまして、四十八年改正におきまして、五割給付から七割給付に引き上げられる。あるいは高額療養費支給制度の新設を行う。あるいは医療保険制度の財政面の安定を図るという意味から、従来は定額の国庫補助でございましたが、定率の国庫補助を行う。さらに、保険料率の引き上げに伴います連動の国庫補助の導入ということで医療保険財政の安定が図られる。あるいは、これは私どもの所管ではございませんけれども、医療供給体制の整備等につきまして、救急医療の推進でございますとか、僻地医療対策の推進でございますとか、行政施策あるいは予算措置で行う面につきましても、もちろん国の予算というのは限りがあるわけでございますけれども、その中におきましても前進的な改善を行っておるわけでございます。しかし、御指摘のように、必ずしも実施できてはおらないという問題もあるわけでございます。
しかし、いずれにいたしましても、私どもも四十八年の制度改正が行われた以降、先生から御指摘ございましたような社会経済情勢の大きな変革というものがあったわけでございまして、オイルショックというのに伴いまして経済成長が従来の高度成長から安定成長に変わった。従来のような大きな所得の伸びあるいは賃金の伸び、高度経済成長に伴いますそういうような状況というのは大きく変わってきているわけでございますし、一方医療費の方は、各国もそうでございますけれども、医療の高度化なり、あるいは老齢化等々の多くの要素を基礎にいたしまして医療費は上昇していく。そういう際に、医療保険制度をどういうふうにこれからの社会経済情勢が変わった中で受けとめていくか。そういうような基本的な問題を私どもも意識しているわけでございまして、従来の答申という状況を踏まえまして、その後の社会情勢、経済情勢の変動に対応しまして厚生省としても考えていかなければいかぬじゃないかというようなことから、むしろ私どもも社会保険審議会にお願いいたしまして、基本的な問題というものに対処いたしたいということで、先ほどから大臣からも御答弁申し上げましたように、私どもからお願いいたしまして、社会保険審議会におきまして約一年にわたります御審議をいただきまして、先般十一月の五日に、健保問題懇談会の御意見を基礎にしまして、社会保険審議会の御意見というものをちょうだいしたわけでございますし、さらに老人懇におきます御意見もいただいたわけでございますので、これらを踏まえましてこれからの基本的な問題ということに取り組んでまいりたいということでございます。
ただ、当面、いずれにいたしましても、現在の政府管掌健康保険が国民の健康を守るための医療保険制度でございますから、これが財政的に非常に崩壊の危機に瀕しているというような面から、当面の焦眉の急としましてこの問題を解決しまして、来年の基本的な問題の解決に当たりたいという考え方でございます。