浅井新一郎の発言 (建設委員会)

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○浅井政府委員 お答えいたします。
 ただいま先生から、三十年間の道路関係の法体系の変遷を絡めて、いろいろ歴史的な振り返りがあったわけですが、お話の中にもありましたように、日本の道路整備が本格的段階を迎えましたのは昭和二十九年の第一次の道路整備五カ年計画の発足以来というふうに考えていいわけでございまして、これも当初は大した大きな規模でございませんでしたので、本格的に道路整備か行われたのは、近々ここ二十年というふうに考えてもいいのではないかと思います。しかも、御指摘にもありましたように、戦争直後は維持修繕令というのが出たようなことでも考えられますように、荒廃した道路を維持修繕することに追われていた時代でございまして、そのころの道路のストックはまさにゼロといってもいいような状態だったと思います。
 ちなみに、ちょっと数字で御説明させていただきますと、第一次五カ年計画が発足した当時の日本の道路の現状は、一般国道でさえも、二万四千キロありましたうち舗装済みの道路がわずかに三千八百キロ、一六%にすぎなかったという状況でございます。東京−大阪間の国道一号線、これはもう国道の中の一番交通量の激しいルートでございますが、これが舗装道がわずかにその半分しかできてなかったというような状況でも説明できるかと思います。そういったように整備状況がきわめて悪かったわけでございまして、これが戦後の日本の経済復興、民政安定のための大きな隘路となっておったわけであります。
 その後道路整備が本格化されまして、七次にわたる五カ年計画を経まして、昭和五十二年度末には舗装済みの道路の延長も、道路全延長に対して約四〇%、四十二万キロにも達するように整備が進められたわけでございます。
 こういうことによりまして、戦後の混乱期あるいは道路整備が本格化してから二十年、この間に日本の経済成長は大きく伸びたわけでございますが、この経済成長と国民の生活を道路網の発達が大きく支えてきたと思います。国土利用の均衡化、流通コストの軽減、特に生鮮食料品の生産地と消費地との直結の問題、生活圏域の拡大とかあるいは市街地、住宅地の整備、冬季交通の確保、それから孤立集落の解消といったような国民経済の振興と生活の安定に、これらの道路網が大きく役割りを果たしてきたというふうに認識いたしておるわけでございます。これが、言ってみれば道路整備のメリットだというふうに考えております。
 しかしながら一方、これまでの道路整備を振り返ってみますと、昭和三十年代から四十年代前半にかけては、まず主要幹線道路を車のすれ違いが可能となるように拡幅することに追われていた、それから地方道等の舗装を伸ばしていくということに重点を置いたというようなことで、舗装延長は確かに飛躍的に拡大したわけでございますが、一方この間の自動車交通の伸びというものは非常に爆発的なものがあったわけでございまして、道路整備のペースをはるかに上回るペースでモータリゼーションが進んでいったということかございます。その結果、道路施設が追いつかないで交通混雑の激化、交通事故の多発あるいは交通公害の発生といったような問題が出てまいってきておるわけでございます。
 さらに、これらの問題に加えて、都市部におきましては防災、環境、空間の不足とか、新市街地のスプロール現象等が問題となるとともに、地方部では車のすれ違えないバス路線や、落石による危険個所というものがまだまだ残っているというような状況で、道路整備の全般はまだ十分でないという状況と私どもは認識しておるわけであります。
 こういった現状を踏まえまして、それから、過去の道路整備の姿勢も深く反省しながら新しい五カ年計画をわれわれは考えてまいったわけでございますか、昨年十一月に閣議決定されました第三次全国総合開発計画等を踏まえまして、国民か道路に期待している多様な役割りを十分発揮できるようにこれからの道路整備を進めていきたい。
 それで、計画を策定する場合の基本的な考え方として三つの基本方針を考えたわけでございまして、その一つは従来から整備を進めてまいりました交通ネットワークの確保、これは地域社会の日常生活基盤としての市町村道から国土構造の骨格としての高速道路に至るまで、道路網を均斉のとれた姿に体系的に整備するということが一つの柱でございます。
 そのほかに道路の持つ空間機能、先ほども散歩のできる道路というようなお話もございました。やはり道路はいろいろ多面的な機能を持っておるわけでございますので、そういう街区の形成とか、そのほかにも防災、採光、供給処理施設の収容といった道路の持つ空間機能に留意しながら、環境の保全に配慮した適正な道路空間を確保することがこれからの道路づくりの大きな柱の一つではないかと思います。
 それから三番目としまして、道路の資産がだんだんふえてまいりますと、この資産を十分交通に役立つ姿に年じゅう維持していくということが必要なわけでございまして、適切な維持管理体制、安全で快適な道路交通を確保するための管理体制の確立が非常に重要になってくる。
 こういった三つの柱を立てて、これに対して道路整備を、緊急を要するものから逐次整備を進めていきまして、遠い目標は二十一世紀初頭を目指しなから昭和六十五年までには緊急を要する各種の事業を積み上げて、これらの事業をバランスよく整備を進めていくという形で今回の五カ年計画を組んだ次第でございます。

発言情報

speech_id: 108404149X00719780322_009

発言者: 浅井新一郎

speaker_id: 3002

日付: 1978-03-22

院: 衆議院

会議名: 建設委員会