金丸信の発言 (内閣委員会)

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○金丸国務大臣 お答えをいたします。
 今回の私の出張は、欧米の軍事事情を視察するため、諸外国の軍事施設等を見学するとともに、国防関係者にお目にかかり、私自身のはだで外国の国防体制の実態に直接触れる機会を持ちたいと考えたものであります。
 日程につきましては、六月十三日に出発いたしまして、ヨーロッパを訪問の後、米国を訪れ、六月二十六日に帰国いたしました。
 会談の内容については、ヨーロッパで、ルンスNATO事務総長、ヘイグ欧州連合軍最高司令官、アペル西独国防大臣等の要人とお目にかかり、先方からはこもごも最近におけるソ連の著しい……(「そんなものを読んだら日本の防衛庁長官らしくないじゃないか」と呼ぶ者あり)まあ読ませてください、これだけは。報告のようなつもりで書いてきたわけですから。
 最近におけるソ連の著しい軍事力増強の状況を憂慮していること、通常兵器の面においては西側が劣勢にあり、これをカバーするため、さきにNATOの長期防衛計画の決定が行われた旨の説明がありました。
 米国では、ブラウン国防長官を初め、ブレジンスキー大統領特別補佐官等の政府関係者並びにプライス下院軍事委員長、ウルフ下院アジア太平洋問題小委員長及びグレン上院東アジア太平洋地区小委員長ら議会関係者と懇談し、世界及びアジアの軍事情勢、日米が相互に関心を有する安全保障上の諸問題等について率直に意見の交換をいたし、相互の理解を深めてまいりました。
 特にブラウン国防長官と私の会談においては、私から日米安全保障体制の重要性を強調し、同体制の信頼性をより向上させるため両国が相互に密接な接触と率直な対話を進めることが必要であると述べたのに対し、同長官は強く賛同の意を表するとともに、今秋予定されている訪日をぜひ実現したいとの意向を表明いたしました。
 また、ブラウン長官は、いわゆる米国のアジア離れを明確に否定するとともに、日米安全保障体制の重要性を再確認し、アジアにおける軍事的プレゼンスについて、計画されている在韓米地上軍の撤退を除いては、現在水準が維持され、在韓米地上軍の撤退は朝鮮半島の安全を維持し得るスケジュールによってのみ行う旨述べました。
 なお、駐留軍経費の問題については、私から思いやりの立場で地位協定の範囲内でできる限りの努力を払いたいと考えており、現在具体的数字を挙げて約束することはできないが、ブラウン長官の訪日までに防衛庁の考え方をより詳細に説明できるよう努力する旨述べましたところ、ブラウン長官はこれを高く評価し、特に米側から要望はありませんでした。
 さらに、沖繩の日本人従業員の雇用の確保についてブラウン長官に米側の配慮を要望したところ、これに対し同長官はできるだけの努力をする旨約束をいたしました。
 私が成果として挙げたいことは、第一に欧米各国の防衛関係要人とひざを交えて意見を交換することによって相互の理解が深まったことであります。
 第二に、私を初め同行の防衛庁の幹部が、各国の軍事施設等を視察することによって見聞を広めることができたことであります。
 最後に、最大の成果であったことは、いわゆる米国のアジア離れが明確に否定され、日米安全保障体制の重要性が再確認されたことであります。
 わずか十日余りの駆け足的旅行ではありましたが、大変有意義であったと考えておる次第であります。

発言情報

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発言者: 金丸信

speaker_id: 2320

日付: 1978-08-16

院: 衆議院

会議名: 内閣委員会