野口忠夫の発言 (決算委員会)

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○野口忠夫君 宮澤長官は非常に素直なお方でいられまして、いつもまあ私どもの耳にするところでは、中国問題あるいは経済の見通し等について率直に御意見を述べられる方であると思うんですが、まあ政府の段階という立場よりも平河会というものの中でこういう話があったことについて、やっぱり長官の率直な意見を聞きたいと思うているわけなんでございますから、そういう意味でひとつお答え願いたいんです、政府がどうだということでお聞きしているわけでございませんので。
 第二番目に、やっぱりあの提言の中の一つに、土地は空気や水と同じような公共財としての性格を持つものであって、土地所有者の私権を思い切って制限することをしてはどうかというような主張があられるわけであります。資本主義体制下のわが国の今日の状況の中で、土地が空気や水と同じ公共財であると考えたいという願望は願望としてわかるわけでございますけれども、この願望と実現の間にはどうも疑問が残るんではないかと思われるわけであります。
 公共財とは、各人が時と場所を選ばずにだれでも利用することができる財ということであって、空気などは典型的な例であろうと思います。しかし日本では、土地のうちでも宅地などについては商品化され、需要と供給とによって価格が定まり、需要の大きさに比べて供給が非常に限定されているものですから、価格が高騰して庶民では購入できないような状態にも追い込まれております。こういう意味からすれば、宅地は市場性の濃い財であり、公共財とは言えないのではないだろうかと思われるわけです。
 土地が公共財であるという理論を推し進めてまいりますと、国有化とか、社会化とかいうことになりまして、非常に国民の合意を得た上でそういうことが望まれるんではないかというような私どもの考え方と近づいてくるわけでありますが、どうも総理経験者を含めて、土地に利潤を求めてあの狂乱物価を、あの混乱を生んだような今日の日本の現状ではちょっと現実離れしているんではないかというふうに思うわけであります。まして、今日の体制の中で私権の制限ということになると、憲法二十九条の財産権の侵害等の問題の解決も残るだろうと思われるわけでありますが、こういう、どうも願望としてはわかるんですけれども、本質的な問題に触れることなく理想論を述べられて、現実の宅地不足と価格の高騰の解決というようなことになるとは思われないわけでございますけれども、こうしたことが提言の中にあるわけでありまして、これについて平河会の最高幹部として、率直に言うてこの提案、提言の持つ気持ちですね、それと今日的状態とあわせてどうお考えになるか、ひとつお聞きしたいというふうに思うわけであります。

発言情報

speech_id: 108414103X00519780227_011

発言者: 野口忠夫

speaker_id: 24702

日付: 1978-02-27

院: 参議院

会議名: 決算委員会