二瓶博の発言 (公害対策及び環境保全特別委員会)
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○政府委員(二瓶博君) 総量規制というものをやります際に、この対象の汚濁物質というものをどういうものにすべきかということになるわけでございますが、現在のところ考えておりますのは、当面はCODということを考えておるわけですが、なぜCODにしたのかということでございますが、考え方としては、まず基本的にはこういう考えでございます。
一つは、何といいましても、代表的な有機汚濁指標ということで、各種の利水上特に重要な環境基準項目というふうに考えます。それから、そういう項目で、すでに濃度規制で環境基準がもう全面的に達成されていれば問題ございませんので、そういう重要な環境基準項目で、かつ環境基準がまだ全面的には達成されておらないということがまず一つでございます。それから、対策として広域的な対策をとることが必要である。しかもまたそういうことが効果的な汚濁指標であるという観点が第二点でございます。それから第三点は、汚濁負荷量といいますものの測定が可能な項目ということでございます。
で、そういうような条件といいますか、要件というものを満たすものでなければならぬということになるわけでございますけれども、まあ健康項目というのはもうこれは全然出さない方がいいので、ゼロディスチャージというのが理想でございますし、現在でもほとんどもう健康項目は問題ございません。したがって、いま言いましたような生活環境項目ということでながめますというと、有機汚濁の指標としてはCODとBODということになろうと思います。BODは生物化学的酸素要求量、CODは化学的酸素要求量ということでございますが、この二つのものが考えられる。その場合、御存じのとおり、現在BODというのは河川の方の関係の環境基準の項目にやっておりますし、CODがいわゆる海域、湖沼でございます。こういう閉鎖的な水域関係の方がCODということにたまたまなっております。そういうことからいたしまして、今回は広域的な閉鎖性水域というものを対象にして総量規制というものをまず導入しようということでございますので、当面はこのCODというものを指定項目にするというのが一番適当であろうと、このように判断した次第でございます。
それからもう一つ、燐と窒素の方のことでございますが、これにつきましては、燐や窒素も総量規制の対象にすべきじゃないかというような御意見も一部確かにございます。ただ、この窒素なり燐につきましては、環境水質、いわゆる公共用水質等のどの辺までが一体望ましいレベルなのか、窒素は一体どこまでか、燐はどこまでか、どの程度まではいいのかというそういうレベル、これに関する知見がまだ不十分でございます。これは必ずしも汚濁物質というよりは一種の栄養物質でもございますので、全然ないというわけにもまいりませんが、さればといって多過ぎれば富栄養化等の障害を起こしますので、その辺の望ましいレベルというものにつきまして、まだ十分科学的知見が煮詰まってちないという問題がございます。そういうことですから、環境基準というものはまだ確かに設定されておらないわけでございます。
それから、排水基準でございますが、これにつきましてもまだ未設定でございます。まあ排出源が非常に多岐にわたるということはもちろんございますけれども、問題は、排水基準等を決めるという際に、一体的確に除去することができるか、排水処理基準で燐なり窒素なりを除去できるかということに相なりますというと、まあ燐の方はやや実用化のめどがついたということは言われておりますが、窒素の方はまだまだでございます。そういうことからいたしまして、現在排水基準というものも、水濁法上の排水基準を決めてございません。したがって、CODであれば現在濃度基準としてそれぞれ環境基準、排水基準があり、その上で総量規制ということで指定項目にする。ところが、燐、窒素の方は、現在は濃度規制の対象になる環境基準も排水基準というものもないわけでございまして、これをいきなり総量規制というものの指定項目にするということは、現段階ではとうてい考えられない、かように考えております。