二瓶博の発言 (公害対策及び環境保全特別委員会)

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○政府委員(二瓶博君) まず第一点は、燐の方の関係でございますが、指導、助言、勧告といういわゆる行政指導ベースということで法律を仕組んでいるわけでございますが、むしろそうではなしに、規制ベースといいますか、そういうことで考えるのが筋ではないかと、こういう御指摘かと思います。
 そこで問題は、環境基準、それから排水基準という二つの問題があるわけでございますが、環境基準の方は、これは環境水質の望ましいレベルというものをどう持っていくかということでございますけれども、単なる汚濁物質というわけでもございませんので、この辺についてはいろいろ意見の分かれるところもございますし、その辺の知見が不十分だということで、環境基準というものがまだできておりません。
 それからもう一つは、排水基準の方になりますが、こちらの方は、問題は排水処理技術が現実問題として可能かどうかということが一番ポイントになると思います。もちろん環境基準というものを将来考えるとすれば、それとの関連性というものも一応考えないといかぬかもしれませんが、問題は、排水基準が守れるかどうかというところにあろうかと思います。
 で、問題は、これは先ほども申し上げましたように、燐の方につきましては大分削減の見通し、排水処理技術の見通しというものが立ってきておるということでございます。したがいまして、これについては行政指導ベースで今回削減をやっていこうと、こう思っているんですが、規制基準というようなことで、水質汚濁防止法に言う、要するに生活環境項目の一つとでもして排水基準をつくるというところまでいくについては、まだまだこれは詰めていくべき問題があろうと思います。
 といいますのは、一つは、このCODの場合は、先ほど先生からもお話しございましたように、産業のウエートが六割と相当高うございますが、燐の場合はむしろ逆転をいたしております。むしろ七割方が生活系というようなこともございます。そうすれば、その三割の産業系を特に重点を置いてやるということだけで、目的は果たして達成し得るのかどうか。まあいろいろな規制方式といいますか、そういうのも十分今後詰めなくちゃならぬのではないかということも考えられます。したがいまして、いますぐ水濁法に基づく排水基準というのは無理だと思いますが、先ほど来申し上げておりますように、もう瀬戸内海の富栄養化というのが非常に進行しており、またその被害も出ておりますから、手をこまねいて見ているわけにはこれは絶対にまいらぬということで、不十分な面もあることは私もそのとおりだと思います。しかし、何かここはやるべきであると。各人の方々、各企業なり自治体なり、御努力をいただいて、一応削減というものに向かって努力していただこうということで考えたわけでございます。
 それからもう一つは、窒素のことを触れておらぬのはどういうことかと。法文の方では「燐その他」云々ということで、将来、窒素というものが現実的な問題として行政指導ベースでやれるという段階になれば、あるいは政令というもので指定してやり得るという法制の仕組みはとってございますが、それでは窒素は近き将来やるのかということになりますと、窒素の方については、近き将来すぐできるかどうかということについては非常に疑問を持っております。といいますのは、その削減技術の問題でございますけれども、これは、窒素といいますのは、非常にその存在形態も、燐と違いまして、種類も多うございます。複雑でございます。したがいまして、燐の場合はトータル燐と燐酸態燐という二種類ぐらいですが、窒素の場合は四種類以上ございます。通常は四種類はあると言われております。これも濃度によってまたいろんな処理技術の方も考えなくちゃならぬ。この処理技術は、燐の方は硫酸礬土その他の凝集沈でん剤の使用というようなことで削減が相当できるというめどがついていますが、どうも窒素の場合は、単なるそういう凝沈の薬剤等によってやるというのでなしに、やはり相当の施設をつくってやる。しかも、それでさえもまだ開発途上ですが、いろんな問題点が多いと、こういう段階でございますので、この問題については、今後とも研究開発というのは精力的に取り組んでいくべきだと考えますけれども、いまの段階では、行政指導ベースにしても窒素はやるのはまだ無理であると、こういう判断をいたしたわけでございます。

発言情報

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発言者: 二瓶博

speaker_id: 32339

日付: 1978-05-31

院: 参議院

会議名: 公害対策及び環境保全特別委員会