伊藤榮樹の発言 (法務委員会)

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○政府委員(伊藤榮樹君) もともと裁判というのは、もう申し上げるまでもなく、主文が最も重要な部分でございまして、その理由というのは主文のよって来るゆえんを説明する部分でございますので、やはり裁判の効力というものは主文がまさにその効力を発揮するわけでございます。したがって、理由をよく読めば無罪と似た場合であるという場合も中にはあるかもしれませんけれども、現在の裁判所の行います判断を受けとめる根拠としては、やはりどうも主文を見ざるを得ないのじゃないか。ことに少年の場合には、やや技術的な問題でございますが、少年審判規則の第二条あたりを見ますと、少年審判の決定書きには必ずしも理由を付さなくてもいいような規定もございまして、仮に理由を一々見ても理由が書いてないという決定もあるわけでございまして、その辺の技術的な点から言いましても、やはりそういう無罪なら無罪に当たる場合であるという主文をひとっこさえないと、実際問題として運用がきわめて困難であろうと、こういうふうに思うわけでございます。
 なお、憲法で申します「無罪の裁判」と申しますのは、まさに「無罪の裁判」でございまして、少年法における審判手続の過程で行われます判断と申しますのは、一種の保護措置に係るものでございますので、私どもとしては憲法四十条から直ちに、ただいま御指摘のような少年の保護処分に関する審判について、この刑事補償をなすべきであるという憲法上の要請があると、こういうふうには考えておらない次第でございます。

発言情報

speech_id: 108415206X00719780413_009

発言者: 伊藤榮樹

speaker_id: 20222

日付: 1978-04-13

院: 参議院

会議名: 法務委員会