伊藤榮樹の発言 (法務委員会)

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○政府委員(伊藤榮樹君) 法理論的にはおまえの言うことはこうこうだというようなお言葉がございまして、考え方を少し角度を変えてきわめて常識的に考えてみますと、少年が逮捕、勾留されまして、検察官の手元で調べておりますうちに無実だということがわかってきたと、こういう場合には、検察官はその少年を家庭裁判所へ送ることなく不起訴処分にいたします。その場合には、現在私どもで運用しております被疑者補償規定によって刑事補償に準ずる補償が受けられます。しかるに、検察官から家庭裁判所へ送って家庭裁判所の保護処分がなされると、それが全部もらえないことになっておるということは、確かに常識的に見て若干私自身も妥当でない面があるのではないかという気がするわけでございます。
 そこで、どうしたらいいかということで考えてみますと、やはり家庭裁判所でこれはシロならシロだという判断をしてもらうような仕組みをして、そういう判断があった場合には、機械的にと申しますか、直ちに刑事補償またはこれに準ずる補償ができるようにすると、こういうのが立法的な最も合理的なアプローチであろうというふうに思っておるわけでございます。で、家庭裁判所が行いますこういった非行事実が存在しなかったということを認める決定、この性格は今後どういうふうに性格づけていくか、これは改正の過程でいま検討しておるわけでございますが、従来の家庭裁判所の判断のやり方、こういうことからいたしますと、憲法四十条に言う「無罪の裁判」には当たらない、こういうことになると思いますけれども、先ほど来申し上げておりますような、そういう新たな決定主文を設けました場合には、憲法四十条そのものを踏まえた決定になるか、あるいはそうでないとしても、これに準ずるような決定の性格を持ってくると、こういうふうに考えております。その辺は少年法の全体系を、現行少年法の基本構造を崩さないで改めようと現在やっておりますので、もう少し理論的に詰める必要があろうと、こういうふうに考えております。

発言情報

speech_id: 108415206X00719780413_012

発言者: 伊藤榮樹

speaker_id: 20222

日付: 1978-04-13

院: 参議院

会議名: 法務委員会