真田秀夫の発言 (予算委員会)

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○政府委員(真田秀夫君) それでは、核兵器の保有に関する憲法第九条の解釈についての補足説明を申し上げます。
 一 憲法上核兵器の保有が許されるか否かは、
  それが憲法第九条第二項の「戦力」を構成す
  るものであるか否かの問題に帰することは明
  らかであるが、政府が従来から憲法第九条に
  関してとっている解釈は、同条が我が国が独
  立国として固有の自衛権を有することを否定
  していないことは憲法の前文をはじめ全体の
  趣旨に照らしてみても明らかであり、その裏
  付けとしての自衛のための必要最小限度の範
  囲内の実力を保持することは同条第二項によ
  っても禁止されておらず、右の限度を超える
  ものが同項によりその保持を禁止される「戦
  力」に当たるというものである。
   そして、この解釈からすれば、個々の兵器
  の保有についても、それが同項によって禁止
  されるか否かは、それにより右の自衛のため
  の必要最小限度の範囲を超えることとなるか
  否かによって定まるべきものであって、右の
  限度の範囲内にとどまる限りは、その保有す
  る兵器がどのような兵器であるかということ
  は、同項の問うところではないと解される。
   したがって、通常兵器であっても自衛のた
  めの必要最小限度の範囲を超えることとなる
  ものは、その保有を許されないと解される一
  方、核兵器であっても仮に右の限度の範囲内
  にとどまるものがあるとすれば、憲法上その
  保有が許されることになるというのが法解釈
  論としての当然の論理的帰結であり、政府が
  従来国会において、御質問に応じ繰り返し説
  明してきた趣旨も、右の考え方によるもので
  あって、何らかの政治的考慮に基づくもので
  ないことはいうまてもない。
 二 憲法をはじめ法令の解釈は、当該法令の規
  定の文言、趣旨等に即しつつ、それが法規範
  として持つ意味内容を論理的に追求し、確定
  することであるから、それぞれの解釈者にと
  って論理的に得られる正しい結論は当然一つ
  しかなく、幾つかの結論の中からある政策に
  合致するものを選択して採用すればよいとい
  う性質のものでないことは明らかである。政
  府が核兵器の保有に関する憲法第九条の解釈
  につき、一に述べた見解をとっているのも、
  右の法解釈論の原理に従った結果であり、何
  らかの政治的考慮を加えることによりこれ以
  外の見解をとる余地はないといわざるを得な
  い。
 三 もっとも、一に述べた解釈において、核兵
  器であっても仮に自衛のための必要最小限度
  の範囲内にとどまるものがあるとすれば、憲
  法上その保有を許されるとしている意味は、
  もともと、単にその保有を禁じていないと
  いうにとどまり、その保有を義務付けている
  というものでないことは当然であるから、こ
  れを保有しないこととする政策的選択を行う
  ことは憲法上何ら否定されていないのであっ
  て、現に我が国は、そうした政策的選択の下
  に、国是ともいうべき非核三原則を堅持し、
  更に原子力基本法及び核兵器不拡散条約の規
  定により一切の核兵器を保有し得ないことと
  しているところである。
 以上でございます。

発言情報

speech_id: 108415261X02319780403_007

発言者: 真田秀夫

speaker_id: 27994

日付: 1978-04-03

院: 参議院

会議名: 予算委員会