小林進の発言 (予算委員会)
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○小林(進)委員 私は、与えられた一時間半で多くの質問を持っておりますので、若干要旨が緻密を欠いて粗雑になるかもしれませんけれども、言葉の足らざるところはひとつ政府側でよく判断をしていただいて、的確にして要領のいい回答をしていただきたいと思います。
まず第一に外交問題でございますが、私は、園田外交にはいままでの官僚外交とは違った、二味も三味も味のよい外交をやっていただいたと、これは率直に感謝をいたしたいと思います。もちろんその内容は何かといえば、第一は、日中平和友好条約を締結された。第二番目には、国連の軍縮総会において、いままでの官僚大臣のやり得ない非常に国民の魂を打つ演説をおやりになった。第三番目は、これはまだ進行中でありまするが、朝鮮半島の問題についても、いままでの官僚大臣には見えない一つの味をわれわれは察知することができるのであります。もちろん、外務大臣といえども福田内閣の外務大臣でございまするから、大臣をして、かく、いままでにない、国民の感情に訴え、国民の魂を揺すぶるような、いわゆる国民外交といいましょうか、進めていただいたのは、やはり後ろにいられる福田総理の的確なる決断と勇気によるところでございましょうから、その点、福田総理にも感謝の意を表しておきたいと思うのでございます。
それらの問題に関連をいたしまして、まず、日中条約締結後のアジア外交、それに対する総理、外務大臣の所見を承っておきたいと思うのであります。せっかく国民になりかわって感謝申し上げたけれども、その後どうも期待に反してマイナス、プラス・マイナス・ゼロということになったのでは非常にわれわれの失望を買うわけでございまするので、この日中平和条約を結んだという基盤の上に立って、アジア外交を国民の魂に訴えるような方向で進めていただきたい、私はこう思うのでございます。
その第一は、やはり朝鮮問題であります。
朝鮮問題は、俗に申し上げまするけれども、北の朝鮮には中国とソ連が後ろにいる、南の朝鮮にはアメリカと日本がついておる、三十八度線を境にして南北対立して、戦争の危機があるというのが古典的に言い古された非常に古い考え方だと思う。ところが、この日中平和友好条約に基づいて、中国はアジア太平洋地域において覇権国家にはならない、いわゆる力による威嚇や暴力をもって他国に対して圧力を加えないということは、そのまま朝鮮半島に適用される問題だと私は思うのであります。北には中国がついているというその中国が、日中平和友好条約によって、圧力を加えないということを約束いたしました。これは今後の日中国交を進めていく上に重大な一つの変化であると私は思います。
いま一つは、この平和友好条約を通じて中国はあなたに、南北朝鮮の統一を心から願っているということを明らかにせられました。これは総理もそうですが、外務大臣の八十五国会における本会議の発言の中でも、南北朝鮮の対立統一のためによき環境づくりを行うということを国民に約束をしていられる。中国も南北の統一を望んでいる。これは日中同じであります。ここまで進んできた。これはやっぱり日中平和条約の一つの成果です。これをどう具体的に一体持っていかれようとするのか。何しろ時間がありませんから……。私は少ししゃべり過ぎると言われるかもしれませんけれども、いま少ししゃべります。これが一つ。
いま一つは、仮にソ連が北と組んで覇権行為に出たとしても、日本と中国はその行為に反対するという基盤ができ上がった。これが一つ。
いま一つは、これは今度は南でありまするけれども、正確に言えば大韓民国でございましょう。これがしばしばソ連へ行って、いま人事交流をやっております。現に大韓民国の外務大臣もソ連へ行っていられる。この間に交流があるということは、いわゆる雪解けが始まっていると見てよろしい。これが一つです。三十八度線がなくなりつつあるじゃありませんか。これが第二番目。
第三番目にひとつ申し上げまするが、これは総理大臣は、今度の本会議にわが党の下平君の質問に答えて、南北の緊張緩和のためには軍事的均衡がなければならないと言って、やはり南に対する経済援助、軍事援助をまだまだ続けていかなければならぬようなことを思わせる答弁をしておいでになりまするが、一体いま南はどうでありまするか。二、三日前に何とか行事をやりましたけれども、そこには朴大統領みずからがあの大きな韓国の武装力を宣伝しながら、兵力においては世界で韓国は第五番目だ、しかもミサイルは持っている、北朝鮮は全部で一撃を受ける、われわれは名実ともに北に対して優秀な軍事力を持つことができた、彼みずからが世界に向かって宣言をいたしました。これが第三番目。
こういう三つの条件をそろえて、もはや南北が対立をしていなければならぬ理由は一つもないのでありまするから、そこで、日中の平和条約を結んだあなたのすぐれたる外交手腕と英知をもってひとつこの南北の統一、南北の平和を招来する、そういう具体的な行動をお起こしになる意思はないかどうか。そのためにはアメリカも事前に了解がなければならぬでしょう。ソ連もいま申し上げました状況にあるのでありまするから、ソ連と事前に話をすることもあなたには可能でございましょう。日中アメリカ三国を中心にして、ソ連にもこの問題の話を通じて、南北統一のための具体的なお話をお進めになるという勇気と決断と行動力をお持ちになっているかどうか、これはひとつ総理にお聞きをいたしたいと思うのであります。