渡辺芳男の発言 (運輸委員会)
⚠️ コピーしたテキストを転載する際は、転載元URL(kokkai-data.com)および原典URL(kokkai.ndl.go.jp)を必ず残してください。発言内容の改変・出典削除は禁止です。
詳細は利用規約をご確認ください。
○渡辺(芳)委員 新聞の報道と大臣、あなたのいまお答えになったこととは違います。私は別に、新聞の報道を盾にしてものをやろうというふうなことでいつまでもがんばるつもりはない。だがしかし、夜行列車の全廃、こんなことはむちゃだ、その一環として七万人を削減する、こういうことはいまあなたが答弁された内容とは違うのです。マスコミの影響というのは非常に大きいものですから、何かぽっとニュースソースで出てきた、それが一日で終わりだ、線香花火で終わりだ、こういうことではない、四、五日間にわたってこの問題は各新聞をにぎわしておる。それだけ反響の大きいものです。端的に言えば相当なことを申し上げなければ、新聞は書かないという判断をわれわれはしている。マスコミの影響を重視しているから私はこのように言っているのです。
いまあなたは、いろいろ国鉄の現状をお話になりました。私どもも、それは知っておるつもりでございます。五十年に国鉄財政再建に関する閣議了解事項というのがありました。私は、当時落選をしておりましたが、今度当選をしてまいりまして、二年間で国鉄の財政の収支をとんとんにするような閣議了解事項というのは無責任じゃないか、こういう意見をたびたび私はこの委員会に所属してから申し上げてきました。私どもを初め多くの議員の皆さんも、それぞれの立場でやられたと思います。その結果、一昨年の十二月ですか、福永大臣が新任をされてから、それもそうだということになって、私どももそのときには率直に意見を申し上げました。各党の皆さんも申し上げました。大臣やあるいは運輸省の官僚の皆さんだけでやったのじゃないのです。権威ある閣議了解事項であるから、実際的に取り組めることを少しやろうじゃないかということで、われわれその内容については不満もありましたが、しかし、いままでよりはよほど前進をしている、六十年代における国鉄の再建方策を逐次決めていこう、こういう趣旨のもとにあの閣議了解事項は改められたのです。
いまあなたが言われましたように、確かに国鉄というのは——これは日本だけではないんですね。同じ資本主義諸国、西欧諸国の鉄道もそうでございますが、確かに、戦後復員をされた皆さんに職場を与えたというか、とにかく復帰さした、あるいは就職をさした、ああいう非常に混乱をした状況でございますから、どうしてもそういうものを背負わざるを得なかったでしょう。これは宿命的な状況ですね。したがって、これにも頭を痛めております。いまの財政状況についても、われわれ無責任じゃないのです。だから、いろいろな意見を言っているのです。しかし、これほどマスコミが重大な事項として取り上げるようなことについて、あなたがどういう反響があると見たか知りませんが、先ほどの答弁によると違うから、これは慎重にやらなければいけないなと思うんですよ。だから、私は意見を申し上げている。
夜間の貨物列車を全部廃止するようなことも書いてあります。いま国鉄の輸送の内情を見ておりますと、確かにトラックに食われておる。あるいは私は、後で申し上げますが、自動車行政というのは、何遍も言っているのですが、よくないのです。許認可行政のあり方もよくない。基準もよくないと思っている。後で申し上げますが、内航海運だってそうでしょう。運賃ひとつ決めてないじゃないですか。オペレーターはどうやらつかむことはできるけれども、オーナーをつかむことはできない、こう言っている。三月十六日に先輩の久保さんが質問されております。そのとおりです。片方は何もない。運賃一つ取り上げてもそうです。国鉄だけは一律だ。飛行機は路線別だ。いろいろありますね。だから私どもは、交通体系だ、交通政策だというのをいろいろな角度から言ってきました。
何はともあれ、夜間の貨物運行を廃止するということは、貨物列車の取り扱いをやめよということになりましょう。いま年間一億トンぐらいですね。そしてまあ一部のバルキー貨物だけを輸送していればいいじゃないか、こんなふうなことも新聞には出ています。いま十万両の貨車がありますよ。千本の貨物列車が動いている。しかし、やがて——あなたは私よりも先輩で、いま私は苦情を言っているけれども、いろいろな角度から見ておるのでしょうが、いま目の前にあるあの原油の値上がりというのは大変な状況にありますね。エネルギーの消費の非常に低い省エネルギー機関としての見直しというのにわれわれ期待を持っています。ただ拱手傍観しているわけじゃありません。やがて来ると思う。やがてというより近き将来ですね。
そんなことを考えながら——戦前の貨物輸送の状況は、私も携わったことがありますが、まさに陸上における貨物輸送は、旅客輸送もそうでありますが、国鉄自体が独占的な企業とまでは言わぬでもそれに近いような経営がされておりましたね。貨物問題もそうでございますが、何しろ片道輸送しかしてない。いまトラック輸送というのは運賃ダンピングで大騒ぎをして「トラック時報」にはこんなでかい字で「認可運賃を収受しろ、過積載はやめろ」と書いてある。あれは最近新聞に出るようになったのです。鉄道の貨物輸送の競争条件として一番悪いのは片道輸送だ。生産地から消費地だ。消費地から生産地に行くのが何%かわかりませんが、昔はせいぜい二〇%ぐらいだった。だから、片方は空車を走らせなければならぬというところにロスがありますね。しかし大量輸送機関ですよ。こういうものまでやり玉に上げて新聞に発表されるということは——旅客列車のことはそれ以上の反響がありましょう。私は、そのことについてあなたに反省を求めているのです。この点はもっと慎重にやっていただかないと、私も、合理化の余地はあると思いますよ、だけれども、ばっさりやるようなことをマスコミに発表することはおやめいただきたいのですが、いかがですか。