運輸委員会

1979-05-25 衆議院 全195発言

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会議録情報#0
昭和五十四年五月二十五日(金曜日)
    午前十時四分開議
 出席委員
   委員長代理理事 佐藤 守良君
   理事 関谷 勝嗣君 理事 堀内 光雄君
   理事 三塚  博君 理事 佐野  進君
   理事 渡辺 芳男君 理事 西中  清君
   理事 山本悌二郎君
      石井  一君    北川 石松君
      玉生 孝久君    古屋  亨君
      太田 一夫君    久保 三郎君
      斉藤 正男君    坂本 恭一君
      田畑政一郎君    有島 重武君
      草野  威君    薮仲 義彦君
      小林 政子君    中馬 弘毅君
 出席国務大臣
        運 輸 大 臣 森山 欽司君
 出席政府委員
        運輸大臣官房総
        務審議官    杉浦 喬也君
        運輸省海運局長 真島  健君
        運輸省船舶局長 謝敷 宗登君
        運輸省鉄道監督
        局長      山上 孝史君
        運輸省自動車局
        長       梶原  清君
        運輸省自動車局
        整備部長    小林 育夫君
        運輸省航空局長 松本  操君
 委員外の出席者
        人事院給与局次
        長       斧 誠之助君
        警察庁交通局交
        通指導課長   矢部 昭治君
        経済企画庁国民
        生活局消費者行
        政第一課長   加藤 和夫君
        法務省民事局第
        四課長     稲葉 威雄君
        資源エネルギー
        庁石油部計画課
        長       箕輪  哲君
        日本国有鉄道総
        裁       高木 文雄君
        日本国有鉄道常
        務理事     高橋 浩二君
        日本国有鉄道常
        務理事     吉武 秀夫君
        日本国有鉄道常
        務理事     加賀山朝雄君
        参  考  人
        (日本鉄道建設
        公団総裁)   川島 廣守君
        参  考  人
        (日本鉄道建設
        公団理事)   大平 拓也君
        運輸委員会調査
        室長      榎本 善臣君
    ―――――――――――――
委員の異動
五月九日
 辞任         補欠選任
  石井  一君     河本 敏夫君
 小此木彦三郎君     倉石 忠雄君
  玉生 孝久君     足立 篤郎君
  浜田 幸一君     小川 平二君
  中馬 弘毅君     大成 正雄君
同日
 辞任         補欠選任
  足立 篤郎君     玉生 孝久君
  小川 平二君     浜田 幸一君
  倉石 忠雄君    小此木彦三郎君
  河本 敏夫君     石井  一君
  大成 正雄君     中馬 弘毅君
同月十日
 辞任         補欠選任
  河村  勝君     西田 八郎君
同日
 辞任         補欠選任
  西田 八郎君     河村  勝君
    ―――――――――――――
五月十日
 交通損害保険士の業務資格認定制度創設に関す
 る請願(藤本孝雄君紹介)(第三四〇四号)
 自動車検査登録書士制度の創設に関する請願
 (大原一三君紹介)(第三五二九号)
同月十一日
 自動車検査登録書士制度の創設に関する請願
 (田畑政一郎君紹介)(第三五八七号)
 国鉄地方線の運行確保に関する請願(小沢辰男
 君紹介)(第三六二〇号)
同月十二日
 自動車検査登録書士制度の創設に関する請願
 (青山丘君紹介)(第三八六九号)
 同外一件(河村勝君紹介)(第三八七〇号)
 同(神田厚君紹介)(第三八七一号)
 同外四件(小宮武喜君紹介)(第三八七二号)
 同(曽祢益君紹介)(第三八七三号)
 同(高橋高望君紹介)(第三八七四号)
 同外六件(玉置一弥君紹介)(第三八七五号)
 同外十五件(永末英一君紹介)(第三八七六号)
 同(楢崎弥之助君紹介)(第三八七七号)
 同外一件(山本悌二郎君紹介)(第三八七八号)
 同外一件(渡辺武三君紹介)(第三八七九号)
 同(渡辺朗君紹介)(第三八八〇号)
同月十四日
 自動車検査登録書士制度の創設に関する請願外
 四件(玉置一弥君紹介)(第四〇五〇号)
 同(中井洽君紹介)(第四〇五一号)
 同外五件(西岡武夫君紹介)(第四〇五二号)
 同(和田耕作君紹介)(第四〇五三号)
同月十五日
 自動車検査登録書士制度の創設に関する請願
 (河村勝君紹介)(第四二六三号)
 同(高橋高望君紹介)(第四二六四号)
 同(玉置一弥君紹介)(第四二六五号)
 同(渡辺朗君紹介)(第四二六六号)
は本委員会に付託された。
    ―――――――――――――
五月十二日
 国鉄能登線の存続に関する陳情書
 (第二五一号)
 国鉄ローカル線の拡充強化に関する陳情書外九
 件(第二五二
 号)
 地方陸上公共交通維持整備に関する陳情書外七
 件(第二五三
 号)
 自動車検査登録代理士の立法化反対に関する陳
 情書外一件
 (第二五四号)
 造船業等の危機打開に関する陳情書
 (第二五五号)
は本委員会に参考送付された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 参考人出頭要求に関する件
 新東京国際空港公団法の一部を改正する法律案
 (内閣提出第六六号)
 陸運、海運及び航空に関する件(総合交通政策
 に関する問題等)
 陸運に関する件(トラックの過積みに関する問
 題及び上越新幹線大清水トンネル坑内火災事故
 に関する問題等)
 海運に関する件
 航空に関する件
 日本国有鉄道の経営に関する件
     ――――◇―――――
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佐藤守良#1
○佐藤(守)委員長代理 これより会議を開きます。
 本日は、委員長が所用のため出席できませんので、委員長の指定によりまして私が委員長の職務を行います。
 新東京国際空港公団法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 趣旨の説明を聴取いたします。森山運輸大臣。
    —————————————
新東京国際空港公団法の一部を改正する法律案
    〔本号末尾に掲載〕
    —————————————
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森山欽司#2
○森山国務大臣 ただいま議題となりました新東京国際空港公団法の一部を改正する法律案の提案理由につきまして御説明申し上げます。
 新東京国際空港は、長期にわたっての航空輸送需要に対応し、将来における主要な国際航空路線の用に供することができる空港として、新東京国際空港公団において、その建設を鋭意進めてまいりましたところでありますが、関係各方面の御協力を得て昨年五月二十日開港に至り、現在、ほぼ順調に運営されております。
 今後とも、地元の理解と協力のもとに、日本を代表する国際空港としての新東京国際空港の整備、拡充を行ってまいる所存であります。
 ところで、新東京国際空港の運営につきましては、新東京国際空港公団が行う業務と空港関連事業者が行う事業が一体となって行われることが必要でありますが、同空港の円滑かつ効率的な運営を確保していくためには、同公団が、これらの事業に対し投資することができることとすることにより、これらの事業の着実な遂行を確保していく必要があります。このため、この法律案を提案いたしました次第であります。
 次に、この法律案の概要につきまして御説明申し上げます。
 この法律案は、新東京国際空港公団が、運輸大臣の認可を受けて、同公団の委託によりその業務の一部を行う事業及びその業務と密接に関連する事業で新東京国際空港の円滑かつ効率的な運営に資するものに投資することができることといたしますとともに、同公団の業務の範囲、大蔵大臣との協議等の規定につきまして所要の改正を行うことといたしております。
 以上が、この法律案を提出する理由であります。
 何とぞ慎重御審議の上、速やかに御賛成いただきますようお願い申し上げます。
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佐藤守良#3
○佐藤(守)委員長代理 これにて趣旨の説明は終わりました。
     ————◇—————
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佐藤守良#4
○佐藤(守)委員長代理 次に、陸運、海運、航空及び日本国有鉄道の経営に関する件について調査を進めます。
 この際、参考人出頭要求に関する件についてお諮りいたします。
 本日、陸運に関する件について、日本鉄道建設公団総裁川島廣守君及び理事大平拓也君の両君を参考人として出席を求め、意見を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
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佐藤守良#5
○佐藤(守)委員長代理 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。
    —————————————
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佐藤守良#6
○佐藤(守)委員長代理 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。渡辺芳男君。
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渡辺芳男#7
○渡辺(芳)委員 初めに、森山運輸大臣の最近の新聞発表などについてお尋ねをいたします。
 あなたは大分マスコミ好みのようで、そのマスコミを通じて実は私どもはよく知っておるという状況にあります。私どもは、こうして国会の一員として法案の審議なり運輸行政についていろいろ質問をする機会がありますが、どうも最近の状況を見ておりますと、多少一人芝居をやっているような気がいたしてなりません。具体的に申し上げますが、たとえば先般五月十五日から新聞に数日間にわたって非常な反響を持ちましたものがございます。夜間の列車を全部とめる——これは新聞の表現ですよ。これはもう国鉄の本来の機能というものを完全に否定をするということになりましょう。国民生活、国民経済に大変な影響を及ぼすということにもなりましょう。ローカル線の対策というものが真剣に行われていますが、そんなものじゃないですね。このことの反響というものをどういうふうに考えておられるのだかわかりませんが、少し無神経ではないか、こんなふうな気がいたします。
 新聞の報道するところによりますと、五月十四日に高木国鉄総裁に対して、夜間寝台特急や急行列車をやめたらどうか、貨物もやめたらどうか、急ぐ者、用事のある者は、新幹線や飛行機で行けばよい——新聞の報道です。私もこの夜間の寝台特急などを利用した経験は最近もあります。それはその人の日常生活なり行動なりにどうしても必要だ、あるいは運賃の関係もありましょう、時間的な問題もありましょう。みんな一様な生活をしているわけではありません。そのために夜間列車もあるわけです。大変むちゃなことを言うのではないか。あなたはどういうお考えでこういうふうなことをおやりになったかお伺いします。
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森山欽司#8
○森山国務大臣 まず最初に、マスコミ好みというお話がございましたが、私は、格別そういう顕示的に行動しているわけではございません。私どものやっている仕事は、国民が見ている仕事でございますから、そのそれぞれの段階においてわれわれが何を考えているかということについて、記者会見等において十分意のあるところを申し述べておくことは必要である、要するに秘密主義でやらない、そういう物の考え方でやっておるわけでございますから、どうか意のあるところを十分御理解願いたいと思います。
 次に、いま私どもがいろいろ考えておりますことは、国鉄の財政が極度に悪化しておるということでございます。御承知のとおり、昭和五十四年度の実質赤字は一兆二千億円、内訳は政府助成が三千億円、純粋な赤字が八千億円。しかし一兆二千億円というのは損益計算上のことでございまして、あなたも国鉄出身でございますから御承知のとおり、昭和五十年に二兆五千億円の赤字のたな上げをいたしました。そのための利子が別に千七百億円あるわけでございまして、しかも累積赤字は六兆二千億円に及んでおります。これに対する利払いだけで五千五百億円……(渡辺(芳)委員「そんなことはわかっている」と呼ぶ)そしていま申し上げました千七百億円を入れますと、七千二百億円の利払いでありますから、一日二十億円の利子をいま国鉄が支払っておるという現状でございます。民間企業で申しますれば、もう破産とか倒産とかいうような状況ではないか。
 いま、おわかりになっているというお話がございましたが、この問題をどう解決していくかという観点からこのための施策をいろいろ考えなければならぬ。最終的には六月末に国鉄の側から意見が出てまいりまして、私どもがそれを十分検討いたしまして、従来でございますれば、八月末の昭和五十五年度予算に具体的にこれを反映していくようにしなければならないという状況にあるわけでございますが、その前の段階におきまして、国鉄側と機会あるごとにいろんな問題で意見交換をしていかなければならないという状況下にあるわけでございます。
 非常にむずかしい状況にありますために、一々その点について申し上げませんけれども、たとえば国鉄の減量経営はどうやって実現していくか。すでにことしの四月でございますか、労働組合の幹部の方々に申し上げたわけでありますが、現在働いている人のいわゆる生首を切るような形における減量経営は考えないけれども、年齢構成が非常に年配の方が多いわけでございますから、たくさんの方がおやめになる、その後補充については、これはひとつ一緒になって考えようではないかということを申し上げておるわけであります。しかし、それにいたしましても、いま現在、国鉄は四十二万の職員を持って二十六万人の年金受給者を抱えておるわけであります。もし仮に、これは仮にでございますが、十万人仮に減るといたしますと、四十二万人が三十二万人になる、それを分母にいたしまして分子の年金受給者は二十六万プラス十万で三十六万になる。現在においても百人に対して六十一人の年金の成熟度でありまして、こういうような企業体はほかには全くございません。この問題は避けて通れない問題でございますから、しかも、それが百人で百人以上を賄わなければならないときどうするか、これはもう国鉄だけでやっていける問題ではありませんので、そういうことについては、大蔵省の方ともこれを詰めていかなければならないというような問題があるわけであります。
 赤字線の問題、AB線の問題等もあるわけでありますが、地方ローカル線の赤字は三千億であります。ところが、幹線の赤字は六千億であります。もし赤字線の問題を処理するのならば、幹線の問題についての処理のめどをつけずして赤字線の問題を処理するということは——これは皆さんも御承知のとおり、それぞれ選挙区をお抱えでございましょう。この熾烈な地元の要請にこたえるためには、国鉄全体としてこれにこたえるような体制をつくっていかなければならない。
 そういう観点からまいりまして、たとえば新幹線が東京−大阪−博多というふうにできたにかかわらず、東京から鹿児島までという特急列車が依然として走っていることが適当であるのかどうかというような問題、すなわち夜間の列車の問題に触れるわけでございますから、そういう問題についても検討してみたらどうだということは、私は、当然のことであろうと思っておりますし、そういうことについてひとつ調べてもらいたいということでございます。
 したがって、新幹線を開業している東海道、山陽線については、新幹線と並行在来線とがそれぞれの特色を十分に発揮できるように効率的な運営を図る必要がある、こういう考え方からいたしますと、新幹線は中長距離都市間輸送を中心に、また在来線は近距離の地域内旅客輸送及び貨物輸送を中心に機能を分担していくことが望ましいという一般論は出てまいるわけでございます。
 そういう観点から仮に物を見た場合、現行のダイヤが以上のような考え方で作成されているかどうかを検討しなければならない。昼間については博多開業前に三十六往復あった在来線の特急、急行が全廃されておりますけれども、夜間については東京及び関西と九州各都市を結ぶ寝台列車、いわゆる「ブルートレーン」というものがまだかなりの本数運行されておりまして、その利用率を見ると必ずしも高い列車ばかりではありません。特に関西から出る夜行列車は、全部四割以下の利用度になっておるということが判明をいたしました。また新幹線開業後は博多あるいは小倉で新幹線と在来線を乗り継げば、九州各都市への昼間時間帯に旅行することが容易になっておる。さらに最近は航空輸送の利便も向上しておる。こういう新幹線開通後の、また最近の航空需要の変化というものを考慮いたしますと、九州方面への「ブルートレーン」を廃止することができないかどうかは検討する価値のあることでございますから、これを検討したらどうかということでありまして、まだ最終的な結論はそういうように決まっておるわけではございませんが、しかし、先ほど申しましたような国鉄の赤字問題、いままでは赤字線は地方ローカル線ばかりを押しておった。しかし、幹線自体だって考える必要はないのか。そういう意味で、いわゆる「ブルートレーン」の問題についても検討を要するのではないかということで、そういうことが問題になっているということの話をしたわけでございまして、私は、これは運輸大臣としてはやらなければならないことをやっただけであって、いままでそういうことが大きく問題にならなかった方がおかしい、そのように考えておる次第であります。
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渡辺芳男#9
○渡辺(芳)委員 新聞の報道と大臣、あなたのいまお答えになったこととは違います。私は別に、新聞の報道を盾にしてものをやろうというふうなことでいつまでもがんばるつもりはない。だがしかし、夜行列車の全廃、こんなことはむちゃだ、その一環として七万人を削減する、こういうことはいまあなたが答弁された内容とは違うのです。マスコミの影響というのは非常に大きいものですから、何かぽっとニュースソースで出てきた、それが一日で終わりだ、線香花火で終わりだ、こういうことではない、四、五日間にわたってこの問題は各新聞をにぎわしておる。それだけ反響の大きいものです。端的に言えば相当なことを申し上げなければ、新聞は書かないという判断をわれわれはしている。マスコミの影響を重視しているから私はこのように言っているのです。
 いまあなたは、いろいろ国鉄の現状をお話になりました。私どもも、それは知っておるつもりでございます。五十年に国鉄財政再建に関する閣議了解事項というのがありました。私は、当時落選をしておりましたが、今度当選をしてまいりまして、二年間で国鉄の財政の収支をとんとんにするような閣議了解事項というのは無責任じゃないか、こういう意見をたびたび私はこの委員会に所属してから申し上げてきました。私どもを初め多くの議員の皆さんも、それぞれの立場でやられたと思います。その結果、一昨年の十二月ですか、福永大臣が新任をされてから、それもそうだということになって、私どももそのときには率直に意見を申し上げました。各党の皆さんも申し上げました。大臣やあるいは運輸省の官僚の皆さんだけでやったのじゃないのです。権威ある閣議了解事項であるから、実際的に取り組めることを少しやろうじゃないかということで、われわれその内容については不満もありましたが、しかし、いままでよりはよほど前進をしている、六十年代における国鉄の再建方策を逐次決めていこう、こういう趣旨のもとにあの閣議了解事項は改められたのです。
 いまあなたが言われましたように、確かに国鉄というのは——これは日本だけではないんですね。同じ資本主義諸国、西欧諸国の鉄道もそうでございますが、確かに、戦後復員をされた皆さんに職場を与えたというか、とにかく復帰さした、あるいは就職をさした、ああいう非常に混乱をした状況でございますから、どうしてもそういうものを背負わざるを得なかったでしょう。これは宿命的な状況ですね。したがって、これにも頭を痛めております。いまの財政状況についても、われわれ無責任じゃないのです。だから、いろいろな意見を言っているのです。しかし、これほどマスコミが重大な事項として取り上げるようなことについて、あなたがどういう反響があると見たか知りませんが、先ほどの答弁によると違うから、これは慎重にやらなければいけないなと思うんですよ。だから、私は意見を申し上げている。
 夜間の貨物列車を全部廃止するようなことも書いてあります。いま国鉄の輸送の内情を見ておりますと、確かにトラックに食われておる。あるいは私は、後で申し上げますが、自動車行政というのは、何遍も言っているのですが、よくないのです。許認可行政のあり方もよくない。基準もよくないと思っている。後で申し上げますが、内航海運だってそうでしょう。運賃ひとつ決めてないじゃないですか。オペレーターはどうやらつかむことはできるけれども、オーナーをつかむことはできない、こう言っている。三月十六日に先輩の久保さんが質問されております。そのとおりです。片方は何もない。運賃一つ取り上げてもそうです。国鉄だけは一律だ。飛行機は路線別だ。いろいろありますね。だから私どもは、交通体系だ、交通政策だというのをいろいろな角度から言ってきました。
 何はともあれ、夜間の貨物運行を廃止するということは、貨物列車の取り扱いをやめよということになりましょう。いま年間一億トンぐらいですね。そしてまあ一部のバルキー貨物だけを輸送していればいいじゃないか、こんなふうなことも新聞には出ています。いま十万両の貨車がありますよ。千本の貨物列車が動いている。しかし、やがて——あなたは私よりも先輩で、いま私は苦情を言っているけれども、いろいろな角度から見ておるのでしょうが、いま目の前にあるあの原油の値上がりというのは大変な状況にありますね。エネルギーの消費の非常に低い省エネルギー機関としての見直しというのにわれわれ期待を持っています。ただ拱手傍観しているわけじゃありません。やがて来ると思う。やがてというより近き将来ですね。
 そんなことを考えながら——戦前の貨物輸送の状況は、私も携わったことがありますが、まさに陸上における貨物輸送は、旅客輸送もそうでありますが、国鉄自体が独占的な企業とまでは言わぬでもそれに近いような経営がされておりましたね。貨物問題もそうでございますが、何しろ片道輸送しかしてない。いまトラック輸送というのは運賃ダンピングで大騒ぎをして「トラック時報」にはこんなでかい字で「認可運賃を収受しろ、過積載はやめろ」と書いてある。あれは最近新聞に出るようになったのです。鉄道の貨物輸送の競争条件として一番悪いのは片道輸送だ。生産地から消費地だ。消費地から生産地に行くのが何%かわかりませんが、昔はせいぜい二〇%ぐらいだった。だから、片方は空車を走らせなければならぬというところにロスがありますね。しかし大量輸送機関ですよ。こういうものまでやり玉に上げて新聞に発表されるということは——旅客列車のことはそれ以上の反響がありましょう。私は、そのことについてあなたに反省を求めているのです。この点はもっと慎重にやっていただかないと、私も、合理化の余地はあると思いますよ、だけれども、ばっさりやるようなことをマスコミに発表することはおやめいただきたいのですが、いかがですか。
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森山欽司#10
○森山国務大臣 あなたのお話を承っておりますとあれですが、私の言わんとするところの真意は、私の話した範囲内においては御理解を願っておると思います。先ほどお話がございましたように、昭和五十年でございますか五十一年でございますか、二兆五千億円の累積債務のたな上げをした。そのとき計画ができたのだそうでございますが、それがほとんど計画倒れに終わってしまった。いろいろ御批判を受けたことは私も伺っておりますし、また私も、計画は立てたけれども計画倒れに終わるような計画を何回もやるということは一体どんなものだろうと考えておる一員であります。
 一昨年の暮れに「国鉄再建の基本方針」というのが閣議了解になりました。その基本は、与野党を通じての「国鉄再建の基本方向」というものの線に乗ってあの閣議了解ができたものでございますから、したがって、あの了解の線に沿って今後とも進んでいかなければならない、そういうふうに考えておるわけであります。
 それから、夜行列車の整理の問題につきましては、これは私が話をしたのはその限度でございますけれども、他のいろいろなコメント等があったのでございましょう、新聞にいろいろ私どもが考えている以上の線があるいは記事として出たのかもしれません。そういう点につきましては、十分これから配慮してまいりまして、真意が伝わるように、そしてオーバーにはならないようにという努力はこれから相努めてまいりたいと考えておるわけであります。
 それから、夜間の貨物列車の問題につきましては、先ほど新幹線が通っている区間における在来線の夜間の運用ということの中で、旅客問題についてはそういう疑念を呈したということとともに、しかし、夜間は貨物列車が通っているのだ、こういうことでございまして、それは一体どうしても必要なことなのかどうかという点も私は疑問といたしたわけであります。それによりますと、まだ最終的に結論を得ているわけではございませんけれども、新幹線ができまして昼間の線は新幹線の方に重点が移行してまいりますから、昼間の在来線は相当あいてくる、したがって、それを貨物の方に利用していくということは、実際はわかりませんが、常識的には可能ではあるまいかという憶測を持っておるわけであります。しかし、どうしても夜通さなければならないものがあるというふうにも聞くのであります、新聞雑誌とか生鮮食料品とか。しかし、その新聞雑誌とか生鮮食料品にいたしましても、すでに八割方トラックに食われておって、残る二割が国鉄を利用しているというようなことでございますから、そういう現実を踏まえて国鉄といたしましても、旅客のほかに貨物の方も恐らくいろいろ考えていかれるのではないかと思っておるわけであります。
 御承知のとおり、貨物につきましては、昨年の十月にダイヤの改正を行い、また来年の十月にダイヤの改正を予定しておるわけでございます。そういう点を踏まえまして、国鉄の方でいろいろな疑問点、いろいろな問題点、それらの点を整理されて、現段階における幹線についての最善の策を講じてもらえるものであると私は考えておるわけであります。
 しかし率直に言えば、そういうような疑問を申しませんと、全部ローカル線が悪い、ローカル線が悪いというようなことでは困ると私は思っておるのでございまして、やはり幹線に問題あり、それは旅客輸送にも貨物輸送にも問題ありということを指摘しなければ、国鉄全体の運営というものに対しては片手落ちになる、そういうふうに私は考えておるわけでございます。
 渡辺さんは専門家として私などよりも国鉄の事情をよく御存じでございましょうが、私の素人考えと申しますか、素朴な疑問の中にも解決しなければならない問題点があるのだというふうにひとつ御理解を願いたい、こう思います。
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渡辺芳男#11
○渡辺(芳)委員 大臣、私は、貨物列車がロスがないなんというようなことは考えておりません、私も貨物輸送に携わったことがございますから。いまは事情が戦前とは違っておりますが、多少歩いてきた道というのはすぐわかるものです。一番国鉄を縛る諸法律、規則なりなんなりというのが、一々申し上げませんが、戦前のままになっているでしょう。陸上輸送の中における国鉄は、あるいは内航海運、貨物船も発展をしない時期だ、飛行機も発展しない時期だ、こういう時期でありますから、国営企業であるし、全国にネットワークでずっとつながっている線路でございますから、それはそれで済んだ。しかし、法律の体系というものは戦前のまま、この中で再建をやろうというのはどこかに無理がある。全般的な洗い直しをやれということを、たびたび交通政策の中では言ってきたつもりです。これはあなたには、大臣になってから初めてです。
 一つ現実的な問題を申し上げます。
 国鉄が貨物の合理化を徹底的にやろうということで取り組んでおりますね。昭和五十年に千六百三十四の貨物取り扱い駅があった、これを五十五年までに半分以下にしようというのです。そして各地域にそれを公表して、貨物の取り扱いについて影響がある——影響があると言うとなにですが、関連がある荷主なり自治体なりに話をする。まあ素直にいっているところも一部ありますよ。しかし、その大半というのは大変深刻な受けとめ方をしています。そのためになかなか貨物の駅の廃止が思うように進捗をしていないというのが実情でありましょう。
 五十三年十二月の資料を国鉄からもらいました。千四百十五の駅が、残っていると言うとおかしいけれども、貨物の取り扱いをしている。さんざんやってきたのでございましょう、二百十九の駅が廃止になりました。中には、市町村長が管理局長のところに座り込んでいる。それも一日や半日の座り込みじゃないですよ。大変なことです。私も政治家ですから、それはいろいろな陳情を受けます。その人たちに必ず言うのです。荷物を出してください。別に国鉄総裁や運輸大臣のちょうちん持ちをするわけではないが、どんどん減っていって閑古鳥が鳴いていれば廃止をするようになるでしょう。残念ながら独立採算制で赤字で大騒ぎされている国鉄ですから、これは言いますよ。こういう状態の中で何か一刀両断式のようなことをやられることは、どうにも私は納得できないということで今日言っているのです。実情というのはそういうものです。だからともかく、大臣の指示を受けたかどうか知りませんが、国鉄ではやっておると思うのです。
 ひとつ実情を聞きたいのです。貨物列車がいま大変やり玉に上がっていますが、道交法の改正が昨年の十二月にありました。国鉄がふえたのじゃないかなどというようなことをよく言われました。これはトラックの大型化に切りかえた。これが大半でしょう。あとは内航海運に転換していったというのも私も断片的には知っています。国鉄のいまの貨物輸送の状況はどういう状況にありますか。
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森山欽司#12
○森山国務大臣 その前に……。せっかくの御質疑の中で、エネルギー問題が非常に重要だ、私もそう考えておるのです。そのことを念頭に置きつつ、まず国鉄の運営、経営というものをコンパクトなものにしておく必要があるというふうに一つは考えておる点を御了解願いたいと思います。将来のエネルギー事情を全く度外視して考えるつもりはいささかもございません。そういう点を常に念頭に置いてやらなければならぬと思います。
 それからもう一つは、一刀両断的とおっしゃいますが、やはりそういう方向で物を考えたらどうかということを国鉄に対して話しているのでございまして、一挙にできるとは考えておりませんから、昭和五十年代に収支相償うということ自体がなかなか容易ならざるものであるとさえ私は考えております。相当長期に物を処理しなければならないという考え方でやっておりますが、方向といたしましては、やはり幹線の部門、要するにローカル線の部分じゃなくて幹線の部分において改善すべき問題点というものは遠慮なく取り上げてまいりませんとね。実は私は、国鉄は昭和三十年以来労働問題を通じてずっと長い間のおつき合いがあります。運輸省というところは私はほとんど行ったこともございませんし、知り合いもございませんが、国鉄はかなり長いつき合いをしております。その私が運輸大臣になってみて初めて、国鉄の経営内容というものがこれほどの状態になっておるのかということを——それはいままで不勉強だといえば不勉強でございますが、かなり関係があってもそういう問題に対する認識が浅かったということは偽らざる事実でございます。したがって、そのためには相当思い切ったことを時間をかけてやらないとこれは解決しないぞという感じでいま臨んでおる。具体的な数字合わせは六月末からこれに入るわけでございますけれども、果たしてその帳面じりのつじつまが合うかどうかということについてはまだわかりません。しかしとにかく、そういう方向で努力してまいりませんと、一般の国民は国鉄の赤字の状況についての認識はきわめて浅かったわけでございますし、いろいろな問題点があることについての認識も浅かったわけでございますから、やはりそういう問題について国鉄当局に——これはもう頭のいい人ばかりそろっておりますから、問題点はよく御承知なんでありますから、それをただ頭の中だけではなくて行動をもって対策を示していただく必要があるような現段階になっておる。そういうことでいろいろ物申しておるわけでございますから、どうかひとつ、この間の経緯につきまして格別の御理解をお願いします。
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吉武秀夫#13
○吉武説明員 貨物の実勢でございますが、おかげをもちまして、昨年の上期は余り情勢がよくなくて対前年度を少し下回っておりましたが、下期に入りまして増勢に転じまして、年間を締めてみましたところが、底落ちも入れまして大体一〇一%くらいということで、下期にかなり強気になってきて、その情勢が現在も続いておるということで、大体八年ぶりに貨物は対前年を上回ったということで大変喜んでおります。
 その原因はいろいろありまして、先ほどお話のありましたような道交法の関係もございますし、それから安定輸送といいますか、かなりトラブルが少ないというようなこと、それからかなり営業活動もやったわけでございます。景気の全般的な上昇とかそういったような、大きく挙げますと、四つくらいの点が渾然となって国鉄の貨物輸送を押し上げておるという要素があって、一つ一つがどういうふうな数量になるかということはわかりませんが、ここのところ非常に調子がよろしいというふうに申し上げてよろしいかと思います。
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渡辺芳男#14
○渡辺(芳)委員 大臣、もう一つ二つばかりおつき合いしていただきたい。
 東名・名神の高速自動車道、この夜行バスの「ドリーム号」の指定料金が五百円のものを二百円の値上げの申請を国鉄がした。あなたはそれを聞いたのでしょうが、東京陸運局に今度は申請をし直したというのが同じころ新聞に出ている。五百円が千五百円に三倍の値上げ、これは大変だ、これが新聞の表現なんですね。大臣でございますから、いろいろ監督権もございましょう。経営計画をおまえ出してこい——私も調べてみましたが、いろいろありますが、ともかくこれはどうもおれの気に食わぬと言うて頭越しでやられるようなことはどうかと思うんですよ。
 それで実は、現場の職員に聞いたのです。この夜間の「ドリーム号」の利用客というのはどういう層が多いか。全般的に東京から大阪の方まで全部聞いたわけではございませんが、学生が多いのですよと言うのです。これは確かに料金が低いんですね。たとえば東京−富士、東京−静岡あたりの運行時間を見ておりますと、新幹線で走れば速いのですが、急行の時間帯くらいで行くわけです。でありますから、どうしてもこの運賃、料金が安いからこれを利用するのです。しかし、いつも満員じゃないのです。時間帯によって非常に乗車効率の高いやつがある。特に「ドリーム号」というこの夜間のやつは高いと言われているのです。ちょっと弱い者いじめになるのじゃないか。実は私も、これは意見があるのですが、現実にはこういうふうな状況に、大臣がどうもクレームをつけてやられたという状況になるのですか、これは。いかがでしょうか。
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森山欽司#15
○森山国務大臣 「ドリーム号」の問題があるということを自動車局−自動車局というのは運輸省にありますので、普通国鉄と言いますと鉄道監督局の仕事なんですが、自動車局の方からそういうお話を聞きました。
 それで、聞いてみますと、東京−大阪間が国鉄が今度二百円上がった。鉄道の方が二百円上がったから、いままで五百円の料金を二百円つけて七百円にしたい、こういう申し出があったのだということを聞いたわけであります。
 それで私は、調べてみましたところ、あれは「銀河」でございますか、寝台急行の「銀河」それから新幹線、これは片方は夜間寝台、片方は夜は通っておりませんが、大体二百円上げまして九千五、六百円なんでございますね。そして夜間通る乗り物はもう「ドリーム号」だけ。民間のバスは前はあったらしいのですけれども、いまはもうやめておる。そして直通で、ノンストップで東京−大阪間を行くというわけであります。飛行機も飛んでおりませんからね。したがって「銀河」も新幹線も九千五、六百円である、そして夜間はもう「銀河」が出た後でありますから汽車もない、民間のバスもない、飛行機も飛んでないということでありますから、それを利用される方はそれなりの利用価値をお認めになっての上のことであろう。そこで、いままでの五千五百円を二百円上げて五千七百円という値上げは、鉄道が二百円上がったから二百円上げるということは安易ではないか。この夜間バスを初めとするバスの収支計算を見ますと、約二割赤字であります。したがって、国鉄としてはその赤字を埋めるような努力をすべきではないか。鉄道が二百円上がったからバスも二百円だというのは余りにもおざなりではないか。そして仮に千円上げたといたしましても、まあ結果はそういうことになったわけでありますが、六千五百円であります。寝台急行並びに新幹線よりもまだ三千円も安いというわけでありますから、少しは商売気を出して国鉄も仕事をしてもらわなければ困りますよ、鉄道が二百円上がったからバスも二百円でいいという、そんなおざなりのことをやっていてこの国鉄の再建ができますか、そういう意味で私は意見を申し述べたわけであります。
 その意見が通りまして改めて申請があったということは、私は結構なことだと思っている。国鉄に必要なものは何か。やはりこの国鉄の危機というものを痛感して何とかして収支相償うような努力をする、経営努力をすること、そしてある意味においては商売気を出してやっていくということ。もちろん公共性のことは考えなければなりませんが、その公共性は、いまの新幹線並びに夜間寝台よりも三千円も安いわけでございますから、他に利用する飛行機もなければ鉄道もないわけでございますから、その程度の商売気を出してもらわなければ国鉄の立て直しはできないというふうに考えまして、私は、一つの例示と申しますか、そういうふうに万事物を考えてやってもらいたいという意味で意思表示をしたわけであります。
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渡辺芳男#16
○渡辺(芳)委員 大臣、端的に言えば大幅過ぎるのです、正直に申し上げれば。五百円を千五百円にして千円上げるというのは、あなたの感覚では、まあ新聞ですから、私は国鉄から聞いておりませんが、新聞だと八億円余の赤字路線であるからもっともうけろ、こういうことの発想で、それはそれなりの発想もあると思いますよ。だがしかし、この「ドリーム号」に乗るという客層を別に甘えさせるわけではないのですが、ともかく公共料金はどの場合でも話題になるのは物価に対する影響だ、こういうことにもなっていますから、私は、どうもその発想でやられるということは、余りにひど過ぎるのじゃないかな、こういう感覚を直感的に持ちました。でありますから、申請のし直しをしてあるのですが、ここで議論をしても、陸運局長のやることでございますからね……。しかし、いずれにしても余りに大幅の値上げ過ぎるから再考をするようなことができませんか、これはいかがですか。
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森山欽司#17
○森山国務大臣 国鉄の運賃が全般的に見て割り高であり、すでにこれ以上の値上げは困難な情勢にあるということは、私から申すまでもないと思います。たとえば小田原まで行く、箱根まで行くという際に、小田急の、あれはロマンスカーというのですかね、あれに乗ってまいりますと、その急行賃をまぜましても八百五十円です。ところが東京−小田原間を新幹線で参りますと二千五百二十円です。そういうようないまの運賃の立て方になっている現状でございまして、私は、そういう点こそ重視してこれからやっていかなければならないと思っておるのでございまして、赤字を生み出す問題について国鉄企業内で解決し得ることについては、やはり最善の努力をしたらどうか。料金だけから言えば三倍かもしれませんよ、しかし、五千五百円を六千五百円に上げて、しかも新幹線は九千五、六百円、それから寝台特急の「銀河」はやはりほぼ同額、三千円も差があるわけでございますから、まあ、そのぐらいのことは、ひとつ国鉄の現状から言ってお考え願う必要がある、そのくらい国鉄は行き詰まっているのですから。それならば、私から言えば、小田原までロマンスカーに乗って八百五十円で行けるものが二千五百二十円になって、しかも、そういう運賃改定をするというその神経こそ、私はむしろ問題だと思っているのです。
 あなたが御指摘になった点を、確かに上げなくて済むものなら上げたくありません。しかし、すでに二割方の赤字になっておる路線でございますから、その路線独自で埋め合わせられるものなら埋め合わせをする。それよりも小田急の三倍の運賃がなければ追いつかないというような今日の国鉄の経営全体こそ問題である。そういう料金のつけ方こそ問題である。だから、私はそういう点にむしろ重きを置く。国鉄の今日の現状というのは、なりふり構っておっては打開できるものではありませんからね。しかし、公共性というものは常に頭に置き、長期についてはエネルギー状況というものを十分考えて、とにかく時間をかけて解決していかなければならない問題だと思っております。
 ですから、どうかひとつ、今度の「ドリーム号」の問題につきましては、いろいろ御意見もありましょうが、ひとつあれでやらしていただいて、今後の成り行きを見ていきたい、こういうふうに考えております。
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渡辺芳男#18
○渡辺(芳)委員 運賃の問題を議論すると、大臣、これはいろいろあるのです。新宿から品川を回っていくのとこっちへ行くのとは違います。これはいつも率直に言うけれども、私どもの演説の内容としてはだれかがやっておった、一番あそこが目につくから。小田急も上げないでしょう。そうして安藤社長もそういう意味では、おれのところは安いと自慢するかもしらぬ、あの人は会長ですかな……。だが、それは地方と都市圏とは違いますから、こういう議論をすると三時間ぐらいないと困るのですが、いずれにしても、いろいろ意見があるようでございまして、あなたは、一遍言い出したことは、これはもうてこでも動かないようなことをいま言われましたが、私は不満ですよ。このやり方は不満です。余りに上げ過ぎている。
 もう一つ鉄建公団の関係で、いま鉄道建設公団がAB線の工事をしているのが四十一線あるのですが、私の手元にあるのは、部分開業をしているところが十一線、全然未開業のところが三十線、これはずいぶん古い話ですが、先ほどちょっと私が触れましたけれども、戦前の大正十一年の鉄道敷設法、これに根拠を置いていますね。中には開通したところもあります。しかし、その別表から削除もされていないのだから検討もしていないのかなと思う。あなたが、運政審のローカル小委員会の答申に基づいて運輸大臣の名前で関係の府県知事に書面を出されました。これも一つは私も後で聞いて大変ショックでしたが、このローカル線、AB線を建設する、あるいは延長をする場合に、鉄道建設審議会——延長する場合はそうじゃないですが、新しく工事を起こそうという場合には、鉄道建設審議会の議を経て運輸大臣が工事命令を出すことになっていますね。私も、この書面を見てびっくりしたのですが、あの法律には、昔のことですから、工事命令を出して鉄道を建設することになっているわけですね。いま国鉄が大変な赤字であって、これから背負わされる、これはまた大変なことだ。ローカル線の問題は私どもも議論をしてきたところです。その限りにおいては、その一部は私もあなたと意見が一致をするところもありますが、簡単に言えば、ローカル線の小委員会で答申があったから、ひとつこれもやってしまおうか、言葉が過ぎるかもしれませんが、そういうわけで、八十島委員長ですか、朝日新聞かに大きくインタビューが出ておりますが、なかなかいいことをやっている、こう言うのです。凍結をしている、こう言うのです。予算の配分をしない、こういうふうなことを言っています。私は一度、建設審議会の権威のこともございましょう、そうして鉄道建設をするについてはこういうこともやりましょうということで国会には報告をされますが、いままでいろいろなことを、いま私があなたに言っていること、意見を申し上げていること、こういうことも含めて、事の次第によって余り反響が大きい、あるいは重大な結果を及ぼす、こういうふうなことは、私どももやはり国権の最高機関の構成の一員でございますから、おやりになる前に、私どもに資料として出して説明をさせるぐらいの手順を踏んでもらわなければ困ると思います。これはいいと思ってやられることですが、それはひとつ、私の方から今後のことについて御要望申し上げますが、このことはどういうふうに処理をされますか。このAB線についてどういうふうに処理をされますか。
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森山欽司#19
○森山国務大臣 きょうは事務局も来ておるのですが、もっぱら事務局も兼ねまして御答弁しなければならないので、これはなかなか容易ではございませんが、御承知のとおり運政審の小委員会で八十島さんが委員長になりまして答申が出ました。その答申に対しまして、私は答申の線に沿って検討するということで今日に至っております。これは赤字線の問題であります。地方ローカル線の問題であります。一言にして申しますと、輸送密度が一日一キロ四千人以下のところはバスに切りかえたらどうだという御提案でございます。私も、あなたと同じように政治家でございますから、そういう案をそのままうのみにして、普通ならば答申が出れば答申を尊重して実施しますというような返事をするのでありますが、答申の線に沿って検討すると言ってふところの中へ入れっ放しということでございます。それでも国鉄労働組合と動力車労働組合は、決まりもしないものを相手にしてストライキをやったことは御承知のとおりです。警くべきことだと私は思っておりますが、よけいなことでございますが、つけ加えて申し上げます。
 そこで、その赤字線の問題をどう処理するかというのは今後の問題でございますけれども、しかし今度は、現在やっておるところの路線、この工事中の路線、そしてでき上がったら、やはり輸送密度四千人以下のものも出てまいるわけでございますから、それが非常に多い、大部分でありますから、したがって、現在ある線でさえもバスに切りかえたらどうだと言っているときに、これからつくったらそうなるかもしれない公算がきわめて大きい問題を、それをそのまま従前どおりの予算配分でやってよろしいかどうかということは、これは大きな問題でございます。現に私のところには、鉄建公団の方から一案は提出されました、が、これまた私が押さえておるというのが現状でございます。
 それにつきましても、私は、これは単に国鉄の赤字というような問題ではなくして、やはり国土の均衡ある発展とか地域的格差の是正とかそういう問題を考えていかなければなりませんから、したがって、そういう意味で地元知事さんが地方交通体系の中でどういうふうにこの問題についてお考えになっているか伺いたい。赤字路線のときはこんなになっていますよということでお手紙を差し上げたのでございまして、事務的にこれについてイエスかノーか、何月何日までに返事しろというような趣旨の手紙ではございません。幸い私のところには、しばしばたくさんの知事さんが来られます。特に最近来ますのは空港の問題であります。空港を整備したい、滑走距離を大きくしたい、新しく空港をつくりたい、それともう一つは、航空路線の増発の問題でございます。知事さんがお見えになりますから、航空の問題についてのあなたの御希望はよくわかりました、しかし、総合交通体系から見れば鉄道問題もありましょう、あなたのところには赤字線もありますよ、AB線もありますよ、それについてどういうようにお考えですか、そのことだけでは知事さんはなかなかお見えにならないのです。しかし、航空関係で私のところへお見えになるものですから、すでに十県ほどの知事からは感触というようなものはお伺いをいたしておるわけでございます。これである程度の感触を得たところで、私の考えでは、鉄建審の委員の各位にも御相談をしなければいけませんし、それから野党の代表の方にも、こういう情勢になっている、さてどうしようかという御相談はするつもりであります。がしかし、まだその時期は来ていないのでございますから、渡辺委員におかれましても、あなたが運輸大臣になられたときの手順というものをお考えになられても、あなたが大臣になりましても、私以上に細かな配慮を払ってやるということはなかなかむずかしい状態にあるということもございましょうし、事の成り行きは進行中でございますから、どうかひとつ格別の御理解をいただきたい、こう思っておるわけでございまして、どうか私の立場を御了解くださいますようにお願いいたします。
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渡辺芳男#20
○渡辺(芳)委員 印象としては少しやることが荒っぽい、そういう印象を受けているからいろいろ苦情も申し上げているところです。先輩のあなたに言うことは、こちらはもう重大な決意を持ってやっているのです。そういう意味では、こちらの言い分も聞いてもらわなければ困る、こう言っているのです。
 大臣、総裁も出ておられますが、この東海道線区の収支状況、新幹線の収支状況あるいはその他新幹線のないところ、東北線の方の収支状況、ローカル線の収支状況、線区別に営業係数など出されていますが、そうすると、全く国鉄というのはやってはいけないなという印象を受けますね。私は全体的に見て、国鉄の予算の成り行きなどを見てまいりまして痛感をするのは、そういうことじゃないと思うのです。この資料を出すのは国鉄当局の戦略だと思っているんですよ。運賃の値上げをしなければこういうふうにこの線は赤字ですという戦略だと思っております。
 これはいろいろな見方がありますが、ただ今日、国鉄が破産状態になっている最大の原因は、私はそこにはないと見ています。これは私もかつて本会議で指摘をしたことがございますが、三十九年の秋に東海道新幹線が開業いたしまして、その年から三百億円の赤字に転落をしました。急速に物価も上がってまいりましたし、それから予算的にもふくらんでまいりました。とにかく競争をしようということで、非常に改良工事やいろいろなこともやってまいりました。新線建設も行われてまいりました。その投資というのは、その開業以前の昭和三十年代の初めから、第一次五カ年計画から投資をしたのが、いま十何兆円になっておりますよ。その中にはどうしても改良工事でしようがないというものもあります。いま考えてみれば、それもよかったかどうかということもあります。不急不要とは言わぬけれども、もう少し延ばしてきてやった方がいいじゃないかというようなこともあります。何しろ国鉄に対する期待があるのかどうかはわかりませんが、たとえばこの駅は改築してくださいよ、ぼろ屋になってきました、そんなことまでどのくらい来ているか、私は、時間がないからいま答弁を国鉄から求めませんけれども、そういうことまでめちゃくちゃにたくさん来ているのです。これはある意味では玄関口ですから期待感も持っておりましょう。だから、それだけにいろいろな議論をするけれども、私自身は、まだまだ国鉄の将来というものは、取り組み方によればいいのじゃないかな、やがて息を吹き返してくるという期待感を持っているから真剣に考えています。
 どうも多少演説になって申しわけありません。工事の問題を、ひとつこれは総裁からお答えいただいた方がいいかどうかわかりませんが、大体いろいろなものを全部ひっくるめて、私も、席を置いたことがございますから多少わかりますが、どうしてもやらなければならないという改良工事などは五千億円程度ございますね。いま投資をしている、一般会計から繰り入れているものも、ことしは六千百八十億ですかありますね。いずれにしても、それでもまあ八千億円の余、赤字予算を初めから組んでいる。これは延ばせるものがあるのかないのか、とにかく運賃の値上げと合理化に焦点を置いて大臣おやりのようですが、確かに、工事費を削減するというのは異常な抵抗があると思います。私も、政治家だからわからないわけじゃない、しかし、節約をするということになれば、こちらの方にも多少手をつけなければいけないじゃないかな、こんなふうなことを思います。とにかく退却をすることばかり考えておったのでは困りますが、何はともあれ経営改善の努力というのは、それぞれお考えがありましょうけれども、この工事費全般についてどんなことを考えておられるか、これをひとつお答えいただきたい。
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森山欽司#21
○森山国務大臣 先ほど私の議論が荒っぽいというお話がございましたが、決して荒っぽいわけではございません。ここまでピンチに追い詰められた国鉄としては、勇断を持ってこれを打開しなければ打開することはできない。そういう意味で私は申し上げておるのであります。実際やることはきめ細かく長期にわたってやるという考えでござ
 いますから、どうかその点を、それほど重大な関頭に立っており、したがって、勇断を持って処理しなければならないという段階にあるということだけはひとつ御理解を願いたい。荒っぽいと言うと何か違った印象を受けますから、どうか言葉の使い方につきまして格別の御配慮をお願いして御支援を願いたい。
 先ほど来お話を伺っておりますと、事柄の理解は、特に国鉄に関係の深い先生と、それから私が素人考えながら考えておる疑問点は大体底流は同じだ、しかし、それぞれの立場がありますから、それぞれの立場で御発言があるように私は理解をしております。
 特にいまお触れになりました工事費の問題につきましては、私も素朴な感じでございますが、やはり一つの企業体として考えた場合、公共性があることは事実でございますし、また国鉄として安全性というものに常に留意しなければならないことはもとよりでございますけれども、しかし、これだけの赤字企業体が年々設備投資がふえていくということは果たしてどんなものだろう、去年は九千億、ことしは一兆六百億、そういう行き方の中に大きな問題点があるということを私は痛感をいたしております。
 まあしかし、これ以上いろいろ申し上げますと、またおまえは荒っぽいとかいろいろお話がございますから、きょうはこの程度にとどめますが、基本的にはあなたと同じ考え方、そういうふうに御理解を願いたい、こう思います。
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高木文雄#22
○高木説明員 現在、一兆六百億のうち約六千五百億強が在来線でございます。この在来線につきましては、実にいろいろなものがあるわけでございまして、私どもとしましては、ほとんど保安あるいは取りかえといったことに重点を置いているところでございますので、決してその投資がむだだというふうには——むだといいますか、効率が悪いというふうには考えていないわけでございますが、しかし、いずれにしましても、これは全部借入金に依存をしておる、したがって、金利負担がまたふえてくるということでございますので、一方において必要の緊急度は非常に高いというものであるにしましても、何とかこれは工夫しなければいかぬのではないかというふうに考えております。
 たとえば大都市通勤線の建設につきましては、五十二年でございましたか、その当時から三割の補助金をいただくようになって制度を改めてきたわけでございますが、実はその前は全部借入金であった時代もございます。あるいはまたある時期には出資によっていた時期もあります。そこらあたりにいろいろ無理が重なってきておりますので、いま御指摘がありますように、もう一度洗い直しをする必要がどうしてもあるという現状でございます。ただ、いま具体的にどの程度どういうふうにしたらよろしいかというところまではなかなか結論めいた腹案にまで到達をいたしていないということでございます。
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渡辺芳男#23
○渡辺(芳)委員 どうも時間が参りまして、自動車局と航空局と海運局に申し上げる機会がありませんで恐縮に存じます。またいずれかの機会にいたします。
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佐藤守良#24
○佐藤(守)委員長代理 佐野進君。
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佐野進#25
○佐野(進)委員 私は、交通問題全体について大臣並びに関係者に質問をしてみたいと思います。
 大臣、いま渡辺委員の質問に対してそれぞれ答弁があったことについては、後で関連して若干質問してみたいと思うのでありますが、まず基本的な問題についてお尋ねをします。
 運輸委員会は、御承知のとおり昨年の暮れ、全党決議をもって地方線の整備を初めとする一連の対策を政府に要望いたしました。それに対して過日久保委員からも質問があり、それぞれ要求が具体的に示されておるわけでありまするが、いよいよ五十五年度の予算編成期を迎え、大蔵省はゼロ査定——ゼロ査定ということじゃないけれども、ゼロというような形の中で来年度の予算に対して取り組むのだという姿勢を明らかにしております。先ほど来質疑の中において明らかにされておりますように、ことしのこれからの交通行政は、きわめて多事多難が予測される中で、なさなければならない課題は山積をいたしておるわけであります。したがって、政府の示された基本的な原則に即対応するということであるとするならば、来年度の運輸行政はきわめて憂慮すべき事態に逢着する、こういうように考えられるわけであります。
 したがって、基本的に大臣に御質問申し上げることは、この委員会決議を踏まえた問題を初めとし、来年度の運輸行政に対する基本的な大蔵省当局に対する姿勢についてお考えをこの際お示しをいただきたい、こういうことが第一の質問です。
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森山欽司#26
○森山国務大臣 こういう時期に非常に重大な問題について御質疑がございました。御承知のとおり五十五年度の予算は、税収の増加というものについて過大な期待ができないような状態であります。すなわち自然増収はある程度あるといたしましても、増税ないし新しい税制を立てるということはなかなか容易でないと見るのが政治的な常識であろうと思います。また国債につきましても、きょうの新聞にも出ておりましたけれども、百円額面の六・一%の国債は九十円を割って八十円台になっておるという状況でございますから、前のように国債を大量に発行するということは容易でない、したがって、一般的な支出というものは、大蔵省の試算によれば六・何%でございましたか、ないしゼロというような増加率でございまして、そういう中で運輸省関係の予算を編成していかなければならない。特にそのうちの六割は国鉄関係でございますから、したがって、この予算の編成というのはなかなか重大でございまして、これらの問題の取り扱いについてどうしたらいいかということについて目下苦慮しておるというのが偽らざる実情でございます。
 先般、そのために大蔵省の主計局長を私のところに呼びまして、新年度予算についての一般的な話をいたしたわけです。その中で、こういうことを申してはなんでございますが、国鉄の年金は現在四十二万の職員で二十六万の先輩の年金を賄っておるという状況、したがって、年金の成熟度は現在六〇%ということでございます。仮に今後十年内に、これも仮にでございますよ、十万人減るといたしますと、四十二万人から十万人減りますと三十二万人で、それが分母になって分子が二十六万プラス十万になれば三十六万でございますから、これは減量経営と申しましても、なかなか容易じゃございませんね、後の年金の始末は。成熟度が一〇〇%以上というわが国の歴史にないような事態というものが、もう十年以内に予想されるということになってまいりまして、こういう問題はちょっと国鉄だけで片づけるということはできないわけでございますから、したがって、このことについては財政当局あるいは厚生当局等とも、これは日本の社会保障制度全般とも関連しての大きな問題になりますので、なかなか容易ではないということについて話をし、結論は直ちには出ませんけれども、一例として申し上げました。
 これだけではございませんが、一例として申し上げました問題についても、それだけの難問題を抱えておるということは、きわめて異例でございますが、主計局長、次長、主計官を呼んで相談もしておるというようなわけでございますが、われわれといたしましては、できるだけ世人の納得を受けるような最大限の努力をいたしまして、そして、その努力の上に立っての予算要求というものを考えてまいりたいと思います。冗費を節約し、不要不急の機構というものを整理いたしまして、また国鉄は再建の第一年度としてふさわしいような体制を、最大限の努力を尽くして、この困難な時期に対処してまいりたい、そういうつもりでございます。
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佐野進#27
○佐野(進)委員 質問の問題点がたくさんありますので、答弁の方は要点を入れて、聞かない分まで答えなくていいですから、聞いたことには親切にひとつ御答弁を願いたいと思います。
 そこで、いまの委員会決議の取り扱い、これをどう予算の上で生かしていくかということを私は御質問申し上げたわけですが、この点についてはもう一度お答えをいただきたい。
 それから、こういう情勢になってまいりますると、来年度の予算編成の方向を踏まえた上できわめて重大な課題がたくさんあるわけでございますが、総合的な交通行政を展開するに際しての政策立案、こういうことが運輸省当局のいまの体制の中では、きわめて弱いような感じがいたすわけであります。いわゆる監督行政、指導行政、そういう面については、相当すぐれた面があるようにお見受けをいたします。もっとも、これは組織の上ですよ、人的にどうだと言うのじゃないんですよ。そういう意味において、政策局というようなものが、来年度予算の中においてははっきりと位置づけられて、総合交通行政に対する交通政策を立案し、それを実施させる、こういう中心的な機関を置くべきではないかと私は判断いたします。
 そこで、いま申し上げました委員会決議の取り扱いと関連してこの二点、大臣からひとつ要点でよろしいから簡単に御答弁いただきたい。
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森山欽司#28
○森山国務大臣 地方陸上公共交通の維持整備に関する決議というのはよく承知しております。これを具体化するにつきましては、決議にも述べられておりますように、まず安定的な財源を確保することが必要であります。このため、五十四年度の予算編成過程において、地方交通対策を含む特別会計の設置に努力をいたしましたが、種々問題がありまして、創設を見送ったことは皆様御承知のとおりであります。この問題は引き続き検討を進めているところでありますので、その他の問題もあわせて総合的な施策の確立を進めてまいりたいと思っております。
 先ほど、そのことを実態的に申し上げたわけでございますので、なかなか容易ではございませんが、その御趣旨を体して努力をしてまいりたいというふうに考えております。
 それから、総合交通体系につきましては、昭和四十六年にできました交通体系でございまして、すでに私は、閣議において、久保委員の御質疑の結果も体しまして発言をいたしましたことは、皆さんも御承知のとおりであります。先般、経済企画庁の総合計画局長から、私どもの方の総務審議官あてに、ひとつ具体的に検討しようという文書も参りまして、いま検討中でございます。
 それから、政策局のお話がございましたが、政策局というよりは、むしろこれは運輸省内部の全部局を総合的につかんでいくところでございますから、今年度の予算の経過において総務審議官という制度を設けることになりまして、四月一日から実施しておりますが、従来の者が総務審議官をやっておりますけれども、これは運営によりましては、専任の局長クラスを置くことも今度は可能になったわけでございますから、この総務審議官制を活用いたしまして、そのスタッフも、幾つかの課がございますから、それが十分に機能するように今後運営してまいる方がいいのではないか。局と言うと、何かそれだけで局のための局みたいになってしまいます。これは運輸省の運輸行政のための一つの仕組みでございますから、大蔵省なんかでもやっておりますように、そういう審議官制度を活用し、特に総務審議官制度を活用して、その成果を上げてまいりたい、そういうふうに考えておる次第でございます。
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佐野進#29
○佐野(進)委員 私は、現在のわが国経済の情勢、いや世界経済の情勢をよく見てみますると、エネルギー問題をおいては考えることができない情勢が日に日に深まってきております。いまそういう情勢の中で、わが国は、イランの事件が発生以来、いまだ過去の蓄積によっていわゆる混乱という状態にまでは立ち至っておりませんが、アメリカを初めとする先進諸国の中では、もはやその兆しが見えておるわけであります。したがって、好むと好まざるとにかかわらず、わが国がそのような問題に逢着することはもはや時間の問題である。その時間の問題であるという事態を踏まえた現段階の中で、それらに対する具体的な対策、特に運輸省としてはその中心にあるわけでございますが、エネルギー使用の中においても直接輸送手段に使用するエネルギー源、これに与える影響とエネルギー源としての石油問題、そしてそのことから発生するところの影響というものはきわめて大きいものがあるわけであります。したがって、・そういう立場に立つならば、この段階の中におけるところの短期的、長期的なエネルギー問題を踏まえた総合交通対策というものを樹立し、その樹立に基づくところの行政を展開していかざる限り、その混乱の中に巻き込まれてにっちもさっちもいかない状況になるのではないか。いわゆる国鉄問題もその中の一つとしてとらえることができるし、航空問題、海運問題、いずれをもってしてもそういうことが考えられるわけであります。
    〔佐藤(守)委員長代理退席、関谷委員長
    代理着席〕
 そういうようなことになれば、この総合交通対策を、いま大臣が言われたような見地に置くことがいいのか悪いのかは、私は、あなたの御見解はいま少しく消極的に判断せざるを得ないのでありますが、しかし、いまここで速やかな結論、これは違うのだ、こうだと言うほどの材料の持ち合わせはございません。ただしかし、運輸省が五十五年度予算編成要求に対処するに際して、その基本的な原則を踏まえた確固たる信念に基づいて対応せざる限りおくれをとる。あなたは起きてきた事態に対してはきわめて熱心、丁寧に対応しておられるけれども、そういう基本的、総合的な角度に立つところの対策については何か熱心でないのじゃないか、こんなような感じもいたしますので、この際、御忠告かたがた、将来起きたとき、佐野君そんなことを言ったけれども、そうだったなんて言われないようにひとつやってもらいたいという願いを込めて質問するのですが、どうですか、あなたどんな考えを持っていますか、時間がありませんから余り長くならないように答弁してください。
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