手塚康夫の発言 (内閣委員会)
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○手塚説明員 先生ただいま御指摘ずっといただきましたように、確かに日赤救護員問題、当初は戦地で兵隊さんと同じような活躍をしたじゃないか、だから同じような処遇ということで恩給法を適用してくれという陳情、請願がございまして、まず恩給サイドから検討を始めたわけでございます。
ただ、恩給法というものは、きわめて身分法的なものでございまして、身分というもので実はぎちっと決まってきている。しかも、将来に向かってどんどん動いていく制度ではございませんで、過去の制度ということになるわけです。軍人恩給につきましても過去の約束を果たすということを主眼として今度改善措置も講じてきており、今回恩給法も提案しているところでございます。そういった点を踏まえまして、結局、日赤の救護看護婦さんの処遇についていろいろ検討した際も、恩給法を適用することは無理であるということが、きわめて当初から国会答弁を通じても明確に出されて、それ以外の処遇ということをいろいろ検討したわけでございます。
それで、翻って考えますと、日本赤十字社の救護員というのは、日本赤十字社が召集をかけて外地あるいは内地に派遣していたものでございます。当時は仮に、そこで戦死をされたり負傷されますと日赤の内部で処遇をしていたわけです。ただ、その際も年功給付というものは、日赤の救護員については日赤内部の規定でも、ございませんでした。それは、一つには日赤の救護員の方は原則として二年間ぐらい召集をかけて、それで勤務が解除されるということを踏まえていたんだと思います。ただ、さきの大戦の状況がきわめて特殊だったために、それが二年ではなくてきわめて長期間にわたる方が出てきた。そのために、翻ってそういった方々、戦地で特に長期間苦労された方方、これに日赤が慰労金を出す、それが国との関係で、国もそれなりの責任を負うべきではないかということで財政的にそれを補助する、こういうシステムにしたわけでございます。
したがって、確かに国会、各党専門家の方々をお集めになっての合意事項、これもわれわれ政府側として当然尊重もいたしましたが、軍人恩給にすべて準ずるということではなくて、やはりいま言ったような事情を踏まえて水準設定もしなければいけないのではないか。そういうことで、実は資格面ではかなり軍人恩給的な加算年を採用して人数を設定しております。ただ、給付水準になりますと、これはそういう年功給付はそもそも予定されていなかった。したがって、当時のたとえば兵隊さんの給与と看護婦さんの給与でいけばやはり相当差があるわけです。兵隊さんの給与というのは、後の恩給等も想定して低く定められていたという点も考えられるわけでございますが、それをいまになって改めて慰労金として出すわけですから、必ずしも一緒にそろえることはできないのではないか。
特に軍人恩給の場合には、老齢者に対する優遇措置ということで最低保障制度を持ち込んでおりますが、今度の日赤救護員の方々、いろいろ検討しまして、そうではなくて、戦地で苦労した年功的な給付ですね、それを見るということになりますと、恩給の場合も裸にしますと、大体今度日赤の看護婦さんに出した水準と同じになるのでございます。ただ、それに対して老齢者優遇措置で講じている最低保障等を適用しない、そういう判断に基づいてあの水準を設定したわけでございます。
それから人数の点も、ただいま申し上げましたように、資格面においてはかなりの程度軍人恩給を準用しておりますので、人数的にはいまよりふえるということは私ども想定しておりません。もしそういうことになるとすれば、むしろ一般の兵隊さんよりも有利な扱いになってしまうというふうに考えておりますので、普通の軍人恩給並みに計算して現在の千百ないし千二百名、これが妥当なところだ、そういうふうに考えております。