内閣委員会

1979-05-24 衆議院 全209発言

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会議録情報#0
昭和五十四年五月二十四日(木曜日)
    午前十時三十一分開議
 出席委員
   委員長 藏内 修治君
  理事 唐沢俊二郎君 理事 小宮山重四郎君
   理事 竹中 修一君 理事 村田敬次郎君
   理事 岩垂寿喜男君 理事 上原 康助君
   理事 新井 彬之君 理事 吉田 之久君
      逢沢 英雄君    石橋 一弥君
      稲垣 実男君    宇野  亨君
      越智 通雄君    鹿野 道彦君
      川田 正則君    中馬 辰猪君
      塚原 俊平君    福田  一君
      藤尾 正行君    水平 豊彦君
      上田 卓三君    岡田 春夫君
      八百板 正君    山花 貞夫君
      市川 雄一君    鈴切 康雄君
      柴田 睦夫君    中川 秀直君
 出席国務大臣
        国 務 大 臣
        (行政管理庁長
        官)      金井 元彦君
 出席政府委員
        内閣総理大臣官
        房管理室長   小野佐千夫君
        青少年対策本部
        次長      松浦泰次郎君
        行政管理庁長官
        官房審議官   中  庄二君
        行政管理庁行政
        管理局長    加地 夏雄君
        行政管理庁行政
        監察局長    佐倉  尚君
 委員外の出席者
        内閣総理大臣官
        房参事官    文田 久雄君
        内閣総理大臣官
        房参事官    櫻井  溥君
        内閣総理大臣官
        房参事官    手塚 康夫君
        警察庁長官官房
        企画審査官   森広 英一君
        警察庁交通局交
        通指導課長   矢部 昭治君
        警察庁交通局運
        転免許課長   森田 雄二君
        宮内庁長官官房
        秘書課長    長門 保明君
        北海道開発庁総
        務課長     大橋  斉君
        防衛庁長官官房
        法制調査官   中門  弘君
        科学技術庁長官
        官房総務課長  谷口 光夫君
        科学技術庁研究
        調整局生活科学
        技術課長    平野 拓也君
        環境庁自然保護
        局鳥獣保護課長 野辺 忠光君
        国土庁長官官房
        震災対策課長  城野 好樹君
        法務大臣官房参
        事官      藤岡  晋君
        法務大臣官房調
        査官      建持 忠雄君
        法務省入国管理
        局総務課長   関  栄次君
        外務大臣官房書
        記官      石垣 泰司君
        外務省国際連合
        局企画調整課長 小西 芳三君
        大蔵大臣官房企
        画官      高木 幸雄君
        造幣局東京支局
        長       高瀬 昌明君
        文化庁文化財保
        護部記念物課長 逸見 博昌君
        厚生省医務局管
        理課長     古川貞二郎君
        厚生省社会局老
        人福祉課長   大西 孝夫君
        厚生省援護局業
        務第一課長   森山喜久雄君
        農林水産大臣官
        房文書課長   高畑 三夫君
        農林水産省農蚕
        園芸局繭糸課長 松岡  将君
        農林水産省食品
        流通局企画課長 中島 圭一君
        食糧庁長官官房
        総務課長    宮崎 武幸君
        水産庁漁港部計
        画課長     福地 辰馬君
        水産庁漁港部建
        設課長     木村 茂雄君
        通商産業大臣官
        房参事官    弘津 匡啓君
        通商産業省生活
        産業局繊維検査
        管理官     竹内 謙二君
        通商産業省生活
        産業局文化用品
        課長      高瀬 和夫君
        運輸大臣官房審
        議官      西村 康雄君
        運輸省船員局労
        政課長     松木 洋三君
        運輸省鉄道監督
        局民営鉄道部監
        理課長     中村  徹君
        運輸省自動車局
        業務部長    角田 達郎君
        郵政大臣官房審
        議室長     村田 一己君
        労働省職業安定
        局業務指導課長 田淵 孝輔君
        建設大臣官房文
        書課長     松原 青美君
        建設省河川局防
        災課長     瀬戸  充君
        自治大臣官房企
        画官      吉田 弘正君
        自治省財政局地
        方債課長    持永 堯民君
        自治大学校副校
        長       苫米地行三君
        消防庁防災課長 山越 芳男君
        日本国有鉄道旅
        客局サービス課
        長       猪俣 爲久君
    —————————————
委員の異動
五月二十三日
 辞任         補欠選任
  宇野  亨君     金丸  信君
  越智 通雄君     松野 頼三君
  関谷 勝嗣君     倉石 忠雄君
  塚原 俊平君     河本 敏夫君
  森  喜朗君     椎名悦三郎君
  山花 貞夫君     武部  文君
同日
 辞任         補欠選任
  金丸  信君     宇野  亨君
  倉石 忠雄君     関谷 勝嗣君
  河本 敏夫君     塚原 俊平君
  椎名悦三郎君     森  喜朗君
  松野 頼三君     越智 通雄君
  武部  文君     山花 貞夫君
同月二十四日
 辞任         補欠選任
  関谷 勝嗣君     鹿野 道彦君
  福田  一君     川田 正則君
  増田甲子七君     水平 豊彦君
  森  喜朗君     石橋 一弥君
同日
 辞任         補欠選任
  石橋 一弥君     森  喜朗君
  鹿野 道彦君     関谷 勝嗣君
  川田 正則君     福田  一君
  水平 豊彦君     増田甲子七君
    —————————————
五月二十三日
 国家公務員法の一部を改正する法律案(上原康
 助君外六名提出、衆法第一九号)
は本委員会に付託された。
    —————————————
本日の会議に付した案件
 附属機関、地方支分部局等に関する規定の整理
 等に関する法律案(内閣提出第五〇号)
 許可、認可等の整理に関する法律案(内閣提出
 第五一号)
     ————◇—————
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藏内修治#1
○藏内委員長 これより会議を開きます。
 附属機関、地方支分部局等に関する規定の整理等に関する法律案及び許可、認可等の整理に関する法律案の両案を議題といたします。
 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。上田卓三君。
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上田卓三#2
○上田委員 各省庁の方々がお見えでございますので、せっかくでございますので以下御質問申し上げたい、このように思います。
 まず、通産、外務、環境庁の方に御質問いたしますが、いわゆる野生動植物保護に関するワシントン条約は、現在世界の五十二カ国が参加しておりまして、わが国の加盟批准も時間の問題であろう、こういうふうに思います。野生動植物の保護という条約の趣旨そのものには全然異論はないわけでございますが、このワシントン条約が批准されますと、国内の斃獣処理場あるいは爬虫類皮革処理場などの業者は深刻な打撃を受けることは間違いなかろう、このように考えるわけであります。
 これら業者が、長年歴史的な伝統産業として、いわゆる同和産業として、きわめて劣悪な経済状態に置かれてきたことを無視して、政府が条約の批准の動きに出てきたということについては、私は若干問題があるのではなかろうか、こういうように思うわけであります。しかしながら、おくればせながら、政府がこれらの業者の要望を入れまして、去る四月十日に東京都内の爬虫類皮革処理業界の見学をしていただいたことは、この問題に対する政府の前向きの姿勢ということで評価したい、こういうように思うわけであります。そこで、まず、三省の方に率直なこの見学で得た感想というものを述べていただきたい、このように思います。
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小西芳三#3
○小西説明員 お答えいたします。
 外務省からも私とそれからもう一名担当の者がお招きを受けまして、実際に、一日にわたりまして十分、しかもいろいろなところを見学させていただきまして、条約を取り進めるに当たりまして考慮に入れるべき点ということで非常に参考になったわけでございます。
 外務省の経験と申しますか、私が一つ感じたことを率直に申しますと、外国では、皮革産業と申しますか革を扱うという産業について、これは欧米の文化、歴史のしからしむるところでございますけれども、これがきちんと確立された産業になっておる。それと比較しまして、日本の皮革産業の実態というのがこういうことになっているんだということを考えさせられた次第でございます。
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高瀬和夫#4
○高瀬(和)説明員 文化用品課長でございますが、実は当日、私はほかの皮革に関する仕事がございまして、その見学会には参加しておりませんけれども、それまで過去二年間の間に当該地域についてもたびたび訪問の機会を持っておりますので、そういう経験を通じての印象を簡単に説明させていただきたいと思います。
 当該地域におきまして各鞣製事業所がきわめて零細規模の工場であるということ、それからまた、都区内にありますから環境問題が特に厳しいはずでございますが、公害対策等も十分に進め得ないような実態であるというふうに痛感しておる次第でございます。ただ、この爬虫類のなめし事業所だけではなくて、ほかの牛、馬、豚その他の動物のなめし革事業所につきましても、やはり経済的な側面における同和対策を進めるという上ではきわめて重要な意味合いを持っておりますので、むしろこれから積極的に推進すべきである、いささかも後退させるような事態があってはいけない、そういったことは極力避けるべきであるという考えを持っております。
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野辺忠光#5
○野辺説明員 環境庁の鳥獣保護課長でございます。
 先般十日の日に見学をさせていただいたわけでございますが、私ども野生鳥獣の保護を進めていきます場合に、やはり農林業と直接関係のある場合が非常に多うございますが、今回の事例につきましても、やはりそういった関係をしておられる業界あるいは関係者の皆さん方、そういった方々の実態がどうであるかということを十分踏まえながら、環境行政といったものを進めなければならぬというふうに思っておりますが、そういう意味では、大変私ども得がたい経験をこの前さしていただきまして、実態等、先ほどお話がございましたように、いろいろと私どもの知り得なかったようなことが身をもって若干でも体験できたということは、大変貴重であったと思っております。
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上田卓三#6
○上田委員 いずれにしましても、実際目で見ていただいたように、また業者の方からもいろいろお話を聞いていただいたと思いますが、非常にこの業界は零細企業であるということだけでなしに、やはり環境的に見ましても非常に劣悪な条件にあるということは、これは恐らく身をもって体験されて帰ってきたんじゃなかろうか、こういうように思っておるわけであります。今日絶滅のおそれのある野生動植物をこの国際的取り決めによって保護する、そして自然を保護し、人間環境を守るというワシントン条約そのものは私も異論はないし、その趣旨には全く賛成であるわけでございますが、また、自然保護という方向は今日国際的な大きな流れになっておるわけであります。
 しかし、具体的にたとえばウミガメあるいはワニ、トカゲなどの皮革を輸入し、そして加工している斃獣処理業界、爬虫類皮革処理業界は、歴史的に経済的な劣位に置かれておる、まさしく同和産業そのものである、こういうふうにわれわれは理解せざるを得ない。また、現地へ行かれてそのことの実感を味わっていただいたんじゃなかろうかと、こういうふうに思うわけであります。もし、このワシントン条約が無条件で批准されたならば、これらの業界は原料の輸入の道を完全に断たれてしまって、致命的な打撃をこうむることになるわけでございますが、その点について一体どのように考えておるのか、お聞かせいただきたいと思います。
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高瀬和夫#7
○高瀬(和)説明員 いま先生御指摘の点でございますが、確かに、無条件で批准をするということになれば、当該地域の鞣製事業者に大きな影響が及ぶという可能性も否定できませんので、今後関係省庁とも協議をいたしまして、その対応を早急に決めるべく作業を進めたい、かように思っている次第でございます。
 先ほどの先生の御指摘にもありますとおり、この爬虫類のなめし事業につきましては、その原材料の一〇〇%を海外からの供給に依存しております。したがいまして、このワシントン条約につきましての国際的な批判、日本に対する非難が高まりますと、批准するとしないにかかわらず原材料が入ってこなくなる、そういう事態も考えられるわけでございますが、そうなった場合には爬虫類のなめし事業そのものの存続が危うくなる、そういう可能性もございますので、そうならないようにするためにはどうしたらいいか、一つは留保というようなかっこうでの対応が考えられるかと思います。具体的にどういう形で留保するか、なお関係省庁と煮めてまいりたい、かように考えております。
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上田卓三#8
○上田委員 外務省の方も一緒に答えていただきたい、こういうように思うわけでありますが、いわゆる同和対策審議会の答申が出されまして十四年、そうして同和対策特別措置法が制定されて十年、去年の秋の臨時国会におきまして付帯条件がつきまして、本委員会で三年の延長ということになったこともすでに御承知のことだろう、こういうように思うわけであります。そういう状況にもかかわらず、このような差別的な経済実態を放置してきたところの国の責任は重大であろう、私はこういうように思うわけであります。私たちは、この業界のいわゆる近代化あるいは整備を機会あるごとに触れてきたし、また今後もその点について追及をしてまいりたい、このように思っておるわけであります。
 そこで、このワシントン条約の批准に当たっては、必ずこの業界及び部落解放運動との協議、そして同意を前提にしてぜひとも進めていただきたい、このように思うわけであります。このことは、同和対策特別措置法あるいは同和対策審議会の答申でも、地区住民の自発的な運動との連携を十分にしないと行政効果が上がらない、こういうことも述べられておるとおりであります。特に、商業取引全面禁止とされている付表一類の品目のうち、業界に特に関心のある品目で無条件批准されますと、事業の存続に重大な支障の生ずるおそれがある、そういうものについては留保の権利を行使していただきたい、このように思うわけであります。無条件に批准すれば、社会的な混乱を招くということも留保の理由として外国に十分通用するのではないか、私はこういうように考えておるわけでございますので、通産、外務省の考え方をお聞かせいただきたい、このように思います。
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小西芳三#9
○小西説明員 私どもこの条約の批准の準備をずっとしてまいったわけでございますけれども、その間におきまして、日本の関係の業界の問題点、これを考慮せずに国会に条約を出すというようなことを考えたことは全くございません。当初法律等の準備をやっておりましたけれども、最近におきまして、関係のある業界の方々、爬虫類のみならず、その他の関係団体ともずっと話をしておりまして、全部の方が納得していただく形で批准をする、そういうことでなければなかなか国会の御承認を得られないのじゃないかというふうに考えております。
 留保につきましては、先生が御指摘の点は、私ども十分に考慮いたしまして考えていきたいというふうに思っておるわけでございます。他方、やはり条約に入るに当たりまして、先生最初御指摘のようにこれは多数の国が入っております。そこで日本が留保する品目につきまして、対外的にこういう理由で日本は留保したのだということがはっきりしておって、それがほかの国からも、そういうことであるかというので納得してもらえるというような状況もこれまた考えなければいけないというふうに思っております。いずれにしましても、そういう両方の要請を取り入れまして、とにかく全部の関係者が納得できる形でまとめ上げたいというふうに考えております。
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高瀬和夫#10
○高瀬(和)説明員 基本的には、ただいまの企画調整課長の考え方と軌を一にしております。ただ、事業所管省といたしましては、やはり同和地区の事業者に大きな混乱が生ずるということは避けなければならないというふうに考えておりますので、できるだけ前広に事業者あるいは関係者と相談してまいりたいというふうに考えております。
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上田卓三#11
○上田委員 通産省の方、この業界がいわゆる同和地区の伝統的な産業という形でお認めになっておるというように思うのですが、やはりあのような劣悪な差別的な状況に置かれておるわけでありますから、過去、通産省が部落解放という一つの観点に立って、そういう悪環境にあるところの業界の育成のために放置してきたということですね。さらに、今度こういう形で無条件で批准されると、本当に壊滅的な状況になるということでありますから、この条約の批准について十分業者の意見を聞いて犠牲のないような形に持っていくということもありますけれども、もともと置かれているその業界自身が非常に脆弱な状況でありますから、やはりこれの育成というのですか、業界の指導というものについて、特に述べていただきたいと思うのです。
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高瀬和夫#12
○高瀬(和)説明員 ただいま先生御指摘の点でございますが、従来いろいろな経緯がございまして、各事業者とわれわれ行政に携わる者との間にかなりの距離があったことは事実でございます。幸い最近そういったみぞも大分狭まってまいっておりまして、かなり率直に話し合いが持てるという状況になってきております。したがいまして、これからのいろいろな対策を講ずるに当たりましては、十分事業者の意見を聞きながら対応してまいりたいというふうに思っておる次第でございます。
 なお、各産地ごとに抱える問題、それぞれ異なっております。公害問題が一番大きな問題となっておる産地もございますし、また用水の問題が最大の問題であるというところもございます、あるいは原材料の手当てが一番大きな問題になっておる、そういうふうに各産地ごとに抱える問題あるいは必要とされる対策が異なっておりますので、そういった実態をよく踏まえながらこれからの施策を考えてまいりたい、かように考えております。
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上田卓三#13
○上田委員 いずれにしましても、この条約を批准し、そして条約に加盟するということは当然のことであろう、こういうように思うわけですけれども、これらの業界の原料あるいは製品の輸出入に際して必要な書類などがあるわけでございますが、条約に関連する法規定の運用については、篤と業界と実情をよく話し合った上で納得のいく形で実施してもらいたい、こういうふうに思います。
 また、ワシントン条約の趣旨を積極的に生かすという意味から、品種によっては日本の国内外での養殖事業にも取り組むとか、あるいは養殖不適の品目については、各原産国での保護事業に対して日本として援助を行うなどの措置をぜひともとっていただきたい、こういうように思うのですが、その点について、最後にお聞かせいただきたいと思います。
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高瀬和夫#14
○高瀬(和)説明員 ただいまの御指摘、一つは加盟後の実施運用面での問題でございます。もう一つは、日本の国内外における原材料確保のための諸施策、この二点でございますが、いずれも先ほど申し上げましたように混乱の極力生じない形で、しかも鞣製事業そのものは従来の形で存続させる、あるいはなお発展させるという観点から、事業者とも十分打ち合わせをし、また関係省庁とも相談して取り組んでまいりたい、かように考えております。
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上田卓三#15
○上田委員 それでは次の質問に移りたいと思います。
 旧陸海軍に従軍したいわゆる看護婦さんに対する補償についてお伺いしたいわけでありますけれども、その前に、今回、旧日赤救護看護婦さんに対する慰労金の支給が実現したわけでございますが、この問題は旧陸海軍従軍看護婦の補償問題と深く関係いたしておりますので、そういう意味でその点についてまず御質問申し上げたい、このように思います。
 昨年八月の各党合意では、旧日赤救護看護婦さんの処遇については、恩給制度を準用して兵に準ずる扱いをすることになっていたわけでありますが、この準ずる扱いとはどういうことかということをまず説明していただきたい。
 それから、今年度の予算でその処遇経費として八千七百四万八千円が計上されているわけでございますが、その処遇内容について具体的に説明していただきたい、このように思います。
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小野佐千夫#16
○小野(佐)政府委員 お答えいたします。
 まず最初に、恩給法に準じた措置が講ぜられているけれどもそれはどういうことか、こういう御質問だと思いますが、旧日赤救護看護婦の処遇につきましては、戦地等の勤務期間、それから戦後海外で抑留された期間に対しましては、旧軍人と同様の加算年を認めまして、その期間が兵たる旧軍人と同様に十二年以上となる方に対しまして、日本赤十字社が慰労給付金を支給することといたしております。額につきましても、兵たる旧軍人に支給されます普通恩給の額等を考慮いたしまして、実勤務期間の長短に応じまして、十万円から三十万円までの額を支給することとなっております。
 それから第二点の処遇の内容についてでございますが、実勤務期間が三年から五年の方は十万円、六年から八年の方が十四万円、九年から十一年までが十八万円、十二年から十四年までの方が二十六万円、十五年から十七年までの方が二十八万円、十八年以上の方が三十万円ということに相なっております。
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上田卓三#17
○上田委員 現在、国会に提出されておりますところの恩給法改正法案によりますと、普通恩給の最低保障額は、Aの六十五歳以上の者については実在職年数十二年以上六十四万七千円、それから九年以上十二年未満が四十八万五千三百円、九年未満が三十二万三千五百円、Bの六十五歳未満の者について実在職年数十二年以上が四十八万五千三百円、こういうふうになっているわけであります。
 そこで、恩給制度を準用し、兵に準じた扱いをするという旧日赤看護婦の場合、いま御報告ありましたように、実在職年数十八年以上が三十万、それから十二年以上が二十六万円、そういう意味で、十八年以上については恩給法普通恩給の最低保障額の約二分の一になっておるのではないか、十二年以上については三分の一になっておるわけでありまして、恩給制度を準用したにしてはこの金額の格差が大き過ぎるのではないか、このように思うわけでありまして、そういう意味で、旧日赤看護婦に対する慰労金の積算の根拠というものをはっきりと示していただきたい、このように思います。
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小野佐千夫#18
○小野(佐)政府委員 お答えいたします。
 先生もうすでに御案内のことと思いますが、旧日本赤十字社救護看護婦に対しまして今回支給しようといたします慰労給付金でございますが、これは戦時中に女性の身でありながら、旧日赤の赤紙召集によりまして、戦地等に赴かれて戦時衛生勤務に服されたというきわめて特殊事情等にかんがみまして、その御労苦に報いようという性格でお出しするものでございます。したがいまして、これによって生活の保障を図るという年金的な性格のものではございませんので、その点、御指摘のような、恩給法に準じてと言いながら、金額的に違うじゃないかというような点が出てまいっているのではないかというふうに考えております。
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上田卓三#19
○上田委員 納得できないですね。同じように戦地に駆り出されて、そして弾丸の下をかいくぐって苦労された看護婦さんの方々を、それでは余りにも差別しておるのではないか、私はこういうように思うわけであります。同じ六十五歳以上でも、兵士なら十二年以上で六十四万七千円、看護婦なら十八年以上でも三十万円というのは話のつじつまが合わない、私はこういうふうに思うわけであります。恩給制度に準じるという以上、慰労金の額は今後もっと引き上げる必要があるのではないか、特に人事院勧告に合わせて恩給額も上がるのですから、旧日赤看護婦への慰労金も同様にスライドさせて引き上げるようにぜひともしてもらいたい、私はこういうように思います。
 あわせて、慰労金を受け取る看護婦さんのいわゆる対象者数も、政府の方にちょっと聞いたわけでありますけれども、千百人くらいではないかというようなことを言われておるわけでありますけれども、実際はもっと多いのではないか。日本赤十字社の調査では、戦争中従軍看護婦に駆り出された人の数は約一万三千五百人で、そのうち今回の受給対象者となるのは三〇%、約四千人と見込んでいたようでございまして、今後この受給対象者の調査を強化して対象枠をぜひとも広げる必要がある、このように考えますが、どのようにお考えですか。
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小野佐千夫#20
○小野(佐)政府委員 お答えいたします。
 先ほど加算年を加えて十二年以上の方々に支給するというふうに申し上げましたが、その対象になられる方々は、日本赤十字社の調査によりますと約千二百名でございます。そのうち、今回支給いたしますのは五十五歳以上の方々でございまして、まだ五十五歳に達しておられない方が約百名おられるというわけで、五十四年度の対象者は約千百名ということを日赤から伺っております。
 もう一点でございますが、日本赤十字社では、今回の慰労金支給に関しましては、年齢による特例の措置を講ずることは考えていないというふうに私ども聞いております。
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上田卓三#21
○上田委員 まず前半の、なぜ日赤従軍看護婦さんが兵士と同じように、あるいはそれ以上に苦労されたかもわかりませんが、そういうにもかかわらず、二分の一あるいは三分の一以下の冷遇を受けているということ自身、私、理解できないわけでありまして、やはり一般の恩給制度というものに準ずるというなら、本当にそれは合わせてやっていただきたい、こういうふうに私は思うわけであります。また人数についても、私の調査と政府の資料といいますか、調査結果と大分違うようでございますが、いずれにいたしましても、日赤の方々とあるいは看護婦さんの代表の方と十分にその点について調整をしていただきたい、こういうように私は思いますが、その点についてどうでしょうか。
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手塚康夫#22
○手塚説明員 先生ただいま御指摘ずっといただきましたように、確かに日赤救護員問題、当初は戦地で兵隊さんと同じような活躍をしたじゃないか、だから同じような処遇ということで恩給法を適用してくれという陳情、請願がございまして、まず恩給サイドから検討を始めたわけでございます。
 ただ、恩給法というものは、きわめて身分法的なものでございまして、身分というもので実はぎちっと決まってきている。しかも、将来に向かってどんどん動いていく制度ではございませんで、過去の制度ということになるわけです。軍人恩給につきましても過去の約束を果たすということを主眼として今度改善措置も講じてきており、今回恩給法も提案しているところでございます。そういった点を踏まえまして、結局、日赤の救護看護婦さんの処遇についていろいろ検討した際も、恩給法を適用することは無理であるということが、きわめて当初から国会答弁を通じても明確に出されて、それ以外の処遇ということをいろいろ検討したわけでございます。
 それで、翻って考えますと、日本赤十字社の救護員というのは、日本赤十字社が召集をかけて外地あるいは内地に派遣していたものでございます。当時は仮に、そこで戦死をされたり負傷されますと日赤の内部で処遇をしていたわけです。ただ、その際も年功給付というものは、日赤の救護員については日赤内部の規定でも、ございませんでした。それは、一つには日赤の救護員の方は原則として二年間ぐらい召集をかけて、それで勤務が解除されるということを踏まえていたんだと思います。ただ、さきの大戦の状況がきわめて特殊だったために、それが二年ではなくてきわめて長期間にわたる方が出てきた。そのために、翻ってそういった方々、戦地で特に長期間苦労された方方、これに日赤が慰労金を出す、それが国との関係で、国もそれなりの責任を負うべきではないかということで財政的にそれを補助する、こういうシステムにしたわけでございます。
 したがって、確かに国会、各党専門家の方々をお集めになっての合意事項、これもわれわれ政府側として当然尊重もいたしましたが、軍人恩給にすべて準ずるということではなくて、やはりいま言ったような事情を踏まえて水準設定もしなければいけないのではないか。そういうことで、実は資格面ではかなり軍人恩給的な加算年を採用して人数を設定しております。ただ、給付水準になりますと、これはそういう年功給付はそもそも予定されていなかった。したがって、当時のたとえば兵隊さんの給与と看護婦さんの給与でいけばやはり相当差があるわけです。兵隊さんの給与というのは、後の恩給等も想定して低く定められていたという点も考えられるわけでございますが、それをいまになって改めて慰労金として出すわけですから、必ずしも一緒にそろえることはできないのではないか。
 特に軍人恩給の場合には、老齢者に対する優遇措置ということで最低保障制度を持ち込んでおりますが、今度の日赤救護員の方々、いろいろ検討しまして、そうではなくて、戦地で苦労した年功的な給付ですね、それを見るということになりますと、恩給の場合も裸にしますと、大体今度日赤の看護婦さんに出した水準と同じになるのでございます。ただ、それに対して老齢者優遇措置で講じている最低保障等を適用しない、そういう判断に基づいてあの水準を設定したわけでございます。
 それから人数の点も、ただいま申し上げましたように、資格面においてはかなりの程度軍人恩給を準用しておりますので、人数的にはいまよりふえるということは私ども想定しておりません。もしそういうことになるとすれば、むしろ一般の兵隊さんよりも有利な扱いになってしまうというふうに考えておりますので、普通の軍人恩給並みに計算して現在の千百ないし千二百名、これが妥当なところだ、そういうふうに考えております。
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上田卓三#23
○上田委員 恩給制度を準用し、そして兵に準じた扱い、こう言っているんだから、この言葉をそのまま解釈して、私は旧日赤従軍看護婦さんに対する処遇を考えるべきだ、こういうことを申し上げておるわけですから、看護婦さんの方々についてもこれではひど過ぎるじゃないか、差別的じゃないかということをおっしゃっておられるわけでありますから、私は今後においてやはり給付額というものをぜひとも引き上げてもらいたい、こういうように申し上げておるわけでありますから、それでいいんだというような解釈じゃなしに、やはり検討してさらに引き上げていく、あるいは先ほど申し上げたようにスライドも考えていくという考え方をはっきりしていただきたい、私はこのように思うのです。
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小野佐千夫#24
○小野(佐)政府委員 先ほど来先生御指摘のように、旧日赤の看護婦の方々が第一線で兵隊さんと同じような危険な思いをされたという点につきましては、私ども十分理解しているつもりでございますが、今回の措置につきましては、先ほど来御説明申し上げておりますように、過去の御労苦に対するそういう特殊な事情に対する特別な配慮ということでこういう措置をさせていただいたわけでございますので、その点につきましても十分御理解いたたきたい、こういうふうに思うわけでございます。
 なお、スライド制の問題についてのお尋ねでございますが、旧日赤の看護婦に対します慰労給付金の額の改定につきましては、日赤の意向並びにこの措置の運用の今後の推移等を十分に見きわめながら慎重に検討をしてまいりたい、このように考えている次第でございます。
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上田卓三#25
○上田委員 この問題については別途取り上げていきたいと思います。
 次に、本題に戻りますが、元陸海軍従軍看護婦の処遇についてであります。旧日赤看護婦については、不十分ながら慰労金という形で補償が行われたわけでありますが、ところが同じ戦場で同じ苦労を味わったこの陸海軍の従軍看護婦についてはいまだに何の補償も行われず、全く差別的と言ってもいいような形に置かれておるわけでありますが、なぜこのようなことになっておるのか、その理由を明確にひとつお答えいただきたいと思います。
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小野佐千夫#26
○小野(佐)政府委員 お答えいたします。
 陸海軍の看護婦に対しまして、日赤の救護看護婦に対する処遇と同様な措置を講ずるかどうかという点につきましては、昨年来検討も進めてまいっておるところでございますが、現段階までのところでは、いろいろむずかしい問題もあるところでございます。しかしながら、本国会におきまして、すでにこの問題につきまして三原総務長官が再度検討したいという旨の答弁をしておられるところでございます。厚生省によります実態把握の状況等を踏まえながら、総務長官の意を体しまして、関係各省庁と十分連絡をとりながら慎重に検討を進めてまいりたい、このように考えているところでございます。
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上田卓三#27
○上田委員 これまでの政府の答弁では、陸海軍の看護婦さんに対する補償がされてない、こういう理由については二つほど述べられておるのではなかろうか。一つは日赤看護婦の場合には召集されて戦地に駆り出された、しかし陸海軍の看護婦さんについては軍に雇用されていわゆる志願兵のような形で戦地に出ていっている、こういうことではないか。この点については総理府の角田参事官は、昨年の九月の読売新聞でこのように述べておるわけです。日赤看護婦の場合は国と直接の雇用関係がなかったのに召集、派遣された、陸海軍従軍看護婦は直接志願して雇用された人で、また法的に見ると、軍人と違って年金や恩給が支給されない雇用条件になっていた、こういうふうに述べておられるわけです。しかし、これは形式論もはなはだしいのではないか。確かに旧陸海軍の看護婦は一応志願して従軍看護婦になったかもしれないが、これに従軍させられたのは、やはり本人の意思というよりも、特に上官の命令で戦地に赴いたことは明らかであろう、こういうふうに私は思うわけであります。
 陸海軍の看護婦は内地、戦地を問わず、軍隊の一員として軍規に服し、上官の指揮命令に反した場合には軍法で処罰されたわけでありまして、激戦地では兵隊と同じように戦場を駆け回り、そして戦争が終わった後も他の軍属が次々と送還されたのに、この人たちは軍人と同じく抑留の対象となったことを見ても明らかではなかろうか、こういうふうに思うわけであります。こういう実態を踏まえれば、むしろ従軍看護婦は女性兵士と見ても差し支えないのではなかろうか、私はこのように思うわけであります。当然兵士と同様に国家補償がなされてしかるべきだ、こういうふうに考えておるわけでありますので、その点について先ほどちょっと御返事いただいたわけでありますけれども、再度その点についてはっきりとした考え方を述べていただきたい、このように思います。
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小野佐千夫#28
○小野(佐)政府委員 日赤救護看護婦の方々、それから陸海軍の看護婦の方々の雇用の態様等につきましては、先生ただいま御指摘のようないろいろな問題があろうかと存じます。陸海軍の看護婦の方々につきましては、その実態の面でまだ明らかでない点が多々あるように伺っておりますので、先ほども申し上げましたように、実態把握の状況を十分に踏まえた上で、関係各方面と十分連絡をとって慎重に検討を進めてまいりたい、このように考えておりますので、御理解いただきたいと思います。
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上田卓三#29
○上田委員 さらに従軍看護婦の恩給、年金権につきましても、看護婦の場合、判任官以下の傭員という扱いから恩給のいわゆる対象外になっておるわけでありまして、また旧陸海軍の共済組合の規則を見ましても、看護婦は共済年金の受給資格から除外されておるわけであります。最初から老後の生活保障は度外視されるという制度的な欠陥の中に置かれておるだろう、こういうように思います。そういう意味でこの制度的欠陥を盾に従軍看護婦を放置するのではなく、政府の積極的な補償措置が必要とされておる、このように思うわけでありまして、その点についてもう一度見解を述べていただきたい、このように思います。
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