西村康雄の発言 (内閣委員会)

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○西村説明員 水難救護法につきましては、ただいま御指摘がありましたように、法律といたしましては、明治三十二年で非常に古い法律でございます。水難救護法は、水難救護、遭難船舶の救護に関する部分と、それから漂流物件、沈没品の取り扱いに関する部分から成っておりまして、そのうち行政監理委員会から御指摘がありましたのは、遭難船舶の救護の部分でございます。
 それで、どのような問題点があるかと申しますと、現実に遭難船舶の救護につきましては、水難救護法では、市町村長が第一次的にこれに当たるということになっております。しかし実際は、御承知のように、海上保安庁がこれを全国的に行っておりますし、さらに、それを補佐するものとして、水難救済会、これは民間の機関でございますが、これが各地に船舶を備えてやっております。そしてさらに、そのほかは、漁船が、仲間の船が遭難いたしますと出動いたします。あるいは付近の航行船舶、商船等が救助に赴いています。
 それで、実際の遭難船舶の救助の主体の問題につきましては、実際に遭難船舶を救護する救護主体を強化する、実際には海上保安庁の救助力を強化していくということが現実の問題になっているわけです。したがって、では法制上はどんな問題があるかと申しますと、この法律は、市町村長が現実に救助活動をしたときに初めて適用になる法律でございます。したがいまして、水難救護法が、現在市町村長が実際には救助していない実情でございますので、実は眠っている、全く働いていないということで、実は水難救護法があることで現実に不都合が生じているという部分はございません。
 では、法制上本当に問題になるのは何かと申しますと、商船なり漁船が自主的に救助をいたします、この場合に、救助費用が現実には補償されない、こういう点が問題になるわけです。実際の自主的な船舶による救助というのは、非常に大きな部分を占めておりますので、それを促進するためには、この補償問題というのを実際に合理的な解決をしなければいかぬということになっています。
 ところで、一方では船員法という法律がありまして、これは、船舶を救助するのは、海のお互いの義務として無償で救助するというたてまえを船員法は貫いておりますし、これは国際的な慣行でもあります。しかし、この原則を余りにもやっていると現実的ではないということで、実際には、どうやったら救助費用を補償するかということ。運輸省といたしましては、すでにかつて海上保安審議会に諮問いたしまして、その結果、救助を受ける船と救助をする側の船とがみんな同じような海難を受ける危険性があるので、ひとつ共済的な基金制度をつくりたいということで、関係方面に提案いたしまして、かなり努力をしてまいりました。しかし、これにつきましては、具体的な負担区分だとか費用をどのようにして算定するかとか、非常にむずかしい問題がございます。それで、ついに運輸省から出しました案につきましては、関係方面の御同意が得られないで今日に至っております。
 実はこのような運輸省の試みは、行政監理委員会から御指摘を受ける前に行ったものですが、このような点については、ではどういうのが具体的にいいのかということを今日御指摘以後も引き続き検討しているわけですが、非常にむずかしい問題で、外国の制度も私ども参考にさせてはいただいておるのですが、外国では依然として自主的な救助というのが主体になっております。そういう点で、どうやって海難救助体制を合理的なものに近代化していくかということについては、私ども一生懸命研究はしておりますが、何せ非常にむずかしい問題ですし、また一方、現実に水難救護法が働いていない、そして働いていなくてもその面では不都合が生じていないということなので、直ちに水難救護法をどうこう改正するということよりは、本当にこれから合理的な救護体制をみんなで確立するという方向で検討させていただきたい、真剣にそのように思っております。引き続き検討させていただきたいと思います。

発言情報

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発言者: 西村康雄

speaker_id: 17309

日付: 1979-05-24

院: 衆議院

会議名: 内閣委員会