山崎昇の発言 (内閣委員会)
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○山崎昇君 元号法案についての、北海道における現地聴聞会のための委員派遣について、簡単に御報告申し上げます。
派遣委員は、私を団長とし、岡田理事、原、山中、森田の各委員の五名であります。
現地における会議は、六月二日午前十時から、北海道庁赤レンガ会議室で開かれ、四名の参考人から一人十五分程度発言がなされた後、派遣委員から参考人に対し質疑が行われ、滞りなく議事を終了いたしました。
以下、四名の参考人の発言内容について、簡単にその要旨を申し上げます。
まず、北海道議会議長西尾六七参考人からは、道議会における元号法制化問題にかかわる案件について、審議経過が説明されました。審議の対象となった案件は、元号法制化推進北海道連絡会議代表外四十二名より提出された元号法制化促進に関する請願及び札幌市の住民三名から提出された元号の法制化反対に関する請願の二件の請願と、自由民主党及び道政クラブ所属議員六十名より地方自治法第九十九条第二項の規定に基づいて提出された元号法制化促進に関する要望意見書案であるとのことでありました。
これらのうち、請願につきましては、昨年十月二十三日に総務委員会で協議されましたが、結論が得られず、十一月七日の委員会で委員より意見開陳後、採決され、元号法制化促進に関する請願は賛成多数で採択することと決定され、また、元号の法制化反対に関する請願は賛成少数をもって不採択と決定され、本会議においても委員会の取り扱いと同様の決定となっているとのことでありました。また、元号法制化促進に関する要望意見書案は、昨年十二月二十三日の本会議において、討論の後、採決され、賛成多数をもって可決されているとの説明がありました。
次に、全北海道労働組合協議会情宣道民運動部長の古川則雄参考人からは、現在、西暦、元号がともに慣習的に使われているが、法制化されると元号使用が強制され、西暦になじんできた部分での混乱が予想される。特に、一世一元のもとでは、天皇の交代による国民生活の不便の押しつけが問題だとし、元号使用の強制が進むと、私人相互間で、経済的弱者は思想、良心の自由から元号使用を拒否すると生活を圧迫されるおそれがあると述べられ、また、元号法制化の背景は、天皇制とは無関係ではなく、元号法制化を推進している諸団体は、憲法を改正し、天皇元首化と天皇中心政治の実現を目指しており、平和主義、人権の尊重、国民主権を特徴とする憲法の立場からも元号の法制化に反対するとの意見が述べられました。
次に、北海道商工会議所連合会副会頭の川合一成参考人からは、西暦は世界共通暦のように考えられているが、紀年法の一つでもあって、回教暦やユダヤ暦を使っている国も多い。現在、わが国では何らの抵抗もなく元号が用いられ、また、国際的に物事を考えるときは西暦が用いられていて、何の不自由、不便も感じていない。元号という年の数え方の思想は中国大陸に始まりわが国へ伝わったが、わが国最初の大化の年号は、中岡の支配や強制を受けたものではなく、日本独自の考え方に基づいたものであり、以来、千三百年日本民族に親しまれ、日常化されて今日に続いているかけがえのない文化遺産である。このような貴重な年号を失うようなことがあれば、民族の伝統と歴史を断絶させることとなり、民族の文化、生命を失うことともなると述べられ、現に、多くの自治体で議決され、世論調査でも八〇%以上賛成していることから言っても、この際、元号を法律的に明確にしておくことは絶対に必要なことと信ずるとの意見が述べられました。
最後に、日本キリスト教団札幌北光教会牧師川谷威郎参考人からは、元号制は君主が国土、国民だけでなく、時をも支配することをあらわすものであるから、主権が国民に存することを根本原理とする憲法の精神に反する。元号を法制化することは、これを国民に強制することにつながり、憲法の精神に反することを法的に強制することは、国民の基本的人権の侵害でもあると述べられ、存続を希望する者が多いことを法制化の理由としているが、これは使用を強制した自然の成り行きであるにすぎず、また、世論調査の結果も、法制化を希望する者は半数にも満たないところから、法制化には反対するとの意見が述べられました。
以上の意見が述べられた後、団長から当委員会における元号法案審議の経過を説明し、派遣委員から、天皇制と元号法案との関係、元号使用問題、世論の動向、経済活動及び宗教活動と元号との関連、並びに日本文化の伝統と元号との関係等について質疑が行われました。
詳細につきましては、別途、文書をもって委員長に提出いたしますので、本日の会議録に掲載されるようお取り計らいいただきたいと存じます。
以上でございます。