戸叶武の発言 (公害対策及び環境保全特別委員会)
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○戸叶武君 アメリカの著名な国土計画の権威者の一人で、水の研究者の学究がおりますが、その人が、日本にとってうらやましいことは、台風がもたらしてくる豊富な水と、働くことの好きな技術水準の高い一億人の人口を持っていることで、資源がないどころか、日本は大きな資源を持っているということを指摘しておりますが、日本では、対策として、沖繩に行ってみましても、私はワイフとともに十回程度沖繩を往来しておりますが、その中で台風のときの荒れ方の処置と対策のみを講じておって、台風がもたらした水をどうしてあのサンゴ礁の上にできた島にためるかということに対する配慮がなかったがために、いままで沖繩におけるサトウキビもあるいはパイナップルもハワイのようにうまくできないのは、台風でなく、台風のもたらしてきた水を地上にとめおくところのため池的な一つの施策も十分なされていなかったことで、これを十数年前に指摘して以来、沖繩においてもいま水をためておかなければならないというため池の方式が弘法大師や二宮尊徳のとき以上に緊急な事態として取り上げられておりますが、私は日本においてもこの水の問題はやはり一面的な水の被害の面からだけ見るのではなくて、この台風がもたらしてくる水をどうやって大切に受けとめておくかということが、私のくににおけるたとえば田中正造が闘った谷中村のため池の遊水地でも、いま水がめ的にこれを保存しようというころに三転四転して変わってきております。やはり、琵琶湖であろうが、霞ケ浦であろうが、一つの水がめであります。人々が飲む水道の水だけでなく、工業用水の重大さは日を増して加わってきております。埼玉県においても、地方の新聞等を見ると、伏流水があった武蔵野がゼロ地帯から埋め立てられてしまって、そうして水がなくなってしまった。これをどうやって復興するかということをいま真剣に考えているようであります。西ドイツにおいても、エアハルトが高度経済成長政策の音頭をとって暴走した時代でも、大統領のアデナウアーや、アデナウアーの弟分の食糧農林大臣のリペック博士が農業基本法に力を入れたのは、やはり第一次産業と第二次ないし第三次産業との成長率、所得のギャップ、この矛盾を是正をしていくのが経世の学である、そういう意味において農業を保護しなけれがならないという観点で農業基本法はできたんです。日本のように、もうからないものはぶった切ってアメリカからでも入れろというような非常に荒っぽい、この瑞穂の国の伝統を破っていくやり方がそう長く続くものじゃありません。そういうふうに歴史的な流れと伝統というものを見失って、目先のことのみに走っていく二流、三流の政治家によって日本の国土は破壊せられ、人心も破壊されてきたのですが、それを取り戻すのがいまのときだと思います。これは建設省や国土庁以上に、今後の環境行政においてこれらの省庁と十分な連絡をとりながら具体的な対策を早急に処置してやらなければならないところがあるのじゃないかと思いますが、環境庁においては、水のことはやたらに水を流しちゃって構わないんですか、その辺のことをひとつ承りたいと思います。