戸叶武の発言 (公害対策及び環境保全特別委員会)
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○戸叶武君 土屋長官から筑波にできた公害研究所のことを高く評価されたことは私も非常に感激するところであります。研究調査機関というものを、私は絶えず、農林水産常任委員長のときにも、運輸常任委員長のときにも、予算委員会等でも見てまいりましたが、私は筑波の研究所を見て、五年目の祝典のときでしたか、こんなにも短期間に整備されたか、施設よりも若い学究がアンビシャスなものを持ってあそこへ飛び込んでいる。所長も若いし、研究者もなかなか有能な人をそろえているが、若い感激で未来を開こうという情然を傾けております。私は、アメリカに、二十年ほど前から、特に公害問題を重視してアメリカがどういうふうにあれと取り組むかを、たびたび、いままで五回行っておりますけれども、行くたびに聞いてまいりましたが、あの月の世界に挑戦する宇宙科学への科学者が動員された時代と違って、天井ばかり見ないで、われわれの足元の地上における問題をもっと片づけていかなけりゃならないという反省の上に立って、優秀な若い学者が怒濤のように公害研究に取り組んでまいったのであります。それを私は日本の親しい財界人の一人に見てもらいに行って、非常に賛成したが、いまの若い重役連中というのは、いまの全日空や丸紅に見られるように、当座金のもうかるようなことを荒っぽくやれば成功するという観念が植えつかっておって、どうも耳を傾ける者がなかったと言って彼は慨嘆したまま手がつけられないでいましたが、私は短い間の公害対策特別委員長の時代に、その前にもそうですが、あそこの国際的な月島のいろいろな機械の展覧場に見に行って公害関係の機械が並べられているのを見て、ああ、日本でも大企業が金をもうけるだけじゃなくて、自治体等の要請もあるのだろうが、下水の問題、汚水の問題、公害の問題とこれだけ取り組もうという先取りを始めたかとびっくりしましたが、さらに驚いたのは、筑波の公害研究所に行って、研究所、調査所というのはコウモリが巣くっているような何かむなしさを後で感ずるようなところが多いのに、ここには何という活気がみなぎっているのであろうかということで驚いたのです。
今後、日本が、科学技術、経済協力において先進国会議において約束したような役割りを果たそうとするならば、アジアは公害の巣です。東南アジア諸国に与えるのは、ほうそうはなくなったということですが、あらゆるばい菌の巣になっております。気候のせいもあるでしょうが、ヘドロがたまっております。日本人がこれはたれ流したんだというところがインドネシアやフィリピンにもあります。イランの次には、要らぬ心配かもしれないが、フィリピンにインドネシアに火を吐くのじゃないかとまで言われているときに、やたらに暴動をやり、革命を絶叫しても、問題解決にはならぬ。そういうときに、静かに筑波の研究所にでも導いて、発展途上国の優秀な人々を公害問題と取っ組めるような人をその国に送り込むということが私は日本の今後において東南アジアの人々に貢献する一番大きな仕事じゃないかと思います。日本に留学したが政府は雇ってくれない、食ってもいけないというのでなくて、どういう形にでも資格を与え、政府がそれをやらざるを得ない、また日本その他の先進国がそれに協力してその人たちの働きの場を与えるというようなことがなければ、仙人じゃないから感激を持って青年が働く場において全力を尽くすことはできないのだと思います。私は、科学発明関係か何かの博覧会が筑波には行われるということでありますが、うそばっかり筑波山の筑波じゃなくて、本当のことを教える筑波になってもらいたので、そういうときに、機械もさることながら、東南アジアの人を人心を把握することが一番大切だと思いますので、ユートピアン・ソシアリストの人々が、機械が発明されたことによって機械が人間に奉仕してくれるのかと思ったら、機械のやつがおれたちの首をとりに回ったというので機械破壊を行ったような、産業革命初期のああいうむちゃくちゃな抵抗が高度成長政策の被害者たちからいま起きつつありますけれども、もっと話せばわかる、もっと冷静に対処すれば問題解決は可能だという線を公害対策の面からでも出していただきたいと思うのですが、長官は情熱を傾けてやろうという腹を決めているようですから、腹を決めるだけじゃなく、真理は常に具体的でなければならない。具体的な政策を通じて政治を変える以外に、イデオロギーや宗教においては騒ぎは拡大できるが問題解決には寸毫もならないと思いますので、おとなしそうであるが情熱がある長官からひとつそこいらのところをどういう腹構えでこれから臨むか、腹切りに行くのじゃないが、腹をぽんとたたいて勇気のあるところを示してもらいたいと思いますが。