石野久男の発言 (科学技術振興対策特別委員会)
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○石野委員 いろいろな事情で予定どおりに仕事が進んでいない、ところが一番最後の壁は決まっておるとしますと、どうしても突貫工事をやらなくてはならない事態が出てくるだろうと思う。しかし突貫工事というのは、いろいろな意味において事故を併発する危険性もございまするし、それだけに、安全性を第一として考えなくてはならない工事でございますから、私どもとしては、ますます危惧を持つ内容になっていくわけですね。そこのところは問題があるだろうということだけは申し上げておきたい。
そこでこの際、大臣にお聞きしておきたいのですけれども、原子力船「むつ」のあり方の問題についてもまだ非常に問題がございます。これはまた後で私は論議したいと思いますが、ただ、修理をするということについて、当初段階で三年間という予定を持ったものがもう一年半遊んでしまった、そうすると、あと一年半なのにまだ工事の段取りを組むことができないような事情にあるとしました場合に、いまお話しのようにスケジュールどおり期限内に必ずやらなければならぬということになると、ずいぶん無理がいく仕事だと思います。
それで、原子力安全委員会と原子力委員会とは、それぞれ業務分担が違ってきておりまするので、安全委員会がこの修理工事にどの程度の口を差しはさむことができるかどうかわかりませんけれども、原子力委員会が安全性の問題を中心にして物事を考えているとはいいながら、どうも私は――五十年から五十一年、五十二年、五十三年と、各委員会を通じてこの問題の検討がずっとなされてきて、そして最終的には、この四月の原子力委員会のいわゆる「進め方について」の見解が出ているわけです。
同時に内閣は、やはり三月二十八日の決定で原子力開発利用基本計画というものを出しておられる。その基本計画を見ました場合に「遮蔽改修工事及び安全性総点検を早急に進めるとともに、同船の新定係港に関する調査を行う。」と書いてありまして、そしてこの「事業団を日本原子力船研究開発事業団に改組の上、従来の「むつ」開発業務に加えて、原子力船の開発に必要な研究として舶用炉の最適化に関する研究を行う。また、船舶技術研究所においては、原子力船についての基礎的研究を進める。」という方針が出ているわけです。この方針と原子力委員会の見解を見合わせてまいりますと、開発優先という傾向がどうしても強いんですね。どのように見ましても開発優先の傾向が強い。「むつ」の問題の最大の教訓は、安全性の問題だったと思います。最近、年月がたつに従って開発の方向だけが非常に焦りぎみに出てきているように思われる。特に二十一世紀には、もう競争の時代に入るのだというようなことだけが先行しまして、安全性の問題が非常に軽視されがちではないか。口の上では安全性を言われておりますけれども、実際の行動を見ますと安全性というものは軽視されている、こういう傾向があるように私は受けとめておるのです。
それに加えて、いまこの改修工事の実態を見ますると、だんだん時間が詰まってくるし、その折衝が相手としても非常にむずかしいということもございまして、特に事業団は非常に短い時間の中に長期計画のものを詰め込んでしまわなければならぬというような実情に追い込まれているということになりますと、これを管理監督なさる皆さんとしては、特に科学技術庁としては、相当な決意をお持ちになって安全性に留意していただかないといけないと思うのです。大臣は、そういう点についてどういう御所見をお持ちになられるか、お聞かせ願いたい。