菊池渙治の発言 (科学技術振興対策特別委員会)

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○菊池参考人 塚原先生にお答えをいたします。
 私は、原子力の平和利用を必ずしも否定はしませんが、現状においてそのまま実用化することについては、若干懸念を持っております。と申しますのは、先ほど竹村先生のお話だったと思いますが、コストの計算、十円とか二円とかというようなコストの計算もされておりますけれども、そういうコストの計算上でも、私はきわめて不確実なものを内在していると存じます。たとえば原子力発電所、いまの船にしろ、廃炉の処理費というようなものが計算に入らないコスト計算をしております。それから廃棄物の処理の関係のコストも計算に入っておりません。そういうようなものを一体コスト計算を抜きにしてコスト云々ということで安い安いと言っていいのかどうか。それから石油が上がるけれども、原子力関係のものは上がらないような印象を受けるような御発言がきわめて多いわけですが、そういうものをもう少し詰めて、経済性について見て、どこにネックがあるのか、そのネックをどう解決するのかということが、いまの時期ではなかろうかと思います。
 同時に、省エネルギーの関係に絡んで、現状の原子力平和利用が、果たしてエネルギー収支なりエネルギー効率の関係からいって、どれだけエネルギー消費、石油消費につながるのかということも、少なくとも現段階においては検討をもう少しすべきではなかろうかと思います。
 エネルギー収支が非常にいいという計算は、三十年の耐用年数、それから廃棄物の処理、管理をきわめて短時間か、そうでなければそれを無視することによって計算されている例が非常に多いのではなかろうかというふうに思います。
 そういう未解決の問題をもう少し詰め、石油に関してはきわめて詳細な議論があるわけでございますけれども、原子力の場合、進める進めると言いながら、そういうものに対する確固たる考え方というものがいま欠落をしているのではないか、そういう実は懸念を持ちます。
 中には、エネルギー収支からいってマイナスだという議論もなさっている方もあるわけですし、経済コストについてはアメリカの議会での報告もあるわけでございます。それに対して生田日本エネルギー経済研究所長は、不確定要素を持ち過ぎている、こう言っていますが、しかし不確定要素を無視してコストが安いと言うことは、これまた不確定要素を大きく見て計算するよりも、もっと私は経済というものを無視していやしないかと思う。
 ですから、原子力の平和利用を進めるについて、経済的にもエネルギー収支の関係から言っても、もう少し真剣に詰めた上で、いまやることがいいのか悪いのか、もし問題があるとすれば、どれをどう解決して、その上で積極的にやろうかという視点を持つべきではないかというふうに私は思います。
 一概に私は平和利用をも否定は現在しておりません。ただ、そういう欠落した議論があるということに対しては、非常に懸念を持っております。

発言情報

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発言者: 菊池渙治

speaker_id: 29039

日付: 1980-05-14

院: 衆議院

会議名: 科学技術振興対策特別委員会