松本十郎の発言 (外務委員会)
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○松本(十)政府委員 昭和五十五年度外務省予算重点事項を御説明いたします。
昭和五十五年度一般会計予算において、外務省予算としては、二千八百五十九億九千百万円が計上されております。これを前年度予算と比較いたしますと、四百三十八億二千万円の増加となり、一八・一%の伸び率となっております。
次に内容について御説明いたします。
昭和五十五年度においては、特に定員の増強と機構の整備を図るとともに、在外職員の勤務条件改善の諸施策を強力に推進し、外務省の責務遂行に遺漏なきを期することといたしました。
外務省定員につきましては、本省及び在外公館の新規増七十八名、他省振りかえ増三十六名、計百十四名の増員となりますが、他方定員削減が三十四名ありますので、純増員としては八十名となります。この結果五十五年度外務省定員は、合計三千四百八十三名となります。
本省の機構整備につきましては、中近東アフリカ局にアフリカ第二課を設置すること、経済局に海洋課を設置することが予定されております。
また、在外公館関係では、ブラジルのクリチバ市に総領事館の設置が予定されており、これが実現いたしますと、わが国の在外公館の実館は百六十四館となります。
このほか、セント・ビンセント、セント・ルシア及びキリバス国に兼館の大使館を設けることとしております。
不健康地勤務条件の改善関係経費は、三億七千八百万円であり、前年度予算三億二千九百万円と比較いたしますと、四千九百万円の増加であります。
本経費は、勤務環境の厳しい地に所在する在外公館に勤務する職員の健康管理、福祉厚生施設等の改善を図るためのものであります。
次に、国際協力の拡充強化に関連する予算の内容を御説明いたします。南北間の相互依存性がより深まっております今日、政府開発援助、すなわちODAの重要性はますます高まっております。政府としては、ODA三年倍増の方針を実施しておりますが、五十五年はこの中期目標の最終年に当たっていることもあり、ODA事業予算としては、政府全体で八千四百二億円が計上され、その対GNP比も前年度の〇・三一%から、〇・三四%へと上昇しております。
また、ODA事業予算中の贈与予算が増加したことにより、事業規模に占める贈与の割合が五〇・一%となって、わが国が戦後本格的に経済協力を開始して以来、初めて五〇%の水準を超えました。
外務省所管のODA関係予算も積極的拡充が図られており、五十五年度分としては、総額一千九百五十三億三千万円が計上され、五十四年度当初予算と比較いたしますと、三百七十六億五千五百万円の増加となり、二四%の伸び率となります。
特に、二国間無償資金協力は外交の円滑なる推進に重要な役割りを果たしており、その予算は、前年度より百億円増の七百五十億円が計上されております。
技術協力の拡充は、人づくり協力の柱として外務省ODA事業予算要求の最重点事項の一つとして掲げられておりましたが、国際協力事業団の事業費は、前年度に比べて、一五・八%増の五百七十九億二千六百万円が計上されております。特に、海外技術協力事業費は、二〇%増の四百三十三億二百万円へと拡充されております。
なお、国際協力事業団の移住事業関係予算も、対前年度比約二〇%増の三十一億七千三百万円となっております。
国連諸機関に対する出資、拠出については、分担率の増加、円安及びインドシナ難民救済に関する国連諸機関への拠出金の増加等により、前年度に比して五一%増の三百八十九億二千八百万円が計上されました。
次に広報、文化活動の推進でございます。
海外広報活動の拡充強化のための経費は、二十六億六千百万円で、これは前年度予算に比し三億二千五百万円の増加でありますが、五十五年度においては、特にワシントンに広報文化センターを設置することとしております。
国際文化交流事業の充実強化のための経費は四十八億六千七百万円であります。このうち、一般文化事業費につきましては、前年度予算に比し四一%増の七億七千三百万円でありまして、特に、ASEAN青年のための奨学金につきましては、十年計画の初年度分として百万ドルを計上いたしております。
また、国際交流基金に対しましては、すでに出資済みの四百五十億円に加え、さらに、二十五億円の追加出資を行うこととしております。これに伴い同基金の年間事業規模は、三十七億二千百万円となり、前年度予算に対し四%の伸び率となりますが、新たに中国に対する日本語普及特別事業を開始するなど一層その事業内容の充実を図ることとしております。
重点事項の第四の柱であります日本人学校の新設を初めとする海外子女教育の充実強化のための関連予算としては、五十三億三千四百万円が計上されております。現在、海外在留邦人の同伴子女で義務教育年齢にある者は、およそ二万四千人に達しており、これらの子女の教育がきわめて切実な問題となっているので、昭和五十五年度においても引き続き海外子女教育の充実強化のための諸施策を推進するものであります。
具体的施策としては、アラブ首長国連邦のドバイ、チェコスロバキアのプラハ、ブラジルのピトリア及びインドネシアのメダンの四都市に全日制日本人学校を新設するほか、台湾の台中にある日本人学校分校を独立校に昇格することとし、この結果全日制日本人学校数は台湾三校を含み、六十七校となります。このほか、教員七十九名の増員を行い、教員の待遇についても必要な改善を行うこととしております。
以上が、外務省の昭和五十五年度予算重点事項の概要であります。