大場智満の発言 (外務委員会)
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○大場政府委員 まず初めに、基軸通貨としてのドルの問題ですが、私どももドルの基軸通貨としての役割りが徐々に後退していくという現実は認識しております。ただ問題は、基軸通貨としてのドルにかわる手段がないということでございまして、たとえば円について、われわれは基軸通貨としての役割りを担うほど自信もありませんし、またその負担は大き過ぎるわけです。それからマルクについても、ドイツの通貨当局も同じような見解ではないかと思っております。そうしますと、いまSDRの育成というような方法を通じてこのドルの役割りを補っていこうということが考えられているわけでございますが、SDRが決済通貨としてあるいは価値基準として、さらには準備通貨として使われるような、ドルと同じような役割りを担うまでにはなかなか至らないというのが現状だろうと思います。
そういう中でどうして通貨制度、端的には通貨間の相場の安定を図っていくかということになってくるわけでございますが、現在のように各国間にインフレ率格差あるいはGNPの格差がある段階では、どうしても固定的な相場制度はとり得ない、フロートしかないというふうに私どもは考えているわけでございます。ですから、そのフロートのシステムの中でどのようにしたら通貨相互間の安定が図れるかということが問題であると思います。
いま外務大臣が御指摘になりましたが、私どもは、第一には、通貨当局間の政策の協調をできるだけ密接にしていく。第二には、介入について情報の交換を頻繁にし、また密接な協力をしていく。第三には、制度的な対応になりますけれども、たとえばECではEMSのような相場安定の仕組みをつくりつつあります。また、最近ではIMFが代替勘定という新たな資産を創出しようとしておるわけでございまして、こういった新たな資産も制度的な面で各国通貨相互間の安定に寄与するのではないかと思います。このような方法で通貨相互間の安定を図っていくということが大事であろうと考えております。