外務委員会
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会
会議録情報#0
昭和五十五年三月十七日(月曜日)
午後五時二十一分 開議
出席委員
委員長 中尾 栄一君
理事 奥田 敬和君 理事 佐野 嘉吉君
理事 志賀 節君 理事 高沢 寅男君
理事 土井たか子君 理事 渡部 一郎君
理事 野間 友一君 理事 渡辺 朗君
石原慎太郎君 上草 義輝君
宮澤 喜一君 勝間田清一君
河上 民雄君 武藤 山治君
玉城 栄一君 金子 満広君
榊 利夫君 林 保夫君
田島 衞君
出席国務大臣
外 務 大 臣 大来佐武郎君
出席政府委員
外務省アジア局
外務参事官 三宅 和助君
外務省中近東ア
フリカ局長 千葉 一夫君
外務省経済局長 手島れい志君
外務省経済協力
局長 梁井 新一君
外務省条約局外
務参事官 山田 中正君
大蔵大臣官房審
議官 垂水 公正君
大蔵省国際金融
局次長 大場 智満君
委員外の出席者
大蔵大臣官房調
査企画課長 岸田 俊輔君
大蔵省関税局企
画課長 岩崎 隆君
大蔵省関税局国
際第一課長 野崎 正剛君
厚生省薬務局審
査課長 代田久米雄君
厚生省薬務局生
物製剤課長 戸田 陽君
食糧庁業務部輸
入課長 羽鳥 博君
通商産業省通商
政策局国際経済
部国際経済課長 村岡 茂生君
中小企業庁計画
部下請企業課長 横堀 恵一君
運輸省自動車局
整備部車両課長 清水 達夫君
外務委員会調査
室長 高杉 幹二君
—————————————
委員の異動
三月十七日
辞任 補欠選任
中川 一郎君 上草 義輝君
山口 敏夫君 田島 衞君
同日
辞任 補欠選任
上草 義輝君 中川 一郎君
田島 衞君 山口 敏夫君
—————————————
本日の会議に付した案件
関税及び貿易に関する一般協定の譲許表の変更
に関する第四確認書の締結について承認を求め
るの件(条約第三号)
関税及び貿易に関する一般協定のジュネーブ議
定書(千九百七十九年)の締結について承認を
求めるの件(条約第四号)
関税及び貿易に関する一般協定第六条の実施に
関する協定の締結について承認を求めるの件
(条約第五号)
関税及び貿易に関する一般協定第六条、第十六
条及び第二十三条の解釈及び適用に関する協定
の締結について承認を求めるの件(条約第六
号)
関税及び貿易に関する一般協定第七条の実施に
関する協定の締結について承認を求めるの件
(条約第七号)
関税及び貿易に関する一般協定第七条の実施に
関する協定の議定書の締結について承認を求め
るの件(条約第八号)
貿易の技術的障害に関する協定の締結について
承認を求めるの件(条約第九号)
輸入許可手続に関する協定の締結について承認
を求めるの件(条約第一〇号)
民間航空機貿易に関する協定の締結について承
認を求めるの件(条約第一一号)
政府調達に関する協定の締結について承認を求
めるの件(条約第一二号)
————◇—————
この発言だけを見る →午後五時二十一分 開議
出席委員
委員長 中尾 栄一君
理事 奥田 敬和君 理事 佐野 嘉吉君
理事 志賀 節君 理事 高沢 寅男君
理事 土井たか子君 理事 渡部 一郎君
理事 野間 友一君 理事 渡辺 朗君
石原慎太郎君 上草 義輝君
宮澤 喜一君 勝間田清一君
河上 民雄君 武藤 山治君
玉城 栄一君 金子 満広君
榊 利夫君 林 保夫君
田島 衞君
出席国務大臣
外 務 大 臣 大来佐武郎君
出席政府委員
外務省アジア局
外務参事官 三宅 和助君
外務省中近東ア
フリカ局長 千葉 一夫君
外務省経済局長 手島れい志君
外務省経済協力
局長 梁井 新一君
外務省条約局外
務参事官 山田 中正君
大蔵大臣官房審
議官 垂水 公正君
大蔵省国際金融
局次長 大場 智満君
委員外の出席者
大蔵大臣官房調
査企画課長 岸田 俊輔君
大蔵省関税局企
画課長 岩崎 隆君
大蔵省関税局国
際第一課長 野崎 正剛君
厚生省薬務局審
査課長 代田久米雄君
厚生省薬務局生
物製剤課長 戸田 陽君
食糧庁業務部輸
入課長 羽鳥 博君
通商産業省通商
政策局国際経済
部国際経済課長 村岡 茂生君
中小企業庁計画
部下請企業課長 横堀 恵一君
運輸省自動車局
整備部車両課長 清水 達夫君
外務委員会調査
室長 高杉 幹二君
—————————————
委員の異動
三月十七日
辞任 補欠選任
中川 一郎君 上草 義輝君
山口 敏夫君 田島 衞君
同日
辞任 補欠選任
上草 義輝君 中川 一郎君
田島 衞君 山口 敏夫君
—————————————
本日の会議に付した案件
関税及び貿易に関する一般協定の譲許表の変更
に関する第四確認書の締結について承認を求め
るの件(条約第三号)
関税及び貿易に関する一般協定のジュネーブ議
定書(千九百七十九年)の締結について承認を
求めるの件(条約第四号)
関税及び貿易に関する一般協定第六条の実施に
関する協定の締結について承認を求めるの件
(条約第五号)
関税及び貿易に関する一般協定第六条、第十六
条及び第二十三条の解釈及び適用に関する協定
の締結について承認を求めるの件(条約第六
号)
関税及び貿易に関する一般協定第七条の実施に
関する協定の締結について承認を求めるの件
(条約第七号)
関税及び貿易に関する一般協定第七条の実施に
関する協定の議定書の締結について承認を求め
るの件(条約第八号)
貿易の技術的障害に関する協定の締結について
承認を求めるの件(条約第九号)
輸入許可手続に関する協定の締結について承認
を求めるの件(条約第一〇号)
民間航空機貿易に関する協定の締結について承
認を求めるの件(条約第一一号)
政府調達に関する協定の締結について承認を求
めるの件(条約第一二号)
————◇—————
奥
奥田敬和#1
○奥田委員長代理 これより会議を開きます。
本日は、委員長所用のためおくれますので、委員長の指名により私が委員長の職務を行います。
関税及び貿易に関する一般協定の譲許表の変更に関する第四確認書の締結について承認を求めるの件等ガット東京ラウンド関係諸協定十件を一括して議題といたします。
質疑の申し出がありますので、順次これを許します。高沢寅男君。
この発言だけを見る →本日は、委員長所用のためおくれますので、委員長の指名により私が委員長の職務を行います。
関税及び貿易に関する一般協定の譲許表の変更に関する第四確認書の締結について承認を求めるの件等ガット東京ラウンド関係諸協定十件を一括して議題といたします。
質疑の申し出がありますので、順次これを許します。高沢寅男君。
高
高沢寅男#2
○高沢委員 私は、まず大来外務大臣にお尋ねいたしたいのでありますが、今度の東京ラウンドの交渉は一九七三年九月十四日の東京宣言からスタートしているということでありますが、その東京宣言の中にはこういうふうな文章があるわけであります。
世界貿易の自由化政策は、これまでのショッ
クや不均衡から世界経済を守る通貨制度をつく
る努力が並行してなされない限り、成功裏に進
めることはできない。
閣僚は、貿易の分野で始まらんとしている努
力は、秩序ある状態を維持し安定した公平な通
貨制度を確立する努力が引き続き行われること
を想定しているということを忘れないであろ
う。
また、閣僚は、これから始めんとする貿易の
自由化の新しい段階は通貨体制の秩序ある機能
を促進するものであることを認識する。
これは要するに、ガットの規定に基づいて自由な貿易を進める努力と不離一体の関係で国際通貨制度の安定を進めていこうという考え方に立っているわけであります。
さて、現実に、この東京ラウンドの交渉が始まり、足かけ七年かかって交渉はまとまって、それでいま私たちは国会で審議しているわけでありますが、その間、国際通貨体制は一体安定化してきたと言えるのかどうか。私の見解では、むしろもう不安定化の一途をたどってきた、こういうことではないかと思うのでありますが、このことについて、まず大臣の御所見をお聞きしたいと思います。
この発言だけを見る →世界貿易の自由化政策は、これまでのショッ
クや不均衡から世界経済を守る通貨制度をつく
る努力が並行してなされない限り、成功裏に進
めることはできない。
閣僚は、貿易の分野で始まらんとしている努
力は、秩序ある状態を維持し安定した公平な通
貨制度を確立する努力が引き続き行われること
を想定しているということを忘れないであろ
う。
また、閣僚は、これから始めんとする貿易の
自由化の新しい段階は通貨体制の秩序ある機能
を促進するものであることを認識する。
これは要するに、ガットの規定に基づいて自由な貿易を進める努力と不離一体の関係で国際通貨制度の安定を進めていこうという考え方に立っているわけであります。
さて、現実に、この東京ラウンドの交渉が始まり、足かけ七年かかって交渉はまとまって、それでいま私たちは国会で審議しているわけでありますが、その間、国際通貨体制は一体安定化してきたと言えるのかどうか。私の見解では、むしろもう不安定化の一途をたどってきた、こういうことではないかと思うのでありますが、このことについて、まず大臣の御所見をお聞きしたいと思います。
大
大来佐武郎#3
○大来国務大臣 いま高沢委員のおっしゃったような文言がこの東京宣言にございます。貿易の自由化促進と国際通貨安定の努力が伴わなければならないということは御指摘のとおりでございます。国際通貨制度の面ではIMFの方で検討がこの間進められてまいりまして、七六年に暫定的に合意いたし、七八年四月にIMF協定の改正が行われて、この協定のもとで実際上のフローティング、変動相場制が追認をされたといいますか、そういう形になっておるわけでございます。しかし、現在の情勢は必ずしも安定を得ておるとは言えないわけでございまして、各国のインフレーションというようなものも大きな不安定の要因になっております。しかし同時に、フロート制をやめてまた固定相場制に戻ることも現実問題として考えられない、むしろフロート制をできるだけ有効なものにしていこうという努力が行われておると思います。
こういう点では、不満足ではございますけれども、フロート制であったためにいろいろな調整が可能になったという面もあるように考えております。今後とも、各国の通貨当局の間の協力を緊密にいたしまして、介入政策なども含めて現在のフロート制をうまく運営していく方向に向いておる、そういう意味では、御指摘のように通貨制度、必ずしも満足できる状態とは言えないと思いますが、セカンドベストといいますか、現在の状況で、ある程度世界貿易の混乱を防ぎながら世界経済が運営されておるというふうに見ておるわけでございます。
この発言だけを見る →こういう点では、不満足ではございますけれども、フロート制であったためにいろいろな調整が可能になったという面もあるように考えております。今後とも、各国の通貨当局の間の協力を緊密にいたしまして、介入政策なども含めて現在のフロート制をうまく運営していく方向に向いておる、そういう意味では、御指摘のように通貨制度、必ずしも満足できる状態とは言えないと思いますが、セカンドベストといいますか、現在の状況で、ある程度世界貿易の混乱を防ぎながら世界経済が運営されておるというふうに見ておるわけでございます。
高
高沢寅男#4
○高沢委員 いま大臣からはフロート制の果たしている役割り、意味を御指摘になったわけですが、私もそのことは認めるわけでありますが、フロート制というのは一つのシステム、一つの制度であって、そのシステム、制度の中身がやはり問題じゃないかと思います。
その中身を考える場合に、国際通貨体制の基軸通貨がドルである、そのドルに非常な問題がある、これが国際通貨制度の不安定性の最大の原因になっておる、こういう立場で、われわれはわれわれの立場からドルの問題を考えていかなければいかぬ。日米の経済関係、通商関係もそこから出されてくる、こういうふうな立場が必要かと思います。
そこで、ドルの抱えている弱点といいますか、いろいろな要因はあると思いますが、私の見解としては、あえて一点にしぼって言えば、よく言われるアメリカのドルのたれ流し、こういうことがその弱点の最大のポイントではないかと思います。ドルが国際通貨であるということから、これはアメリカだけがそういうことができるわけですが、アメリカが国内的ないろいろな経済要因も織り込んでドルという通貨を発行する、そういう貨幣をつくり出す、そのつくり出したドルは、国際的な支払いに当てればどこでも国際通貨で通用するということから、たとえばいま問題の石油の輸入代金、あるいはまたアメリカは全世界に軍事基地や軍隊を展開していますけれども、それには莫大な費用がかかります。こういうものもまたドルの大きな支出の要因になるでしょう。あるいは国際的ないろいろな投資、いわゆる多国籍企業を通じての投資とか援助、とにかくいろいろにドルがアメリカから世界各国へ流れる要因はありますが、結局それを総合して、現在、全世界におけるドルの残高は六千億ドルくらいあるだろうというふうなことも聞くわけであります。言うなればそういうことがドルを弱くさせる。しかもその間、ニクソンの政権の段階ですが、ドルと金の関係は切断されることにもなってくる。こうなればいよいよドルの信用はなくなるということにならざるを得ない、こういうことかと思います。
そこで、一九三五年のアメリカの金準備法で金一オンス三十五ドルと定めて、アメリカ以外の国の通貨当局が求めてくればとにかく一オンス三十五ドルという比率によってドルと金をかえるという仕組みによって公定相場が維持されてきたのが切断された、こうなってまいりまして、しかも世界各国のドルの残高はたくさんあって、それがふえる一方であるというような状態、こういうところから、最近いわゆる金の価格が暴騰しあるいは暴落する、そういう金相場が出てきているというふうに私は思うわけです。
特にその中で、いわゆる産油国に対する莫大なドルの支払い、産油国は、その手持ちのドルが、結局ただ持っていただけでは目減りする、目減りするのを避けるためには金にかえようとか、いろいろなそういうことが出てきて、こういう不安定な金相場になる。それは裏返して言えば、ドルの値打ちが非常に不安定であるというようなことから、われわれの円の問題についても、日本の為替の問題についても、結局それが不安定な要因としてはね返ってくる、こういうことではないかと思います。この金とドルとの、あるいはオイルダラーとの関係を見ると、これは明らかに悪循環という状態になっている、こういうふうに見なければならぬと思うわけでして、それがIMF体制を要するに不安定にさせている最大の要因である、私はそのように思うわけです。
さて、これは昨年の一月二十五日ですが、第八十七国会の施政方針演説で、大平総理大臣は、こういうことも当然頭の中に置かれたと思いますが、こういうふうな演説をされております。「戦後四半世紀にわたって国際経済秩序を支えてきたガット、IMF体制は、いまや、大きい地殻変動に見舞われており、世界は、そのための新しい対応策を模索いたしております。」こういうふうな言葉を述べておられるのですが、それでは、日本としてはどういう対応策を模索すべきなのか。これは、当然日本政府としての責任ある一つの考え方や判断があるべきだと私は思います。これは総理大臣の演説であるわけですが、外務大臣に対して、エコノミストという立場も含めて、いまのこの問題についての基本的な御見解をひとつお尋ねいたしたいと思います。
この発言だけを見る →その中身を考える場合に、国際通貨体制の基軸通貨がドルである、そのドルに非常な問題がある、これが国際通貨制度の不安定性の最大の原因になっておる、こういう立場で、われわれはわれわれの立場からドルの問題を考えていかなければいかぬ。日米の経済関係、通商関係もそこから出されてくる、こういうふうな立場が必要かと思います。
そこで、ドルの抱えている弱点といいますか、いろいろな要因はあると思いますが、私の見解としては、あえて一点にしぼって言えば、よく言われるアメリカのドルのたれ流し、こういうことがその弱点の最大のポイントではないかと思います。ドルが国際通貨であるということから、これはアメリカだけがそういうことができるわけですが、アメリカが国内的ないろいろな経済要因も織り込んでドルという通貨を発行する、そういう貨幣をつくり出す、そのつくり出したドルは、国際的な支払いに当てればどこでも国際通貨で通用するということから、たとえばいま問題の石油の輸入代金、あるいはまたアメリカは全世界に軍事基地や軍隊を展開していますけれども、それには莫大な費用がかかります。こういうものもまたドルの大きな支出の要因になるでしょう。あるいは国際的ないろいろな投資、いわゆる多国籍企業を通じての投資とか援助、とにかくいろいろにドルがアメリカから世界各国へ流れる要因はありますが、結局それを総合して、現在、全世界におけるドルの残高は六千億ドルくらいあるだろうというふうなことも聞くわけであります。言うなればそういうことがドルを弱くさせる。しかもその間、ニクソンの政権の段階ですが、ドルと金の関係は切断されることにもなってくる。こうなればいよいよドルの信用はなくなるということにならざるを得ない、こういうことかと思います。
そこで、一九三五年のアメリカの金準備法で金一オンス三十五ドルと定めて、アメリカ以外の国の通貨当局が求めてくればとにかく一オンス三十五ドルという比率によってドルと金をかえるという仕組みによって公定相場が維持されてきたのが切断された、こうなってまいりまして、しかも世界各国のドルの残高はたくさんあって、それがふえる一方であるというような状態、こういうところから、最近いわゆる金の価格が暴騰しあるいは暴落する、そういう金相場が出てきているというふうに私は思うわけです。
特にその中で、いわゆる産油国に対する莫大なドルの支払い、産油国は、その手持ちのドルが、結局ただ持っていただけでは目減りする、目減りするのを避けるためには金にかえようとか、いろいろなそういうことが出てきて、こういう不安定な金相場になる。それは裏返して言えば、ドルの値打ちが非常に不安定であるというようなことから、われわれの円の問題についても、日本の為替の問題についても、結局それが不安定な要因としてはね返ってくる、こういうことではないかと思います。この金とドルとの、あるいはオイルダラーとの関係を見ると、これは明らかに悪循環という状態になっている、こういうふうに見なければならぬと思うわけでして、それがIMF体制を要するに不安定にさせている最大の要因である、私はそのように思うわけです。
さて、これは昨年の一月二十五日ですが、第八十七国会の施政方針演説で、大平総理大臣は、こういうことも当然頭の中に置かれたと思いますが、こういうふうな演説をされております。「戦後四半世紀にわたって国際経済秩序を支えてきたガット、IMF体制は、いまや、大きい地殻変動に見舞われており、世界は、そのための新しい対応策を模索いたしております。」こういうふうな言葉を述べておられるのですが、それでは、日本としてはどういう対応策を模索すべきなのか。これは、当然日本政府としての責任ある一つの考え方や判断があるべきだと私は思います。これは総理大臣の演説であるわけですが、外務大臣に対して、エコノミストという立場も含めて、いまのこの問題についての基本的な御見解をひとつお尋ねいたしたいと思います。
大
大来佐武郎#5
○大来国務大臣 具体的な通貨問題になりますと、担当は大蔵省でございますので、後から大蔵省からもお聞き取り願いたいと思いますが、御指摘のように、ドルの不安定というのが国際通貨制度の安定を妨げる重要な原因であるというふうに私も考えております。やはり国内のインフレーションが年とともに強まる傾向がある。ドルが減価を続けていくということ、一方においてドルが基軸通貨としての役割りを持っておるということは、御指摘のようにいろいろな意味での不安定要因になってきておると思います。ただ、十年ほど前までは、アメリカ経済あるいはそれに裏づけされたドルが圧倒的な強さを持っておりまして、そういう意味では、ドルが基軸通貨としての役割りを概して果たしておって、たれ流しの問題も当時は余り出ておらなかったように思うのでございますが、七〇年代に入りまして、一つには、アメリカ経済の世界経済の中における相対的な地位が下がってまいったということ、それからアメリカの国内におけるインフレーションの問題、いろいろ出てまいりまして、それまでのようにドルが世界の通貨秩序を支えていくのに不十分になってきた、それがいろいろな点で出てきておると思うのであります。
これに対しての対策は、大平総理の演説の中にもございました世界全体としての模索が行われておる。ドルにかわって、それじゃ世界の通貨制度を支えるのをおれの方でやってやろうという志願者もいまのところあらわれておらない。結局は、この重要な通貨の当局の間の協力を密接にして、共同して世界の通貨制度を支えていかなければならない時代になりつつあるのではないかと考えておるわけでございます。
なお、この点につきましては通貨当局、大蔵省から答弁をしていただきたいと思います。
この発言だけを見る →これに対しての対策は、大平総理の演説の中にもございました世界全体としての模索が行われておる。ドルにかわって、それじゃ世界の通貨制度を支えるのをおれの方でやってやろうという志願者もいまのところあらわれておらない。結局は、この重要な通貨の当局の間の協力を密接にして、共同して世界の通貨制度を支えていかなければならない時代になりつつあるのではないかと考えておるわけでございます。
なお、この点につきましては通貨当局、大蔵省から答弁をしていただきたいと思います。
大
大場智満#6
○大場政府委員 まず初めに、基軸通貨としてのドルの問題ですが、私どももドルの基軸通貨としての役割りが徐々に後退していくという現実は認識しております。ただ問題は、基軸通貨としてのドルにかわる手段がないということでございまして、たとえば円について、われわれは基軸通貨としての役割りを担うほど自信もありませんし、またその負担は大き過ぎるわけです。それからマルクについても、ドイツの通貨当局も同じような見解ではないかと思っております。そうしますと、いまSDRの育成というような方法を通じてこのドルの役割りを補っていこうということが考えられているわけでございますが、SDRが決済通貨としてあるいは価値基準として、さらには準備通貨として使われるような、ドルと同じような役割りを担うまでにはなかなか至らないというのが現状だろうと思います。
そういう中でどうして通貨制度、端的には通貨間の相場の安定を図っていくかということになってくるわけでございますが、現在のように各国間にインフレ率格差あるいはGNPの格差がある段階では、どうしても固定的な相場制度はとり得ない、フロートしかないというふうに私どもは考えているわけでございます。ですから、そのフロートのシステムの中でどのようにしたら通貨相互間の安定が図れるかということが問題であると思います。
いま外務大臣が御指摘になりましたが、私どもは、第一には、通貨当局間の政策の協調をできるだけ密接にしていく。第二には、介入について情報の交換を頻繁にし、また密接な協力をしていく。第三には、制度的な対応になりますけれども、たとえばECではEMSのような相場安定の仕組みをつくりつつあります。また、最近ではIMFが代替勘定という新たな資産を創出しようとしておるわけでございまして、こういった新たな資産も制度的な面で各国通貨相互間の安定に寄与するのではないかと思います。このような方法で通貨相互間の安定を図っていくということが大事であろうと考えております。
この発言だけを見る →そういう中でどうして通貨制度、端的には通貨間の相場の安定を図っていくかということになってくるわけでございますが、現在のように各国間にインフレ率格差あるいはGNPの格差がある段階では、どうしても固定的な相場制度はとり得ない、フロートしかないというふうに私どもは考えているわけでございます。ですから、そのフロートのシステムの中でどのようにしたら通貨相互間の安定が図れるかということが問題であると思います。
いま外務大臣が御指摘になりましたが、私どもは、第一には、通貨当局間の政策の協調をできるだけ密接にしていく。第二には、介入について情報の交換を頻繁にし、また密接な協力をしていく。第三には、制度的な対応になりますけれども、たとえばECではEMSのような相場安定の仕組みをつくりつつあります。また、最近ではIMFが代替勘定という新たな資産を創出しようとしておるわけでございまして、こういった新たな資産も制度的な面で各国通貨相互間の安定に寄与するのではないかと思います。このような方法で通貨相互間の安定を図っていくということが大事であろうと考えております。
垂
垂水公正#7
○垂水政府委員 ただいま国際金融局次長の方からIMF体制についての先生の御質問に対してお答えを申し上げたわけでありますが、先生のお言葉の中にガット体制についての新しい対応策はどうしているのだという趣旨の御質問もあったと思いますので、その点について申し上げておきたいと思います。
御承知のとおり、また先ほど外務大臣も言われたとおり、第一次のオイルショックを契機といたしまして国際経済情勢というものは大変変化に富んでおりますし、かつまたわが国にとってかなり厳しいものになっているわけでございます。したがいまして、それに伴って主要国の中ですら、貿易の面について申し上げれば保護主義の動きが台頭してきているということは御案内のとおりであります。こういう環境の中にありまして世界の貿易の拡大と一層の自由化というものを進めてまいるのが東京ラウンドの交渉の目標であったわけでありまして、このたび七年にわたる交渉が妥結をしたわけでございます。
この東京ラウンド交渉の結果、関税と非関税という両分野におきましてかなりの広範な貿易障害の軽減、撤廃に関する合意ができ上がった、かように私どもは考えておりますし、今後の国際貿易のあり方を律するいわばルールが形成されたものと、かように考えておるわけであります。したがいまして、これによって、貿易の分野におきましてはガットの機能が従来に比べて一段と強化、改善されるということが期待されておるわけでありまして、ガットがこの面で果たしていく役割りは大きくなっている、かように考えておるわけであります。
そういうこととの関連におきまして、まずもって主要参加国の一翼でありますわが国といたしましては、東京ラウンド交渉の成果の誠実かつ早期実施ということが、期待されている開放的な貿易体制の確立ということに貢献するところがまことに大きいものと、かように考えております。
一言あえてつけ加えますならば、この東京ラウンド諸合意の成立によってガットの面での作業のすべてが完了したと私はもちろん思っておりません。残されたガットの問題というのは、先生御承知のとおり、ございます。それらについても対処して、ますますガットの機能強化を図ってまいる必要がある、かように考えておるわけであります。
この発言だけを見る →御承知のとおり、また先ほど外務大臣も言われたとおり、第一次のオイルショックを契機といたしまして国際経済情勢というものは大変変化に富んでおりますし、かつまたわが国にとってかなり厳しいものになっているわけでございます。したがいまして、それに伴って主要国の中ですら、貿易の面について申し上げれば保護主義の動きが台頭してきているということは御案内のとおりであります。こういう環境の中にありまして世界の貿易の拡大と一層の自由化というものを進めてまいるのが東京ラウンドの交渉の目標であったわけでありまして、このたび七年にわたる交渉が妥結をしたわけでございます。
この東京ラウンド交渉の結果、関税と非関税という両分野におきましてかなりの広範な貿易障害の軽減、撤廃に関する合意ができ上がった、かように私どもは考えておりますし、今後の国際貿易のあり方を律するいわばルールが形成されたものと、かように考えておるわけであります。したがいまして、これによって、貿易の分野におきましてはガットの機能が従来に比べて一段と強化、改善されるということが期待されておるわけでありまして、ガットがこの面で果たしていく役割りは大きくなっている、かように考えておるわけであります。
そういうこととの関連におきまして、まずもって主要参加国の一翼でありますわが国といたしましては、東京ラウンド交渉の成果の誠実かつ早期実施ということが、期待されている開放的な貿易体制の確立ということに貢献するところがまことに大きいものと、かように考えております。
一言あえてつけ加えますならば、この東京ラウンド諸合意の成立によってガットの面での作業のすべてが完了したと私はもちろん思っておりません。残されたガットの問題というのは、先生御承知のとおり、ございます。それらについても対処して、ますますガットの機能強化を図ってまいる必要がある、かように考えておるわけであります。
高
高沢寅男#8
○高沢委員 先ほどの大場次長のお答えの中で、結局ドルが基軸通貨として弱くなったけれどもそれにかわるものがないというお話ですね。かつての大英帝国が世界を制したそのころにポンドがそういう役割りを果たして、それが弱くなって後退したときには次にドルがあらわれた、こういうことだったわけですが、今度はドルが弱くなったときに、円がかわるわけにもいかぬ、あるいはマルクがかわるわけにもいかぬというような状態にあるわけです。ただ、その中で、私は、ヨーロッパ諸国の動きはちょっと注目しなければならぬのじゃないかという感じが実はする。
あなたのお話の中にもあった欧州の通貨制度、これが昨年の三月から発足しました。その通貨制度の中でECUという新しい欧州の通貨単位をつくっている。そしてこの通貨単位を欧州各国通貨の表示単位とする、各国の通貨を実際上このECuに結びつける、こういうふうなやり方をヨーロッパでは始めているわけですね。これは全世界じゃないけれどもヨーロッパという一つの範囲で見ると、実際上基軸通貨の役割りを果たさせるというようなねらいがあるのじゃないかと思う。しかも、ヨーロッパ各国の中央銀行の保有する金、ドル準備の二〇%ずつをお互いに拠出して、それをECUの裏づけにするというようなやり方をしている。このやり方は、ヨーロッパという次元ではあるけれどもドルにかわる基準通貨をつくろうという一つの考え方があるのじゃないか、その基軸通貨の裏づけとしてもう一度金というものを位置づける、いわゆる金の復権というような方向へヨーロッパは一歩踏み出してきたのではないのか、そんな感じがいたします。
したがって、それについての大場次長の評価をお聞きしたいということと、そういうものをヨーロッパではやっておるということをにらみながら、それではアジアで日本は一体何ができるか、何をやるべきなんだというようなことに当然なると思いますが、この日本が一体何ができるか、やるべきかとなると、大変むずかしい問題だと私も承知はしておりますが、そういうことも含めて御見解をお聞きしたいと思います。
この発言だけを見る →あなたのお話の中にもあった欧州の通貨制度、これが昨年の三月から発足しました。その通貨制度の中でECUという新しい欧州の通貨単位をつくっている。そしてこの通貨単位を欧州各国通貨の表示単位とする、各国の通貨を実際上このECuに結びつける、こういうふうなやり方をヨーロッパでは始めているわけですね。これは全世界じゃないけれどもヨーロッパという一つの範囲で見ると、実際上基軸通貨の役割りを果たさせるというようなねらいがあるのじゃないかと思う。しかも、ヨーロッパ各国の中央銀行の保有する金、ドル準備の二〇%ずつをお互いに拠出して、それをECUの裏づけにするというようなやり方をしている。このやり方は、ヨーロッパという次元ではあるけれどもドルにかわる基準通貨をつくろうという一つの考え方があるのじゃないか、その基軸通貨の裏づけとしてもう一度金というものを位置づける、いわゆる金の復権というような方向へヨーロッパは一歩踏み出してきたのではないのか、そんな感じがいたします。
したがって、それについての大場次長の評価をお聞きしたいということと、そういうものをヨーロッパではやっておるということをにらみながら、それではアジアで日本は一体何ができるか、何をやるべきなんだというようなことに当然なると思いますが、この日本が一体何ができるか、やるべきかとなると、大変むずかしい問題だと私も承知はしておりますが、そういうことも含めて御見解をお聞きしたいと思います。
大
大場智満#9
○大場政府委員 高沢委員御指摘のように、ヨーロッパ諸国の金(きん)を含めて外貨準備の二〇%を基準にして、欧州通貨基金というものがつくられている、これは事実でございます。しかしこれは、各国が欧州、通貨制度をつくるに当たって、参加国中央銀行がどの程度通貨基金に金(かね)を出していくかというときに、ドル等の外貨のほかに、外貨準備の中に同じように含まれている金を取り上げて、その二〇%を一つの基準にしておるということだろうと思います。したがいまして、そのECUの決済通貨としての役割りは進んでいくということは言えると思いますが、そこに、各国からの拠出の基準として使った金の役割りが高まるということとの間には一線が画されているのではないかというふうに私は判断しております。つまり、金が現実に決済手段として使われるということ、そういうふうには考えてないわけでございます。
第二に、これは高沢委員御承知のとおり、ECuそのものの価値は各国通貨のバスケットでできております。ですから、ちょうどSDRが十六通貨のバスケットで価値を決めているのと同じように、このECUの価値も参加九カ国の通貨のバスケット方式、マルクが一番大きくて三三、四%の比率だと思いますが、各国通貨のバスケットで決められているわけでございます。したがって、その価値基準としてのECUを考えた場合に、これが金と関連づけられているとは言えないということが指摘できると思います。そのようなことで、私は、ECUの発行をもって直ちに金が復権というふうには考えていないわけでございます。
ただ、ヨーロッパでは日本、イギリス、アメリカに比べて金選好が強いことは事実でございます。これは、外貨準備中に占める金の比率が大きいということからもおわかりいただけると思いますが、金選好が高いことは事実でございます。
この発言だけを見る →第二に、これは高沢委員御承知のとおり、ECuそのものの価値は各国通貨のバスケットでできております。ですから、ちょうどSDRが十六通貨のバスケットで価値を決めているのと同じように、このECUの価値も参加九カ国の通貨のバスケット方式、マルクが一番大きくて三三、四%の比率だと思いますが、各国通貨のバスケットで決められているわけでございます。したがって、その価値基準としてのECUを考えた場合に、これが金と関連づけられているとは言えないということが指摘できると思います。そのようなことで、私は、ECUの発行をもって直ちに金が復権というふうには考えていないわけでございます。
ただ、ヨーロッパでは日本、イギリス、アメリカに比べて金選好が強いことは事実でございます。これは、外貨準備中に占める金の比率が大きいということからもおわかりいただけると思いますが、金選好が高いことは事実でございます。
高
高沢寅男#10
○高沢委員 いまのことにつながる問題としてもう一つお尋ねしたいわけでありますが、六月にベネチアでサミットがありますね。これは新聞の報道ですからその信憑性というものはまだ確実なものではないかもしれませんが、そのベネチアサミットでフランスのジスカールデスタン大統領が金の復権につながるような提案をするのじゃないかというふうに観測されている、こう伝えられているわけです。それは、アジアにおいては円を中心の一つの通貨圏をつくる、ヨーロッパではいま言ったこの欧州通貨単位、ECUを中心の通貨圏、それからソ連のルーブルというものを中心に、社会主義のブロックはこれはこれで一つの通貨圏、そしてまた、全世界にまたがるでしょうがその他アメリカのドルの通貨圏、大まかに分けて四つの通貨圏というものを創設して、その相互の間では結局金を決済に使うというような方法で実際上の金の復権を提案するというようなことが言われているわけですが、本当にそういう提案が出るのかどうか。もちろん私も確実なあれを持っているわけじゃありませんが、仮にそういうものが出てくるとすれば、今度はもう、通貨圏同士の間では金を決済に使おう、こういうことになってくれば、さっき欧州通貨制度で私の言ったよりもっと足を踏み出した金の復権というふうなことになるのじゃないのか、こう思います。
したがって、これは仮定の問題かもしれませんけれども、そういうことが論議された場合に、当然サミットには外務大臣も総理と一緒に出席をされると思いますが、こういう問題についてのお考えを、大臣、また大場次長からひとつお聞きをしたいと思います。
この発言だけを見る →したがって、これは仮定の問題かもしれませんけれども、そういうことが論議された場合に、当然サミットには外務大臣も総理と一緒に出席をされると思いますが、こういう問題についてのお考えを、大臣、また大場次長からひとつお聞きをしたいと思います。
大
大来佐武郎#11
○大来国務大臣 ただいま高沢委員のお話のございましたようなアイデア、一部にあると聞いておりますし、フランス等でそういう研究が行われておるということも仄聞しておりますけれども、果たしてその案が今度のサミットに提案されるかどうか、いままでのところはそういう連絡は聞いておらないわけでございます。また、そういう案が出ましてもサミット諸国が賛成するかどうかもわからないと考えるわけでございますが、なお、さらに具体的には大蔵省からお聞き取り願いたいと思います。
この発言だけを見る →大
大場智満#12
○大場政府委員 ジスカールデスタン大統領の国際通貨改革構想というのは、フランス通貨当局内で検討中というふうには聞いておりますが、私どもも現時点でどのようなものが勉強されているかわかっておりません。ですから、新聞等で伝えられているものが実際に浮かび上がってくるのかどうかについても、この時点でコメントできない状況でございます。
ただ、金の問題につきましては、金の復権ということが言われておりますけれども、国際通貨としての役割りを金に求めるというようなときに、三つの観点から考えなければいけないと思います。第一は、決済通貨あるいは取引通貨としての役割りです。それから第二には、価値基準として使用されるかどうか。それから三番目には保蔵手段といいますか、通貨ですから準備資産として、つまり各国の外貨準備として使用されるかどうか、こういう問題だと思います。
いずれにしましても、この三つの視点から考えた場合に、金というのは国際通貨としては適当ではないのではないかと私は考えております。
第一の、決済通貨なり取引通貨としての金を考える場合に、やはり流動性が不足しているということ、つまり金の産出量には限界がありますし、また現在保蔵されている金にも限度があるわけでございまして、取引通貨、決済通貨として使用されるにはたえない手段ではないだろうかというふうに考えております。
それから第二の価値基準ですけれども、これは最近のように金が乱高下を繰り返している、つまり物としての金、しかもその動きが非常に激しい、このような手段を価値基準として使うことは適当ではないのではないかというふうに考えているわけです。
それから三番目に、準備通貨としての役割りですが、これは先ほども御指摘申し上げましたが、確かに各国の通貨当局は外貨準備の中で金というものを大事にしております。金廃貨の方向は決まっているわけですけれども、各国が外貨準備の中で金を大事に持っていることもまた事実でございます。しかし、この金が各国問で、各国通貨当局間ではかなり偏在しているわけでございまして、このように偏在している金というものの準備通貨としての役割りを余り高く評価することは適当ではないのではないか。
そういうことから、私どもとしては現在までの金廃貨の方向をそのまま踏襲し、進めていきたい、このように考えております。
なお、円を中心に何か通貨圏のようなものができないか、あるいはそういった構想はあるのかというお話でございますが、確かにEMSの場合にはEC諸国という一つの地域でございます。経済政策面でも協調が進んでおりますし、またインフレ率格差、GNP、そういった面でもできるだけ整合性を図っていこうという、そういう努力、共通の意思があると思うのですが、東南アジア諸国あるいは近隣の諸国と日本との状況を考えてみますと、やはりインフレ率格差とか相互のGNPの格差とか、余りにも開きが大き過ぎるのではないか。それからまたECのように統一を最終の目標にして、通貨の統一ということまで考えて、経済政策の整合性を図っているという事情にもないわけでございまして、一つのそういうECのような通貨圏をつくるのは、まだとても時期尚早、とても困難である、そういう時期にあると思っております。
この発言だけを見る →ただ、金の問題につきましては、金の復権ということが言われておりますけれども、国際通貨としての役割りを金に求めるというようなときに、三つの観点から考えなければいけないと思います。第一は、決済通貨あるいは取引通貨としての役割りです。それから第二には、価値基準として使用されるかどうか。それから三番目には保蔵手段といいますか、通貨ですから準備資産として、つまり各国の外貨準備として使用されるかどうか、こういう問題だと思います。
いずれにしましても、この三つの視点から考えた場合に、金というのは国際通貨としては適当ではないのではないかと私は考えております。
第一の、決済通貨なり取引通貨としての金を考える場合に、やはり流動性が不足しているということ、つまり金の産出量には限界がありますし、また現在保蔵されている金にも限度があるわけでございまして、取引通貨、決済通貨として使用されるにはたえない手段ではないだろうかというふうに考えております。
それから第二の価値基準ですけれども、これは最近のように金が乱高下を繰り返している、つまり物としての金、しかもその動きが非常に激しい、このような手段を価値基準として使うことは適当ではないのではないかというふうに考えているわけです。
それから三番目に、準備通貨としての役割りですが、これは先ほども御指摘申し上げましたが、確かに各国の通貨当局は外貨準備の中で金というものを大事にしております。金廃貨の方向は決まっているわけですけれども、各国が外貨準備の中で金を大事に持っていることもまた事実でございます。しかし、この金が各国問で、各国通貨当局間ではかなり偏在しているわけでございまして、このように偏在している金というものの準備通貨としての役割りを余り高く評価することは適当ではないのではないか。
そういうことから、私どもとしては現在までの金廃貨の方向をそのまま踏襲し、進めていきたい、このように考えております。
なお、円を中心に何か通貨圏のようなものができないか、あるいはそういった構想はあるのかというお話でございますが、確かにEMSの場合にはEC諸国という一つの地域でございます。経済政策面でも協調が進んでおりますし、またインフレ率格差、GNP、そういった面でもできるだけ整合性を図っていこうという、そういう努力、共通の意思があると思うのですが、東南アジア諸国あるいは近隣の諸国と日本との状況を考えてみますと、やはりインフレ率格差とか相互のGNPの格差とか、余りにも開きが大き過ぎるのではないか。それからまたECのように統一を最終の目標にして、通貨の統一ということまで考えて、経済政策の整合性を図っているという事情にもないわけでございまして、一つのそういうECのような通貨圏をつくるのは、まだとても時期尚早、とても困難である、そういう時期にあると思っております。
高
高沢寅男#13
○高沢委員 いまの大場次長の御説明で金の偏在ということを指摘されましたが、しかしその偏在といった場合に、日本が金の保有はきわめて少ないというところにむしろその偏在の一番の問題があるのではないのかというような感じで私はお聞きしたわけです。
しかし、それにしても、たとえばアメリカはもちろん金とドルの交換を切断しましたけれども、あれは相当減ってきたから切断したわけであって、しかし減ったと言ってもやはりアメリカは持っていますね。それからヨーロッパの各国も相当の金準備を持っておる。少なくもこのサミットに参加するような国で金の準備の一番少ないのは日本であるというふうな、こういうことを頭の中に置きながら言われたのではないかというふうな感じがしますが、そういう状態でもし国際通貨制度がやはりもう一度金へ戻るというようなことになってきたときに、日本の受ける不利な立場というふうなものは、これはいまの大平内閣がどうこうという問題よりもっとさかのぼって、戦後の三十年以上にわたる歴代自民党政権の経済政策の責任というものは私は大変重大じゃないかというふうなことも考えるわけですが、ただ、その点はいますぐ、だからこうするということには、なかなかそちらもお答えは出ないかと思います。
それからもう一つは、いまも御説明の中にあった各国のインフレの不均衡、これもまた大変むずかしい問題だと言われたのですが、私はむしろそれは日本が一番大事な経済の相手と見ているアメリカ、そのアメリカと日本の間のそういうインフレの不均衡というこの現状が大変重大じゃないか、私は実はこう思うのです。
ここに、大蔵省顧問の松川さんがアメリカを訪問したりまた世界各国を回って最近帰られた、それで新聞記者のインタビューに答えて談話をしておられる、それの新聞記事がありますけれども、そこでアメリカの経済について、米国のインフレマインドは物すごい、何でもいいから物を買っておく方が得だという心理が根づき、クレジットカードで商品を買い、その借金を払うために別なところから借金する自転車操業に陥っている人が多い、米国市場最大のデフレは一九二九年から始まった大恐慌のときだが、これだけのインフレは、現在のインフレは、これは南北戦争以来のことだ、こういうふうなのがアメリカのエコノミストの一致した意見であったというふうなことを、松川顧問は言っておられるのですね。
つまり、いまのアメリカのインフレは大変なものであるということを述べておられるわけでありますが、そういうアメリカのインフレの度合いと——私は日本の経済もいまやはりインフレ基調であって非常に重大な段階に来ていると思いますが、それでもアメリカのインフレの度合いと日本のインフレの度合いにはまだ格差があります。それは公定歩合の違いを見てもはっきりわかると思うのでありますが、さて、そういう状態で今回カーターのインフレを抑える総合政策が発表されたわけですが、一体これで本当にアメリカのインフレはおさまるというふうに見ることができるのか、そういう評価について私はお聞きをしたい、こう思います。それをまずお答えいただきたいと思います。
この発言だけを見る →しかし、それにしても、たとえばアメリカはもちろん金とドルの交換を切断しましたけれども、あれは相当減ってきたから切断したわけであって、しかし減ったと言ってもやはりアメリカは持っていますね。それからヨーロッパの各国も相当の金準備を持っておる。少なくもこのサミットに参加するような国で金の準備の一番少ないのは日本であるというふうな、こういうことを頭の中に置きながら言われたのではないかというふうな感じがしますが、そういう状態でもし国際通貨制度がやはりもう一度金へ戻るというようなことになってきたときに、日本の受ける不利な立場というふうなものは、これはいまの大平内閣がどうこうという問題よりもっとさかのぼって、戦後の三十年以上にわたる歴代自民党政権の経済政策の責任というものは私は大変重大じゃないかというふうなことも考えるわけですが、ただ、その点はいますぐ、だからこうするということには、なかなかそちらもお答えは出ないかと思います。
それからもう一つは、いまも御説明の中にあった各国のインフレの不均衡、これもまた大変むずかしい問題だと言われたのですが、私はむしろそれは日本が一番大事な経済の相手と見ているアメリカ、そのアメリカと日本の間のそういうインフレの不均衡というこの現状が大変重大じゃないか、私は実はこう思うのです。
ここに、大蔵省顧問の松川さんがアメリカを訪問したりまた世界各国を回って最近帰られた、それで新聞記者のインタビューに答えて談話をしておられる、それの新聞記事がありますけれども、そこでアメリカの経済について、米国のインフレマインドは物すごい、何でもいいから物を買っておく方が得だという心理が根づき、クレジットカードで商品を買い、その借金を払うために別なところから借金する自転車操業に陥っている人が多い、米国市場最大のデフレは一九二九年から始まった大恐慌のときだが、これだけのインフレは、現在のインフレは、これは南北戦争以来のことだ、こういうふうなのがアメリカのエコノミストの一致した意見であったというふうなことを、松川顧問は言っておられるのですね。
つまり、いまのアメリカのインフレは大変なものであるということを述べておられるわけでありますが、そういうアメリカのインフレの度合いと——私は日本の経済もいまやはりインフレ基調であって非常に重大な段階に来ていると思いますが、それでもアメリカのインフレの度合いと日本のインフレの度合いにはまだ格差があります。それは公定歩合の違いを見てもはっきりわかると思うのでありますが、さて、そういう状態で今回カーターのインフレを抑える総合政策が発表されたわけですが、一体これで本当にアメリカのインフレはおさまるというふうに見ることができるのか、そういう評価について私はお聞きをしたい、こう思います。それをまずお答えいただきたいと思います。
大
大来佐武郎#14
○大来国務大臣 確かに現在のアメリカで相当換物思想的な動き、これは不動産や物を買うというような形が出ておるように存じます。それで、当然何か総合対策が打ち出されるだろうということを諸外国も期待しておったわけでございますが、三月十五日に対策が発表になりまして、今度の対策は相当思い切った対策だろうと私どもとしてもその点は評価しておるわけでございます。
ただ、基本的に、アメリカ経済の生産性、成長率が非常に低くなっておるということが心配でございまして、このインフレ対策、今度の対策がある程度功を奏するといたしましても、一、二カ月のうちにということにはいかない、やはりかなり期間がかかるのではないか。アメリカ側でも、一けたインフレになるのはやはり来年に入ってからではないかという観測もあるようでございますので、必ずしも楽観はできませんが、しかしアメリカ政府が本格的にインフレに立ち向かおうとしておる意欲は、今度の施策の中でうかがわれると見ておるわけでございます。
この発言だけを見る →ただ、基本的に、アメリカ経済の生産性、成長率が非常に低くなっておるということが心配でございまして、このインフレ対策、今度の対策がある程度功を奏するといたしましても、一、二カ月のうちにということにはいかない、やはりかなり期間がかかるのではないか。アメリカ側でも、一けたインフレになるのはやはり来年に入ってからではないかという観測もあるようでございますので、必ずしも楽観はできませんが、しかしアメリカ政府が本格的にインフレに立ち向かおうとしておる意欲は、今度の施策の中でうかがわれると見ておるわけでございます。
大
大場智満#15
○大場政府委員 アメリカのインフレ率の問題と、それからもう一つは金の問題について若干補足させていただいて、その後アメリカの対策の評価について見解を申し述べたいと思います。
まず、金の問題ですと、各国通貨当局の金の保有の問題ですが、サミット参加国七カ国のうちで日本が一番少ないということではございませんで、英国とカナダの外貨準備中に占める金の保有は日本より少ないということになっております。
それからインフレ率の問題でございまして、米国のインフレは卸売物価、消費者物価とも、最近、前年同月比大体一三%前後でございますかで推移しております。これに対しましてわが国は、政府の見通しですと、卸売物価の上昇率は九%台ということですし、消費者物価の上昇率は六・四というふうに想定されているわけでございます。この一年間を暦年でとりましても、わが国と米国との間ではインフレ率に画然とした格差がある、つまり米国のインフレ率が高いという状況ではないかと思います。
問題は、これを為替相場が反映してないということがむしろ問題かとも思っているわけですけれども、現在の為替相場、これは円とかマルクもそうなんですけれども、今度のインフレ対策をもたらした原因である米国のインフレ率に着目しませんで、むしろその結果としての高金利、米国のドルの高金利ということに着目してドルが強くなっている。ですから、基礎的諸条件、ファンダメンタルズと言っておりますが、こういった基礎的諸条件からして、いまのマルクが弱い、あるいは円が弱いということは説明できないのではないかというふうに考えているわけでございます。
若干補足してお答えさせていただきました。
この発言だけを見る →まず、金の問題ですと、各国通貨当局の金の保有の問題ですが、サミット参加国七カ国のうちで日本が一番少ないということではございませんで、英国とカナダの外貨準備中に占める金の保有は日本より少ないということになっております。
それからインフレ率の問題でございまして、米国のインフレは卸売物価、消費者物価とも、最近、前年同月比大体一三%前後でございますかで推移しております。これに対しましてわが国は、政府の見通しですと、卸売物価の上昇率は九%台ということですし、消費者物価の上昇率は六・四というふうに想定されているわけでございます。この一年間を暦年でとりましても、わが国と米国との間ではインフレ率に画然とした格差がある、つまり米国のインフレ率が高いという状況ではないかと思います。
問題は、これを為替相場が反映してないということがむしろ問題かとも思っているわけですけれども、現在の為替相場、これは円とかマルクもそうなんですけれども、今度のインフレ対策をもたらした原因である米国のインフレ率に着目しませんで、むしろその結果としての高金利、米国のドルの高金利ということに着目してドルが強くなっている。ですから、基礎的諸条件、ファンダメンタルズと言っておりますが、こういった基礎的諸条件からして、いまのマルクが弱い、あるいは円が弱いということは説明できないのではないかというふうに考えているわけでございます。
若干補足してお答えさせていただきました。
高
高沢寅男#16
○高沢委員 アメリカでとられたインフレ対策、それに今度はこたえるということになりますか、あしたは何か公定歩合の引き上げが決められる、そしてその公定歩合は九%、日本の公定歩合としては過去最高のそういうところまで上げられる、こういうふうに新聞は報道いたしております。
それで、その効果がどうかということなんでありますが、私はさっき、ドルと金の関係が悪循環、ドルの値打ちが下がるから金は高くなる、金が高くなるからまたドルを金買いに回して一層またドルの値が下がる、そういう一種の悪循環というものにアメリカ経済がなっている、こう思うのですが、日本の経済を考えてみた場合でも、たとえば金利がずっと高くなってきましたね。その金利はアメリカが金利を高くするから日本も安い金利でいるわけにいかぬというふうな関係は確かにありますけれども、しかし、今度は日本が金利を上げるということが結果においては国債の値段を下げる、それを今度は下がったものを支えるためにはまた金利を上げなければいかぬ、ここに一つの悪循環が出ていると思います。
それから公定歩合を上げて金利を上げるということは、それで経済を抑えて物価を抑えるというようなねらいを当然持ってやられるわけですが、最近の日本の経済では、いわゆる減量経営ということで、各企業関係は切るべきところは切って相当の合理化を進めてきた、こういう段階で金利が上がりますと、その金利のコストの上昇を結局自分の企業でつくる製品の値段に転嫁するというようなことで、かえって値上がりする。私はある友人の経済学者からそういう危険も考えられるというふうなことを聞きましたが、そうなると、金利の引き上げと物価の上昇、これまた悪循環になってしまうというような段階までどうも日本の経済も来ているのじゃないのか。
そして、そういうことは結局、日本の国内の要因というようなものはもちろんありますが、対アメリカ経済との関係という面からそういうことを引き起こされているという面が非常に大きいのじゃないのか。そうすると、向こうから日本にインフレを、結局火をつけてくるという、アメリカと日本とのそういう関係をはっきりと切ることが必要なのじゃないか、こういうように思うのです。それについての御見解をお聞きしたいわけです。
それとの関係でもう一つついでに申し上げますが、これは特に外務大臣にお聞きしたいわけですが、最近アメリカから日本に対する軍事力の強化を求めるということが非常に来ております。これは軍事的な見地からアメリカの世界戦略あるいはアジア戦略の中で日本の自衛隊に役割りをさせよう、こういうねらいももちろん第一のねらいだと思いますが、もう一つのねらいは、その裏を見ると、とにかく日本が軍事予算を拡大するということになれば、それだけまたいま問題の国債発行がふえるということになる。そして、その国債発行がふえるということは日本のインフレをそれだけ促進することになるということで、アメリカが日本に軍事費の拡大を求めるということの中のもう一つの経済的ねらいは、自分はもうインフレで、これを自分自身は始末をつけられない、それならば日本に対して、自分と同じ程度のインフレにさせてやろう、自分よりもっとインフレ度の高いそういう経済に日本の経済をさせれば、日米の貿易関係でそれだけアメリカはとにかく息がつけるというようなねらいも持って、こういう軍事力強化ということも出てきているのじゃないかというふうな感じがいたします。
皆さんの立場からすれば、そこまでの判断はないと言われるかもしれません。しかし、いずれにせよ、アメリカのそうした大変なインフレの進行と日本のインフレの進行をはっきり断ち切るということについての判断や決断がいま一番必要じゃないか、こう私は思います。
そういう立場からひとつ大臣の御見解、さらにはまた次長の御見解もお聞きしたいと思います。
この発言だけを見る →それで、その効果がどうかということなんでありますが、私はさっき、ドルと金の関係が悪循環、ドルの値打ちが下がるから金は高くなる、金が高くなるからまたドルを金買いに回して一層またドルの値が下がる、そういう一種の悪循環というものにアメリカ経済がなっている、こう思うのですが、日本の経済を考えてみた場合でも、たとえば金利がずっと高くなってきましたね。その金利はアメリカが金利を高くするから日本も安い金利でいるわけにいかぬというふうな関係は確かにありますけれども、しかし、今度は日本が金利を上げるということが結果においては国債の値段を下げる、それを今度は下がったものを支えるためにはまた金利を上げなければいかぬ、ここに一つの悪循環が出ていると思います。
それから公定歩合を上げて金利を上げるということは、それで経済を抑えて物価を抑えるというようなねらいを当然持ってやられるわけですが、最近の日本の経済では、いわゆる減量経営ということで、各企業関係は切るべきところは切って相当の合理化を進めてきた、こういう段階で金利が上がりますと、その金利のコストの上昇を結局自分の企業でつくる製品の値段に転嫁するというようなことで、かえって値上がりする。私はある友人の経済学者からそういう危険も考えられるというふうなことを聞きましたが、そうなると、金利の引き上げと物価の上昇、これまた悪循環になってしまうというような段階までどうも日本の経済も来ているのじゃないのか。
そして、そういうことは結局、日本の国内の要因というようなものはもちろんありますが、対アメリカ経済との関係という面からそういうことを引き起こされているという面が非常に大きいのじゃないのか。そうすると、向こうから日本にインフレを、結局火をつけてくるという、アメリカと日本とのそういう関係をはっきりと切ることが必要なのじゃないか、こういうように思うのです。それについての御見解をお聞きしたいわけです。
それとの関係でもう一つついでに申し上げますが、これは特に外務大臣にお聞きしたいわけですが、最近アメリカから日本に対する軍事力の強化を求めるということが非常に来ております。これは軍事的な見地からアメリカの世界戦略あるいはアジア戦略の中で日本の自衛隊に役割りをさせよう、こういうねらいももちろん第一のねらいだと思いますが、もう一つのねらいは、その裏を見ると、とにかく日本が軍事予算を拡大するということになれば、それだけまたいま問題の国債発行がふえるということになる。そして、その国債発行がふえるということは日本のインフレをそれだけ促進することになるということで、アメリカが日本に軍事費の拡大を求めるということの中のもう一つの経済的ねらいは、自分はもうインフレで、これを自分自身は始末をつけられない、それならば日本に対して、自分と同じ程度のインフレにさせてやろう、自分よりもっとインフレ度の高いそういう経済に日本の経済をさせれば、日米の貿易関係でそれだけアメリカはとにかく息がつけるというようなねらいも持って、こういう軍事力強化ということも出てきているのじゃないかというふうな感じがいたします。
皆さんの立場からすれば、そこまでの判断はないと言われるかもしれません。しかし、いずれにせよ、アメリカのそうした大変なインフレの進行と日本のインフレの進行をはっきり断ち切るということについての判断や決断がいま一番必要じゃないか、こう私は思います。
そういう立場からひとつ大臣の御見解、さらにはまた次長の御見解もお聞きしたいと思います。
大
大来佐武郎#17
○大来国務大臣 ただいまの御質問の最初の部分は、大蔵省からお答え願った方がいいかと思いますが、ちょっと付言いたしますれば、確かにアメリカにおけるインフレ、高金利が日本その他ヨーロッパ諸国等の高金利を誘発しておるという点はございますが、この点はアメリカの今度の緊急対策でも、金利そのものは、公定歩合そのものは上げないで、分野を限って高率適用するというようなことで、金利引き上げ競争の悪循環を避けようという意図が見られるように存じております。
また、アメリカが自分のインフレと同じようなインフレを日本に意識的に起こさせるという点につきましては、そういう意図を持ってやっておることはないだろうと思います。
防衛問題についての日本の負担増加というもの、これは政府から正式な要求はまだこないわけでありますが、いろいろな立場の人がそういう発言をしておりますが、これはこの数年間、ことに十年間、ソ連の急速な軍備拡充が行われて、その間にアメリカ及び西側はむしろ軍事支出を避けてきたことに対して、これではいかぬという考え方が一両年出てまいりまして、そこにアフガニスタンのソ連の軍事介入というものが出てまいって、一般的に西側の防衛努力を増強しなければいかぬ、その一端について日本も協力してほしいというような考え方につながってまいったと思うのでございまして、日本が防衛費をふやす、それによってインフレになる、それによってアメリカのインフレと見合うというところまでの考え方はないのではないか。むしろ日本もアメリカもヨーロッパも協力して、何とかこの激しくなってまいりましたインフレをスローダウンしなければならないということで協力しようというのが基本的な立場ではないかと考えておるわけでございます。
この発言だけを見る →また、アメリカが自分のインフレと同じようなインフレを日本に意識的に起こさせるという点につきましては、そういう意図を持ってやっておることはないだろうと思います。
防衛問題についての日本の負担増加というもの、これは政府から正式な要求はまだこないわけでありますが、いろいろな立場の人がそういう発言をしておりますが、これはこの数年間、ことに十年間、ソ連の急速な軍備拡充が行われて、その間にアメリカ及び西側はむしろ軍事支出を避けてきたことに対して、これではいかぬという考え方が一両年出てまいりまして、そこにアフガニスタンのソ連の軍事介入というものが出てまいって、一般的に西側の防衛努力を増強しなければいかぬ、その一端について日本も協力してほしいというような考え方につながってまいったと思うのでございまして、日本が防衛費をふやす、それによってインフレになる、それによってアメリカのインフレと見合うというところまでの考え方はないのではないか。むしろ日本もアメリカもヨーロッパも協力して、何とかこの激しくなってまいりましたインフレをスローダウンしなければならないということで協力しようというのが基本的な立場ではないかと考えておるわけでございます。
大
大場智満#18
○大場政府委員 国内物価に関連する部分は、後ほど岸田調査企画課長からお答えさせていただきたいと思います。
金利格差と資本移動といいますか、対外水際面の問題について、一言外務大臣の答弁を補足させていただきたいと思います。
確かに金利格差が生じますと、短期、長期の資本移動が起きるわけでございますけれども、短期の場合には、金利裁定によりまして先物相場が動くということにつながってまいりますので、その間にきわめて大きな資本移動が起きると一概には言えないと考えております。
それからまた、長期資本移動の場合には、これまた対象となる資産の金利のほかに為替の先行きということを重視いたしますので、単に金利格差があるから資本移動が起きるという性格のものではないのではないかと考えております。
いずれにしても、今度の米国の措置、つまり金融政策につきましては、目玉は一二%のサーチャージをかけるということにあるわけでございますが、これはいま外務大臣が御指摘になった問題のほかに、米国通貨当局としては金利を上げないで信用調整といいますかマネーサプライの伸びを抑える手段として、三%のサーチャージを選択したのではないかと私は考えております。
この発言だけを見る →金利格差と資本移動といいますか、対外水際面の問題について、一言外務大臣の答弁を補足させていただきたいと思います。
確かに金利格差が生じますと、短期、長期の資本移動が起きるわけでございますけれども、短期の場合には、金利裁定によりまして先物相場が動くということにつながってまいりますので、その間にきわめて大きな資本移動が起きると一概には言えないと考えております。
それからまた、長期資本移動の場合には、これまた対象となる資産の金利のほかに為替の先行きということを重視いたしますので、単に金利格差があるから資本移動が起きるという性格のものではないのではないかと考えております。
いずれにしても、今度の米国の措置、つまり金融政策につきましては、目玉は一二%のサーチャージをかけるということにあるわけでございますが、これはいま外務大臣が御指摘になった問題のほかに、米国通貨当局としては金利を上げないで信用調整といいますかマネーサプライの伸びを抑える手段として、三%のサーチャージを選択したのではないかと私は考えております。
岸
岸田俊輔#19
○岸田説明員 国内物価と公定歩合の問題についてお答えをさせていただきたいと思います。
具体的な公定歩合の問題は日銀の所管でございますので、お答えは差し控えさせていただきたいと思います。
一般的な公定歩合と物価の問題でございます。先生先ほど御指摘のように、公定歩合による金利の上昇が転嫁をされてぐるぐる回りが起こるのではないかということでございましたが、一部に若干金利の上昇を転嫁する部面もあるかと思いますが、総体的に見てまいります場合には、金利が上昇いたしますと結局は設備投資が停滞をする、それから在庫投資も減少する、それから住宅なんかも金利が影響いたしまして、全体として需要が減退をするという形にはなるのではなかろうか。その需給関係から物価の安定、鎮静という方向に向かうことは間違いないのじゃなかろうか。
この点につきましてはマクロ計算でもそういうような結果が出ております。特にマクロ計算でございますと、為替相場の関係は大体組み込まれておらないのでございますが、この点からも、公定歩合が上がりました場合には相場の安定、円高傾向ということになりますれば、これは直接的に物価に好影響が与えられるということでございますので、ほかの国のように換物思想が進行いたしまして幾らやっても効かないというような状況が現出している場合もございますが、わが国の場合は企業、消費者ともに非常に健全なビヘーピアでございますし、公定歩合を上げましたときの物価への効果はより大きいのではないかと考えております。
この発言だけを見る →具体的な公定歩合の問題は日銀の所管でございますので、お答えは差し控えさせていただきたいと思います。
一般的な公定歩合と物価の問題でございます。先生先ほど御指摘のように、公定歩合による金利の上昇が転嫁をされてぐるぐる回りが起こるのではないかということでございましたが、一部に若干金利の上昇を転嫁する部面もあるかと思いますが、総体的に見てまいります場合には、金利が上昇いたしますと結局は設備投資が停滞をする、それから在庫投資も減少する、それから住宅なんかも金利が影響いたしまして、全体として需要が減退をするという形にはなるのではなかろうか。その需給関係から物価の安定、鎮静という方向に向かうことは間違いないのじゃなかろうか。
この点につきましてはマクロ計算でもそういうような結果が出ております。特にマクロ計算でございますと、為替相場の関係は大体組み込まれておらないのでございますが、この点からも、公定歩合が上がりました場合には相場の安定、円高傾向ということになりますれば、これは直接的に物価に好影響が与えられるということでございますので、ほかの国のように換物思想が進行いたしまして幾らやっても効かないというような状況が現出している場合もございますが、わが国の場合は企業、消費者ともに非常に健全なビヘーピアでございますし、公定歩合を上げましたときの物価への効果はより大きいのではないかと考えております。
高
高沢寅男#20
○高沢委員 お約束の私の時間はあと五分しかないので、ひとつ具体問題に移りたいと思います。
通産省、お見えになっていると思いますが、最近わが国のアクリル紡績糸がアメリカの国際貿易委員会によってダンピングの判定を受けたということが報道されております。このことについて、一つは、このことをわが方としてはどういうふうに評価するか、それからそれに対する今後の対アメリカの対応を政府としてどうされるか。もちろん業界は業界でやりますが、政府としてどうされるか。
その政府としてどうされるかということの一つに、これは今度は外務省にお尋ねするわけですが、今度のアクリル紡績糸のダンピング問題、いまわれわれが審議しているダンピング防止協定がわれわれの批准が成り立って有効になってきた段階で、これを使って対アメリカ関係をどういうふうに外務省としては折衝されるか、そのことを、まとめた質問の形で済みませんが、それぞれ御説明をお願いをしたいと思います。
この発言だけを見る →通産省、お見えになっていると思いますが、最近わが国のアクリル紡績糸がアメリカの国際貿易委員会によってダンピングの判定を受けたということが報道されております。このことについて、一つは、このことをわが方としてはどういうふうに評価するか、それからそれに対する今後の対アメリカの対応を政府としてどうされるか。もちろん業界は業界でやりますが、政府としてどうされるか。
その政府としてどうされるかということの一つに、これは今度は外務省にお尋ねするわけですが、今度のアクリル紡績糸のダンピング問題、いまわれわれが審議しているダンピング防止協定がわれわれの批准が成り立って有効になってきた段階で、これを使って対アメリカ関係をどういうふうに外務省としては折衝されるか、そのことを、まとめた質問の形で済みませんが、それぞれ御説明をお願いをしたいと思います。
村
村岡茂生#21
○村岡説明員 御説明申し上げます。
日本の対米向けのアクリル繊維の輸出でございますが、五十一年の後半から五十二年にかけまして実は非常に急激に増加したわけでございます。このような事情を受けまして、米国の紡績業者協会は一九七八年の十一月にこれら日本から輸入されるアクリル紡績糸はダンピングであるということで財務省に提訴したわけでございます。財務省はこれを受けまして、翌年七九年一月に正式に受理いたしまして検討を進めてまいったわけでございますが、同時に七九年の七月には、イタリア産のアクリル紡績糸もダンピングであるという提訴を受けまして財務省でいろいろ議論いたしました。七九年の七月に財務省は、日本産のアクリル紡績糸についてクロの仮決定をいたし、その後いろいろ精査を経まして、同十月には二三%強に及びますダンピングマージンありというクロの決定をいたしまして、ITC、国際貿易委員会の方へ付託したわけでございます。これがついせんだって三月の六日にITCにおきまして被害ありという認定がありまして、ダンピングマージンあり、被害ありということに相なったわけでございます。
私どもといたしましては、いろいろ日米の交渉あるいは長期繊維取り決め等に基づきまして、対米輸出につきましては、数量枠などを設けまして規制をしていたというような事実もあるわけでございまして、数回にわたりまして、アメリカにいろいろ抗議を申し入れてきつつあった、こういう状況に、ございます。
しかしながら、三月六日におきますITCの仮決定がいかなる内容による判定であるのかということにつきまして、われわれまだつまびらかにすることができない状況にございます。米国政府に対しまして、早急にこの内容を知らせていただくように話をしておるところでございまして、その内容がわかり次第、再度抗議をするなり、適当な措置をとってみたいと考えております。
この発言だけを見る →日本の対米向けのアクリル繊維の輸出でございますが、五十一年の後半から五十二年にかけまして実は非常に急激に増加したわけでございます。このような事情を受けまして、米国の紡績業者協会は一九七八年の十一月にこれら日本から輸入されるアクリル紡績糸はダンピングであるということで財務省に提訴したわけでございます。財務省はこれを受けまして、翌年七九年一月に正式に受理いたしまして検討を進めてまいったわけでございますが、同時に七九年の七月には、イタリア産のアクリル紡績糸もダンピングであるという提訴を受けまして財務省でいろいろ議論いたしました。七九年の七月に財務省は、日本産のアクリル紡績糸についてクロの仮決定をいたし、その後いろいろ精査を経まして、同十月には二三%強に及びますダンピングマージンありというクロの決定をいたしまして、ITC、国際貿易委員会の方へ付託したわけでございます。これがついせんだって三月の六日にITCにおきまして被害ありという認定がありまして、ダンピングマージンあり、被害ありということに相なったわけでございます。
私どもといたしましては、いろいろ日米の交渉あるいは長期繊維取り決め等に基づきまして、対米輸出につきましては、数量枠などを設けまして規制をしていたというような事実もあるわけでございまして、数回にわたりまして、アメリカにいろいろ抗議を申し入れてきつつあった、こういう状況に、ございます。
しかしながら、三月六日におきますITCの仮決定がいかなる内容による判定であるのかということにつきまして、われわれまだつまびらかにすることができない状況にございます。米国政府に対しまして、早急にこの内容を知らせていただくように話をしておるところでございまして、その内容がわかり次第、再度抗議をするなり、適当な措置をとってみたいと考えております。
手
手島れい志#22
○手島政府委員 ただいま通産省の方から御答弁がありましたように、従来とも政府はアメリカに対して関心のあるところを示し、いろいろ申し入れを行っていたところでございます。ただいまも、最近のITCの決定につきまして、その内容について照会中でございますが、その結果を検討の上、さらに納得し得ない点があれば、改めてアメリカ側と話をしたいと思っております。
また、新しく今度できましたアンチダンピングの協定では、必要があれば情報提供を求めるということもできますし、そのほか、二国間の協議あるいは国際的な場において、この問題を取り上げることができるわけでございます。
したがいまして、私どもといたしましては、この協定を御承認いただき、日本も正式にこの協定の権利を要求できるということになりましたら、先ほど申しましたアメリカ側からの情報の結果いかんによりましては、この協定の場において、多国間の協議で取り上げることもできるのではないか、そういうふうに考えております。
この発言だけを見る →また、新しく今度できましたアンチダンピングの協定では、必要があれば情報提供を求めるということもできますし、そのほか、二国間の協議あるいは国際的な場において、この問題を取り上げることができるわけでございます。
したがいまして、私どもといたしましては、この協定を御承認いただき、日本も正式にこの協定の権利を要求できるということになりましたら、先ほど申しましたアメリカ側からの情報の結果いかんによりましては、この協定の場において、多国間の協議で取り上げることもできるのではないか、そういうふうに考えております。
高
高沢寅男#23
○高沢委員 それでは、もう私予定いたしました質問の時間が尽きましたので——次の質問者から御了解をいただきましたから、もう一つ聞きたいと思っていたことをお聞きいたします。
性格の似た問題でありますが、最近わが国の米の輸出が、またアメリカから、これは不正取引である、こういうふうなことで、政治問題にどうもなりそうな気配になっておる、こう伝えられております。これについては、ひとつ農林省から、この事情の経緯の御説明と、今後どういうふうに対応するかということの御説明をいただき、同時に外務省からは、今度の補助金・相殺措置協定が成立した場合に、われわれのそれに対する対応の仕方をひとつお聞きをいたしたいと思います。
この発言だけを見る →性格の似た問題でありますが、最近わが国の米の輸出が、またアメリカから、これは不正取引である、こういうふうなことで、政治問題にどうもなりそうな気配になっておる、こう伝えられております。これについては、ひとつ農林省から、この事情の経緯の御説明と、今後どういうふうに対応するかということの御説明をいただき、同時に外務省からは、今度の補助金・相殺措置協定が成立した場合に、われわれのそれに対する対応の仕方をひとつお聞きをいたしたいと思います。
羽
羽鳥博#24
○羽鳥説明員 お答えいたします。
私どもが過剰米処理の一環として実施いたしております日本米の輸出に対しまして、御指摘のように米国の関係業界は、これが不公正な取引であるとして、米(こめ)の国際市場を撹乱して米国の米の輸出に悪影響を与えるものであるとしまして、強い懸念を表明しているところでございます。しかし、私どもといたしましては、輸出は過剰米処理の重要な用途の一つでありまして、かつ、食糧不足に悩む開発途上国からの強い要請にこたえるという援助的性格のものであります。したがいまして、FAOの余剰処理原則等に即しまして、関係国と十分な連絡をとりながらこれまで取り進めてきたところであります。今後とも、米国を初めとする伝統的な輸出国との間に摩擦を生じないよう関係国と調整に配慮しながら、過剰米の輸出が円滑に行われますよう対処してまいりたい、かように考えておるところであります。
この発言だけを見る →私どもが過剰米処理の一環として実施いたしております日本米の輸出に対しまして、御指摘のように米国の関係業界は、これが不公正な取引であるとして、米(こめ)の国際市場を撹乱して米国の米の輸出に悪影響を与えるものであるとしまして、強い懸念を表明しているところでございます。しかし、私どもといたしましては、輸出は過剰米処理の重要な用途の一つでありまして、かつ、食糧不足に悩む開発途上国からの強い要請にこたえるという援助的性格のものであります。したがいまして、FAOの余剰処理原則等に即しまして、関係国と十分な連絡をとりながらこれまで取り進めてきたところであります。今後とも、米国を初めとする伝統的な輸出国との間に摩擦を生じないよう関係国と調整に配慮しながら、過剰米の輸出が円滑に行われますよう対処してまいりたい、かように考えておるところであります。
手
手島れい志#25
○手島政府委員 今度できました補助金・相殺関税のコードとの関係について御説明をさせていただきます。
今度できましたコードによりましても、あるいはもともとガットの一般協定によりましても、一次産品に対する輸出補助金というものが何であるかということについては、実は具体的な定義がないわけでございます。したがって、日本の米の輸出が、この協定で言う輸出補助金に該当するかどうかということについて、協定の解釈をいまの段階で導き出すことは困難であろうと思います。
いずれにいたしましても、一次産品に対する輸出の補助金であって協定によって交付が禁止されているものは、幾つかの条件に合致したものだけなのでございますが、その条件を御説明いたしますと、一つは、自分の国の輸出の占拠率と申しますか、外の世界市場におけるマーケットのシェアが不当に増大することとなるものと、それから、特定の市場の価格を相当下回る価格で輸出したもの、非常に国際相場よりも安い価格での輸出ということでございます。
先ほど農林省の方からも御答弁がありましたように、日本の米の輸出は、過剰処理の一環として緊急的な措置としてやっておるものでございますし、また、食糧不足に悩んでおります発展途上国に対する援助ないし援助的な色彩が非常に強いものでございます。それに価格につきましても、国際相場を十分に参酌して決定をしておるわけでございます。したがって、先ほど申しましたその協定上の条件に照らして見る限り、わが国の過剰米の輸出が協定上禁止される輸出補助金には該当しないと十分主張できるものだというふうに考えております。
もちろん、その協定の中には、ほかの国からの異議申し立てがあった場合に協議をするような条項もございますので、外国から協議を要請されるようなことがあるかもしれませんけれども、そのときには、私どもとしては先ほど申し上げたような事情を十分説明いたしまして妥当な結論が得られるであろう、そういうふうに努力したいと考えております。
この発言だけを見る →今度できましたコードによりましても、あるいはもともとガットの一般協定によりましても、一次産品に対する輸出補助金というものが何であるかということについては、実は具体的な定義がないわけでございます。したがって、日本の米の輸出が、この協定で言う輸出補助金に該当するかどうかということについて、協定の解釈をいまの段階で導き出すことは困難であろうと思います。
いずれにいたしましても、一次産品に対する輸出の補助金であって協定によって交付が禁止されているものは、幾つかの条件に合致したものだけなのでございますが、その条件を御説明いたしますと、一つは、自分の国の輸出の占拠率と申しますか、外の世界市場におけるマーケットのシェアが不当に増大することとなるものと、それから、特定の市場の価格を相当下回る価格で輸出したもの、非常に国際相場よりも安い価格での輸出ということでございます。
先ほど農林省の方からも御答弁がありましたように、日本の米の輸出は、過剰処理の一環として緊急的な措置としてやっておるものでございますし、また、食糧不足に悩んでおります発展途上国に対する援助ないし援助的な色彩が非常に強いものでございます。それに価格につきましても、国際相場を十分に参酌して決定をしておるわけでございます。したがって、先ほど申しましたその協定上の条件に照らして見る限り、わが国の過剰米の輸出が協定上禁止される輸出補助金には該当しないと十分主張できるものだというふうに考えております。
もちろん、その協定の中には、ほかの国からの異議申し立てがあった場合に協議をするような条項もございますので、外国から協議を要請されるようなことがあるかもしれませんけれども、そのときには、私どもとしては先ほど申し上げたような事情を十分説明いたしまして妥当な結論が得られるであろう、そういうふうに努力したいと考えております。
高
高沢寅男#26
○高沢委員 ではもうこれで最後です。
いま手島局長の御説明がありましたが、この補助金・相殺措置協定の第十一条の1、ここには「輸出補助金以外の補助金」という形で、その署名国が、いわば国内政策としての社会政策あるいは経済政策上の目的を達成するための重要な手段としてこの補助金をやる場合は、輸出補助金とは性格の違うものだ、こういうこともきちんと規定されているわけです。よく日本の場合には、食管会計の買い入れ価格と売り渡し価格の関係でそういう補助金の性格が問題にされますが、私は日本の場合には、この十一条の一の規定に該当するものではないのか、こんなふうに思いますが、将来、これがそういう国際的な議論になる場合にも、そういうお立場が外務省としても当然あるのではないかと思いますが、ひとつそのことをお聞きをして、終わりたいと思います。
この発言だけを見る →いま手島局長の御説明がありましたが、この補助金・相殺措置協定の第十一条の1、ここには「輸出補助金以外の補助金」という形で、その署名国が、いわば国内政策としての社会政策あるいは経済政策上の目的を達成するための重要な手段としてこの補助金をやる場合は、輸出補助金とは性格の違うものだ、こういうこともきちんと規定されているわけです。よく日本の場合には、食管会計の買い入れ価格と売り渡し価格の関係でそういう補助金の性格が問題にされますが、私は日本の場合には、この十一条の一の規定に該当するものではないのか、こんなふうに思いますが、将来、これがそういう国際的な議論になる場合にも、そういうお立場が外務省としても当然あるのではないかと思いますが、ひとつそのことをお聞きをして、終わりたいと思います。
手
手島れい志#27
○手島政府委員 ただいま御指摘の十一条の規定は、輸出補助金以外の補助金についての規定でございまして、この点につきましては先生の御指摘のとおりでございます。先ほど私答弁いたしましたのは、一部に日本の米の輸出が、これは輸出補助金に該当するのではないかという意見がありますので、その点につきましては私が御答弁を申し上げたような次第でございます。
この発言だけを見る →高
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