大場智満の発言 (外務委員会)
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○大場政府委員 ジスカールデスタン大統領の国際通貨改革構想というのは、フランス通貨当局内で検討中というふうには聞いておりますが、私どもも現時点でどのようなものが勉強されているかわかっておりません。ですから、新聞等で伝えられているものが実際に浮かび上がってくるのかどうかについても、この時点でコメントできない状況でございます。
ただ、金の問題につきましては、金の復権ということが言われておりますけれども、国際通貨としての役割りを金に求めるというようなときに、三つの観点から考えなければいけないと思います。第一は、決済通貨あるいは取引通貨としての役割りです。それから第二には、価値基準として使用されるかどうか。それから三番目には保蔵手段といいますか、通貨ですから準備資産として、つまり各国の外貨準備として使用されるかどうか、こういう問題だと思います。
いずれにしましても、この三つの視点から考えた場合に、金というのは国際通貨としては適当ではないのではないかと私は考えております。
第一の、決済通貨なり取引通貨としての金を考える場合に、やはり流動性が不足しているということ、つまり金の産出量には限界がありますし、また現在保蔵されている金にも限度があるわけでございまして、取引通貨、決済通貨として使用されるにはたえない手段ではないだろうかというふうに考えております。
それから第二の価値基準ですけれども、これは最近のように金が乱高下を繰り返している、つまり物としての金、しかもその動きが非常に激しい、このような手段を価値基準として使うことは適当ではないのではないかというふうに考えているわけです。
それから三番目に、準備通貨としての役割りですが、これは先ほども御指摘申し上げましたが、確かに各国の通貨当局は外貨準備の中で金というものを大事にしております。金廃貨の方向は決まっているわけですけれども、各国が外貨準備の中で金を大事に持っていることもまた事実でございます。しかし、この金が各国問で、各国通貨当局間ではかなり偏在しているわけでございまして、このように偏在している金というものの準備通貨としての役割りを余り高く評価することは適当ではないのではないか。
そういうことから、私どもとしては現在までの金廃貨の方向をそのまま踏襲し、進めていきたい、このように考えております。
なお、円を中心に何か通貨圏のようなものができないか、あるいはそういった構想はあるのかというお話でございますが、確かにEMSの場合にはEC諸国という一つの地域でございます。経済政策面でも協調が進んでおりますし、またインフレ率格差、GNP、そういった面でもできるだけ整合性を図っていこうという、そういう努力、共通の意思があると思うのですが、東南アジア諸国あるいは近隣の諸国と日本との状況を考えてみますと、やはりインフレ率格差とか相互のGNPの格差とか、余りにも開きが大き過ぎるのではないか。それからまたECのように統一を最終の目標にして、通貨の統一ということまで考えて、経済政策の整合性を図っているという事情にもないわけでございまして、一つのそういうECのような通貨圏をつくるのは、まだとても時期尚早、とても困難である、そういう時期にあると思っております。