大来佐武郎の発言 (外務委員会)
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○大来国務大臣 南北格差と申しますか、この点につきましては、御指摘のとおり経済成長率としては南側の方が高いのでございますけれども、人口の増加率が南側が先進国に比べてかなりまた高いということで、一人当たりの所得の伸び率から見ると格差が余り縮まらないということが過去二十年くらいにわたってございます。いろいろな国連の会議等でもすでにこの問題が討議されてきておるわけでございますが、一方において途上国の成長率を高める、それから他方、人口の増加率の低下をある程度期待する、その両方の面から将来一人当たり所得の伸び率でもある程度格差が縮まる可能性が考えられるのじゃないか。
それからもう一つは、南の途上国の中の格差がかなり開いてまいりまして、いわゆる中進国と言われる国々あるいは産油国等はかなり高い成長率で、こういう国々は先進国とのギャップを縮めつつあるわけでございますけれども、一番貧しい国、これはいろいろ社会的な問題、教育程度、一種の貧困の悪循環がございまして、なかなか経済発展が軌道に乗らない。そのために一人当たり所得の上昇も思うようにいかないということで、いままでのところはむしろ格差が広がる状態になっておるわけでございます。
最近、日本でもそうでございますが、先進諸国の援助政策の中で、できるだけ低所得の開発途上国に対する援助にウエートを置いていくというような形で格差を縮める、あるいはそういう国々の人的な面での教育とか職業訓練、そういうものを強めることによって生産の上昇、所得の上昇を促進する。いずれにしても相当長くかかる問題でございます。また一つには、そういうごく貧しい国にはできるだけソフトなあるいはできるだけ贈与を中心にした援助を行って、一種の所得の移転を通ずる格差の縮小ということも国際的に考えられておりますし、日本としてもその方向で、たとえば低所得国の債務について事実上償還の必要をなくするような措置も講じられてきておるわけでございます。
いまのところ必ずしも十分とは言えないと思いますが、一番所得の低い国々の所得をさらに引き上げるような努力は、今後ともいろいろな形で強化する必要があると存じます。