大来佐武郎の発言 (外務委員会)

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○大来国務大臣 今回、大平総理大臣は四月三十日から五月七日まで米国、メキシコ及びカナダを訪問いたしまして、私も御一緒に参ったわけでございます。
 米国におきましては、四月三十日から五月一日まで、主として五月一日カーター大統領と会談したほか、米国議会の指導層との懇談もいたしたわけでございます。
 カーター大統領との会談におきましては、イラン、アフガン問題を中心とする国際情勢、ベニスサミット及び二国間問題についての意見交換を行いましたが、イラン、アフガン問題につきましては、大統領より、これらの問題がもたらす状況に対して国際社会が断固たる態度で臨むことが重要であるという指摘がありました。総理からは、わが国としては国際社会の一員として、また米国の友邦としてこれらの問題に対処していくことが重要であるという基本的な認識のもとで努力をしておるというお話をいたしたわけでございまして、特にイランの人質問題につきましては、総理から、米国が本件に対処するに当たり引き続き忍耐と理性を示し、平和的に解決していくことが重要であるということを発言されました。
 また、難民問題につきましては、国際社会全体にとって共通な深刻な問題であり、引き続き援助をしていく必要がある、これの両者の認識は一致したわけでございます。
 ベニスのサミットにつきましては、エネルギー節約、代替エネルギー開発、その他の面で有効な方途を探るという話が出ておりました。
 防衛力増大の問題につきましては、大統領より、日本が防衛力増強に努力していることを多としており、また日本の国内的制約については十分理解しているところであるが、今後とも新しい状態に対処するために、日本政府の内部にすでにある計画を早目に達成されるならば、アジアの平和と安定のために有意義と考えるという趣旨をカーター大統領が述べたわけでございます。総理からは、第一に、わが国としても今後とも自主的に努力を続けていくということ、それから第二に、日本側の制約について米側の理解を評価する、第三に、わが国としても同盟国として何をしていくべきかを真剣に検討していくという趣旨の発言をされたわけでございます。
 さらに、アジア地域の政治的経済的安定に資するために、広い意味での安全保障の確保のために、日本として経済技術協力をさらに一層努力をしていく考えだということも総理から述べられたわけでございます。
 それから、自動車問題及び政府調達問題につきまして米側から言及がございましたけれども、この問題については、アスキュー通商代表が来週早々来日いたしますので、この話し合いをさらに将来にわたって継続して解決を目指すということでございました。
 今回の米国訪問は短期間でございましたけれども、両首脳が国際情勢の厳しい中での率直な意見交換をしたということと、日米両国の問の信頼関係を強めるという意味での意義が大きかったと考えております。
 さらに、大平総理は、五月一日から四日までメキシコを公式訪問し、ポルチーヨ大統領と二度にわたって会談いたしました。
 この会談では、メキシコの重要性にかんがみ、政治、経済等の幅広い分野で協力を行っていかなければならないという認識のもとに、国際情勢についての両国の考え方の意見交換、それからまた、両国間の相互理解を一層促進するために、日墨友好基金に対して百万ドルの提供を日本が行うというごとも、この際に発表されたわけでございます。
 さらに、メキシコは自国の近代化、工業化の促進を非常に重視しておりまして、そういう分野に対して日本が協力していく、特に鉄鋼プロジェクトについて誠意を持って協力するということ、他方、メキシコに対して、八二年までに原油の対日輸出を一日当たり三十万バレルまでに増加してもらいたいということを総理の側から申し入れいたしまして、これに対してメキシコの大統領からは、これに配慮するという政治的決意と善意を示されたわけであります。
 今次の訪問を通じまして、政治的、経済的に成長しつつあるメキシコの活力に印象を受けるとともに、相互の理解を深める意味で大きな意義があったと考えるわけでございます。
 さらに、総理は、四日から七日までカナダを公式訪問し、トルドー首相と二回にわたる会談をいたしましたほか、カナダ連邦議会において、日加関係の展望について、これは上院、下院合同の席上で、総理から演説をいたしたわけでございます。
 トルドー首相との会談では、主要な国際問題及び二国間の問題につきまして、友好的な雰囲気の中で話し合いを行ったわけでございます。
 イラン、アフガン問題についても共通の認識でございまして、国際社会の秩序に対する脅威という認識のもとで、その解決に努力する、協力するという意見の一致を見たわけでございます。
 二国間問題につきましては、経済面では日加貿易経済関係などを一層強化することについての意見の一致を見ました。このため、民間レベルでの接触の強化と相まって、政府ベースの日加経済協力委員会の場などを活用して、今後も話し合いを続けてまいる。それから、二国間のエネルギー協力のあり方についても相当内容に入った意見交換を行ったわけでございます。
 日加両国間の幅広い関係の進展を反映し、新たに両国外務大臣間の年次定期協議を開始することが一応合意されたわけでございまして、今回のオタワでの私と先方の外務大臣の間の会談がその第一回になったわけでございます。
 今次訪問を通じまして、経済関係はもとより、政治、文化、学術交流、科学技術協力等、日加関係をより多様かつ立体的なものにするということについての展望を開く機会になったと存じます。
 なお、私は、総理訪加中、ニューヨークに赴きまして、五月六日ワルトハイム国連事務総長と会談いたしました。
 一時間半余りにわたって、イラン問題、アフガン問題、グローバルネゴシエーション、これから国連の特別総会で取り上げる問題でございますが、あるいは国際開発の戦略の問題、その他国連に関連した主要な問題について意見交換を行ったわけでございます。
 ワルトハイム事務総長からも、イラン問題については引き続き国連が仲介の労をとりつつある、今後もそれを続けていくつもりであるという意向の表明がございました。
 駆け足でございますけれども、以上今回の米州訪問の概要を御報告申し上げた次第でございます。
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発言情報

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発言者: 大来佐武郎

speaker_id: 17223

日付: 1980-05-08

院: 衆議院

会議名: 外務委員会