外務委員会

1980-05-08 衆議院 全429発言

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会議録情報#0
昭和五十五年五月八日(木曜日)
    午後二時三十二分開議
 出席委員
   委員長 中尾 栄一君
   理事 稲垣 実男君 理事 奥田 敬和君
   理事 佐野 嘉吉君 理事 志賀  節君
   理事 高沢 寅男君 理事 土井たか子君
   理事 渡部 一郎君 理事 野間 友一君
      石原慎太郎君    鯨岡 兵輔君
      小坂善太郎君    佐藤 一郎君
      岡田 利春君    勝間田清一君
      浅井 美幸君    玉城 栄一君
      金子 満広君    榊  利夫君
      林  保夫君    田島  衞君
 出席国務大臣
        外 務 大 臣 大来佐武郎君
 出席政府委員
        科学技術庁長官
        官房審議官   高岡 敬展君
        科学技術庁原子
        力安全局次長  宮本 二郎君
        外務政務次官  松本 十郎君
        外務大臣官房審
        議官      三宅 和助君
        外務大臣官房審
        議官      山田 中正君
        外務大臣官房領
        事移住部長   塚本 政雄君
        外務省北米局長 淺尾新一郎君
        外務省中南米局
        長       大鷹  正君
        外務省経済局長 手島れい志君
        外務省経済局次
        長       羽澄 光彦君
        外務省経済協力
        局長      梁井 新一君
        外務省条約局長 伊達 宗起君
        外務省国際連合
        局長      賀陽 治憲君
 委員外の出席者
        科学技術庁原子
        力局動力炉開発
        課長      塚田 真一君
        外務大臣官房審
        議官      矢田部厚彦君
        外務大臣官房審
        議官      井口 武夫君
        外務大臣官房審
        議官      関  栄次君
        水産庁研究部長 山内 静夫君
        資源エネルギー
        庁長官官房原子
        力産業課長   熊野 英昭君
        資源エネルギー
        庁公益事業部原
        子力発電課長  西中真二郎君
        資源エネルギー
        庁公益事業部原
        子力発電安全管
        理課長     向 準一郎君
        運輸大臣官房環
        境課長     高島  等君
        運輸省海運局総
        務課長     川口 順啓君
        海上保安庁警備
        救難監     村田 光吉君
        外務委員会調査
        室長      高杉 幹二君
    —————————————
委員の異動
五月八日
 辞任         補欠選任
  山口 敏夫君     田島  衞君
同日
 辞任         補欠選任
  田島  衞君     山口 敏夫君
    —————————————
五月六日
 日本国平和宣言決議に関する請願(天野光晴君
 紹介)(第五三七九号)
 同(粟山明君紹介)(第五三八〇号)
同月七日
 日本国平和宣言決議に関する請願(伊東正義君
 紹介)(第五四五七号)
 同(西村英一君紹介)(第五四五八号)
 同(渡部行雄君紹介)(第五四五九号)
 同(塩谷一夫君紹介)(第五五三三号)
は本委員会に付託された。
     ————◇—————
本日の会議に付した案件
 原子力の平和的利用における協力のための日本
 国政府とカナダ政府との間の協定を改正する議
 定書の締結について承認を求めるの件(条約第
 一三号)(参議院送付)
 廃棄物その他の物の投棄による海洋汚染の防止
 に関する条約の締結について承認を求めるの件
 (条約第一四号)(参議院送付)
 廃棄物その他の物の投棄による海洋汚染の防止
 に関する条約の紛争の解決に関する改正の受諾
 について承認を求めるの件(条約第一五号)(
 参議院送付)
 国際情勢に関する件
     ————◇—————
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中尾栄一#1
○中尾委員長 これより会議を開きます。
 原子力の平和的利用における協力のための日本国政府とカナダ政府との間の協定を改正する議定書の締結について承認を求めるの件、廃棄物その他の物の投棄による海洋汚染の防止に関する条約の締結について承認を求めるの件及び廃棄物その他の物の投棄による海洋汚染の防止に関する条約の紛争の解決に関する改正の受諾について承認を求めるの件、三件を議題といたします。
 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。高沢寅男君。
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高沢寅男#2
○高沢委員 私は、日加原子力協定の改正議定書について御質問をいたしたいと思います。
 まず、わが国は核防条約によって、国際原子力機関から原子力発電に関するいろいろなことの査察を受ける立場にあるわけですが、今回のこの日加原子力協定によりましてまたカナダから規制を受ける、こういう関係になりますが、この核防条約の規制と二国間条約のカナダとの関係における規制の相互関係、重複する面もありましょうし相互補完の面もありましょうし、その関係について最初に御説明をお願いしたいと思います。
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矢田部厚彦#3
○矢田部説明員 ただいま先生御指摘のように、わが国は核不拡散条約の締約国である非核兵器国といたしまして、わが国が持っておりますすべての原子力活動に対して国際原子力機関からの保障措置を受諾いたしております。ところで、日加協定におきましては、カナダから受領する物質、施設その他を同様平和目的にのみ使用するということを確保するための保障措置を受諾することになっておりますが、しかしながら、この保障措置は、わが国が核不拡散条約の締約国であるということから、核不拡散条約上、義務として国際原子力機関から受ける保障措置をもってカバーされることになります。したがいまして、査察その他の保障措置に関する限り、核不拡散条約上の義務と日加条約上の義務とは重複することはございません。
 これは保障措置に関してでございますが、さらに日加協定におきまして、供給国が協定の対象物質に対して一定の規制権を持つことが認められております。これは再処理でございますとか濃縮でございますとかいうものに対する事前の同意権でございますが、原子力平和利用を進めていきます上に、保障措置の適用だけでは核不拡散を確保する上で十分でないという認識が近来の一般的な国際的な趨勢となっておりますので、この点は確かに御指摘の核不拡散条約上の義務を若干補足することになっておる、このような関係になっております。
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高沢寅男#4
○高沢委員 もう一つ、今度は日米と日加の関係になりますが、わが国がカナダから輸入する天然ウランは、アメリカで濃縮されてわが国へ来るわけであります。したがいまして、日加の協定で規制を受ける、同時に今度は日米の協定でも規制を受ける、こういう関係になるかと思いますが、この日加と日米の関係の、あるいは重複とかあるいは補完関係とかということはどういうふうになるか、ひとつお聞きしたいと思います。
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矢田部厚彦#5
○矢田部説明員 カナダからわが国が購入いたします天然ウランは、ほとんどの場合米国で濃縮されまして、その上でわが国に輸入されることになります。したがいまして、先生の御指摘のございましたように、天然ウランに対する日加協定上のカナダの規制権と濃縮役務に関する日米協定上のアメリカの規制権というものは理論上競合することになり得るわけでございます。したがいまして、そのような二重の規制を受けるということを避ける必要がございますので、日加協定の交渉に当たりまして種々検討をいたしました結果、昭和五十二年十一月にアメリカとカナダとの間で取り決めが結ばれまして、日本がカナダ産天然ウランを米国で濃縮して輸入する場合には、日米原子力協定に基づく米国の事前同意をわが国が求めることで足りるということにいたしました。その場合、アメリカはカナダの事前同意を取りつけた上で日本に対してアメリカの同意を与える、このような手続となることになっております。
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高沢寅男#6
○高沢委員 次にお尋ねしたいことですが、アメリカのカーター大統領が、核保有国のふえることを防がなければいかぬ、こういう非常に強い意欲を持たれて、そこで核燃料の再処理に対して制限措置を強く主張された、それを受けて国際核燃料サイクル評価が行われた、こうなっておりますが、このサイクル評価の結論、またその過程で出てきたいろいろな問題点、またそれに対するわが国としての対応、こういう関係を御説明いただきたいと思います。
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矢田部厚彦#7
○矢田部説明員 国際核燃料サイクル評価作業は、カーター大統領の提唱によって行われたものでございますが、その最終報告書だけでも全部で千七百ページという膨大な報告書でございます。したがいまして、その結論を簡単に申し上げることは非常にむずかしいことでございます。そういう意味で、若干舌足らずのところがあるいはあり得るかとも思いますけれども、ハイライトだけを非常に簡単に申し上げますと、これからのエネルギー事情を踏まえまして、本質的に原子力が担っていかなければならない役割りというものが世界的に見て増大していくという認識が、報告書の基本になっております。この点が、報告書の基本的な性格としては第一に申し上げておかなければならない点ではないかと存じます。
 それから、やや各論に入りまして、第一には、将来のウラン資源の需要供給の推移でございますが、この見通しにつきましては、仮に世界の原子力発電計画が、言われておりますところのハイケースで進む場合には、紀元二〇〇〇年で約十二億キロワットの規模に達するということが予想されております。そのような場合を仮定いたしますと、現在の在来の型の原子炉だけを使っておったのではウランの需給はタイトになってくる。必要に応じるだけの天然ウランの供給が足りなくなってくるおそれがあるということ。言いかえますれば、二〇〇〇年前後にかなりの数の高速増殖炉が導入されなければ、二〇〇〇年の時点におきまして、原子力発電の需要に応ずるだけのウラン供給ができなくなるおそれがあるということを言っております。と申しますことは、高速増殖炉の必要性ということを認めたことになるという点が、INFCEの結論としては非常に大きな重要な点であろうかと存じます。
 それから、濃縮につきましても、現在運転中及び建設中の能力を加えれば、一九九〇年代の半ばぐらいまでは一応の需要を満たすだけの供給があるという見通しを立てております。しかしながら、大規模な原子力発電計画を持つ国におきましては、経済性の面で十分な理由があれば、濃縮計画をさらに進める必要ということも認めております。
 以上、各論といたしましては、高速増殖炉の必要、したがってプルトニウムの必要ということと濃縮の必要ということについて、INFCEが前向きな結論を出しておるということを申し上げてよいのではないかと存じます。
 このような結果は、わが国といたしましては、わが国の政策にほぼ合致した方向の結論であると評価いたしておる次第でございます。
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高沢寅男#8
○高沢委員 一昨年、一九七八年二月二十五日付のロンドンエコノミストに出ていた記事をいまから申し上げながらお尋ねしたいわけです。
 そのエコノミストの記事によると、ヨーロッパ諸国、ECは最近まで濃縮ウランの九五%まではアメリカから買っていた。しかしいまでは、このいまというのは七八年のことですが、いまでは約半分はソ連から濃縮ウランを買うようになった。それは要するに、ソ連はアメリカほど規制の条件がうるさくないというふうなことがある。それから同時に、EC諸国はみずからのウラン濃縮能力を高める努力をしておる。そこで、アングロ・ダッチ・ジャーマン・ウレンコ・コンソーシアム、これがいまオランダとイギリスに一つずつウランの濃縮プラントを建設中である。また、フレンチ・イタリアン・スパニッシュ・ベルジュアン・イラニアン・ユーロディフ・コンソーシアム、これがいまフランスにウラン濃縮プラントを建設中である。それで来年、来年というのは七九年のことですが、来年までにはこれらのプラントがECの必要とする濃縮ウランの二五%を供給できるようになる。
 こういう記事が、七八年二月二十五日の記事であるわけですが、その後、二年たった現在、こういうふうなヨーロッパの実情がそういうふうになっているかどうかということが一つ。
 それからあわせて、このことに関連して、日本が将来、たとえばソ連から濃縮ウランを買うというふうな可能性は一体どうなのか。あるいはまた日本が他国と共同でコンソーシアムをつくって、それで濃縮ウランをつくるというふうなことをやる可能性はどうなのか。こういう点についてお尋ねいたしたいと思います。
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矢田部厚彦#9
○矢田部説明員 まず第一の御質問につきましては、御承知のように、数年前までは濃縮役務の供給能力を有する国は世界じゅうで事実上米国に限られておったわけでございます。したがいまして、EC諸国の場合にも、九五%、ほとんどすべてが米国からの供給によって占められておったということは事実であったと存じます。その後、先生の御指摘のように、ウレンコとユーロディフというものが発足いたしまして、私どもの持っております資料でございますと、ウレンコは一九七七年から生産を開始いたしまして、昨年、七九年中にはその生産能力は約四百トンSWUに達したということが言われております。それからユーロディフの方につきましても、一昨年末から生産を開始いたしまして、昨年中には約二千二百トンSWUの生産能力を達成したと伝えられております。したがいまして、EC全体をとりますと、現在アメリカに対する濃縮役務の依存の程度が何%になるか、正確な数字はございませんが、相当の自給能力をEC全体として高めておるということは確かであろうと思います。フランスにつきましては恐らくほとんど全部をユーロディフの生産で賄うことができると思いますし、ドイツにつきましても三〇%近くの供給をウレンコによって賄うことができるということになっておろうかと思います。
 第二、第三の御質問につきましては、通産省から御答弁いただきたいと思います。
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熊野英昭#10
○熊野説明員 ただいま御質問の第二、第三の点に入ります前に、ただいまの外務省の御説明を若干補足しておきますと、ウレンコは先ほど御説明ございましたように四百トンの生産能力を持っておりますけれども、八五年ごろ一応二千五百トンの生産目標を持っております。それからユーロディフにつきましては、今年度中に六千三百トンSWU、来年、八一年になりますと八千四百トンSWU、それから八二年に一万八百トンSWUという計画で現在着々と進めております。これは最終的生産能力が一万八百トンSWUでございますので、八二年にはフル生産に達するということでございます。
 したがいまして、御質問にございましたソ連への依存度の問題でございますけれども、漸次低下する方向にあるというふうに推定されておりまして、私どもの推算によりますと、八〇年代の終わりにはヨーロッパ全体で見まして大体一〇%前後のものがソ連から供給される契約になっておるのではないかと推定をしております。
 次に、わが国の状況でございますけれども、わが国の電力会社は、濃縮役務につきましてはアメリカのエネルギー省とそれからフランスのいまお話の出ましたユーロディフとの間に長期契約を持っております。これによって手当てをしておりますものは、一九九〇年代初頭に予定をしております、計画されております原子力発電所の発電規模に見合うものに必要な濃縮役務に大体対応しておるわけでございます。
 したがいまして、それ以降どうするかということが次の問題になるわけでございますけれども、私どもといたしましては、安定供給の確保を図るという観点から、これにつきましては国産化を進めていきたい、こういうふうに考えておりまして、新たに外国から濃縮役務を買うというよりは国産化によって対処してまいりたいというのが基本方針でございます。
 したがいまして、そういう過程におきましてコンソーシアムがどうかということでございますけれども、現時点におきましては、あくまでも九〇年代初頭以降の増分需要に対しては国産化で対処していきたいと考えておりますので、現在のところコンソーシアムといったようなことは具体的に検討はしておりません。
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高沢寅男#11
○高沢委員 時間があれなんで次へ進みます。
 カナダの重水炉、CANDU炉を導入する問題。科学技術庁の方では導入はしない、こういう結論をお出しになった。科学技術庁というよりは原子力委員会ですね。それから、通産省の方はその結論に対して異論を持っておられる。また、今度大平総理がカナダを訪問された。カナダとの話し合いの中でこのことも出ておるようでありますが、そういうことも含めながら、科学技術庁側の御見解あるいは通産省側の御見解を、それぞれお尋ねしたいと思います。その中で、今度の大平総理の訪問によってどうなるかというふうなことも含めて、ひとつ御説明を願いたいと思います。
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塚田真一#12
○塚田説明員 お答え申し上げます。
 CANDU炉につきましては、カナダにおいて実用炉として建設、運転されておりまして、また、ウラン資源の有効利用等の面からわが国におきましても関心が持たれておるものでございまして、電源開発株式会社で調査研究が進められてまいっております。
 しかし、わが国への導入に当たりましては、炉の安全性及び信頼性とともに、新型炉の自主開発、核燃料サイクル上の関連性及び経済性など、評価検討を要する問題も多い。このようなために、昭和五十三年四月に原子力委員会に新型動力炉開発懇談会が設置されまして、これらの諸点について検討が行われました。原子力委員会としては、昭和五十四年三月、同懇談会の報告を受けた後、さらに関係行政機関及び原子力関係者等から意見を聞くなどいたしまして慎重に審議した結果、昨年八月に「原子炉開発の基本路線における中間炉について」と題する原子力委員会決定を行っております。そこで、軽水炉から高速増殖炉に移行する基本路線の中間炉としてCANDU炉を導入することについての積極的な理由を、現段階において見出すことはむずかしいと判断せざるを得ない、こういう趣旨の結論を出しております。
 なお、原子力委員会は、原子炉開発の今後の展開をめぐる内外の情勢にもしも変化があり、わが国の路線の見直しが必要とされれば、CANDU炉の問題も含めて改めて検討するということになっております。
 科学技術庁といたしましては、・今後の原子力政策を進めるに当たりましてこの原子力委員会決定を尊重してまいりたい、こういう考え方でございます。
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西
西中真二郎#13
○西中説明員 ただいまの御質問に対しまして、通産省としての立場を御説明申し上げます。
 経緯は、先ほど科学技術庁の方からお答え申し.上げた、おおむねそのとおりでございます。通産省といたしましては、CANDU炉と申しますのは、先生御承知のようにいろいろすぐれた特色も持っておりまして、日本のエネルギーセキュリティーの向上に寄与するという面がいろいろあるというふうなことも考えておりまして、さまざまなすぐれた特色を持っておる原子炉であるというふうに評価いたしておるわけでございます。当面、そういった意味におきまして、私ども通産省といたしましては、導入問題自体とは一応別個の問題ということにいたしまして、内外の諸情勢の変化に即応しまして、将来必要に応じて適切な方途が講じられますように、CANDU炉に関する勉強を引き続き続けてまいりたいというのが私どもの現在の立場でございます。
 なお、今回の日加の会談の関連でございますけれども、まだ詳細、私どもわかっておりませんので、いまそれによって具体的にどうこうということを申し上げることは、ちょっとまだ私ども確信がございませんので、控えさせていただきたいと存じます。
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高沢寅男#14
○高沢委員 もう時間のあれで一問しかできないと思いますので、それでは最後に、原子力利用のいわゆる安全性の問題についてお尋ねをいたしたいと思います。
 アメリカのスリーマイルアイランドの原子炉の大事故というようなことから、改めて私たちも原子力発電所の危険性については警戒はし過ぎてもし過ぎることはない、こう思っておるわけですが、その関係で、いままでわが国の原子力発電所の関係でたびたびいろいろな事故なりミスがあった、こう伝えられておりますが、それを政府としてどういうふうに全体を評価されているかということが一つ。
 それからもう一つは、定期の検査というものは安全性の確保で大変重要だと思いますが、その定期検査の何か時間的短縮をして稼働率を上げようというようなことを考えておられる、あるいは定期検査を第三者機関に委託しょうということも考えておられるということも伝えられておりますが、そういうことが果たしてあるのかどうか。
 それからもう一つ重ねて。結局いま稼働している原子力発電所は、いずれは償却期間が終わって、そして発電所としての機能が終わる時期が来るわけですが、そうなったときに、膨大ないわば放射能のかたまりというべき原子力発電所の残った施設を一体どういうふうに処理すべきなのか、大変な大問題だと思いますが、そういう点をどのようにお考えか。
 幾つか一遍に言いましたけれども、ひとつお答えをいただきたいと思います。
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向準一郎#15
○向説明員 お尋ねの初めの二点についてお答えさせていただきます。
 まず、いままで起こりました事故につきましてどういうようなとらえ方をしているかということでございますが、スリーマイルアイランドの事故以降、昭和五十四年度におきまして電気事業法及び原子炉等規制法に基づきまして報告されましたわが国の原子力発電所におきます事故、故障の件数というのは、二十六件でございます。このうち運転中に発生いたしましたものが十四件、それから定期検査等で発見されましたものが十二件でございます。
 これらの事故、故障は、いずれも外部への放射能の影響はなかったわけでございますが、しかし、昨年七月に発生いたしました関西電力大飯発電所一号機のECCS作動事故、それから昨年の十一月に発生いたしました関西電力高浜二号機の一次冷却材漏洩事故、これはいずれも材料ミスというような品質保証活動の不適切さが原因でございました。
    〔委員長退席、佐野委員長代理着席〕
そういうことで、通産省といたしましては、関西電力はもとより、他の電気事業者に対しましても品質保証活動の徹底を指示したところでございます。
 さらに、原子力発電所の品質保証活動につきましては、原子力発電所の機器、装置の設計の段階から運転段階にわたる品質保証活動のあり方ということにつきまして総合的に検討するということで、本年一月でございますが、原子力発電所品質保証検討委員会というのを設けまして、現在鋭意検討を進めている段階でございます。
 通産省といたしましては、その成果を踏まえまして所要の措置を講ずることはもとよりでございますが、今後ともわが国の原子力発電所で発生しました事故等を安全規制に的確に反映させる、そういうことで原子力発電所の安全確保には万全を期してまいりたいというふうに考えております。
 それからもう一点の、定期検査の第三者機関の問題でございますが、原子力発電所におきます定期検査といいますのは、電気事業法に基づきまして毎年一回行うことになっております。それで、この定期検査につきましては、いまお話がございましたように米国のスリーマイルアイランドの事故を教訓といたしまして、さらにいままでの原子力発電所の運転実績あるいは定期検査実績を踏まえまして、検査項目あるいは検査の方法を見直しております。さらに、検査体制というものを充実整備するという観点から、定期検査を一部通産局に権限委任をしたというところでございます。さらに、定期検査の強化あるいは基数の増加というようなことに対処するために、電力会社が定期検査中に実施いたします自主検査、こういうことに第三者の専門家が立ち会うということは望ましいことでございますので、こういうような観点から第三者検査機関が活用されるということは望ましいというふうに考えております。
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西
西中真二郎#16
○西中説明員 御質問の原子炉の廃止の話でございますけれども、私どもは通常これを廃炉と呼んでおるわけでございますが、耐用年数の過ぎた原子炉につきましては当然そういう廃炉という処分が必要になってくるわけでございます。やり方自体はいろいろございまして、密閉管理というような形で大体そのまま残しておくというふうなやり方もございますし、あるいは完全に解体してしまうという方法もございます。その中間的な方法もいろいろあるわけでございます。いままで諸外国で、まだ大きなものは余りございませんけれども、小規模なものの廃炉の例は、完全な解体も含めまして若干の例がございまして、技術的な蓄積はかなりできつつあるという状況でございます。
 わが国の場合、実際に原子炉の廃炉ということが生じてまいりますのはまだ十年以上先というふうに私ども考えておるわけでございますけれども、確かに御指摘のとおり、廃炉というのは非常に重要な問題でございますので、いまから長期的に取り組んでいく必要があるというふうに考えておりまして、通産省の方でもいろいろいま勉強を続けておる、実際に廃炉の必要が生じるときまでに私どもとしましても十分な技術を確立いたしまして、適切な措置が講ぜられますように十分勉強してまいりたいというふうに考えておるところでございます。
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高沢寅男#17
○高沢委員 質問時間を多少超過しましたが、以上で土井委員に交代をいたします。
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佐野嘉吉#18
○佐野委員長代理 土井たか子君。
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土井たか子#19
○土井委員 まず、ただいまの日加原子力協定改正議定書について若干のお尋ねをさらに進めます。
 核技術がすでに全世界にどんどんただいま広がっていっているわけですが、さらにこれからどういうふうな速度で広がっていくかということは、明確に認識している人というのは少ないであろうと私思うわけなんですが、そういうふうな考えも念頭に置きまして、まず基本的なことからお尋ねを進めてまいります。
 現在、原子力発電炉、これにもいろいろございますから、出力二万キロワット以上といたしましょう。こういう原子力発電炉についていま何カ国が持っているか、合計何万キロワットの発電を行っているか、この点についての数字を、掌握されている限りでお答えをいただきたいと思います。
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矢田部厚彦#20
○矢田部説明員 ただいま先生、二万キロワット以上の発電炉というお話でございましたが、いま私どもの手元にございます資料は実は三万キロワット以上の資料でございますので、その点御容赦をいただきたいと思います。
 三万キロワットの能力以上の発電炉につきましては、一九七九年末現在で運転中のものが合計二百二十八基でございまして、これは二十二カ国にわたっております。その発電容量の総計は約一億三千万キロワットでございます。
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土井たか子#21
○土井委員 それは出典などについても確かめられておっしゃってくださることができれば、ひとつ知らしておいてくださいませんか。
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矢田部厚彦#22
○矢田部説明員 これは日本原子力産業会議の調べた資料でございます。
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土井たか子#23
○土井委員 原子力発電がふえてまいりますと、ここで避けがたい副産物がございます。申し上げるまでもなくプルトニウムなんですが、毎年大量のプルトニウムが生産されてまいります。世界の原子炉から毎年何トンかのプルトニウムが生産されていくのですが、一体どれくらいのプルトニウムが蓄積されているというふうにお考えになっていらっしゃいますか。
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矢田部厚彦#24
○矢田部説明員 核燃料サイクル再評価作業の第四グループ、これは再処理に関する作業を行ったグループでございますが、このグループが行いました作業の結果は次のようなことになっております。
 すなわち、全世界の使用済みの核燃料中に含まれておるプルトニウムの蓄積は、一九七七年現在で六十七トンでございます。しかし、これは必ずしもプルトニウムが分離されておるという意味ではございません。使用済み燃料の中に含まれておるプルトニウムでございます。
 それから今後の見通しといたしましては、一九八五年に二百二十七トン、九〇年に五百十七トンというような推定が、先ほど申し上げましたINFCE第四グループのレポートの中に出ております。
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土井たか子#25
○土井委員 ただいまのお答えを承っていて、ちょっとやばい話ですが、気にかかる問題が実は出てまいります。十キログラムのプルトニウムがあれば標準型の核兵器一発が十分つくり出されるという事実でございます。昨年の十月二十五日にアメリカの国務省は、南アフリカ共和国が核実験に成功した可能性があるということを公表いたしました。それよりも古い話になりますが、七四年五月にインドが地下核実験に成功したということでありまして、私たちも非常に衝撃を受けたわけでありますが、いつかどこかでだれかが第二のインドとして登場するのではないかという危惧と不安というのが世界の人々の胸中にあるということも事実だと言わざるを得ません。
 こういうふうな中で南アフリカの核実験成功が事実だといたしますならば、国際政治、軍事面への衝撃というのははかり知れないものがあるということは否めない事実だと思うのです。南アフリカの核実験の事実関係について掌握をなすっていらっしゃいますか。いかがですか。
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矢田部厚彦#26
○矢田部説明員 米国政府は、昨年十月に、米国の宇宙衛星が九月二十二日に南極地域を含む南大西洋地域において核爆発が生じた可能性を示唆する情報をキャッチしたということを発表いたしました。その後、米国は大統領府科学顧問のフランク・プレス博士を委員長とする検討委員会をつくりまして、このデータをさらに確認するための作業をいろいろ行いました。この技術的な作業の結果がたしかことしの初めごろに発表されましたが、その結果は、あらゆる手段を尽くして調査したけれども、先ほど申し上げた宇宙衛星のキャッチした情報が現実に核爆発が生じたことを示すものであるか否かを確認することはついにできなかったということが、この報告書の結論でございました。
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土井たか子#27
○土井委員 しかし、いずれにいたしましても、ここ数年核兵器についていろいろこれを取りざたする雑誌のたぐいというのがずいぶんふえてまいっておりまして、実はこの核兵器の製造についての手引きが雑誌のたぐいで発表されるに至っております。中身は、私も専門的知識を持ち合わせてはおりませんけれども、平易な表現で言えば、オートバイをつくる程度の知識と費用、それに材料さえあれば簡単につくれるというふうなことが一般的には言えるようであります。もはや核兵器を持つということが大国の仲間入りをする、いわば会員証になるというふうな時代はすでに終わりを告げているのではないか。
 さらに、七五年のアメリカCIA報告を見てまいりますと、スペインであるとかエジプトであるとかイランであるとかパキスタンであるとかブラジル、そして先ほどの南ア、台湾、韓国、そして事もあろうにわが日本も加えまして、大体八五年までに核兵器を保有する国が二十四カ国くらいになるであろうということを述べております。
 今後核兵器が地域紛争の政治的な、そしてまた心理的な道具として使用されていく。むしろ八〇年代というのは中国家による核拡散の年代に入るのではなかろうかと言う人があるわけでありますが、政府としてはこの核拡散の趨勢について、これは先ほどの高沢委員の方からのお尋ねに関連をするわけでありますが、どのような感想を持っていらっしゃるか、お聞かせをいただきたいと思います。
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矢田部厚彦#28
○矢田部説明員 原子力の平和目的への利用ということは、先生の御指摘のように、原子力の持っております性質上、常に核兵器に利用される可能性というものを伴うものでございます。したがいまして、原子力平和利用を進めていく以上は、核兵器の拡散につながらないように万全の措置をとっていくという必要があることは、これはもう全く先生の御指摘のとおりでございまして、わが国も原子力の平和利用をわが国のエネルギー上の必要として推進していくかたわら、核不拡散の政策はわが国の外交政策の基本の一つとして各国と協力いたしてまいることといたしております。
 したがいまして、いま御審議をいただいております日加原子力協定におきましても、そのようなわが国の核不拡散政策への協力の基本的な方針というものは貫かれておると申し上げて差し支えないと存じます。
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土井たか子#29
○土井委員 NPTを当委員会において審議する節にもその点がまことに大事な問題であり、むしろポイントであったために、私どもは再三再四、審議の場においてはこの意を含めて質問戦を展開したというのをきのうのように覚えているわけでありますが、先ほど申し上げました七五年のCIA報告などからいたしましても、この核拡散ということを禁止するために作成されたNPTの本来の趣旨からいたしまして、この条約というものはもはや形骸化していっているというふうに見るべきなのか、どうなのか。この点はどのようにお考えになっていらっしゃいますか。
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