山本政弘の発言 (社会労働委員会)
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○山本(政)委員 附帯決議というのは「国家補償の精神に基づく」ということが明文としてうたわれていますね。そのことは御承知だと思うのですけれども、私はきょうここに質問に立つときに、大変失礼な言い方かもわかりませんけれども、厚生省の方は基本懇待ちだというお答えをするに違いないというふうに思ったのですが、いまやはり私が予想したような御返事をいただいたわけであります。繰り返し申し上げますけれども、衆議院の決議というのは、いま申し上げたように「国家補償の精神に基づく」ということなんです。
そこで、私は政府がなぜ制定しないのか、こう思うのですね。国がその責任において戦争を開始し、遂行した、そしてその戦争によって大変大きな被害を受けた原爆の被害者が、終戦後三十四年たっているのですね。そしてなお、きわめて不十分な手当を受けるにとどまっている。私は、政府が速やかに国家補償の原理に基づいた被爆者援護法を制定すべきであるという考え方に立つのですけれども、どうもそういうふうではない。
そこで、これは日弁連の方からもありましたけれども、結果責任としての国家補償というのがある。つまり、原爆の被害というのは、米軍機の原爆投下行為によって生じた、それは日米両国間の戦争そのものがなければ起こらなかったんだ、そしてその戦争は日本政府が開始し、遂行した交戦行為によって起こった、したがって、国の交戦行為の結果もたらされた被爆者の被害については国家が補償しなければならない責任がある、私はそのとおりだと思うのです。そこで、今度は原爆の投下が米国に損害賠償責任を生じさせる、ところが講和に当たって日本政府が米国に対する請求権を放棄したことは、日本政府が被爆者に国家賠償の責任を負わなければならないはずなんだ、論理的に言えばそうなるのだ、私はこう思うのですけれども、どうもそういうふうになっておらない。そして、要するに、その口実として実定国際法上原爆投下が国際法の違反であったということについて明言はいたしかねる。こういうふうな答弁が政府としてはある。国際法というのは、本来は、特に交戦法規においては人道主義というものが基本にあるべきだ、こう思うのですけれども、その精神から言えば、どうもそれに違反するものであると考えるというふうに、これは前の藤山外務大臣も答弁しておるけれども、そのときに、ただ実定法上明確に禁止をしていないからということだけで、何といいますか、私は法律というものはよくわかりません、しかし、そのことだけで免罪されるんだろうかどうだろうかということに対して私は非常に疑問を持つのです。つまり、いわゆる原爆二法が存在することを理解した上での発言かどうか。国際実定法ができておりませんので、何とかそのような立法については努力をしてまいりたいというふうに外務省の方はおっしゃっておるのですよ。
もう一遍繰り返しますと、実定法にないから、要するに判断いたしかねる、だから何とかそういう立法については努力をしてまいりたい、こういうふうにおっしゃっているわけですね。そうすると、原爆二法というものがいまある。その上に立って何とかそのような立法については努力してまいりたいというのが出てくるとすれば、要するに援護法以外にないはずではないかというふうに私は理解するわけです。
その辺についてまず外務省の方の御意見をひとつお伺いしたいと思うのです。