社会労働委員会

1980-03-27 衆議院 全351発言

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会議録情報#0
昭和五十五年三月二十七日(木曜日)
    午前十時三分開議
 出席委員
   委員長 葉梨 信行君
   理事 越智 伊平君 理事 住  栄作君
   理事 竹内 黎一君 理事 山崎  拓君
   理事 田口 一男君 理事 森井 忠良君
   理事 大橋 敏雄君 理事 浦井  洋君
   理事 米沢  隆君
      小沢 辰男君    大坪健一郎君
      瓦   力君    岸田 文武君
      北口  博君    斉藤滋与史君
      田邉 國男君    戸沢 政方君
      中野 四郎君    丹羽 雄哉君
      八田 貞義君    船田  元君
      牧野 隆守君    山下 徳夫君
      枝村 要作君    大原  亨君
      金子 みつ君    佐藤  誼君
      前川  旦君    村山 富市君
      安田 修三君    山本 政弘君
      谷口 是巨君   平石磨作太郎君
      伏屋 修治君    梅田  勝君
      田中美智子君    小渕 正義君
 出席国務大臣
        厚 生 大 臣 野呂 恭一君
 出席政府委員
        内閣法制局第四
        部長      工藤 敦夫君
        外務省条約局外
        務参事官    山田 中正君
        厚生省公衆衛生
        局長      大谷 藤郎君
        厚生省社会局長 山下 眞臣君
        厚生省保険局長 石野 清治君
 委員外の出席者
        放射線医学総合
        研究所長    熊取 敏之君
        外務省国際連合
        局外務参事官  関  栄次君
        大蔵省主計局主
        計官      安原  正君
        大蔵省主税局税
        制第一課長   内海  孚君
        参  考  人
        (広島大学原爆
        放射能医学研究
        所所長)    大北  威君
        参  考  人
        (財団法人放射
        線影響研究所理
        事長)     玉木 正男君
        社会労働委員会
        調査室長    河村 次郎君
    —————————————
委員の異動
三月二十七日
 辞任         補欠選任
  小沢 辰男君     岸田 文武君
  前川  旦君     大原  亨君
同日
 辞任         補欠選任
  岸田 文武君     小沢 辰男君
  大原  亨君     前川  旦君
    —————————————
三月二十五日
 戦時災害援護法案(片山甚市君外五名提出、参
 法第三号)(予)
同月二十六日
 厚生年金保険法の改悪反対等に関する請願(市
 川雄一君紹介)(第二九四七号)
 同(安田修三君紹介)(第三〇八六号)
 社会保障、社会福祉の拡充等に関する請願(池
 田克也君紹介)(第二九四八号)
 医療保険制度及び建設国民健康保険組合の改善
 に関する請願(河村勝君紹介)(第二九四九号)
 同外二件(権藤恒夫君紹介)(第二九五〇号)
 同(坂井弘一君紹介)(第二九五一号)
 同外一件(柴田弘君紹介)(第二九五二号)
 同外一件(長谷雄幸久君紹介)(第二九五三号)
 同(伏木和雄君紹介)(第二九五四号)
 同(大内啓伍君紹介)(第三〇三〇号)
 同(高沢寅男君紹介)(第三〇三一号)
 同(伊藤茂君紹介)(第三〇六九号)
 同(大野潔君紹介)(第三〇七〇号)
 同(草野威君紹介)(第三〇七一号)
 戦後強制抑留者の処遇改善に関する請願(新井
 彬之君紹介)(第二九五五号)
 同(飯田忠雄君紹介)(第二九五六号)
 同(森田景一君紹介)(第二九五七号)
 同(小濱新次君紹介)(第二九五八号)
 同(斎藤実君紹介)(第二九五九号)
 同(坂口力君紹介)(第二九六〇号)
 同外二件(瀬野栄次郎君紹介)(第二九六一号)
 同外一件(長谷雄幸久君紹介)(第二九六二号)
 同(山田太郎君紹介)(第二九六三号)
 同(井上泉君紹介)(第三〇三二号)
 同(横山利秋君紹介)(第三〇三三号)
 同(草野威君紹介)(第三〇七三号)
 同(林孝矩君紹介)(第三〇七四号)
 原子爆弾被爆者等援護法の制定に関する請願外
 一件(池田克也君紹介)(第二九六四号)
 同(市川雄一君紹介)(第二九六五号)
 原子爆弾被爆者等の援護法制定に関する請願外
 一件(市川雄一君紹介)(第二九六六号)
 同(竹入義勝君紹介)(第二九六七号)
 同外三件(広瀬秀吉君紹介)(第三〇八五号)
 医療保険制度改善措置に関する請願(河村勝君
 紹介)(第二九六八号)
 新鮮血液の確保及び心臓病児者の内科的医療費
 補助に関する請願(河村勝君紹介)(第二九六九
 号)
 原子爆弾被爆者援護法制定に関する請願(権藤
 恒夫君紹介)(第二九七〇号)
 同(柴田弘君紹介)(第二九七一号)
 同(加藤万吉君紹介)(第三〇七九号)
 同(柴田弘君紹介)(第三〇八〇号)
 健康保険法の改悪反対等に関する請願(高橋高
 望君紹介)(第二九七二号)
 同(草野威君紹介)(第三〇七二号)
 良い医療制度確立に関する請願外一件(谷口是
 巨君紹介)(第二九七三号)
 同(横山利秋君紹介)(第三〇三四号)
 国立腎センター設立に関する請願(田中伊三次
 君紹介)(第二九七四号)
 療術の制度化阻止に関する請願(藤井勝志君紹
 介)(第二九七五号)
 同(有馬元治君紹介)(第三〇四〇号)
 同(橋口隆君紹介)(第三〇四一号)
 同(宮崎茂一君紹介)(第三〇四二号)
 看護職員条約批准のための国内法令整備等に関
 する請願(池田克也君紹介)(第二九七六号)
 同(坂田道太君紹介)(第二九七七号)
 同(村田敬次郎君紹介)(第二九七八号)
 同(長谷雄幸久君紹介)(第二九七九号)
 同(西中清君紹介)(第二九八〇号)
 同外一件(山田太郎君紹介)(第二九八一号)
 同外二件(渡辺美智雄君紹介)(第二九八二号)
 同(稻村左近四郎君紹介)(第三〇二七号)
 同外一件(近藤鉄雄君紹介)(第三〇二八号)
 同外二件(横山利秋君紹介)(第三〇二九号)
 同(加藤万吉君紹介)(第三〇八一号)
 同(林孝矩君紹介)(第三〇八二号)
 同外一件(山崎平八郎君紹介)(第三〇八三号)
 指定自動車教習所の労働条件確立等に関する請
 願(大橋敏雄君紹介)(第三〇〇〇号)
 医療保険制度の改悪反対等に関する請願外一件
 (大橋敏雄君紹介)(第三〇七五号)
 良い医療制度の確立に関する請願外二件(小川
 省吾君紹介)(第三〇七六号)
 同(藤田高敏君紹介)(第三〇七七号)
 同(安田修三君紹介)(第三〇七八号)
 民間企業における定年六十歳制度の実現等に関
 する請願(瀬野栄次郎君紹介)(第三〇八四号)
 医療費明細書の交付義務づけに関する請願外二
 件(横山利秋君紹介)(第三〇八七号)
は本委員会に付託された。
    —————————————
本日の会議に付した案件
 小委員会における参考人出頭要求に関する件
 原子爆弾被爆者に対する特別措置に関する法律
 の一部を改正する法律案(内閣提出第三七号)
     ————◇—————
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葉梨信行#1
○葉梨委員長 これより会議を開きます。
 内閣提出、原子爆弾被爆者に対する特別措置に関する法律の一部を改正する法律案を議題といたします。
 本日は、本案審査のため、参考人として広島大学原爆放射能医学研究所所長大北威君及び財団法人放射線影響研究所理事長玉木正男君に御出席をいただいております。
 この際、一言ごあいさつを申し上げます。
 参考人の方々には、御多用中のところ御出席をいただきまして、まことにありがとうございます。本案につきまして、それぞれ御専門のお立場から忌憚のない御意見をお述べ願いたいと存じます。
 なお、御意見は質疑応答の形でお述べ願いたいと存じますので、御了承願います。
 これより質疑に入ります。
 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。森井忠良君。
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森井忠良#2
○森井委員 今回の改正案は、年金等の増額を受けまして、被爆者の皆さんの諸手当を増額するという内容でございます。もちろん金額がこれでいいというわけではありませんが、年々物価の上昇等に合わせまして、諸手当の金額を増額をしておられます姿勢については、私どもも厚生省の御努力を多といたします。しかし、私どもは一日も早く被爆者援護法をつくってもらいたい。被爆者の皆さんやあるいは平和愛好家の皆さんと一緒に要求してきた立場からいたしますと、ことしもなお原爆被爆者援護法が制定されていないことにつきましては、きわめて遺憾であると申し上げなければなりません。しかし、昨年六月から、社会保障制度審議会やあるいはまた本委員会の附帯決議等によりまして、七人の先生方によります原爆被爆者基本問題懇談会が発足いたしまして、被爆者問題の基本的なあり方について鋭意御審議を煩わしているわけでございまして、その努力の結果をまちたい、私ども、こう考えておるわけでございます。
 具体的には後で御質問を申し上げますが、とりあえずお聞かせいただきたいのは、ことし本案を提出なさいますに先駆けまして、社会保障制度審議会に諮問をしておられるわけでございます。それを受けまして、社会保障制度審議会では、ことしの二月の一日に答申を出しておられます。きわめて短い文章でございますが、非常にはっきりとそこに制度審の意図があらわれておるような気がしてなりません。昨年の答申とかなり違っております。短い文章ですからざっと読んでみますと、「今回の改正案は、おおむね了承する。」「おおむね」に私はアクセントがついておると思うのでありまして、「おおむね了承する。」その理由が次の項から入っておると思うのでありまして、「昨年の本審議会の答申に沿って設けられた原爆被爆者対策基本問題懇談会の結論をまって、早急に制度の基本的な改正が行われることを期待する。」こう書いてございます。もう一度申し上げますと、「基本問題懇談会の結論をまって、早急に制度の基本的な改正が行われることを期待する。」制度の改正が行われることを期待するという明確な文章になっているわけでございます。ちなみに申し上げますと、このくだりになりますと、昨年の制度審の答申は五十四年一月二十九日に出されておりますが、そこでは末尾で「速やかに、この問題に関する基本理念を明確にするとともに」、単に「基本理念を明確にするとともに、現行二法の再検討を行うべきである。」申し上げましたような違いが出てきておるわけでございまして、「制度の基本的な改正が行われることを期待する。」厚生省の立場から言いますと、やはり基本問題懇談会の答申が出た上で具体的な対策を措置していきたい。これはせんだっての二月二十一日の厚生大臣の所信表明に対します私の質問にお答えを願ったものでございまして、直ちに必要な措置をとる、こうおっしゃっていただきました。ほぼ大臣のお気持ちも同じじゃないかと思うのでございますけれども、制度審が、制度の基本的な改正が行われるように期待すると具体的に述べておられます点についてはきわめて重要だと思うわけでございます。
 おれの胸はわかっておろうが、こうおっしゃるかもしれませんが、制度審の答申をお受けになりました厚生大臣として、まず所感を承っておきたいと思うわけでございます。
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野呂恭一#3
○野呂国務大臣 森井先生、大変原爆被爆者対策に対しては御熱意を傾けられて、この問題の解決に私たちを叱咤勉励をされておることでございます。私どもといたしましても、大変その御意見に対しまして敬意を表しながらこの対策に取り組んでまいりたいと考えておるわけでございます。
 この社会保障制度審議会の答申についてお触れになっておりますが、「早急に制度の基本的な改正が行われることを期待する。」と、かなり積極的に、原爆被爆者対策がいかに大事であるかということに対しての政府に対する御鞭撻であろうかというふうにも受け取れるわけでございます。原爆被爆者対策基本問題懇談会の答申を待って政府としては今後対応してまいりたいと考えておることはすでに御承知のとおりでございます。
 この懇談会は昨年の六月以来七回にわたって開催され、鋭意検討がされておるわけでございます。私は、厚生大臣就任と同時にこの懇談会にも出席をいたしまして、私の意見も述べ、さらに七回目のせんだっての懇談会にも出席をいたしまして、早く結論を得たいということについて重ねて御要望を申し上げたわけでございます。なお、四月には広島、長崎の現地に全委員が参られて被爆者から具体的に意見を聴取するということも行う予定でございます。また、五月に入りますと、昨年十二月に意見聴取をいたしましたが、再度被爆者団体からも詳しく意見を聞くということでございます。そして、引き続いていよいよ基本懇としての取りまとめの検討がなされるものと期待をいたしておるわけでございます。したがって、その結論がどういう形のものであるのか、いま私どもは予期することはできませんが、十分な御熱心な審議をされておることでもございますし、私個人としては、この審議会の答申にありますような制度の基本的な改善、少なくも原爆被爆者に対してはおろそかにしてはならないという期待にこたえてくれる答申であることを願っておるわけでございます。しかしながら、答申の結果を待って、それがどういう範囲のものであり、どういう内容のものであるか、十分慎重にこれに対処し、意見を十分尊重して、政府としては適切に対処してまいりたい、かように考えておる次第でございます。
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森井忠良#4
○森井委員 基本問題懇談会は非公開ということになっておりますから、立ち入って議論の内容についてお聞きすることは私も差し控えさせていただきたいと思うわけでございます。ただ、改めて申し上げますが、七人の先生方はほとんど全員出席と聞いておりますけれども、終始熱心に議論をしていただいておりますことについては私も心から敬意を表するものでございます。いま大臣から、今日まで基本問題懇談会が七回行われたということが明らかにされました。実は、漏れ承っておるところによりますと、三月二十六日、昨日もおやりになる予定であったようでありますけれども、いま大臣から御説明がありました、来月広島、長崎の調査をなさるということで、これは恐らく振りかえになったのじゃないかという感じを私は持っておるわけでございます。いずれにいたしましても、今日まで七、八回事実上御審議をいただいたわけでございまして、非常に結構だと思うわけでございます。ただ、一日も早くこの結論を出していただきたい、いい結論を出してもらいたいという被爆者の願いは当然あるわけであります。
 そこで、まことに言いにくい質問でございますが、昨年の本委員会におきます附帯決議では、「一年以内の速やかな時期に」答申を出していただきたい、「一年以内」だけではございませんで、「一年以内の速やかな時期に」という文言が入っているわけでございます。しかし、昨年の六月八日に行われた第一回の基本問題懇談会で、当時の橋本厚生大臣は、単に一年以内を目途に結論を出していただきたいとあいさつの中で述べておられるわけでございます。国会の意思は、一年以内の速やかな時期ということで、若干のずれがございます。審議をしていただく以上、お願いする方が期限まで切るのは失礼に当たるということもあったと私配慮しておるわけでございますけれども、被爆者の方はできれば昨年内にも結論を出してもらいたい、中間答申を出してもらいたいという要望もあったわけでございますから、この点のずれがございました。
 それから、同じく昨年の本委員会におきまして、私が当時の橋本厚生大臣にこの基本問題懇談会の審議のあらあらした日程について具体的に質問申し上げているわけでありますが、その中で確認されておりましたのは二カ月に三回の割合で開いていただく、これはくどいほど念を押してありまして、実は委員会の締めくくりの私の確認の一問一答の中でも大臣の答弁があったわけであります。二カ月に三回というのは具体的に申し上げますと二十日に一遍の割合になるわけでございます。そういたしますと、先ほど申しましたように、非常に御熱心に審議をいただいておりますのにまことに失礼な申し上げ方をするわけでございますけれども、最近の状況では月一回のペースになっていまして、その点も残念ながら国会の意思が伝わっていないわけでございます。熱心にやっていただいておりますのにもつとやれとしりをたたくようで言いにくいわけでありますが、厚生大臣が一応お願いいたしました期限そのままといたしましても、昨年の六月八日から始まっておるわけでございますから、五月の末か六月のきわめて早い初旬でなければならぬのじゃないかという気持ちがするわけでございます。もう間もなく四月になるわけでございますが、次の御予定としては先ほど話がありましたように広島、長崎に御出張なさって視察をしていただくということでありますが、その回数も含めまして、できれば五月いっぱいに結論がいただけないものか、ずばり申し上げましてそういう感じがするわけでございます。
 月一遍のペースですともう一回しか開けないから無理だということになるわけでありますが、きょうせっかく社会労働委員会が具体的な原爆の法案を審議をしておるわけでありますから、新たな意思として大臣から特に御無理なお願いをしていただけないものかと考えるわけでございますが、いかがなものでしょうか。
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野呂恭一#5
○野呂国務大臣 せんだっての会合に出席いたしました際にも、およそ一カ年をめどにして結論をお出しいただきたいということも再度にわたってお願いを申し上げたわけでございます。ところが、全員が出席して検討していきたいということもあって、御都合の悪い人もあるので、欠席があってもいいという簡単なものではないと思う、したがって二月に三度というのがどうしてもそうはいかなくなってきて、いまのところ月一回になりがちであることは大変申しわけないけれども、今後なるべく回数を重ねてまいりたい、こういうことをおっしゃっておられたわけでございます。なお、四月に長崎、広島にお出向きをいただくわけでございます。かなり時間もとっていただくことにもなります。さらに、五月に団体との懇談の機会あるいは意見聴取を求められるわけでございます。したがって、審議の内容については非常に御熱心にやっていただいていることに対して私は心から敬意を表しておるのでございます。森井先生御指摘のように、二月に三回といったように、回数が開かれれば開かれるほどいいんだというものばかりではないというふうに私は思います。ただ、一年をめどにということでございますので、できる限り六月の時点には結論が得たいものだというふうに期待をいたしておりますが、あるいはこれも若干延びるようなことも考えられるのではないかというふうに憂慮いたしております。したがって、次の機会に再度、さらに結論を早く出していただきますようにお願いを申し上げたい、かように考える次第でございます。
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森井忠良#6
○森井委員 結論をなるべく早く出すように大臣からお願いをしていただけるそうでございますから安心をしておりますが、大臣、私も政治家の端くれでございまして、その意味で申し上げるわけでございますが、国会の会期が五月十八日まででございます。しかし、世上言われておりますような参議院選挙の日程からいきますと、少なくとも二、三週間の会期延長はあり得るのではないか、これは投票日とそれから国会の終了を計算すれば法律上明らかになっておるわけでございますから、おのずと会期延長という問題が出てまいります。大平総理が縁起を担いで七月の十三日というのは別にいたしまして、七月の六日ないし十三日になるであろうということはもうすでに公知の事実になってまいりました。いずれにいたしましても会期延長は必至でございます。仮に二週間といたしましても六月の三日ないし四日、つまり六月にかかるまでこの通常会は会期があるものと理解をしなければなりません。そういたしますと、できることならこの国会の、申し上げました延長後になるかもしれませんけれども、会期中に、つまり橋本前厚生大臣がお願いをいたしました一年以内の時期とやや符合してまいります。これは間違いのないところでございます。したがって、何とかそういう時期に間に合わしていただけないものか、これはあなたからいま御答弁をいただくということは御無理だと思いますからあえて答弁は求めませんけれども、そのことを強くお願いをしておきたいと思うわけでございます。
 そこで、実は社会労働委員会の理事会におきまして、ある党から、被爆者援護法の制定について、あるいは国家補償に基づく被爆者の援護対策について国会で特別決議をしたらどうかという意思表示がございました。私どもは、昨年からの経過に基づきましてもう少しだから期日を待とうじゃないかという立場をとっておるわけでございます。これは先生方に対しましてもそれが礼儀でございますし、また国会決議ができるようでしたらこれは与野党が一致をしなければならないわけですから、すでに基本問題懇談会は不要という形になってしまうわけでございますから、それだけ国会の意思というのは重みがあると私は理解をいたしておるわけでございます。ですから私は、この時期にある党から本会議での特別決議をお出しになる真意をはかりかねておりますけれども、しかし申し上げましたように、仮に私どもが答申を受けて、これは理事会でも他の党の御賛成はほぼいただいたように私は理解をいたしておるわけでありますが、基本問題懇談会の答申を受けた時期が国会の会期内であった場合には当然本会議決議をしてしかるべきものであろうというふうに政治家の一人として理解をいたしておるわけでございます。したがいまして、私どもとしては当然先ほど申し上げましたような理事会の空気から察知をいたしまして、各党で話し合いをいたしますけれども、それがまとまった段階では厚生省としてあるいは厚生大臣としてはよもや御反対をなさるようなことはあるまい、こう理解をするわけでございますが、いかがでしょうか。
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野呂恭一#7
○野呂国務大臣 皆さんの御趣旨に沿って政府としては当然対処すべきものであると考えておるわけでございます。
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森井忠良#8
○森井委員 よくわかりました。
 そこで、七人委員会、基本問題懇談会の審議の中身については、先ほど申し上げましたように御質問することはもちろん差し控えさしていただきますが、ざっと経過をたどってみますと、最初は先生方のいろいろ御研究、御勉強から始まったようでございますね。そして、その後で、今度ははっきりしておりますのは、被爆者の代表でありますとか、あるいは八者協と呼んでおります広島、長崎の行政関係者の方々でありますとか、そういった被爆者問題に因縁の深い方々の意見の聴取をなさいました。それが済みました後で、私どもが漏れ承っておりますのは、厚生大臣が御出席なさいまして、言うなれば厚生大臣の腹のうちを聞かせ、こういう機会があったのじゃないかと推測をするわけでございます。
 先ほど大臣からちょっといままでの大臣のお考えをお述べいただいたわけでございますが、大臣がどんな発言をしたかということをいま聞くのは失礼ですから聞きませんよ。聞きませんけれども、いままで、たとえて申し上げますと二月二十一日に私が厚生大臣の所信表明に対しまして御質問申し上げておるわけでありますが、厚生大臣の立場はその節々で明らかにされております。したがって、厚生大臣のそういったお気持ちは七人委員会に伝わっておるのでしょうか。私は当然伝わっておるものと考えておるわけでありますが、この点についても一言でよろしゅうございますから御答弁をいただきたいと思うわけでございます。
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野呂恭一#9
○野呂国務大臣 私はごあいさつという形で、早く結論をお出しいただきたい、さらにまた前橋本厚生大臣の意思を私は引き継いで、原爆被爆者対策というものは国として当面最大の課題の一つである、それには国は意を尽くしてこの対策に当たるべきである、したがって、そのためには基本理念を明らかにしなければいけない、一般社会保障か国家補償かという単なる問題でなくて、それらを含めて今後の被爆者対策に対する基本的な方針というものを政府としては打ち立てるべきである、そういう意味でその指針を皆さんによって明らかに願いたい、これが懇談会に期待するものでございます、どうぞそういう意味で原爆対策が政府として手落ちのないような、そういう方向づけができるような理念を速やかにお出しを願いたい、こういう意味のことを申し上げたわけでございます。言葉の表現は若干違いがあるかとも思いますが、気持ちとしてはそういうことでお願いをいたしておる次第でございます。
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森井忠良#10
○森井委員 これ以上の追及は差し控えさしていただきますが、一日も早くいい結論を出していただきますようお願いをしたいと思うわけでございます。
 きょうはお忙しい中を二人の参考人の先生方においでをいただきまして、私は非常に歴史的なと申しますか、感無量なのは、財団法人放射線影響研究所の玉木理事長が御出席でございます。改めて申し上げるまでもないわけでございますが、この発足は御承知のとおりアメリカの手によるものでございます。そして、五年ほど前にようやく日米折半によります、また国内法に基づきます財団法人として装いも新たに発足をされたわけでございます。そういう意味では放射線影響研究所、かつてABCCと呼んでおりましたが、初めてこの国会の場においでをいただいたわけでございます。
 まず、軽い御質問を申し上げますけれども、放影研を代表してお出になりまして、御感想はいかがですか。
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玉木正男#11
○玉木参考人 ただいま森井先生から、初め米国が設立いたしまして五年前に日米合同の研究所に移行したわけでございますが、そのことを御説明いただいた次第でございます。そうして、現在、その代表者としてどういう印象を国会へ出て持っているかというお尋ねでございます。
 ちょっと一言申し添えますと、私この放射線影響研究所の理事長職を仰せつかりまして勤務させていただくことになりまして一年九カ月になるかと存じます。一年九カ月前に就任いたしまして、この研究所の重要性を、かねて予測いたしておりました以上に重要な研究所であるということを身にしみて感じておった次第でございますが、本日、日本国国会の委員会に参考人として出席を求められまして、意見を述べるようにと言われまして、私非常に身の引き締まる思いをいたしている次第でございます。
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森井忠良#12
○森井委員 どうぞかたくおなりにならないで、普通に話すようにひとつお答えを願います。
 当初は、戦後いち早くABCCが広島にできまして、もう二十二年から調査活動等を行っていらっしゃるわけでございますね。率直に申し上げますと、日米合同の運営になります前までは、あるいはいまも残っておるかもしれませんが、被爆者がモルモットにされたのじゃないか、ずいぶんたくさんの人の検査をしていただきましたけれども、日本の被爆者にあのデータが一体どれだけ役に立ったのだろうか。どうもそういう意味では評判が悪うございました、まことに言いにくいことなのですけれども。これは要するにアメリカが進駐軍と同じような形で来たわけですから、それはやむを得ないと思うのですが、やはり日米合同の財団法人になりましてからはおのずとそういった評判の悪さといいますか、被爆者の皆さんが自分たちをモルモットにして、大げさな言い方をしますと、何ら自分らの治療に効果をもたらさなかったじゃないか。たとえばあのデータが原爆病院で使われただろうか。私の承知しております範囲ではほとんど使われていないのですね。資料は東京とワシントン、そして広島と、恐らく三カ所ぐらいに置いてあるのじゃないかと思うわけですけれども、ついぞそれが活用されたということは聞かない。間々論文等で私も拝見しておりますけれども、具体的な治療上の効果等も含めて考えてみますと、やはりいままでの悪評を何とかこの機会になくしていただくようにお願いしたい、こういう気持ちがあるわけでございます。この点についてはいかがでしょうか。
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玉木正男#13
○玉木参考人 ただいま私どもにとりまして、いままでもそうでございましたけれども、今後なお一層本当に心してこの私どもの仕事を行わなければならないと思いますその重要なことを、お話しいただいたと存じます。
 先ほどお話がございましたように、二十二年に発足いたしました。初めは、広島市内は御承知の状況でございますから、呉市にささやかな研究施設を持ってスタートしたのでございます。それから一年後に、これは厚生省あるいは日本の国がこの原爆被爆者についての医学的研究の重要性をよく認識されたためであると思いますけれども、御承知の厚生省の予防衛生研究所の支所を広島と長崎に置く、そうして一部の職員は、仕事をいたしますけれども、ABCCでなしに、厚生省予防衛生研究所の職員であるという立場になりまして、わが国、特に厚生省予防衛生研究所はこの研究に参画してまいったのでございます。
 それから、こちらの研究の成果について、まことに貴重な、今後なお一層私ども心しなければならないことをただいまお話しいただいたのでございますが、研究の成果は、純医学的な論文の形式をとったもの、あるいは年報のようなまとめた形式をとったもの、代表的なものをちょっとここにも持っておりますが、何でも昭和三十一、二年ごろから、英語と日本語と同じページに並べて印刷いたしたもの、テクニカルリポートと申しておりますが、それを国内の主要な医学研究所、大学、むろん厚生省の関係方面、それから米国方面に規則正しく送付いたしてまいりました。それから、ただいま森井先生お話がありましたように、国内、国外の専門の医学雑誌に、これは両方並記してないかもしれませんが、あるいは英文で、あるいは日本文でいろいろ報告されているのでございます。
 ついででございますが、地元に「広島医学」という日本語の医学雑誌がございまして、月刊雑誌でございます。過去十八、九年でございますが、私どもずっとABCC以来、いま放影研になりましたが、われわれが重要と思います代表的な研究の内容を、一部ほかに発表されたものと重複いたしますけれども、放影研欄、以前はABCC欄として平均して七、八ページないし一〇ページの論文を毎月日本語で発表したわけでございます。
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森井忠良#14
○森井委員 まことに恐れ入りますけれども、お聞きしましたことだけお答えいただけば結構です。与えられた時間が一時間しかございませんものですから、ひとつ御協力をお願いいたします。
 先ほど被爆者をモルモットにするんじゃないかということで評判が悪いということを申し上げました。心してこれからも改善をしてまいりたい、こう御答弁をいただいたわけでございますが、そういたしますと、広島の場合ですけれども、一体放影研は現在の比治山の位置でいいのかどうなのかという問題です。高台にございますけれども、なかなか近寄りがたいという感じが一つございます。それから、建物が御承知のとおりのかまぼこ兵舎でいまもって経過をしておるわけでございまして、私なんかもたまにお邪魔をいたしますけれども、どこかの兵舎に行ったような感じがするわけでございます。また長崎につきましても使い勝手が非常に悪くて、何とか改善をしなければならぬということで、いま鋭意努力がなされておるやに聞いておるわけでございます。広島市も比治山公園の一帯は、これから政令指定都市にもなることですし、芸術公園というふうなことできれいにしたいというお気持ちもあるようでございます。したがいまして、文字どおり民衆に溶け込んでいく、被爆者の皆さんの治療に役立てるような具体的な活動をしていただく。もちろん放影研にはいままで御確認になりました二世の問題だとか、そういった大事な研究項目もあるわけでございますが、何といいましてもいまの場所については移転をなさって、もう少し近代的と申しますか、市民や被爆者の皆さんが出入りがしやすい場所に変えていくべきだろうと思うわけでございます。この点につきましてどのようにお考えなのか、これは玉木理事長と、費用の半分を出しております政府としてもひとつ御答弁をいただきたいと思うわけでございます。
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玉木正男#15
○玉木参考人 ただいまお話しの比治山から町の中へおりたらどうだという地元の御要望があるということを以前からときどき承っておりました。ごく最近、広島市の当局から非公式にそういうお話もあったのでございます。いろいろの条件が整いますならば、研究所の事業に差し支えない、あるいはそれどころかなお一層仕事が能率よく行われるということを前提にいたしまして、関係方面にお願いしてこの問題を進めさせていただけるのじゃないかと考えている次第でございます。
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大谷藤郎#16
○大谷政府委員 そのような地元の要望があるといたしますれば、私どもとしても十分検討させていただきたいと思います。
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森井忠良#17
○森井委員 玉木先生、もう一つだけ聞かせてください。
 これは新聞にも報道されましたけれども、せっかくあれだけのデータをお持ちなのに、論文等はありますけれども、いま申し上げました第一線の同じ広島で原爆病院ととかく連絡がとりにくい。私は個人的な感じを言わせていただきますと、本当は放影研も治療まで入っていただきたいという気があるのです。もちろんいろいろ都合もありましょうけれども、本来研究と治療というのは、私はある意味で車の両輪だと思うわけです。そういった点で、できれば治療もお願いしたいと思っておりますけれども、すぐにはもちろんいろいろ制約もあるかと存じます。したがって、私ども聞いておりますのは、広島の場合で申し上げますと、原爆病院と放影研との関係をもっと密にしたらどうか、単に論文、これは新聞報道でありますが、その論文も行ったり行かなかったりというようなことがあるようでございますから、少なくとも定期的な会合をお開きになるとか、そういったことをおやりになる御意思があるかどうか。同じような意味で、広大の原医研からも大北先生にお見えをいただいておるわけでございますが、私ども見まして、それぞれ研究機関がばらばらなような感じもするわけでございます。そういう意味で、研究機関あるいは治療機関等がもっと密接に御連絡をしていただきますならば、御承知のとおり原爆に関します疾病というのはまだ未知の世界が多うございます、したがっていろいろな情報を交換する意味でもいいと思うわけでありますが、その点についてお考えを承りたいと思うのです。一言で結構でございます。
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玉木正男#18
○玉木参考人 なお一層ただいまの御趣旨に沿って努力させていただきたいと存じます。
 一例を申しますと、病理部の方では、私どもの幹部が定期的に全く随意的に、何と申しますか、ボランタリーに自分の考えで時間を割いてお伺いして、いろいろ病理の標本などについて討議会に列席させていただいているということもございますのですが、なお一層努力させていただきたいと思います。
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森井忠良#19
○森井委員 放影研について、恐縮ですがもう一点だけ聞かしてください。聞きたいことはたくさんあるのでございますが、時間がありませんから一点にしぼります。
 御承知のとおり、経費は日米折半でございますね。そして、最初の取り決めは、理事長さんも日本側とアメリカ側が交代に務める。これはいろいろな事情で日本側に現在もなっているようでございますけれども、どうも私見ておりまして、もともとが日本の被爆者のための研究と理解をしてもいい。当初ABCCができたときには、私どもはないと思うのですけれども、原子力の平和利用のためにもこれは役立てるのだというようなことがちょっと書いてありましたけれども、それは私どもの主張と相入れませんからさておくといたしましても、いずれにいたしましても、日米折半というのは、あなたは非常におやりにくいのじゃないかと思うのですよ。対象は日本人だし、それから職員の方も恐らく英語がわかる方ばかりじゃないわけでしょう。やはり何かにつけてやりにくい。できれば近い将来と申し上げたいけれども、きょう大蔵省も来ておりますが、すぐうんとは言わないかもしれませんけれども、フィフティー・フィフティーという運営費の割合についてはやはり徐々に日本側がふやしていって、将来は日本側オンリーの経費で、日本の判断に基づいてやるというシステムが私は正しいと思う。この点いかがでしょうか。
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玉木正男#20
○玉木参考人 現在のところは、この放影研というのは日米両国政府の合意に基づいて日本国政府と米国の政府と同じ額の年間の経費を支出して運営する、そういうことになっているのでございまして、二、三ただいま御指摘ありました点、ぴたりといいますか、本当に私、おっしゃる面が多分にあると思います点もございますけれども、私、理事長としての職を運営するについて、こういう形式がいまのところ大きな支障はないように感じておるのでございます。
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森井忠良#21
○森井委員 私が聞いておりますのは、被爆者の皆さんも日本だけで運営できないものだろうかというのはずいぶん聞かされています。それから、放影研に勤めていらっしゃる職員の方から、やはり将来にわたっては日本だけの運営でやってもらいたい、この声も出ておりますことは事実でございます。あなたのお耳にも入っていると思います。したがって、非常にむずかしい立場でしょうから、きょうはこれ以上はお聞きをいたしませんけれども、敷地や建物の移転とあわせて、十分御検討をいただいておきたい、こういうふうに思うわけでございます。
 そこで、厚生省にお伺いするわけでございますが、いま私はここに国立予防衛生研究所と原爆傷害調査委員会、当時のいわゆるABCCでございますが、「予研−ABCC共同研究」、題しまして「二〇年の歩み」というのを持っております。これは昭和四十四年に発行されたものであります。したがって、ざっと二十年に余ってABCCがいろいろな調査をなさったもののとりあえずの中間集約のようなものでございます。これを見ますとずいぶんショッキングなことが書いてあるわけでございます。たとえば大臣、白血病、これは血液のがんでございますけれども、白血病等についても、数字は余りにもショッキングなので申し上げませんけれども、要するに被爆者の中に白血病が多発しているということ、悪性新生物、いわゆるがんの患者が非常に多いというようなこと等々がここに書かれておりまして、しかも明確に結論じみた表現になっておるわけでございます。申し上げましたように数字は申し上げませんが、だからこそ、厚生省といたしましても現在医療法等でそれぞれ一定の措置はしていらっしゃるのでありますが、ちょっと読んで参考に供したい点がございます。
 その二ページに「おもな調査事項の要約」というのがあるわけでございます。これを見ますと、先ほど申し上げましたように、非被爆者よりも非常に病気にかかった人が多いという前提に立った上で、たとえば白血病について「被爆者は白血病をおこしうる他の原因には、職業としても、公害としても、」ちょっと意味がわからないのでありますが、恐らく英語を翻訳したからこうなったと思うのでありますが、「白血病をおこしうる他の原因には、職業としても、公害としても、個人の習癖としても近寄らない方がよい。」悪性新生物についても、「被爆者は、癌をおこしうる他の原因には、」同じように「職業としても、公害としても、個人の習癖としても近寄らない方がよい。」これは、いま申し上げました共同研究の結論になっておるわけでございます。
 ちょっとわかりにくかったと思うのでありますけれども、たとえば職業として被爆者は近寄らない方がいいというのは、たとえば放射線技師等にならない方がよろしい、こういうことだと私は理解をしておるわけでございます。あるいは「個人の習癖としても」、「習癖」というのは癖という意味ですね。「個人の習癖としても近寄らない方がよい。」こうなっておりますのは、これは要するに私の場合にたとえますと、たばこを吸うとか酒を飲むというのもいけないということになるのですかね、いずれにいたしましても、一定の制約をそこにはめざるを得ない状況にあるという結論がついておるわけでございます。
 公衆衛生局長、この論文は御存じですね。
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大谷藤郎#22
○大谷政府委員 実は、まことに申しわけありませんが、存じておりませんでした。
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森井忠良#23
○森井委員 やむを得ませんが、できればいずれ目を通しておいていただきたいと思うわけでございます。
 そこで、これからいよいよ七人委員会の結論が出るわけですけれども、私いろいろな文献を読んでみますと、いままで厚生省が被爆者援護法の制定を拒む理由として、一つは均衡論があったわけですね、一般戦災者との均衡論。被爆者をどうすると言ったところで、実際には一般戦災者もあるじゃないか、こういう言い方で断られてきておりました。なるほど一般戦災者も確かに救済をしなければなりません。しかし、いま申し上げましたように、もう被爆者は一定の職業につくなという警告がここに出されておる。言うなれば、憲法上の一つの基本的な人権というものを、そういう意味で、被爆者なるがゆえに阻害をされる、あるいはたばこを吸ってはいけないということも人によっては非常に苦痛なことでございますけれども、そういったことについても明確に資料に基づいて断定をしておる。したがって、たまたまいま時間の関係で一つしか申し上げませんでしたけれども、放影研の研究の成果が、具体的に、だからこそ一般戦災者よりもさらに優先をして急いで救済をしなければならぬというくだりがずいぶんとございます。ですから、私は具体的な御指摘を申し上げたわけでございます。
 したがって、私はこの際申し上げておきますが、せっかく放影研からもおいででございますので、七人委員会からの結論を当然待たなければなりませんが、きょうはくどくど申し上げておりますように、大蔵省からも出席をいただいております。したがって、やはり役所としてもぼつぼつ理論武装するころじゃないか。たまたま私は思いつきでこんな本をお見せしたわけではないわけでございまして、従来ともつるっとでも目を通しておく、でも局長はまだ新任でございますから目を通していないということでございますが、どうして被爆者を優先をして急いで国家が補償しなければならないかというふうな問題について、そろそろ理論武装をしていただく必要があるのではないか、こう考えるわけでございますが、これは事務当局の局長、いかがですか。
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大谷藤郎#24
○大谷政府委員 先生の御趣旨を体してできるだけ私どもとしても努力いたしたいと思います。
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森井忠良#25
○森井委員 もう時間がなくなりましたけれども、もう一問だけお伺いをいたしたいと思います。
 これも私、二月二十一日の本委員会の質問で申し上げたのでございますが、例の韓国人被爆者の問題でございます。時間がなくてちょっと詰められませんでした。
 現在まで明らかになっておりますのは、一つは、韓国から患者さんに日本に来てもらって、どうも広島の原爆病院でございますけれども、入院治療をしてもらうということ、それからお医者さんも向こうから来ていただく、こういったことが決まっておるようでございます。これは非常に結構なことだと思います。しかし、ただいまの計画が十人ですね、そして韓国の予算を拝見いたしますと、新しい年度で今度はもうあと五十人追加をするという形になっております。時間の関係で一度に質問するわけでございますが、ですからこれはいまのところそういう意味で足かけ二年分の計画が決まっています。これはいつまでお続けになるのでしょうか、これがまず第一。
 それから第二は、いまの計画ではっきりしておりますのは、合計六十人の方がお見えになるわけでありますが、せっかくこちらで治療をお受けになって、少しでもお元気になられることは間違いありませんけれども、退院をなさって、また韓国へ帰る、アフターケアをどうするかという問題があるわけでございます。治って帰ったけれども、向こうで、適確な治療が自分の住んでいるところですぐ受けられればいいですけれども、これはゆゆしい問題と思うわけでございます。したがって、日本に来るのは来るが後がこわいというのが率直な気持ちだろうと思うわけです。したがって、この点については、特に日本は被爆者の治療については進んでおるわけでございますから、医療器材というものをどうしても向こうに届ける必要があるのじゃないか。それから、韓国側の方は日本の原爆病院のようなものをぜひとも建設してもらいたい、そうしなければせっかく日本で治療を受けてもすぐ治るという性質のものではないですから、そういった点で向こうへの医療機関の設置、医療器材の搬出というものが必要になってくるのじゃないか、この点についてのお考えはどうなのか、承っておきたいと思います。
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大谷藤郎#26
○大谷政府委員 韓国人被爆者の渡日治療の問題につきましては、先生方のいろいろのあれによりまして、今回十二人を迎えて治療するということになっておりますが、これにつきましては、期限等も切っておりませんし、しかし、実態としてやってみてその経過を見まして、その後の渡日治療について検討いたしたいと考えている次第でございます。
 それから、病院あるいは資材の供与はどうか、こういうお話でございますが、この問題につきましては、対外協力の一環として検討すべきもので厚生省だけではちょっとお答えできかねる点もございますので、その点御了承いただきたいと思います。
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森井忠良#27
○森井委員 しかし、せっかくこちらで治療を受けて帰っても、向こうへ帰ってまた病気がぶり返すといういまのままでは困る、こういう点についてはお認めになるでしょう。
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大谷藤郎#28
○大谷政府委員 できる限り長期的な視点で治療申し上げるのがよろしいのではないかと考えております。
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森井忠良#29
○森井委員 それはそうなのですけれども、完全にはどうしてもできませんね。だから、アフターケアの問題についても、あなたは外務省じゃないのだから、厚生省としては、もちろんこれは外交ルートの問題がありますから、私は問題を理解しております。理解しておりますけれども、やはり何とかアフターケアの問題についても少なくとも厚生省としてはお考えになる必要があるのじゃないか、この点についてもう一度お伺いをしたいと思います。
 それから、さっきちょっと聞き漏らしたのですけれども、この計画は何年くらい続きますかというので、もしはっきりしておらなければある程度見通しを述べていただきたい、これはつい聞き漏らしたのでお伺いをしたいと思います。
 それから三つ目は、韓国の予算を見ますと、日本医師の滞韓経費というのが出ているのです。これは単位がウォンですか、かなりの金額で三千二百二万ウォンというくらい出ているのですけれども、この点について日本から行ったお医者さんが向こうで御迷惑をかけるのかどうなのか、かけないとすればこれはほかに予算を回せばいいのだろうと思うのです。その点についても、時間がありませんので簡単にお伺いをいたします。
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