山本政弘の発言 (社会労働委員会)

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○山本(政)委員 いままでの政府側の言い分の特徴というのは、これは桑原訴訟にしても、石田原爆訴訟にしても、それから孫振斗訴訟にしても、その過程を見ますと、あるいは国会論議を通じて見ますと、政府側の言い分の特徴といいますか、それは社会保障と援護、特に戦争犠牲者の援護とを区別をして、そして原爆二法は社会保障法に属するもので、国家補償の観念に立つ援護法に属するものではない、そういうふうに言っておっただろうと思うのです。ただ問題は、古い話になって恐縮ですけれども、昭和三十二年に当時の神田厚生大臣は、アメリカ、ソ連、イギリスの原水爆の実験の結果日本人が被害を受けた場合に、政府はこれにどういう治療と補償の措置を考えるのかという質問を当時の社会党の木原委員からしたのに対して、大臣はこうおっしゃっているのです。「相手方がそういうような暴挙をあえてする結果、そこでわれわれ民族が人体に非常な被害をこうむる、こういう際にはこれは政府といたしましては相手国に対しまして、ビキニの例等もございますので、十分な補償を要求することは私は当然のことと思います。同時にまた相手国の補償があるまで放置する、そういうことは人道上断じてできない」と、こういうふうにおっしゃっている。これは昭和三十二年三月二十五日の委員会で、会議録の二十九号です。その後昭和四十年には、四十八回国会の参議院社会労働委員会で、政府委員の当時の若松栄一公衆衛生局長はこうおっしゃっている。「アメリカの原子爆弾によって被爆の事実が起きたということは、これはもう疑いないことでございますが、その被爆者を援護し、救済していくということは、これは日本国政府の義務」「特に講和条約等におきまして実際の取りきめがすでになされまして、そういう賠償その他の請求はしないということになっておりますので、これはどこまでも日本政府の責任」でありますと、こう言っているんですね。ところが、これを類推をいたしますと、やはり国家補償という観念というものが基本にある、あるいはあったんだというふうにぼくは理解をしているのですけれども、どうもそういうふうにはなっておらない。
 政府の言う援護法というのは、戦傷病者戦没者遺族等援護法から未帰還者留守家族等援護法に至るまで、軍人軍属との身分に基づいた立法が中心になっているような気がいたしてならぬわけですね。しかも、軍人軍属などのような意味での直接的な身分関係に立つものとは言いがたい引揚者について引揚者給付金等支給法というものを制定なすっている。よしあしは別であります。ですから、そういうことを考えますと、どうもやはり私は、軍人軍属といいますか、職業的な軍人というものを中心としてなすっているような気がする、そういう気を強くするわけですね。
 そこで、これは公衆衛生局長に聞いた方がいいかもわかりませんが、社会保障というのは一体何でしょうか。あるいは援護法というのは何でしょうか。その概念といいますか、定義というものをもう一遍聞かしてほしいと思うのです。

発言情報

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発言者: 山本政弘

speaker_id: 10465

日付: 1980-03-27

院: 衆議院

会議名: 社会労働委員会