中平和水の発言 (逓信委員会)

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○中平政府委員 当委員会で私どもの主管課長がその趣旨の発言をしたようでございますが、私どもの真意は、これだけいま国会でも十分に御論議をいただきましたし、また、国民一般からも内容についてかなりの疑惑を持たれ、捜査の行方についていろいろと多大の関心が寄せられた事件でございますので、私どもといたしましては、国会における御論議の過程でできるだけ国政に御協力を申し上げ、私どもの捜査の内容を今後の捜査に支障がない限りでお話を申し上げる、そういう趣旨で発言をしたものというふうに私どもは理解をしておるわけでございまして、そういう趣旨を踏まえまして、ただいまのお尋ねでございますので、ただいままでの捜査の概要、それからかねてから問題になっておりました一応KDDの交際費と目される、私どもが解明の対象といたしました三年半にわたる五十八億一千余万円の内容につきまして、御報告を申し上げてみたいと思います。
 お尋ねの事件は、御案内のように昨年の十月一日及び二日、海外の出張から帰国いたしました前社長室長の佐藤陽一ほか二名が、海外で購入して持ち帰った多額の装身具類を無申告もしくは過少申告で通関しようとして東京税関の成田支署で摘発をされたことが発端となったわけでございまして、その後、東京税関ではその後の調査に基づきましてその事実を東京地方検察庁に告発をし、さらに東京地方検察庁と私ども警視庁とが協議を遂げた結果、警視庁が第一次的にこの事件の処理をしてまいる、こういうことに決まったわけでございます。
 その後、警視庁としては鋭意捜査を遂げた結果、十二月四日に関税法違反の事実によりましてKDD本社等関係先二十三カ所の捜索を実施をいたし、本格的な捜査の体制に入ったわけでございます。
 その後、押収資料の分析検討、こういうものを通じまして、本年の二月二十四月前社長室長の佐藤陽一を業務上横領並びに関税法違反によりまして逮捕いたしまして、引き続き、起訴勾留中の佐藤を含む元郵政省電気通信監理官の松井清武ら四名を贈収賄事件の被疑者として逮捕いたしたものでございます。
 さらに、その後捜査は進展いたしまして、本年の四月五日元社長の板野學を業務上横領によりまして逮捕いたしまして、同人は四月二十六日に起訴されたわけでございますが、その後佐藤とともに四月三十日に一応釈放になり、したがいまして、この捜査で重要なかぎを握っておった人物がそういう次第になったわけでございますので、捜査としてはおおむね終結の方向に向かってまいったわけであります。
 その後、警視庁といたしましては鋭意補充捜査、その後の関連捜査等を遂げてまいったわけでございますが、それらを含めまして、先ほど御答弁申し上げましたようにもはや新しい事件の着手はない、こういう意味で捜査はおおむね終結である、こういうふうに御理解を賜りたいと思うわけでございます。
 この間に要しました捜査の日数は、昨年の十月一日から数えまして二百二十一日、本格的な捜査を開始いたしました昨年の十二月四日から数えて百五十七日に及んでおるわけでございますが、この間約一万五千人の捜査員を動員をいたしております。
 なお、これまでに事情聴取の対象になりました延べ人員はKDDの関係者約六百名、その他の関係者約七百名、合計千三百名にわたる関係者からの事情聴取を終えておる次第でございます。
 次に、本件捜査におきましていわゆるKDD疑惑にかかる金の流れ、物の流れの追及を警視庁としては鋭意してまいったわけでございますが、その検討の対象といたしましたのは、昭和五十一年の四月から五十四年の九月までの三年半に及ぶいわゆるKDDの税務上の交際費五十八億円余、一応これが解明の対象になったわけでございます。この中から世上いわゆる政官界工作と認められる金が流れ出ておるわけでございます。私どもの捜査は、KDDの関係者からの事情聴取並びに押収した資料に基づきましてまずその事態を解明をし、その実態の解明の中に贈収賄等の容疑事実に触れるものはないか、あるいは業務上横領に触れるものはないかという観点からやったわけでございまして、結果的に申し上げますと、ただいままでに私どもが捜査の対象に上した以外には、特に贈収賄とかあるいは別途の犯罪の容疑として立件送致し、あるいは新たに着手するものは現在までのところ見当たらない、こういうことでございます。
 さて、この解明の対象といたしました三年半に及びます五十八億円余のKDDの交際費等の使途内容で政官界等、正確に申し上げると政界でございますが、政界に流れたと思われる額は、ただいま申し上げましたようにKDDの関係者あるいは押収書類から判明した次第では、この三年半で約一億二千万の金が流れておる、こういうふうに一応私ども承知しておるわけでございます。
 KDDの交際費をKDDの資料に基づいて申し上げますと、いわゆる狭い意味の交際費、役員等の接待、慶弔費、これがこの三カ年、五十一年の四月から五十四年の九月までの間に四億七千六百万の金が一応使われておるわけでございますが、この中で政界に流れたと思われる額は約四千五百万でございます。これはせんべつとかあるいは陣中見舞いだとかあるいは祝儀だとか、そういうふうな名目で政界に流れておる次第でございます。
 それから、広告宣伝費という費目がございますが、これが一億九千百万円ございます。これの使途につきましては、特に疑惑の対象になるもの、政界等に流れたものはございませんでした。
 それから、旅費交通費、これが九億五千七百万ございますが、これにつきましても、そういうふうな特に犯罪の容疑の対象になる事実はなかった、こういうことでございます。
 それから、雑費というものがございます。雑費というのは飲食費とか部外者の贈答品代だとか、各種の寄付だとか会費だとか、こういうのが使途でございますが、これが三カ年半の間に四十一億九千万の額に上っておるわけでございます。この中からいわゆる政界に流れたというふうに私どもが一応認めました額は七千五百万でございます。
 さらに、その内訳は、商品券につきましては三カ年半に約三千八百万くらい出ておるわけでございますが、この中で政界の方々に渡されたと思われます商品券は約一千万でございます。それから、各種の品物が贈答に使われておるわけでございますが、この額が約一千万でございます。それからいわゆるパーティー券でございます。何とかを励ます会だとかいう形のパーティー券でございますが、これが五千五百万円。合計いたしまして、先ほど申し上げましたように一億二千万の金が流れておる、こういうことでございます。
 そうして流れた政治家の数でございますが、数につきましては約百九十人の政治家の方に一応渡っておる、こういうことでございます。
 なお、繰り返しになりますが、これはあくまでもKDDの関係者からの供述、それから私どもが押収した資料、こういうものに基づきました一応ただいま申し上げた内容でございまして、これを受け取られたと思われる方々からの事情聴取等はいたしておらない次第でございます。なぜしてないかということになりますと、先ほど申し上げましたように、金とかあるいは物を渡された趣旨等におきまして特に贈収賄としての容疑を持って私どもが捜査を遂げ、あるいは立件送致するようなものは現在までのところ特に見当たらない、こういうことでございます。
 以上が現在までの捜査の大筋でございます。

発言情報

speech_id: 109104816X01119800514_007

発言者: 中平和水

speaker_id: 3685

日付: 1980-05-14

院: 衆議院

会議名: 逓信委員会