戸叶武の発言 (外務委員会)

⚠️ コピーしたテキストを転載する際は、転載元URL(kokkai-data.com)および原典URL(kokkai.ndl.go.jp)を必ず残してください。発言内容の改変・出典削除は禁止です。 詳細は利用規約をご確認ください。

○戸叶武君 私も二月に欧州会議の代表者十二名と日本の国の代表者、国会の代表者十二名とでストラスブールで話し合いをしましたが、そのときの空気を見ても、ソ連のアフガンに対する軍事的な進出に対してはこれに反対であるが、しかしアメリカのイランに対する人質問題は重要であるにしても、いきなり経済封鎖、食料断交あるいはオリンピック反対という矢継ぎ早のこの一連の強圧に対してはそのままうのみにできないというような良識がみなぎっておったと思うんです。ソ連のアフガン問題に対しては、欧州議会においてはそれをデタントの方向へ戻すように決議を、イギリスの外務大臣の熱心な努力等を通じて全体的な合意を得たのでありますが、それと同時にアメリカのいきり立つ気持ちはわかるが、何か力ずくで押さえつけようという行き方においては問題解決にはほど遠いものになるんじゃないかという憂慮があったようであります。この間において、アメリカの軍部関係の人や何かは、とにかくアメリカとソ連との対立抗争が激化したならば日本は軍事的な意味の協力も必要である、もっと軍備を責任を持って強化しろというようなアメリカからの要請、その他貿易の面でも食糧の面でもああいう荒っぽい押しつけ方だと、これはいまイランに対しては人質問題で謙虚な形で反省に出ておりますが、力を持っているアメリカは時としては感情的に何をやらかすかわからないというような不安感を国民が抱いた点においては、ソ連と同様の私は不信感を国民の中にまき散らしたと思うんです。
 大来さんがアメリカに行き、これから大平さんもアメリカへ行くが、自動車の関係で大平さんも初めから余り行きたくなかったようですが、どうも民間側において承知しないからと、民間にだけ責任を転嫁するわけじゃないでしょうが、アメリカに都合のよいようなことだけを言って相手をひねりつぶそうというやり方に対しては、国民の中にもにがにがしい感情というものがいま横溢していると思うんです。アメリカではそれをやってみて後まずかったらまた謝るという手も、今度を見ればアメリカの手はいろいろ損だということはわかりましたが、こういうくせがついてしまうとなかなか日本のいままでのような卑屈な外交なり折衝においてはアメリカになめられるばかりであって、アメリカ自身も相手の立場などということを考慮なしに暴走していくと、ソ連と同じように、私は世界の人から孤立する危険性があると思うんです。
 パートナーシップというのはやっぱり言うべきものは言い、そうしてアメリカに改めてもらいたいことは改める。人質を取ったから、人質が大変だからこの辺で平謝りに謝ってイランの怒りを避けようというような、そういう小手先だと、アメリカへの不信感というものはさらに私は強まっていくと思うんですが、その問題はなかなか言いづらい点があるけど、けさのニュースの報道を聞いて、大平さんも余り行きたがっていなかったけれども、大来さんでもあの程度やられるんだから、まあベネチア・サミットの後でもあれば別だけれども、もう少し日本の国民の感情や何かというものもくみ取ってやらなきゃ動きが取れぬというところへ来ているんじゃないかと思いますが、大平さんのことまで測定することはあなたにはできないかもしれませんが、やはりあなた自身もアメリカへ行って非常に苦労してきたと思うんです。言いたいことを言わしておくのは勝手ですが、そういう言いたいことをやたらに勝手に言うという悪いくせに対しては、こっちではこれに対するこたえべき言葉がなくなってしまうんじゃないかと思うんですが、その辺は苦労人の大来さんはどういうふうに打診してまいりましたか。

発言情報

speech_id: 109113968X00419800401_017

発言者: 戸叶武

speaker_id: 23841

日付: 1980-04-01

院: 参議院

会議名: 外務委員会