戸叶武の発言 (外務委員会)

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○戸叶武君 政治というのは、初恋の女の子が心には思っているけれども物を十分表現できなかったという方式でなく、国務大臣たるものはやはり常に、私は一朝一夕に、大来さんが言ったように、まあましだという程度で目をつぶっていかなければならない立場もあるかもしれませんけれども、この機会に、鉄は熱したときに打つべしというように、この国民全体が失望によって打ちのめされているようなときにこそ閣議の席上からでもひらめくものが出てこなければ、私は、直観的ないいものを持っている日本民族において、議会主義という名のもとに紛飾されて、政権交代はあり得ず、一党独裁的な幕府政治を持続しようというような度しがたい暗い政治の暗転の中においては進歩はあり得ないと思うんです。
 世界は、すでに中東において幾つかの王国が崩れていっていますが、みんな時の流れのアンダーカレントに触れることができないで、シャーなり王様なり、私兵的な武力を使ってそれを維持しようとしても、ついに混乱の中に音を立てて崩壊しているのが事実でしょう。この冷厳な変革の時代に、おどおど、国務大臣として自分の仕事だけに忠実じゃなくて、それで満足しないで、もっと私は日本の政治を明るいものにしなければ、国民とともに苦悩し、模索し、国民だけではなく世界の人々をも理解させていくという努力なしに第三次世界戦争を食いとめることはできないと思うんです。武藤さんあたりは——戦後私は明治大学でハロルド・ラスキの議会主義の危機、デモクラシーの危機に関して私は講演をやったことがありましたが、篤学者、学究的な人が遠慮深くて、ならず者のようなずうずうしいやつが政治を振り回しているという現実、理想と現実のギャップは簡単に埋められないという形において、安閑として国務大臣の地位を占めているとするならば、存在の意義はないんです。どうぞそういう意味において、現実においてこの日ソ間におけるむずかしい漁業協定において、日本もソ連もお互いに前進するような協定を成立させているんですから、そういう実績に基づいて政治の方向づけを私はやってもらいたい。今後においては、国務大臣としても、大いに発言する資格があるんですから、遠慮なしに、恋に悩む処女のような形じゃなく、脱兎のことく突撃していってもらいたいことを希望します。
 時間はありますけれども、ほかの人がずいぶんまだやりたいという形もありますから、私はこれで、注文だけをしておきます。

発言情報

speech_id: 109113968X00719800424_013

発言者: 戸叶武

speaker_id: 23841

日付: 1980-04-24

院: 参議院

会議名: 外務委員会