外務委員会

1980-04-24 参議院 全221発言

⚠️ 発言のコピー・転載時は出典元URL(kokkai.ndl.go.jpおよびkokkai-data.com)を必ず残してください。改変・出典削除は禁止です。 詳細は利用規約をご確認ください。

会議録情報#0
昭和五十五年四月二十四日(木曜日)
   午前十時十一分開会
    —————————————
   委員の異動
 四月十一日
    辞任         補欠選任
     前田 勲男君     秦野  章君
     岩動 道行君     二木 謙吾君
     浅野  拡君     大鷹 淑子君
     嶋崎  均君     菅野 儀作君
 四月二十二日
    辞任         補欠選任
     田中寿美子君     片山 甚市君
 四月二十三日
    辞任         補欠選任
     二木 謙吾君     夏目 忠雄君
     片山 甚市君     田中寿美子君
 四月二十四日
    辞任         補欠選任
     菅野 儀作君     衛藤征士郎君
     夏目 忠雄君     伊江 朝雄君
     大鷹 淑子君    久次米健太郎君
     秦野  章君     浅野  拡君
     安孫子藤吉君     岩上 二郎君
    —————————————
  出席者は左のとおり。
    委員長         石破 二朗君
    理 事
                稲嶺 一郎君
                戸叶  武君
                渋谷 邦彦君
    委 員
                浅野  拡君
                伊江 朝雄君
                岩上 二郎君
                衛藤征士郎君
                亀長 友義君
               久次米健太郎君
                町村 金五君
                小野  明君
                田中寿美子君
                立木  洋君
                藤井 恒男君
                田  英夫君
   国務大臣
       外 務 大 臣  大来佐武郎君
       農林水産大臣   武藤 嘉文君
       国 務 大 臣
       (内閣官房長
       官)       伊東 正義君
   政府委員
       外務大臣官房審
       議官       山田 中正君
       外務省アジア局
       長        木内 昭胤君
       外務省北米局長  淺尾新一郎君
       外務省欧亜局長  武藤 利昭君
       外務省中近東ア
       フリカ局長    千葉 一夫君
       外務省経済局次
       長        羽澄 光彦君
       外務省条約局長  伊達 宗起君
       水産庁長官    今村 宣夫君
       特許庁総務部長  和田  裕君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        山本 義彰君
   説明員
       外務大臣官房審
       議官       平岡 千之君
       外務省アジア局
       外務参事官    渡辺 幸治君
       大蔵省関税局輸
       出課長      伊藤  皇君
       林野庁林政部林
       産課長      山口  昭君
       資源エネルギー
       庁石油部計画課
       長        浜岡 平一君
    —————————————
  本日の会議に付した案件
○北西太平洋における千九百八十年の日本国のさ
 け・ますの漁獲の手続及び条件に関する議定書
 の締結について承認を求めるの件(内閣提出、
 衆議院送付)
○日本国政府とアルゼンティン共和国政府との間
 の文化協定の締結について承認を求めるの件
 (内閣提出、衆議院送付)
○所得に対する租税に関する二重課税の回避のた
 めの日本国とハンガリー人民共和国との間の条
 約の締結について承認を求めるの件(内閣提出、
 衆議院送付)
○所得に対する租税に関する二重課税の回避のた
 めの日本国とポーランド人民共和国との間の条
 約の締結について承認を求めるの件(内閣提出、
 衆議院送付)
○特許手続上の微生物の寄託の国際的承認に関す
 るブダペスト条約の締結について承認を求める
 の件(内閣提出、衆議院送付)
○絶滅のおそれのある野生動植物の種の国際取引
 に関する条約の締結について承認を求めるの件
 (内閣提出、衆議院送付)
○絶滅のおそれのある野生動植物の種の国際取引
 に関する条約第十一条3(a)の改正の受諾に
 ついて承認を求めるの件(内閣提出、衆議院送
 付)
○所得に対する租税に関する二重課税の回避のた
 めの日本国とイタリア共和国との間の条約を改
 正する議定書の締結について承認を求めるの件
 (内閣提出、衆議院送付)
○所得に対する租税に関する二重課税の回避及び
 脱税の防止のための日本国とグレート・ブリテ
 ン及び北部アイルランド連合王国との間の条約
 を改正する議定書の締結について承認を求める
 の件(内閣提出、衆議院送付)
○所得に対する租税に関する二重課税の回避及び
 脱税の防止のための日本国とフィリピン共和国
 との間の条約の締結について承認を求めるの件
 (内閣提出、衆議院送付)
    —————————————
この発言だけを見る →
石破二朗#1
○委員長(石破二朗君) ただいまから外務委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 去る十一日、岩動道行君、嶋崎均君、浅野拡君及び前田勲男君が委員を辞任され、その補欠として二木謙吾君、菅野儀作君、大鷹淑子君及び秦野章君が選任されました。
 また、昨二十三日、二木謙吾君が委員を辞任され、その補欠として夏目忠雄君が選任されました。
 さらに、本日、菅野儀作君が委員を辞任され、その補欠として衛藤征士郎君が選任されました。
    —————————————
この発言だけを見る →
石破二朗#2
○委員長(石破二朗君) 北西太平洋における千九百八十年の日本国のさけ・ますの漁獲の手続及び条件に関する議定書の締結について承認を求めるの件を議題といたします。
 まず、政府から趣旨説明を聴取いたします。大来外務大臣。
この発言だけを見る →
大来佐武郎#3
○国務大臣(大来佐武郎君) ただいま議題となりました北西太平洋における千九百八十年の日本国のさけ・ますの漁獲の手続及び条件に関する議定書の締結について承認を求めるの件につきまして、提案理由を御説明いたします。
 政府は、昭和五十三年四月二十一日にモスクワで署名された漁業の分野における協力に関する日本国政府とソヴィエト社会主義共和国連邦政府との間の協定に基づき、北西太平洋の距岸二百海里水域の外側の水域における本年の日本国のサケ・マスの漁獲の手続及び条件を定める議定書を締結するため、本年四月二日以来、モスクワにおいて、ソ連邦政府と交渉を行ってまいりました。その結果、四月十五日にモスクワで、わが方魚本駐ソ大使と先方カーメンツェフ漁業大臣との間でこの議定書の署名が行われた次第であります。
 この議定書は、北西太平洋の距岸二百海里水域の外側の水域における本年の日本国のサケ・マスの漁獲について、漁獲量、禁漁区、漁期、議定書の規定に違反した場合の取り締まりの手続等を定めております。なお、本年の北西太平洋のソ連邦の距岸二百海里水域の外側の水域における年間総漁獲量は、昨年と同じく四万二千五百トンとなっております。
 この議定書の締結により、北洋漁業において重要な地位を占めるサケ・マス漁業の操業を本年においても継続し得ることとなりました。
 よって、ここに、この議定書の締結について御承認を求める次第であります。何とぞ御審議の上、本件につき速やかに御承認あらんことを希望いたします。
この発言だけを見る →
石破二朗#4
○委員長(石破二朗君) 以上で趣旨説明は終わりました。
 これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言を願います。
この発言だけを見る →
戸叶武#5
○戸叶武君 今回の日ソ間における漁業の問題に対する解決というものは、いままでにない成果を私は上げていると思うのであります。何か日ソ間のことというと権謀術策がつきまとうような印象があって後味がいつも悪かったんですが、いまイラン及びアフガンの問題をめぐって世界じゅうが米ソ対立を背景として不明朗と思われるような暗い政治、暗い外交に終始しているときに、日ソ間における険悪な空気をも漂っているときに、この漁業協定がいままでにないような成果を上げたということは、まともに話し合っていくならば、事務的処理の段階においてそのことがスムーズにいくということを物語るものであって、外交は権謀術策よりも具体的な事実を基礎として、どんな難問題でも煮詰めていけば解決が可能である、日本が変わればソ連も変わる、ソ連が変われば日本も変わり得るという一つの外交上における新しい光を私は与えたものだと思うのですが、その一番問題点になっていたむずかしい問題というものがこのような解決にまで導かれた原因は那辺にあったか。これは外務大臣及び農水大臣からお答えを願いたいけれども、きわめて専門的な問題であるし、この問題にタッチした外務省並びに農水省における水産庁の人たちからも大臣の足りないところは補強してお答えを願いたいと思いますが、ひとつそれをお願いします。
この発言だけを見る →
大来佐武郎#6
○国務大臣(大来佐武郎君) ただいまの御質問の点でございますが、今回は昨年よりも一週間も早く妥結するということで順調に交渉が進んだわけでございますが、その原因といたしましては、これは必ずしも全部の原因はわからないわけでございますが、一つには、近年交渉につきましてかなり実務的な考え方、実務的なスタイルがソ連側にも出てまいってきておるということが一つと、それから、やはりこの交渉がお互いの利益、ソ連側にも相当な利益になるという認識も出てきておるのではないか。そんな事情もございまして今回急速な妥結に至ったのではないかと存じます。
この発言だけを見る →
武藤嘉文#7
○国務大臣(武藤嘉文君) 私も大体いまの外務大臣の御答弁と同じ見方をしておるわけでございまして、私どもから参りました長官にしましても、部長にいたしましても、参りますときに、私は、政治的な問題を極力絡めないように、これはあくまでも実務的、事務的に処理をするという態度で、相手に対しても強くそういう立場を主張をして、極力相手側のそういう点における理解を深めるようにということを指示をいたしたわけでございます。また、いま御指摘ございましたように、ソ連側もやはり漁業協力その他については相当期待しておるという点もあったのではなかろうかと思います。そういうようないろいろな背景の中で、やはり代表団の皆さんが非常に粘り強く、何とかひとつ減船を伴うようなことにはならないようにと、こういう気持ちで一生懸命努力をしてくれた結果、こういうことになったのではなかろうかと評価をいたしておるわけでございます。
この発言だけを見る →
戸叶武#8
○戸叶武君 外務、農水大臣から責任を持った答弁がなされておりますが、この問題は、やはり直接現地において日ソ間における話し合いを進めてきた人たちから、その体験を通じてお聞きしたいのでありますが、いままでのことを根掘り葉掘り言いませんけれども、お互いの立場を理解し、そうしてお互いの利益というものをお互いにこうやればあり得るんだという結論に到達すれば、いままで難問題と言われていたこの問題にも解決の糸口がつくのです。このむずかしいサケ・マス漁業の問題ですらも、日本がみずからの主体性を崩さず、ソ連も別に主体性を崩したわけじゃないけれども、政治的な権謀謀略でなくて実務家的な処理方式をもってするならば、このように解決する可能性というものが見出し得るのであります。石油問題もそれです。けさのニュースによると、クウェートから石油が供給される協定が成功したと言われております。イランの半分ぐらいは入るのかもしれませんが、その問題は後で質問いたすにしても、この漁業問題に苦労を重ねた皆さん方は、ここに新しいささやかな光を見出し得たというその一番の問題点は何と思いますか、現地に行った方からそれを直接承りたいと思います。
この発言だけを見る →
今村宣夫#9
○政府委員(今村宣夫君) 今回のサケ・マス交渉に臨んで、どういう要件といいますか、基礎の上においてこの結果が出たのであるか、体験を通じて話をということでございますが、私は、第一はやはり、ただいま大臣からもお話がございましたように、ソビエトも相当この問題を経済問題として処理をしようという、そういう考え方に立ってきたのではないかというふうに思われるわけです。もちろんいろいろな政治問題ということは、私たちとしましても、ソ連がどういう政治判断をしたかということをうかがい知ることはできませんが、態度としては経済的な問題としてこの問題を処理をしようという、こういう態度が見られたわけでございます。
 それからもう一つは、やはり先人がいろいろと苦労をして今日の日ソ漁業関係を築き上げてきたという、その先人の苦労の上に立って、やはりこの漁業関係を相互利益のために円滑に処理することが両国の役に立つのであるということをソビエトも考えるようになったのではないか。基本的な条件として私なりに申し上げますれば、以上のとおりでございます。
この発言だけを見る →
戸叶武#10
○戸叶武君 いまあなたが言われたように、また武藤農林水産大臣が指示したように、政治的な駆け引きということでなく、誠心誠意お互いの利益というものを追求しながら、お互いの立場を理解しながら、それによつて問題を解決しようというこの考え方が、あなたがいま答弁されたように、先輩、いままでの人たちの実績の積み重ねにもよるでしょうが、みずからのやはり貫く考え方というものを一貫して押し通したところにお互いの合意点があったと思うんです。それがイランやイラクの問題においては、ソ連やアメリカは別に批判する必要はありませんけれども、お互いの立場を理解し、お互いの利益というものを考えていくならば、これとそれとを一緒にはできないにしても、お互いの間では第三次世界戦争はできないというのは百もわかっていながら、あのような押しつけがましいことを諸国にやっておる。まあはれものにさわるように、困ったものだと言いながら、いつの日かソ連もアメリカも反省するだろうということを期待して、今日は薄氷の思いでエネルギーの問題と取り組み、ソ連のアフガン進出に対する一つの抵抗を行っているんですが、私は、これは小さな漁業問題、魚の問題として見逃すことができない。こういうふうに、事はサケ・マスの問題であるが、日本にとってもソ連にとってもやはり重要な食糧問題です。エネルギーの問題と食糧問題はおろそかにすべきでなく、われわれはECの会議に行っても、経済断交あるいは食糧関係の断交をやるというような無法なことはわれわれも許せないし、ヨーロッパ諸国においても戦争と同じような、暴動を誘発するような苦い経験を——それを武器として外交をやられちゃかなわぬということを叫んでまいりましたけれども、アメリカですらも、がんこなアメリカですらも食糧問題に対してはずいぶん変わってきたと思うんです。物を言わなければわからないんです。
 本当の平和共存体制をつくり上げるというのには、私はいまきょうの衆議院のことは遠くて余り耳には入ってこないけれども、何か、幹事長かだれかの失言とかなんとかでストップだと。やたらに国会をストップされちゃ困るので、われわれは間違ったことをやったら謝ってもらいたいので、つまらない権謀術策の中に議会史みずからを否定するような行動を政府なり政府・与党なりがやってくるということに対しては、断固として反撃しなくちゃならないけれども、世界の中における政治の時代、どういうことによってかわれわれは世界に貢献し、自分の国の利益をも、平和をも、繁栄をも守るという重大な段階に、国内の政治がばくち打ちのごろつきみたいな連中にかき回されて、それを擁護しなければならないような惨めな政治体制をやっておっては人を動かすことはできない。私はそういう意味において、いま議会主義に葬式を出すのか、世界に活路を求めるのかという重大なときに、みずからの主体性が確立しないで人を動かすことができるか、世界を動かすことができるかと言いたいんです。このあらしの中において、暗たんたる議会主義の危機の中において、われわれが世界に活路を見出そうとしているときに、外務大臣や農林水産大臣、せめても閣議において、もっとまともな政治を日本に復活しなければ音を立てて日本は崩壊していく危険に直面するということを言ってもらいたい。われわれが本当に与党たると野党たるとを問わず、単なる一問一答によって皆さんの答えを引き出すというのでなく、あなたたちは国務大臣なんだ、われわれは野党なんだ。野党であるけれども、人民の声を代表する国会議員なんだ、国会なんだ。やっぱり党の、政党主義の上に立ってはいても、いまのようなだらけた政党政治は本来の民主政治ではない。そういう意味において、外交も日本のみずからの政治体制が確立しなければこれは本当に世界を動かすような外交にはならないと思うのですが、御両人から、外務大臣としてあるいは農林水産大臣としての責任から方向づけをやった実績を通じて、こんなざまじゃ日本の政治も外交も効果ありませんよというぐらい一度力説したことあるんですか、それを承りたい。
この発言だけを見る →
大来佐武郎#11
○国務大臣(大来佐武郎君) ただいまの戸叶委員のお話でございますが、確かにある意味では議会制民主主義というものがどういうふうに機能するかということは、いまの世界の大きな問題だと思いますけれども、同時にこういう制度にもいろいろな欠点があることは確かと思いますが、しかし、他のあらゆるいろいろなほかの制度に比べればまだましだという面も相当あると思いますので、なかなか人間社会理想的にはいかない面もあると思いますが、やはり私どもは、この議会制民主主義というものを日本としてはしっかり守っていかなければならないんじゃないか、その中で非能率な面がいろいろあっても少しずつそれを軌道修正、自己修正をしていくということが必要ではないかというふうに感じております。
この発言だけを見る →
武藤嘉文#12
○国務大臣(武藤嘉文君) 外交において主体性を持っていかなければならないということは当然かと思いますし、また私ども議会制民主主義を守らなければならないという立場においては御趣旨の点はよく理解ができます。閣議でそういうことを発言をしたかどうかという点については、まことに残念でございますが、まだそういうことは発言をいたしたことはございません。ただ、気持ちといたしましてはそういう気持ちで仕事をやっておるつもりでございまして、今後とも常にそのことを忘れることなく努力をしてまいりたいと思っております。
この発言だけを見る →
戸叶武#13
○戸叶武君 政治というのは、初恋の女の子が心には思っているけれども物を十分表現できなかったという方式でなく、国務大臣たるものはやはり常に、私は一朝一夕に、大来さんが言ったように、まあましだという程度で目をつぶっていかなければならない立場もあるかもしれませんけれども、この機会に、鉄は熱したときに打つべしというように、この国民全体が失望によって打ちのめされているようなときにこそ閣議の席上からでもひらめくものが出てこなければ、私は、直観的ないいものを持っている日本民族において、議会主義という名のもとに紛飾されて、政権交代はあり得ず、一党独裁的な幕府政治を持続しようというような度しがたい暗い政治の暗転の中においては進歩はあり得ないと思うんです。
 世界は、すでに中東において幾つかの王国が崩れていっていますが、みんな時の流れのアンダーカレントに触れることができないで、シャーなり王様なり、私兵的な武力を使ってそれを維持しようとしても、ついに混乱の中に音を立てて崩壊しているのが事実でしょう。この冷厳な変革の時代に、おどおど、国務大臣として自分の仕事だけに忠実じゃなくて、それで満足しないで、もっと私は日本の政治を明るいものにしなければ、国民とともに苦悩し、模索し、国民だけではなく世界の人々をも理解させていくという努力なしに第三次世界戦争を食いとめることはできないと思うんです。武藤さんあたりは——戦後私は明治大学でハロルド・ラスキの議会主義の危機、デモクラシーの危機に関して私は講演をやったことがありましたが、篤学者、学究的な人が遠慮深くて、ならず者のようなずうずうしいやつが政治を振り回しているという現実、理想と現実のギャップは簡単に埋められないという形において、安閑として国務大臣の地位を占めているとするならば、存在の意義はないんです。どうぞそういう意味において、現実においてこの日ソ間におけるむずかしい漁業協定において、日本もソ連もお互いに前進するような協定を成立させているんですから、そういう実績に基づいて政治の方向づけを私はやってもらいたい。今後においては、国務大臣としても、大いに発言する資格があるんですから、遠慮なしに、恋に悩む処女のような形じゃなく、脱兎のことく突撃していってもらいたいことを希望します。
 時間はありますけれども、ほかの人がずいぶんまだやりたいという形もありますから、私はこれで、注文だけをしておきます。
この発言だけを見る →
小野明#14
○小野明君 サケ・マス問題は後ほど聞きますが、まずイランの問題について外務大臣にお尋ねをいたしたいと思います。
 ルクセンブルクでECの外相理事会が開かれまして、大使館の館員の削減あるいはイランとの外交関係の縮小措置というものを即座にとると同時に、イランが五月十七日までに人質を解放しない場合には、食糧、医薬品を除く全面的な禁輸に踏み切ることを決定したということが伝えられております。そこで、けさほどから、わが国政府といたしましてもこのECの外相理事会の決定に全面的に同調するということが報じられておるのであります。外務大臣、政府としてのこのECの外相理事会に対応する措置というのはどういう方針をお決めになったのか、まずお尋ねをいたしたいと思います。
この発言だけを見る →
大来佐武郎#15
○国務大臣(大来佐武郎君) 政府の方針につきまして、けさの八時半から関係閣僚の協議が行われてまいりました。実は、途中でオランダ首相が東京を離れるあいさつがございましたために、総理と私とは中座をいたしました。その後の最後のところまで承知しておらないので、恐らく官房長官から発表が行われるだろうと思います。この点につきましては、連絡をとりまして、できれば後ほど申し上げたいと思いますけれども、基本的な考え方としては、このECの外相会議の決定に協調して日本政府も今後の措置をとるということでございます。
 私も何人かの主要な外相と個別的な会談をやってまいりましたが、考え方におきまして、EC諸国が一つにはイランに対する強力な説得に努めるということ、一つにはこの問題をあくまでも平和的な手段によって解決するということについて米国側にも強く呼びかける。で、一面におきまして人質問題が半年にもわたって解決されないということに対する米国内の非常な激しいいら立ちがあるわけでございまして、こういう点も考慮に入れて、EC諸国が非軍事的な措置について対米協力をすることによって、反面それ以上の措置にアメリカが出ない、自制をするような働きかけを強くやっていこうと、大体の考え方はそういう筋でございまして、これは私ども日本の方で、日本政府としても考えてまいりました基本的な筋と合致するという判断でございますので、そういう基本的な合意に基づいて具体的な措置をただいま政府の内部で検討しておるわけでございます。
この発言だけを見る →
小野明#16
○小野明君 そういたしますと、非軍事的な措置をとることによってイランの人質問題を解決をしていきたい、あるいはアメリカにもそういった措置を要求をすると、武力行動に出ないように要請をしていくと、こういう方針でございますか。
この発言だけを見る →
大来佐武郎#17
○国務大臣(大来佐武郎君) そのとおりでございます。
この発言だけを見る →
小野明#18
○小野明君 そういたしますと、これはやはりある種のアメリカの制裁措置に対する同調行動と、こういうふうに言えると思うのでありますが、こういう制裁措置をECと同調して日本がとることによって、人質の解放が実現されるという見通しについては、いかがでしょうか。
この発言だけを見る →
大来佐武郎#19
○国務大臣(大来佐武郎君) ECの外相会議の決定におきましては、五月十七日までにイラン側から人質解放について何らかのはっきりした意思表示がない場合には、このEC九カ国が共同して本年一月の安保理に提出されましたイランに対する経済制裁の措置——この採決は十対五でございましたけれども、ソ連の拒否権によって否決されたわけでございますが、この決議案の内容に従った共同措置をとるということになっておるわけでございます。この見通しにつきましては、これは何とも申し上げられないと、このイランの対応の仕方によるわけでございますけれども、私どもといたしましても、EC諸国の外相といたしましても、こういう形が一つの重要な解決の可能性になるだろうという期待は持っておるわけでございます。
この発言だけを見る →
小野明#20
○小野明君 そういたしますと、解決の見通しというようなものについては何にも持たないけれども、とにかくアメリカが提唱しておることでもあるし、わが国としては自主的な外交という措置をとるのではなくて、とにかくECの決定に従っていきたい、その陰に隠れてこのイラン問題の外交措置の選択を行ったと、こういうことですね。
この発言だけを見る →
大来佐武郎#21
○国務大臣(大来佐武郎君) 私は陰に隠れてということではないと思います。ECとこういう対策の共同措置をとることが、イランに対するあるいは米国に対する影響力としてより有効であろうという判断でございまして、そういう判断に基づいて方針を検討しておるということになると思います。
この発言だけを見る →
小野明#22
○小野明君 官房長官にお見えいただいておるのでありますが、官房長官、この二十一日からイラン原油のわが国向けの供給停止が行われておるわけですね。この問題について政府としてはこれはイランに対する制裁措置とは別であると、これは価格交渉であって、純粋な経済問題として扱うという見解で統一をしたということが伝えられておりますが、官房長官いかがですか。
この発言だけを見る →
伊東正義#23
○国務大臣(伊東正義君) いま先生の御質問は、きのう、おとといでございましたか、総合エネルギー対策の関係閣僚会議を開いたわけでございます。これは五十五年から五年間の計画とか節約の方法とか、そういうものをやった席で、いま先生のおっしゃったようなこれは純粋に経済的な価格交渉であるということの考えでいま通産省も外務省もやっていますという説明がございまして、みんなでそうかということで了承したのでございます。
この発言だけを見る →
小野明#24
○小野明君 みんなでそうかというような無責任なことではなくて、政府の方針というのは一体どういうことなんですか。これは純粋な経済問題であると、こういうふうに公式に発表されたんじゃないんですか。
この発言だけを見る →
伊東正義#25
○国務大臣(伊東正義君) そこに出た閣僚みんなそれで了承しまして、そして記者会見で私がきょうの閣僚協ではこういうことだということでみんな考え方を一致させましたということを新聞記者会見で言いました。
この発言だけを見る →
小野明#26
○小野明君 それは政府の方針ですね。
この発言だけを見る →
伊東正義#27
○国務大臣(伊東正義君) 閣議決定とか、そういうものじゃございませんが、関係閣僚協はほとんどが出ているわけでございますので、政府の考え方としてお考えいただいて結構でございます。
この発言だけを見る →
小野明#28
○小野明君 いいんですね。——ところが、二十一日の長官の記者会見、これはアメリカの制裁措置に対応したものではないと、こういうふうに、イランの原油値上げに応じなかったことをですね。そう言いながらも官房長官は、これは広い意味での同調行動である、アメリカの制裁措置に対する同調行動である、さらにイランの原油の供給停止が長引けばアメリカに肩がわりを要求するんだと、こういう記者会見の内容になっている。非常にこれは矛盾をしておりますね。これが私は非常にあなたの記者会見が混乱をしておる一番原因だと思う。あなたの発表は、表は純粋な経済行動であるけれども、本音を言えばこれはアメリカへの同調行動だということを裏書きしておる、こうとしかとれないのですがね。そこで、カーター報道官も、アメリカ政府の発表も、この日本の値上げ拒否を非常に勇気ある措置ということで、人質解放に向けた共同歩調の一つとして感謝をするというような表明まであっておる、こういう受けとめ方も官房長官の記者会見からできるわけです。これは一番混乱の原因はあなたがこしらえていると思うんだが、このために通産省も非常に、何ということを言ってくれたかというような苦い顔をしたというような報道もありますが、官房長官、この記者会見の本音は一体どうなのですか。これはアメリカに対する同調行動ととられても仕方がないという、同調行動であるというあなたの認識ではないのですか。
この発言だけを見る →
伊東正義#29
○国務大臣(伊東正義君) 先生からいろいろの点を挙げて御質問がございましたが、実は私、一月に外務大臣が豪州へ行かれた後臨時代理をやりまして、アメリカから来た特使のハビブさんとこの問題について話し合ったことがあるのです。そのとき、アメリカの特使に対しまして、私は、アメリカとイランとの関係で非常にむずかしいことが起きておる、そういうことでいろいろ経済問題等話があるが、日本はイランと非常に関係が深いのだ、油もたくさん入れていますしあるいは石油化学の問題もあるし、日本とイランとの関係はあるいは世界のどの国よりも深いのじゃないか、そしてもしもいろいろな措置をとりまして油が日本に入ってこないというようなことになりますと、これは非常に社会、経済的に問題が起きるので、そういう場合にはひとつアメリカでも、アメリカ系のメジャーから日本によけい石油を回してもらうとか、そういうことを当然考えてもらわなければ困りますよ、ということを、私は、外務大臣代理で向こうに言ったことがございます。私は、それは日本のことを考えれば当然そうじゃないかと思って実は言ったわけでございます。それが私の頭にあるものですから、いますぐ値上げの交渉で油がとまったからすぐにということを私は考えているわけじゃないのですが、いまは備蓄もありあるいは節約もし、その他多角的に油の輸入を考えればすぐにそういうことをアメリカに言わなくても大丈夫だというような、いろいろその後通産側の話がございまして、いますぐにアメリカにどうこう言うということじゃございませんが、将来もしものことがあってそういう事態になったら私はアメリカもそういうことを、アメリカ系のメジャーからよけい日本に回してもらうとか、そういうことは当然日本が言っていいことだと、私はいまでもこれはそう思っております。いますぐという意味じゃございませんが、当時アメリカの特使に言った、そういうことがございます。それから、同一歩調ということでございますが、新聞記者会見で、これは経済問題なんだということで私が説明をしました。その後でいろいろ質問がございまして、先生のおっしゃったようなことを私は言ったことは間違いございません。これは確かに言いました。広い意味で、人質問題がなければこんな問題は起きてこなかったのじゃないか。そういう問題もあって、いろいろ金融上の措置をしたり、人質解放以前よりもよけい油は買わないとか、高い価格で油は買わないとかいうことを日本が自主的に決めているわけでございますが、今度のことはイギリスも実は高く買わないということで断っているわけでございます。そういうふうに関係国で油が高くなるということはやはり世界経済全部にとりまして混乱を起こすことでございますので、純経済的にもそれは困るということを言っているわけでございますが、広い意味から言えばそういうこともあるのじゃないかということを私は新聞で確かに言いました。これはまだ向こうがとめたりする前のことでございます。それから後でとまったわけでございますが、その後で、先ほど御質問がありましたように、関係閣僚協ではその考え方を純経済的ということでもう割り切った方がいいじゃないかというようなことがありまして、先ほど申し上げましたように、その後で記者会見で私が言ったというのは事実でございます。
この発言だけを見る →
← 戻る