大来佐武郎の発言 (外務委員会)
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○国務大臣(大来佐武郎君) ただいま戸叶委員から御指摘ございました日本の外交の路線につきまして、いろいろ世界情勢の動いておる中でどういう道を選択するか、これは日本の将来にも関する重要な問題であると私どもも常々考えておるわけでございます。従来から対米関係、米国との外交関係では、日本の経済あるいは安全保障がその他全般的な両国の関係から申しまして、外交の中心課題になっておるわけでございます。昨年以来のイラン問題あるいはアフガニスタン問題等の関連で、いろいろと日本のとるべき立場についてのむずかしい問題が出てきておることは御承知のとおりでございますけれども、今回の総理の訪米におきましては、一つには、価値観を共通にするといいますか、議会制民主主義というようなことにつきまして、日本と米国とヨーロッパ諸国との間に共通の連帯があるというような認識も含めまして相互の協力についての話し合いをするということ、それから同時に日本側としても、イラン問題等につきまして、これが世界の平和全体に重大な影響を与える問題でもございますので、米国側に対して平和的な手段による解決を求める、そういう申し入れを大平総理からも行ったわけでございます。
防衛の問題につきましては、これは本来、日本国民自身が決める問題でございまして、日本人が国際情勢をどう認識するか、あるいは日本国民の安全を守るという意味で、現在の段階で何をなすべきかということについての判断が中心になるわけでございますが、同時に、日米安保条約によりまして日米との間には共同防衛の関係がございますので、防衛問題についての日米間の話し合いということも重要な意義を持っておると思います。今回の総理と大統領の会談の中では、大統領の発言の中には中期業務見積もりというような具体的な形では出てまいりませんで、日本政府の中にある計画を早目に達成されればアジアの平和と安定に寄与すると思います、という趣旨の発言が大統領からあったわけでございます。それに対して総理大臣の方からは、日本も従来から防衛については努力を重ねてきておるが今後もこの問題を真剣に検討していきたい、それからさらに、アジアの政治、経済の安定はこの地域の安全保障のためにも重要であって、そういう意味でアジア地域に対する経済的な援助等を通じて安定に寄与してきておるんだという趣旨の発言をされたわけでございます。防衛の問題につきましては、いろいろな報道もございますけれども、全般的に見て従来からのアメリカ側の要請は、日本の国内の一般的な考え方、あるいは平和憲法、専守防衛というような枠組みについては理解して、その上に立っての日本に対する希望の表明であると存じます。そういう意味で、たとえば昭和五十一年度の閣議決定、あるいは国防会議の決定の枠組みを変えるものではない、その中での希望の表明という形で行われておると存じますので、この日米の協力関係におきまして、防衛の分野、日本として具体的にどの程度のことをやるかということは、あくまでも日本の政府自体が決めることであり、その点についての基本的な了解は、米国側もしておると考えておるわけでございます。