外務委員会
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会
会議録情報#0
昭和五十五年五月十三日(火曜日)
午前十時七分開会
—————————————
委員の異動
四月二十五日
辞任 補欠選任
衛藤征士郎君 菅野 儀作君
浅野 拡君 秦野 章君
岩上 二郎君 安孫子藤吉君
久次米健太郎君 大鷹 淑子君
伊江 朝雄君 夏目 忠雄君
四月二十八日
辞任 補欠選任
夏目 忠雄君 二木 謙吾君
五月六日
辞任 補欠選任
亀長 友義君 田原 武雄君
五月七日
辞任 補欠選任
田原 武雄君 亀長 友義君
田中寿美子君 片山 甚市君
五月八日
辞任 補欠選任
亀長 友義君 坂野 重信君
片山 甚市君 田中寿美子君
小野 明君 野口 忠夫君
五月九日
辞任 補欠選任
坂野 重信君 亀長 友義君
野口 忠夫君 小野 明君
五月十二日
辞任 補欠選任
二木 謙吾君 平井 卓志君
五月十三日
辞任 補欠選任
平井 卓志君 坂元 親男君
安孫子藤吉君 浅野 拡君
—————————————
出席者は左のとおり。
委員長 石破 二朗君
理 事
稲嶺 一郎君
戸叶 武君
渋谷 邦彦君
委 員
浅野 拡君
大鷹 淑子君
亀長 友義君
坂元 親男君
町村 金五君
田中寿美子君
立木 洋君
藤井 恒男君
田 英夫君
国務大臣
外 務 大 臣 大来佐武郎君
政府委員
外務大臣官房審
議官 三宅 和助君
外務大臣官房審
議官 山田 中正君
外務省北米局長 淺尾新一郎君
外務省中南米局
長 大鷹 正君
外務省欧亜局長 武藤 利昭君
外務省中近東ア
フリカ局長 千葉 一夫君
外務省経済協力
局長 梁井 新一君
外務省条約局長 伊達 宗起君
外務省国際連合
局長 賀陽 治憲君
労働省婦人少年
局長 高橋 久子君
事務局側
常任委員会専門
員 山本 義彰君
説明員
防衛庁防衛局防
衛課長 池田 久克君
—————————————
本日の会議に付した案件
○航空業務に関する日本国とニュー・ジーランド
との間の協定の締結について承認を求めるの件
(内閣提出、衆議院送付)
○航空業務に関する日本国とバングラデシュ人民
共和国との間の協定の締結について承認を求め
るの件(内閣提出、衆議院送付)
○航空業務に関する日本国とフィジーとの間の協
定の締結について承認を求めるの件(内閣提
出、衆議院送付)
○航空業務に関する日本国とスペインとの間の協
定の締結について承認を求めるの件(内閣提
出、衆議院送付)
○千九百六十九年の船舶のトン数の測度に関する
国際条約の締結について承認を求めるの件(内
閣提出、衆議院送付)
○千九百二十八年十一月二十二日にパリで署名さ
れた国際博覧会に関する条約を改正する議定書
の締結について承認を求めるの件(内閣提出、
衆議院送付)
○千九百七十九年の国際天然ゴム協定の締結につ
いて承認を求めるの件(内閣提出、衆議院送
付)
○国際連合工業開発機関憲章の締結について承認
を求めるの件(内閣提出、衆議院送付)
○日本国とフィリピン共和国との間の小包郵便約
定の締結について承認を求めるの件(内閣提
出、衆議院送付)
○日本国とフィリピン共和国との間の友好通商航
海条約の締結について承認を求めるの件(内閣
提出、衆議院送付)
○ILO未批准条約等の批准促進に関する請願
(第一六八一号外一四六件)
○日本国平和宣言に関する請願(第二八〇二号外
一七件)
○世界恒久平和の確立に関する請願(第三三七五
号外三件)
○継続調査要求に関する件
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この発言だけを見る →午前十時七分開会
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委員の異動
四月二十五日
辞任 補欠選任
衛藤征士郎君 菅野 儀作君
浅野 拡君 秦野 章君
岩上 二郎君 安孫子藤吉君
久次米健太郎君 大鷹 淑子君
伊江 朝雄君 夏目 忠雄君
四月二十八日
辞任 補欠選任
夏目 忠雄君 二木 謙吾君
五月六日
辞任 補欠選任
亀長 友義君 田原 武雄君
五月七日
辞任 補欠選任
田原 武雄君 亀長 友義君
田中寿美子君 片山 甚市君
五月八日
辞任 補欠選任
亀長 友義君 坂野 重信君
片山 甚市君 田中寿美子君
小野 明君 野口 忠夫君
五月九日
辞任 補欠選任
坂野 重信君 亀長 友義君
野口 忠夫君 小野 明君
五月十二日
辞任 補欠選任
二木 謙吾君 平井 卓志君
五月十三日
辞任 補欠選任
平井 卓志君 坂元 親男君
安孫子藤吉君 浅野 拡君
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出席者は左のとおり。
委員長 石破 二朗君
理 事
稲嶺 一郎君
戸叶 武君
渋谷 邦彦君
委 員
浅野 拡君
大鷹 淑子君
亀長 友義君
坂元 親男君
町村 金五君
田中寿美子君
立木 洋君
藤井 恒男君
田 英夫君
国務大臣
外 務 大 臣 大来佐武郎君
政府委員
外務大臣官房審
議官 三宅 和助君
外務大臣官房審
議官 山田 中正君
外務省北米局長 淺尾新一郎君
外務省中南米局
長 大鷹 正君
外務省欧亜局長 武藤 利昭君
外務省中近東ア
フリカ局長 千葉 一夫君
外務省経済協力
局長 梁井 新一君
外務省条約局長 伊達 宗起君
外務省国際連合
局長 賀陽 治憲君
労働省婦人少年
局長 高橋 久子君
事務局側
常任委員会専門
員 山本 義彰君
説明員
防衛庁防衛局防
衛課長 池田 久克君
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本日の会議に付した案件
○航空業務に関する日本国とニュー・ジーランド
との間の協定の締結について承認を求めるの件
(内閣提出、衆議院送付)
○航空業務に関する日本国とバングラデシュ人民
共和国との間の協定の締結について承認を求め
るの件(内閣提出、衆議院送付)
○航空業務に関する日本国とフィジーとの間の協
定の締結について承認を求めるの件(内閣提
出、衆議院送付)
○航空業務に関する日本国とスペインとの間の協
定の締結について承認を求めるの件(内閣提
出、衆議院送付)
○千九百六十九年の船舶のトン数の測度に関する
国際条約の締結について承認を求めるの件(内
閣提出、衆議院送付)
○千九百二十八年十一月二十二日にパリで署名さ
れた国際博覧会に関する条約を改正する議定書
の締結について承認を求めるの件(内閣提出、
衆議院送付)
○千九百七十九年の国際天然ゴム協定の締結につ
いて承認を求めるの件(内閣提出、衆議院送
付)
○国際連合工業開発機関憲章の締結について承認
を求めるの件(内閣提出、衆議院送付)
○日本国とフィリピン共和国との間の小包郵便約
定の締結について承認を求めるの件(内閣提
出、衆議院送付)
○日本国とフィリピン共和国との間の友好通商航
海条約の締結について承認を求めるの件(内閣
提出、衆議院送付)
○ILO未批准条約等の批准促進に関する請願
(第一六八一号外一四六件)
○日本国平和宣言に関する請願(第二八〇二号外
一七件)
○世界恒久平和の確立に関する請願(第三三七五
号外三件)
○継続調査要求に関する件
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石
石破二朗#1
○委員長(石破二朗君) ただいまから外務委員会を開会いたします。
委員の異動について御報告いたします。
昨十二日、二木謙吾君が委員を辞任され、その補欠として平井卓志君が選任されました。
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この発言だけを見る →委員の異動について御報告いたします。
昨十二日、二木謙吾君が委員を辞任され、その補欠として平井卓志君が選任されました。
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石
石破二朗#2
○委員長(石破二朗君) 航空業務に関する日本国とニュー・ジーランドとの間の協定の締結について承認を求めるの件、航空業務に関する日本国とバングラデシュ人民共和国との間の協定の締結について承認を求めるの件、航空業務に関する日本国とフィジーとの間の協定の締結について承認を求めるの件、航空業務に関する日本国とスペインとの間の協定の締結について承認を求めるの件、千九百六十九年の船舶のトン数の測度に関する国際条約の締結について承認を求めるの件、千九百二十八年十一月二十二日にパリで署名された国際博覧会に関する条約を改正する議定書の締結について承認を求めるの件、千九百七十九年の国際天然ゴム協定の締結について承認を求めるの件、国際連合工業開発機関憲章の締結について承認を求めるの件、日本国とフィリピン共和国との間の小包郵便約定の締結について承認を求めるの件、日本国とフィリピン共和国との間の友好通商航海条約の締結について承認を求めるの件、以上十件を便宜一括して議題といたします。
まず、政府から順次趣旨説明を聴取いたします。大来外務大臣。
この発言だけを見る →まず、政府から順次趣旨説明を聴取いたします。大来外務大臣。
大
大来佐武郎#3
○国務大臣(大来佐武郎君) ただいま議題となりました航空業務に関する日本国とニュー・ジーランドとの間の協定の締結について承認を求めるの件につきまして提案理由を御説明いたします。
わが国とニュージーランドとの間の直通の航空業務の開設に関しましては、昭和四十九年にニュージーランドより協定締結の希望が表明されて以来種々の機会に話し合いが行われてまいりました。政府といたしましては、近年における同国との経済関係の順調な発展及び同国が大洋州地域における航空路の要衝の一つであることにかんがみ、協定締結のための交渉に応ずることとし、昨年十一月本件交渉を行いました。この交渉におきまして協定案文について最終的に合意を見ましたので、本年一月、大平総理大臣がニュージーランドを公式訪問いたしました際に、この協定の署名が行われました。
この協定は、わが国とニュージーランドとの間の定期航空業務を開設することを目的としておりまして、そのための権利を相互に許与すること、業務の開始及び運営についての手続及び条件等を取り決めるとともに、両国の指定航空企業がそれぞれの業務を行うことができる路線を定めております。また、この協定は、わが国が署名した航空協定としては三十二番目のものでありまして、わが国が従来締結した多くの航空協定と形式、内容においてほぼ同様のものであります。
この協定は、両国の友好協力関係の強化に資するとともに、両国間を直結する航空路を開設することによって、拡大しつつある貿易経済関係に伴って顕著な増大を見せている両国間の人的及び物的交流の一層の増進に役立つものと期待されます。
よって、ここに、この協定の締結について御承認を求める次第であります。
次に、航空業務に関する日本国とバングラデシュ人民共和国との間の協定の締結について承認を求めるの件につきまして提案理由を御説明いたします。
わが国とバングラデシュ人民共和国との間の直通の航空業務の開設に関しましては、昭和五十一年七月にバングラデシュ人民共和国より申し入れがあって以来話し合いが行われてまいりました。政府といたしましては、昭和五十二年九月のダッカにおける日航機ハイジャック事件に際し、わが国は、事件解決のため、バングラデシュ人民共和国政府より多大の協力を得たこともあり、また、同国との関係強化の必要性にかんがみ、協定締結のための交渉に応ずることとし、昨年七月から十二月にかけて協定締結のための交渉を行いました。この交渉におきまして協定案文について最終的に合意に達しましたので、本年二月、本件協定の署名がダッカにおいて行われました。
この協定は、わが国とバングラデシュ人民共和国との間の定期航空業務を開設することを目的としておりまして、そのための権利を相互に許与すること、業務の開始及び運営についての手続及び条件等を取り決めるとともに、両国の指定航空企業がそれぞれの業務を行うことができる路線を定めるものであります。また、この協定は、わが国が署名した航空協定としては三十三番目のものでありまして、わが国が従来締結した多くの航空協定と形式、内容においてほぼ同様のものであります。
この協定は、両国の友好協力関係の強化に資するとともに、両国間を直結する航空路を開設することによって、拡大しつつある貿易経済関係に伴って顕著な増大を見せている両国間の人的及び物的交流の一層の増進に役立つものと期待されます。
よって、ここに、この協定の締結について御承認を求める次第であります。
次に、航空業務に関する日本国とフィジーとの間の協定の締結について承認を求めるの件につきまして提案理由を御説明いたします。
わが国とフィジーとの間の直通の航空業務の開設に関しましては、昭和四十九年三月にフィジー政府より航空協定締結についての希望が表明されました。これに対し、政府といたしましては、同国が南太平洋島嶼諸国を結ぶ航空路の要衝の一つであり、特にわが国とニュージーランド(オークランド)との航空路の中間地点としての同国の重要性にかんがみ、また、経済技術協力の分野を中心とした両国関係が着実に発展してきていることを考慮し、右交渉を行うこととし、本年二月東京においてフィジー政府との間で協定締結のための交渉を行いました。その結果、本件協定案文について最終的に合意に達しましたので、本年三月十日スヴァにおいて、わが方大鷹駐フィジー大使と先方ヴァカトラ観光・運輸・民間航空大臣との間で署名を行いました。
この協定は、わが国とフィジーとの間の定期航空業務を開設することを目的としておりまして、そのための権利を相互に許与すること、業務の開始及び運営についての手続及び条件等を取り決めるとともに、両国の指定航空企業がそれぞれの業務を行うことができる路線を定めるものであります。また、この協定は、わが国が署名した航空協定としては三十四番目のものでありまして、わが国が従来締結した多くの航空協定と形式、内容においてほぼ同様のものであります。
この協定は、両国の友好協力関係の強化に資するとともに、両国間を直結する航空路を開設することによって、拡大しつつある貿易経済関係に伴って顕著な増大を見せている両国間の人的及び物的交流の一層の増進に役立つものと期待されます。
よって、ここに、この協定の締結について御承認を求める次第であります。
次に、航空業務に関する日本国とスペインとの間の協定の締結について承認を求めるの件につきまして提案理由を御説明いたします。
わが国とスペインとの間の直通の航空業務の開設に関しましては、昭和四十四年以来、スペイン側より希望が表明されてまいりましたが、近年に至り、両国間の貿易、投資等の経済関係が緊密化し、また、両国間の往来も増加するに及び、政府は、協定締結交渉を行うこととし、昭和五十四年四月以降スペイン政府との間で本件交渉を行ってまいりました。その結果、本年一月協定案文につき最終的合意に達しましたので、本年三月十八日マドリッドにおいて、わが方横田駐スペイン大使と先方プーチ外務次官との間で署名を行いました。
この協定は、わが国とスペインとの間の定期航空業務を開設することを目的としておりまして、そのための権利を相互に許与すること、業務の開始及び運営についての手続及び条件等を取り決めるとともに、両国の指定航空企業がそれぞれの業務を行うことができる路線を定めるものであります。また、この協定は、わが国が署名した航空協定としては三十五番目のものでありまして、わが国が従来締結した多くの航空協定と形式、内容においてほぼ同様のものであります。
この協定は、両国の友好協力関係の強化に資するとともに、両国間を直結する航空路を開設することによって、拡大しつつある貿易経済関係に伴って顕著な増大を見せている両国間の人的及び物的交流の一層の増進に役立つものと期待されます。
よって、ここに、この協定の締結について御承認を求める次第であります。
次に、千九百六十九年の船舶のトン数の測度に関する国際条約の締結について承認を求めるの件につきまして提案理由を御説明いたします。
船舶のトン数は、船舶の安全規制の適用基準として、また、入港した船舶に対する課税及び手数料徴収の基準として用いられております。したがいまして、各国の船舶に対する公正な取り扱いを期するためにトン数の測度基準を国際的に統一する必要性については、古くから認識されてまいりました。この条約は、このような認識を背景として、昭和四十四年六月にロンドンにおいて採択されたものであり、締約国が自国の船舶のトン数の算定に関して用いるべき技術的規則を定めるとともに、条約に従ってトン数の算定が行われたことを証明する証書の発給及び証書の互認等について規定しております。
この条約には、本年二月二十日現在、四十一ヵ国が締約国となっておりますが、発効要件は満たされるに至っておりません。
わが国がこの条約を締結することは、船舶のトン数の測度基準の統一に関する国際協力を推進するため、また、証書の互認により船舶の運航上の不便を除去するために有意義であるとともに、海運及び造船の分野において国際的に重要な地位を占めるわが国に対する国際的な期待にこたえるためにもきわめて望ましいと考えられます。
よって、ここに、この条約の締結について御承認を求める次第であります。
次に、千九百二十八年十一月二十二日にパリで署名された国際博覧会に関する条約を改正する議定書の締結について承認を求めるの件につきまして提案理由を御説明いたします。
この議定書は、国際博覧会の秩序ある開催及び運営を確保する目的をもって作成されました千九百二十八年の国際博覧会条約の内容を今日の要請に応ずるように改正し、並びに整合性のある単一の文書を作成するために昭和四十七年十一月三十日にパリで作成されたものであります。この議定書は、現行の国際博覧会条約の締約国のうち二十九ヵ国が締結した日に効力を生ずることになっておりますが、昭和五十五年三月一日現在二十八ヵ国が締約国となっておりますので、あと一ヵ国の締結をもって発効することになります。
わが国は、昭和四十年に現行条約に加入して以来、現行条約のもとに二回の国際博覧会をわが国において開催し、他の締約国において開催されました国際博覧会にも積極的に参加してまいりました。また、今後筑波において特別博覧会を開催することが計画されておりますので、わが国がこの議定書を締結することは、わが国における今後の国際博覧会の開催について博覧会国際事務局及び各締約国の一層の協力を得るためにもきわめて望ましいと考えられます。
よって、ここに、この議定書の締結について御承認を求める次第であります。
次に、千九百七十九年の国際天然ゴム協定の締結について承認を求めるの件につきまして提案理由を御説明いたします。
昭和四十八年の石油危機を契機とした一次産品問題に対する国際的な関心の高まりを背景として昭和五十一年に開催された第四回国際連合貿易開発会議におきまして、一次産品価格の安定を目的とした一次産品総合計画が採択されました。
天然ゴムは、一次産品総合計画の対象である十八品目の一つでありまして、同計画のもとで交渉が行われた結果、昭和五十四年十月六日にこの協定が採択された次第であります。この協定は、本年十月一日を発効目標日としております。
この協定は、天然ゴムの価格が過度に変動することの回避、天然ゴムの輸出による収入の安定、天然ゴムの供給の確保等の目的を達成するために緩衝在庫を設置し、在庫の適切な運用を行うこと等について定めております。
この協定の締結により、天然ゴムの価格が安定し、加盟輸出国に生産の継続に必要な刺激を与え、もって、天然ゴムの継続的な供給が確保されれば、世界第二位の天然ゴムの輸入国たるわが国に対しても大きな利益をもたらすものと考えられます。さらに、この協定は、国際連合貿易開発会議の一次産品総合計画のもとで新規に成立した最初の協定でありまして、わが国がこの協定を締結することは、天然ゴムの主要生産国たるASEAN諸国とわが国との友好関係の維持及び増進に貢献することとなるばかりでなく、広くわが国の南北問題一般に対する積極的な協力姿勢を示す上においても重要な意義を有すると考えられます。
よって、ここに、この協定の締結について御承認を求める次第であります。
次に、国際連合工業開発機関憲章の締結について承認を求めるの件につきまして提案理由を御説明いたします。
国際連合工業開発機関は、開発途上国の工業化を促進することを目的として国際連合総会が採択した決議に基づき、国際連合の自立的機関として昭和四十二年に設立されました。
昭和五十年に、ペルーの首都リマにおいて国際連合工業開発機関の第二回総会が開催されまして、新たな国際経済秩序を確立することを目的として、開発途上国の工業化の原則を確立し及び工業開発の分野における広範な活動を促進するための工業開発及び工業協力に関するリマ宣言及び行動計画が採択され、その中で同機関を専門機関に昇格させるべきことが定められました。これに従い憲章作成交渉が行われた結果、昭和五十四年四月八日にこの憲章が採択された次第であります。この憲章は、本年二月二十六日現在未発効でありますが、七十六ヵ国が署名を了し、うち七ヵ国が締結しております。
この憲章は、国際連合工業開発機関を専門機関に改組し、及びその活動を強化することを目的としており、機関の目的及び任務、内部機関の権限、予算の原則等国際機関の設立のための事項について定めております。
この憲章を締結することは、開発途上国の基本的課題である工業開発の分野における国際協力に貢献する上で、また、開発途上国に対するわが国の経済協力を一層積極的に推進する上で有意義であると認められます。
よって、ここに、この憲章の締結について御承認を求める次第であります。
次に、日本国とフィリピン共和国との間の小包郵便約定の締結について承認を求めるの件につきまして提案理由を御説明いたします。
現行の日比小包郵便約定は、昭和三十八年に締結されて現在に至っております。
一方、わが国を含む世界の大多数の国が加入している万国郵便連合の連合小包郵便約定にはフィリピン共和国は未加入でありますが、この連合小包郵便約定は、現行の日比小包郵便約定の締結後、三回にわたり改正されました。このため、日比小包郵便約定と連合小包郵便約定との間には、小包郵便物の取り扱い等に関して不均衡が生じてきております。
以上の状況にかんがみ、政府といたしましては、昭和四十九年七月に新たな連合小包郵便約定が採択された機会をとらえ、現行日比小包郵便約定の全面的な改正を行い、両約定間の不均衡をなくすこととし、昭和五十年四月フィリピン側に対し予備的協議の開始を提案いたしました。その後昭和五十四年十一月から正式に改正交渉を行いました結果、約定の最終案文について合意をみるに至りましたので、本年三月二十四日にマニラにおいて、日本側田中駐比大使とフィリピン側タナベ郵政庁長官との間で、この約定の署名を行った次第であります。
この約定の主要な改正点は、現行約定を体系的に整理するとともに、継ぎ越しの権利を規定したこと、小包の航空運送料、通関料、保管料等の料金の額を万国郵便連合の定める最高限度額に結びつけたこと、取り調べ請求等に対する回答を電信によっても行い得るようにしたこと等でありまして、この改正により、現行日比小包郵便約定と連合小包郵便約定との間に従来見られた不均衡をなくし、もって、日比両国間の小包郵便物の交換業務の一層の円滑化を図りました。
したがいまして、この約定を締結することは、小包郵便の分野における日比両国の協力関係の一層の増進に資するものと考えられます。
よって、ここに、この約定の締結について御承認を求める次第であります。
最後に、日本国とフィリピン共和国との間の友好通商航海条約の締結について承認を求めるの件につきまして提案理由を御説明いたします。
わが国とフィリピンとの間には、昭和三十五年に署名された友好通商航海条約がありますが、昭和五十一年六月にフィリピン側より、南北問題を初めとする国際経済の新しい動きを両国間の条約に反映させたいとして、新しい条約の締結のための交渉を行いたい旨の申し入れがありました。政府としては、このような新条約の締結がわが国とフィリピンとの間の経済関係の一層の発展に資するものであり、また、両国間の友好協力関係を一層助長するための基礎になるとの考慮からこの申し入れに応ずることとし、昭和五十二年三月以来両国政府間で交渉を行いました。その結果、昭和五十四年五月十日にマニラにおいて、わが方大平総理大臣及び園田外務大臣と先方マルコス大統領及びロムロ外務大臣との間で、この条約の署名調印が行われた次第であります。
この条約は、本文十七ヵ条及び議定書から成っております。この条約は、通商及び航海の分野における広範な事項に関して最恵国待遇を保障すること等について規定しているほか、身体及び財産の保護、輸出入数量制限の事前通報、貿易の拡大のための協力、科学及び技術に関する知識の交換及び利用の促進のための協力、海運の発展のための協力、海洋汚染の規制のための協力等についても定めております。また、この条約は、為替管理、輸出入制限、関税その他の事項についての最恵国待遇等に関して、ASEAN域内特恵等を適用除外とすることに関する規定を有しております。この条約の締結により、両国間の経済交流、人的交流等がさらに安定的な基盤の上に促進されるとともに、両国間の友好協力関係を一層助長するための基礎が築かれるものと期待されます。
よって、ここに、この条約の締結について御承認を求める次第であります。
以上十件につき、何とぞ御審議の上、速やかに御承認あらんことを希望いたします。
この発言だけを見る →わが国とニュージーランドとの間の直通の航空業務の開設に関しましては、昭和四十九年にニュージーランドより協定締結の希望が表明されて以来種々の機会に話し合いが行われてまいりました。政府といたしましては、近年における同国との経済関係の順調な発展及び同国が大洋州地域における航空路の要衝の一つであることにかんがみ、協定締結のための交渉に応ずることとし、昨年十一月本件交渉を行いました。この交渉におきまして協定案文について最終的に合意を見ましたので、本年一月、大平総理大臣がニュージーランドを公式訪問いたしました際に、この協定の署名が行われました。
この協定は、わが国とニュージーランドとの間の定期航空業務を開設することを目的としておりまして、そのための権利を相互に許与すること、業務の開始及び運営についての手続及び条件等を取り決めるとともに、両国の指定航空企業がそれぞれの業務を行うことができる路線を定めております。また、この協定は、わが国が署名した航空協定としては三十二番目のものでありまして、わが国が従来締結した多くの航空協定と形式、内容においてほぼ同様のものであります。
この協定は、両国の友好協力関係の強化に資するとともに、両国間を直結する航空路を開設することによって、拡大しつつある貿易経済関係に伴って顕著な増大を見せている両国間の人的及び物的交流の一層の増進に役立つものと期待されます。
よって、ここに、この協定の締結について御承認を求める次第であります。
次に、航空業務に関する日本国とバングラデシュ人民共和国との間の協定の締結について承認を求めるの件につきまして提案理由を御説明いたします。
わが国とバングラデシュ人民共和国との間の直通の航空業務の開設に関しましては、昭和五十一年七月にバングラデシュ人民共和国より申し入れがあって以来話し合いが行われてまいりました。政府といたしましては、昭和五十二年九月のダッカにおける日航機ハイジャック事件に際し、わが国は、事件解決のため、バングラデシュ人民共和国政府より多大の協力を得たこともあり、また、同国との関係強化の必要性にかんがみ、協定締結のための交渉に応ずることとし、昨年七月から十二月にかけて協定締結のための交渉を行いました。この交渉におきまして協定案文について最終的に合意に達しましたので、本年二月、本件協定の署名がダッカにおいて行われました。
この協定は、わが国とバングラデシュ人民共和国との間の定期航空業務を開設することを目的としておりまして、そのための権利を相互に許与すること、業務の開始及び運営についての手続及び条件等を取り決めるとともに、両国の指定航空企業がそれぞれの業務を行うことができる路線を定めるものであります。また、この協定は、わが国が署名した航空協定としては三十三番目のものでありまして、わが国が従来締結した多くの航空協定と形式、内容においてほぼ同様のものであります。
この協定は、両国の友好協力関係の強化に資するとともに、両国間を直結する航空路を開設することによって、拡大しつつある貿易経済関係に伴って顕著な増大を見せている両国間の人的及び物的交流の一層の増進に役立つものと期待されます。
よって、ここに、この協定の締結について御承認を求める次第であります。
次に、航空業務に関する日本国とフィジーとの間の協定の締結について承認を求めるの件につきまして提案理由を御説明いたします。
わが国とフィジーとの間の直通の航空業務の開設に関しましては、昭和四十九年三月にフィジー政府より航空協定締結についての希望が表明されました。これに対し、政府といたしましては、同国が南太平洋島嶼諸国を結ぶ航空路の要衝の一つであり、特にわが国とニュージーランド(オークランド)との航空路の中間地点としての同国の重要性にかんがみ、また、経済技術協力の分野を中心とした両国関係が着実に発展してきていることを考慮し、右交渉を行うこととし、本年二月東京においてフィジー政府との間で協定締結のための交渉を行いました。その結果、本件協定案文について最終的に合意に達しましたので、本年三月十日スヴァにおいて、わが方大鷹駐フィジー大使と先方ヴァカトラ観光・運輸・民間航空大臣との間で署名を行いました。
この協定は、わが国とフィジーとの間の定期航空業務を開設することを目的としておりまして、そのための権利を相互に許与すること、業務の開始及び運営についての手続及び条件等を取り決めるとともに、両国の指定航空企業がそれぞれの業務を行うことができる路線を定めるものであります。また、この協定は、わが国が署名した航空協定としては三十四番目のものでありまして、わが国が従来締結した多くの航空協定と形式、内容においてほぼ同様のものであります。
この協定は、両国の友好協力関係の強化に資するとともに、両国間を直結する航空路を開設することによって、拡大しつつある貿易経済関係に伴って顕著な増大を見せている両国間の人的及び物的交流の一層の増進に役立つものと期待されます。
よって、ここに、この協定の締結について御承認を求める次第であります。
次に、航空業務に関する日本国とスペインとの間の協定の締結について承認を求めるの件につきまして提案理由を御説明いたします。
わが国とスペインとの間の直通の航空業務の開設に関しましては、昭和四十四年以来、スペイン側より希望が表明されてまいりましたが、近年に至り、両国間の貿易、投資等の経済関係が緊密化し、また、両国間の往来も増加するに及び、政府は、協定締結交渉を行うこととし、昭和五十四年四月以降スペイン政府との間で本件交渉を行ってまいりました。その結果、本年一月協定案文につき最終的合意に達しましたので、本年三月十八日マドリッドにおいて、わが方横田駐スペイン大使と先方プーチ外務次官との間で署名を行いました。
この協定は、わが国とスペインとの間の定期航空業務を開設することを目的としておりまして、そのための権利を相互に許与すること、業務の開始及び運営についての手続及び条件等を取り決めるとともに、両国の指定航空企業がそれぞれの業務を行うことができる路線を定めるものであります。また、この協定は、わが国が署名した航空協定としては三十五番目のものでありまして、わが国が従来締結した多くの航空協定と形式、内容においてほぼ同様のものであります。
この協定は、両国の友好協力関係の強化に資するとともに、両国間を直結する航空路を開設することによって、拡大しつつある貿易経済関係に伴って顕著な増大を見せている両国間の人的及び物的交流の一層の増進に役立つものと期待されます。
よって、ここに、この協定の締結について御承認を求める次第であります。
次に、千九百六十九年の船舶のトン数の測度に関する国際条約の締結について承認を求めるの件につきまして提案理由を御説明いたします。
船舶のトン数は、船舶の安全規制の適用基準として、また、入港した船舶に対する課税及び手数料徴収の基準として用いられております。したがいまして、各国の船舶に対する公正な取り扱いを期するためにトン数の測度基準を国際的に統一する必要性については、古くから認識されてまいりました。この条約は、このような認識を背景として、昭和四十四年六月にロンドンにおいて採択されたものであり、締約国が自国の船舶のトン数の算定に関して用いるべき技術的規則を定めるとともに、条約に従ってトン数の算定が行われたことを証明する証書の発給及び証書の互認等について規定しております。
この条約には、本年二月二十日現在、四十一ヵ国が締約国となっておりますが、発効要件は満たされるに至っておりません。
わが国がこの条約を締結することは、船舶のトン数の測度基準の統一に関する国際協力を推進するため、また、証書の互認により船舶の運航上の不便を除去するために有意義であるとともに、海運及び造船の分野において国際的に重要な地位を占めるわが国に対する国際的な期待にこたえるためにもきわめて望ましいと考えられます。
よって、ここに、この条約の締結について御承認を求める次第であります。
次に、千九百二十八年十一月二十二日にパリで署名された国際博覧会に関する条約を改正する議定書の締結について承認を求めるの件につきまして提案理由を御説明いたします。
この議定書は、国際博覧会の秩序ある開催及び運営を確保する目的をもって作成されました千九百二十八年の国際博覧会条約の内容を今日の要請に応ずるように改正し、並びに整合性のある単一の文書を作成するために昭和四十七年十一月三十日にパリで作成されたものであります。この議定書は、現行の国際博覧会条約の締約国のうち二十九ヵ国が締結した日に効力を生ずることになっておりますが、昭和五十五年三月一日現在二十八ヵ国が締約国となっておりますので、あと一ヵ国の締結をもって発効することになります。
わが国は、昭和四十年に現行条約に加入して以来、現行条約のもとに二回の国際博覧会をわが国において開催し、他の締約国において開催されました国際博覧会にも積極的に参加してまいりました。また、今後筑波において特別博覧会を開催することが計画されておりますので、わが国がこの議定書を締結することは、わが国における今後の国際博覧会の開催について博覧会国際事務局及び各締約国の一層の協力を得るためにもきわめて望ましいと考えられます。
よって、ここに、この議定書の締結について御承認を求める次第であります。
次に、千九百七十九年の国際天然ゴム協定の締結について承認を求めるの件につきまして提案理由を御説明いたします。
昭和四十八年の石油危機を契機とした一次産品問題に対する国際的な関心の高まりを背景として昭和五十一年に開催された第四回国際連合貿易開発会議におきまして、一次産品価格の安定を目的とした一次産品総合計画が採択されました。
天然ゴムは、一次産品総合計画の対象である十八品目の一つでありまして、同計画のもとで交渉が行われた結果、昭和五十四年十月六日にこの協定が採択された次第であります。この協定は、本年十月一日を発効目標日としております。
この協定は、天然ゴムの価格が過度に変動することの回避、天然ゴムの輸出による収入の安定、天然ゴムの供給の確保等の目的を達成するために緩衝在庫を設置し、在庫の適切な運用を行うこと等について定めております。
この協定の締結により、天然ゴムの価格が安定し、加盟輸出国に生産の継続に必要な刺激を与え、もって、天然ゴムの継続的な供給が確保されれば、世界第二位の天然ゴムの輸入国たるわが国に対しても大きな利益をもたらすものと考えられます。さらに、この協定は、国際連合貿易開発会議の一次産品総合計画のもとで新規に成立した最初の協定でありまして、わが国がこの協定を締結することは、天然ゴムの主要生産国たるASEAN諸国とわが国との友好関係の維持及び増進に貢献することとなるばかりでなく、広くわが国の南北問題一般に対する積極的な協力姿勢を示す上においても重要な意義を有すると考えられます。
よって、ここに、この協定の締結について御承認を求める次第であります。
次に、国際連合工業開発機関憲章の締結について承認を求めるの件につきまして提案理由を御説明いたします。
国際連合工業開発機関は、開発途上国の工業化を促進することを目的として国際連合総会が採択した決議に基づき、国際連合の自立的機関として昭和四十二年に設立されました。
昭和五十年に、ペルーの首都リマにおいて国際連合工業開発機関の第二回総会が開催されまして、新たな国際経済秩序を確立することを目的として、開発途上国の工業化の原則を確立し及び工業開発の分野における広範な活動を促進するための工業開発及び工業協力に関するリマ宣言及び行動計画が採択され、その中で同機関を専門機関に昇格させるべきことが定められました。これに従い憲章作成交渉が行われた結果、昭和五十四年四月八日にこの憲章が採択された次第であります。この憲章は、本年二月二十六日現在未発効でありますが、七十六ヵ国が署名を了し、うち七ヵ国が締結しております。
この憲章は、国際連合工業開発機関を専門機関に改組し、及びその活動を強化することを目的としており、機関の目的及び任務、内部機関の権限、予算の原則等国際機関の設立のための事項について定めております。
この憲章を締結することは、開発途上国の基本的課題である工業開発の分野における国際協力に貢献する上で、また、開発途上国に対するわが国の経済協力を一層積極的に推進する上で有意義であると認められます。
よって、ここに、この憲章の締結について御承認を求める次第であります。
次に、日本国とフィリピン共和国との間の小包郵便約定の締結について承認を求めるの件につきまして提案理由を御説明いたします。
現行の日比小包郵便約定は、昭和三十八年に締結されて現在に至っております。
一方、わが国を含む世界の大多数の国が加入している万国郵便連合の連合小包郵便約定にはフィリピン共和国は未加入でありますが、この連合小包郵便約定は、現行の日比小包郵便約定の締結後、三回にわたり改正されました。このため、日比小包郵便約定と連合小包郵便約定との間には、小包郵便物の取り扱い等に関して不均衡が生じてきております。
以上の状況にかんがみ、政府といたしましては、昭和四十九年七月に新たな連合小包郵便約定が採択された機会をとらえ、現行日比小包郵便約定の全面的な改正を行い、両約定間の不均衡をなくすこととし、昭和五十年四月フィリピン側に対し予備的協議の開始を提案いたしました。その後昭和五十四年十一月から正式に改正交渉を行いました結果、約定の最終案文について合意をみるに至りましたので、本年三月二十四日にマニラにおいて、日本側田中駐比大使とフィリピン側タナベ郵政庁長官との間で、この約定の署名を行った次第であります。
この約定の主要な改正点は、現行約定を体系的に整理するとともに、継ぎ越しの権利を規定したこと、小包の航空運送料、通関料、保管料等の料金の額を万国郵便連合の定める最高限度額に結びつけたこと、取り調べ請求等に対する回答を電信によっても行い得るようにしたこと等でありまして、この改正により、現行日比小包郵便約定と連合小包郵便約定との間に従来見られた不均衡をなくし、もって、日比両国間の小包郵便物の交換業務の一層の円滑化を図りました。
したがいまして、この約定を締結することは、小包郵便の分野における日比両国の協力関係の一層の増進に資するものと考えられます。
よって、ここに、この約定の締結について御承認を求める次第であります。
最後に、日本国とフィリピン共和国との間の友好通商航海条約の締結について承認を求めるの件につきまして提案理由を御説明いたします。
わが国とフィリピンとの間には、昭和三十五年に署名された友好通商航海条約がありますが、昭和五十一年六月にフィリピン側より、南北問題を初めとする国際経済の新しい動きを両国間の条約に反映させたいとして、新しい条約の締結のための交渉を行いたい旨の申し入れがありました。政府としては、このような新条約の締結がわが国とフィリピンとの間の経済関係の一層の発展に資するものであり、また、両国間の友好協力関係を一層助長するための基礎になるとの考慮からこの申し入れに応ずることとし、昭和五十二年三月以来両国政府間で交渉を行いました。その結果、昭和五十四年五月十日にマニラにおいて、わが方大平総理大臣及び園田外務大臣と先方マルコス大統領及びロムロ外務大臣との間で、この条約の署名調印が行われた次第であります。
この条約は、本文十七ヵ条及び議定書から成っております。この条約は、通商及び航海の分野における広範な事項に関して最恵国待遇を保障すること等について規定しているほか、身体及び財産の保護、輸出入数量制限の事前通報、貿易の拡大のための協力、科学及び技術に関する知識の交換及び利用の促進のための協力、海運の発展のための協力、海洋汚染の規制のための協力等についても定めております。また、この条約は、為替管理、輸出入制限、関税その他の事項についての最恵国待遇等に関して、ASEAN域内特恵等を適用除外とすることに関する規定を有しております。この条約の締結により、両国間の経済交流、人的交流等がさらに安定的な基盤の上に促進されるとともに、両国間の友好協力関係を一層助長するための基礎が築かれるものと期待されます。
よって、ここに、この条約の締結について御承認を求める次第であります。
以上十件につき、何とぞ御審議の上、速やかに御承認あらんことを希望いたします。
石
石
石破二朗#5
○委員長(石破二朗君) 委員の異動について御報告いたします。
本日、平井卓志君が委員を辞任され、その補欠として坂元親男君が選任されました。
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この発言だけを見る →本日、平井卓志君が委員を辞任され、その補欠として坂元親男君が選任されました。
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石
戸
戸叶武#7
○戸叶武君 大平首相と大来外相とはアメリカの方に飛び、さらにヨーロッパにも行かれたのですが、いま私たちは、中立路線を推進してきたチトー大統領が亡くなってから後の国際情勢の変化に対応しながら、日本の自主外交をどういうふうに進めていかなければならないかということに対して、大平さんなり、大来さんなりが苦悩、模索してしている姿はよくわかるのですが、いま日本の国民と大平さんあるいは大来外相との考え方との間には大きなギャップが生まれつつあると思うのであります。それは、日米首脳会談において、問題の中心課題として防衛の問題なり石油の問題が出たことはわかるのでありますが、その後の新聞報道やテレビの報道を見ても、日本の国内において国会並びに国民に公表されていないような部分がアメリカと大平さんとの間に主題目として具体的に取り扱われたのではないか、これでは自主外交も何もあったものではないという、このギャップが生まれておるのであります。このことがまず今明日、国会の衆参両院における代表質問の中心課題となると思うのでありますが、大平さんを助けながら根回しをし、同伴しながらこの問題の十分な検討をなされてきたであろうと推定される大来外務大臣から、外交の自主性とそれから日本だけで外交、防衛の問題はやれない、外国との国際的な連帯の配慮をも必要であるというそういう中において、具体的には主としてどのようにアメリカの首脳会談に臨んだか、そうしてどのような難問がそこに横たわっていたか、どのような成果があったか、それを簡単にまず承りたいと思います。
この発言だけを見る →大
大来佐武郎#8
○国務大臣(大来佐武郎君) ただいま戸叶委員から御指摘ございました日本の外交の路線につきまして、いろいろ世界情勢の動いておる中でどういう道を選択するか、これは日本の将来にも関する重要な問題であると私どもも常々考えておるわけでございます。従来から対米関係、米国との外交関係では、日本の経済あるいは安全保障がその他全般的な両国の関係から申しまして、外交の中心課題になっておるわけでございます。昨年以来のイラン問題あるいはアフガニスタン問題等の関連で、いろいろと日本のとるべき立場についてのむずかしい問題が出てきておることは御承知のとおりでございますけれども、今回の総理の訪米におきましては、一つには、価値観を共通にするといいますか、議会制民主主義というようなことにつきまして、日本と米国とヨーロッパ諸国との間に共通の連帯があるというような認識も含めまして相互の協力についての話し合いをするということ、それから同時に日本側としても、イラン問題等につきまして、これが世界の平和全体に重大な影響を与える問題でもございますので、米国側に対して平和的な手段による解決を求める、そういう申し入れを大平総理からも行ったわけでございます。
防衛の問題につきましては、これは本来、日本国民自身が決める問題でございまして、日本人が国際情勢をどう認識するか、あるいは日本国民の安全を守るという意味で、現在の段階で何をなすべきかということについての判断が中心になるわけでございますが、同時に、日米安保条約によりまして日米との間には共同防衛の関係がございますので、防衛問題についての日米間の話し合いということも重要な意義を持っておると思います。今回の総理と大統領の会談の中では、大統領の発言の中には中期業務見積もりというような具体的な形では出てまいりませんで、日本政府の中にある計画を早目に達成されればアジアの平和と安定に寄与すると思います、という趣旨の発言が大統領からあったわけでございます。それに対して総理大臣の方からは、日本も従来から防衛については努力を重ねてきておるが今後もこの問題を真剣に検討していきたい、それからさらに、アジアの政治、経済の安定はこの地域の安全保障のためにも重要であって、そういう意味でアジア地域に対する経済的な援助等を通じて安定に寄与してきておるんだという趣旨の発言をされたわけでございます。防衛の問題につきましては、いろいろな報道もございますけれども、全般的に見て従来からのアメリカ側の要請は、日本の国内の一般的な考え方、あるいは平和憲法、専守防衛というような枠組みについては理解して、その上に立っての日本に対する希望の表明であると存じます。そういう意味で、たとえば昭和五十一年度の閣議決定、あるいは国防会議の決定の枠組みを変えるものではない、その中での希望の表明という形で行われておると存じますので、この日米の協力関係におきまして、防衛の分野、日本として具体的にどの程度のことをやるかということは、あくまでも日本の政府自体が決めることであり、その点についての基本的な了解は、米国側もしておると考えておるわけでございます。
この発言だけを見る →防衛の問題につきましては、これは本来、日本国民自身が決める問題でございまして、日本人が国際情勢をどう認識するか、あるいは日本国民の安全を守るという意味で、現在の段階で何をなすべきかということについての判断が中心になるわけでございますが、同時に、日米安保条約によりまして日米との間には共同防衛の関係がございますので、防衛問題についての日米間の話し合いということも重要な意義を持っておると思います。今回の総理と大統領の会談の中では、大統領の発言の中には中期業務見積もりというような具体的な形では出てまいりませんで、日本政府の中にある計画を早目に達成されればアジアの平和と安定に寄与すると思います、という趣旨の発言が大統領からあったわけでございます。それに対して総理大臣の方からは、日本も従来から防衛については努力を重ねてきておるが今後もこの問題を真剣に検討していきたい、それからさらに、アジアの政治、経済の安定はこの地域の安全保障のためにも重要であって、そういう意味でアジア地域に対する経済的な援助等を通じて安定に寄与してきておるんだという趣旨の発言をされたわけでございます。防衛の問題につきましては、いろいろな報道もございますけれども、全般的に見て従来からのアメリカ側の要請は、日本の国内の一般的な考え方、あるいは平和憲法、専守防衛というような枠組みについては理解して、その上に立っての日本に対する希望の表明であると存じます。そういう意味で、たとえば昭和五十一年度の閣議決定、あるいは国防会議の決定の枠組みを変えるものではない、その中での希望の表明という形で行われておると存じますので、この日米の協力関係におきまして、防衛の分野、日本として具体的にどの程度のことをやるかということは、あくまでも日本の政府自体が決めることであり、その点についての基本的な了解は、米国側もしておると考えておるわけでございます。
戸
戸叶武#9
○戸叶武君 日本側で当初考えていた経済問題、特に貿易関係のアンバランスの是正の問題よりも、イラン、イラクの問題から急転直下防衛問題に、防衛強化の問題に入ったということはうなずけるのでございますが、それだけにこの受けとめ方が非常に問題だったと思うのであります。
この首脳会談における大平首相のねらいは、やはりアメリカの土を踏むと同時に、防衛問題並びに石油の問題がメキシコ、カナダ等の訪問を通じてもなかなか簡単には片づかない問題であるということをいやというほど知らされたと思うんです。しかし、いま大来さんが問題点を整理して指摘しましたように、総理の訪米によって問題となった点は、第一に、議会民主主義による政治運営を行っているところの日本、米国及び欧州の先進国間には、共通の連帯があるという一つの認識の上に立って、まず日米首脳会談がなされたのだと思います。
第二に、イラン問題について平和的手段による解決を求めるというこの日本側の主張は、かねがねECの動き等もにらみ合わせて、日本が自主的外交を進めるだけでなく、国際的連帯の足がかりとしてEC諸国とも打ち合わせをして、アメリカに軍事的な暴挙をなさせないような私はかなり強い要望もなしたと推定されておるのです。どうも新聞には全部を話ししない、話ししないから新聞側の推定も加わったところに両方のギャップが私は大変あるのじゃないかと思います。
それから、第三に、防衛問題はわが国民が自主的に決める問題だというふうに大来さんはいま言っておりますし、大平さんもそう考えている模様でありますが、最近の自民党におけるタカ派の日米間におけるこの揺すぶりのやり方及び政府におけるところの一貫しない政治姿勢、これは総裁選挙にも絡みついて、タカ派と言われる暴論をも暴論であるというふうに片づけられない惨めさが、そういうこの不安定な状況を醸し出しているのであると思うのでありますが、この問題に対してはもう少しやはり自民党内においても問題を整理し、みずからの主体性をつくり上げ、野党においてもただ批判だけするのでなくて、北方領土の問題などにおきましても、原則として日本の固有の領土をソ連から返還してもらわなければ、次の平和を保障すべき条件を具備しなければ平和条約を結べないという一点において、共産党すらも大体近寄ってまいったのでありますから、こういう問題は社会党あたりも断固たる統一的な見解を持して、そうして国論を一定した方向に最小限度持っていって、その上に立って立場立場の違いをも、注文をもつくべきであると思うのですが、第一に、内閣、自民党がみずからの日本国における自主外交の主体性を確立しないところにいろいろな憶測が生まれるのだと思います。
それから第四の、中期業務見積もりということでなく、カーターさんの言ったのは、日本国の中にあるところの中期防衛計画というものをもっと早期に促進してもらいたいものだという程度のものであったというふうにされておりますが、この受けとめ方は、新聞においても、新聞記者会談における大平さんの発表、向こう側に言ったこと、国内でいままでまだそのことは一片の計画書であって政治議題にはなっていないのだと言ったこととの間に非常なちぐはぐなものがあるのであります。こういうふうにもうろう的な形において、日本の外交、防衛の問題に責任を持つ内閣としていけると思うかどうか。
この問題は後から質問いたしますが、大来さんは、専守防衛という受け身の形でおって、平和憲法の枠内からはみ出すようなことはないというふうに言われておりますが、大平さんなり、あなたにはそういう見解が根本にはあると思うのであります。それだけにいままで防衛庁長官あたりの部内からの突き上げかどうか知らないが、あるいはアメリカにおける軍部の人たち、あるいは前のシュレシンジャーも日本に遊説に来ておりますが、あるいはブレジンスキー、こういう人たちの接触によって思わず出した発言が日本にはね返ってきているものだとも感じられるのですけれども、その辺に一貫した統一ある見解というものを政府が持たなければ、八岐の大蛇的存在であっては国民も安心してこの外交、防衛の問題をいまの政府にはお任せできないし、海外も、日本の政府は何を考え、何をやろうとしているのかわからぬという不信頼を私は醸し出す大きな原因になると思うのでありますが、そこで、まず第一に個条的に質問いたしますが、議会民主主義は基本においてだれも賛成していますが、いまのアメリカの大統領選挙のあり方、日本の次の総理大臣を生む母体ともなりつつある自民党の総裁選挙のあり方、あの金権腐敗、利権と絡みついた不明朗な形、あれが議会民主主義において、これでいいのだというふうに肯定できるかどうか。国民はすでに、アメリカの知識人も日本の知識人もあきれ返って、この腐敗の極をきわめた選挙、並びに政治のあり方に愛想を尽かしているのですが、大平さんはこの第一の質問において、ただ抽象的に議会民主主義と言っても、このように腐って堕落してしまった非能率なこの議会民主主義をこのままでよいか、それともファシストのえさに上げるか、あるいは暴力革命にゆだねるかというような非常な危険なところにまで来ているということに対して、どのような御認識でありますか。
この発言だけを見る →この首脳会談における大平首相のねらいは、やはりアメリカの土を踏むと同時に、防衛問題並びに石油の問題がメキシコ、カナダ等の訪問を通じてもなかなか簡単には片づかない問題であるということをいやというほど知らされたと思うんです。しかし、いま大来さんが問題点を整理して指摘しましたように、総理の訪米によって問題となった点は、第一に、議会民主主義による政治運営を行っているところの日本、米国及び欧州の先進国間には、共通の連帯があるという一つの認識の上に立って、まず日米首脳会談がなされたのだと思います。
第二に、イラン問題について平和的手段による解決を求めるというこの日本側の主張は、かねがねECの動き等もにらみ合わせて、日本が自主的外交を進めるだけでなく、国際的連帯の足がかりとしてEC諸国とも打ち合わせをして、アメリカに軍事的な暴挙をなさせないような私はかなり強い要望もなしたと推定されておるのです。どうも新聞には全部を話ししない、話ししないから新聞側の推定も加わったところに両方のギャップが私は大変あるのじゃないかと思います。
それから、第三に、防衛問題はわが国民が自主的に決める問題だというふうに大来さんはいま言っておりますし、大平さんもそう考えている模様でありますが、最近の自民党におけるタカ派の日米間におけるこの揺すぶりのやり方及び政府におけるところの一貫しない政治姿勢、これは総裁選挙にも絡みついて、タカ派と言われる暴論をも暴論であるというふうに片づけられない惨めさが、そういうこの不安定な状況を醸し出しているのであると思うのでありますが、この問題に対してはもう少しやはり自民党内においても問題を整理し、みずからの主体性をつくり上げ、野党においてもただ批判だけするのでなくて、北方領土の問題などにおきましても、原則として日本の固有の領土をソ連から返還してもらわなければ、次の平和を保障すべき条件を具備しなければ平和条約を結べないという一点において、共産党すらも大体近寄ってまいったのでありますから、こういう問題は社会党あたりも断固たる統一的な見解を持して、そうして国論を一定した方向に最小限度持っていって、その上に立って立場立場の違いをも、注文をもつくべきであると思うのですが、第一に、内閣、自民党がみずからの日本国における自主外交の主体性を確立しないところにいろいろな憶測が生まれるのだと思います。
それから第四の、中期業務見積もりということでなく、カーターさんの言ったのは、日本国の中にあるところの中期防衛計画というものをもっと早期に促進してもらいたいものだという程度のものであったというふうにされておりますが、この受けとめ方は、新聞においても、新聞記者会談における大平さんの発表、向こう側に言ったこと、国内でいままでまだそのことは一片の計画書であって政治議題にはなっていないのだと言ったこととの間に非常なちぐはぐなものがあるのであります。こういうふうにもうろう的な形において、日本の外交、防衛の問題に責任を持つ内閣としていけると思うかどうか。
この問題は後から質問いたしますが、大来さんは、専守防衛という受け身の形でおって、平和憲法の枠内からはみ出すようなことはないというふうに言われておりますが、大平さんなり、あなたにはそういう見解が根本にはあると思うのであります。それだけにいままで防衛庁長官あたりの部内からの突き上げかどうか知らないが、あるいはアメリカにおける軍部の人たち、あるいは前のシュレシンジャーも日本に遊説に来ておりますが、あるいはブレジンスキー、こういう人たちの接触によって思わず出した発言が日本にはね返ってきているものだとも感じられるのですけれども、その辺に一貫した統一ある見解というものを政府が持たなければ、八岐の大蛇的存在であっては国民も安心してこの外交、防衛の問題をいまの政府にはお任せできないし、海外も、日本の政府は何を考え、何をやろうとしているのかわからぬという不信頼を私は醸し出す大きな原因になると思うのでありますが、そこで、まず第一に個条的に質問いたしますが、議会民主主義は基本においてだれも賛成していますが、いまのアメリカの大統領選挙のあり方、日本の次の総理大臣を生む母体ともなりつつある自民党の総裁選挙のあり方、あの金権腐敗、利権と絡みついた不明朗な形、あれが議会民主主義において、これでいいのだというふうに肯定できるかどうか。国民はすでに、アメリカの知識人も日本の知識人もあきれ返って、この腐敗の極をきわめた選挙、並びに政治のあり方に愛想を尽かしているのですが、大平さんはこの第一の質問において、ただ抽象的に議会民主主義と言っても、このように腐って堕落してしまった非能率なこの議会民主主義をこのままでよいか、それともファシストのえさに上げるか、あるいは暴力革命にゆだねるかというような非常な危険なところにまで来ているということに対して、どのような御認識でありますか。
大
大来佐武郎#10
○国務大臣(大来佐武郎君) これ政治制度の問題になりますけれども、議会制民主主義というものには、御指摘のように、いろいろな弱点があるように私も存じます。ただ、まあいろいろな人間がつくり出す政治制度の中で、結局いずれも完全なもの、理想的なものはないわけですが、相対的に欠点が少ないということになりますと、やはり独裁的な政府よりも、投票によって政権の異動が行われる、そういう議会制民主主義の持つ特徴といいますか、強みというものは、いろんな政治、政体が各国において従来から試みられておりますけれども、やはり一番その人間の尊厳ということとも両立する面があるのじゃないか。
もう一つは、やはり言論の自由というものと選挙というものを通じて、いろいろな欠陥が常に公衆の面前に知らされる、そういう過程を通じて自己浄化作用といいますか、社会の軌道修正力といいますか、そういうものが発揮され得るという点、これは独裁的な政治のもとにおいてはなかなかできないことでございますけれども、そういう意味で言論の自由があるということが、一面では欠陥の指摘を常に白日のもとにさらすということで非常に欠陥が目につきやすいわけでございますが、それが行われない政治制度に比べてやはり大きなすぐれた点を持っておるのではないか。
そういうことで、他にかわるよりよい政治制度というものはなかなか考えられないという意味で、やはり議会制民主主義、いろいろな弊害はあるにしても、これを守っていくべきではないか。ことに、非常に経済のおくれた段階では、やはり強力な政府がいるということが必要だという点もございますけれども、ある程度の経済水準に達した国々の政治制度としては、こういう議会制民主主義というものが他の形態に比べればよりすぐれておるのじゃないか——まあ私、これは個人の意見でございますけれども、そう考えておるわけでございます。
この発言だけを見る →もう一つは、やはり言論の自由というものと選挙というものを通じて、いろいろな欠陥が常に公衆の面前に知らされる、そういう過程を通じて自己浄化作用といいますか、社会の軌道修正力といいますか、そういうものが発揮され得るという点、これは独裁的な政治のもとにおいてはなかなかできないことでございますけれども、そういう意味で言論の自由があるということが、一面では欠陥の指摘を常に白日のもとにさらすということで非常に欠陥が目につきやすいわけでございますが、それが行われない政治制度に比べてやはり大きなすぐれた点を持っておるのではないか。
そういうことで、他にかわるよりよい政治制度というものはなかなか考えられないという意味で、やはり議会制民主主義、いろいろな弊害はあるにしても、これを守っていくべきではないか。ことに、非常に経済のおくれた段階では、やはり強力な政府がいるということが必要だという点もございますけれども、ある程度の経済水準に達した国々の政治制度としては、こういう議会制民主主義というものが他の形態に比べればよりすぐれておるのじゃないか——まあ私、これは個人の意見でございますけれども、そう考えておるわけでございます。
戸
戸叶武#11
○戸叶武君 これは政治は常に具体的でなければならないのであって、私は、抽象的な意味における議会民主主義の念仏を申そうとしているのではありません。しかしながら、アメリカの世界政策の中において、いままで反共でありさえするならば軍部独裁の、あるいはその種の独裁政治でもよろしいという形において、各国の政治が発展途上国において腐敗してきた現状というものを、アメリカ自身もこれは困ったことだとしてあわてている面が私はあるのじゃないかと思います。
恐らくは韓国においても、今明日のうちに暴発が起きるであろうということは想像されております。いままでの韓国のあり方というものは、北に備えて反共でありさえするならばそれがアメリカ防衛の一環としての存在であるというふうに容認し、それをあおってきた傾きもありますけれども、民心が離れて軍部独裁の政治というものが、長い習慣から、それから脱皮できない状態になったというときには、それに絶望した学生や青年達が暴発していくという例は、イラン、イラクあるいはかつての中国、かつてのソ連においてもドイツにおいても、至るところで起こった現象です。いまイギリスにおいても、一九一四年の第一次世界戦争の前夜を思わせるような不安定状況に世界がたたき込まれているという説すら有力に新聞で取り扱われておるのでありますが、いまからでは遅い、遅いけれどもそれをどうやって、どこから始めていくかという形においては、もっとソ連なりアメリカなり、謙虚な形で現状に対する客観的な観察と認識をしないと、この全体主義的なものはファシズムと共産主義だけではない、自分みずからがファシズムでないと思い込んでいるアメリカにおいても、メジャーや軍需産業が政治を腐敗させ、動かしている現実は、アメリカだけでなく、世界において暴露されておるんです。その抵抗が世界的な一つの油の原産地に火がついておるのでありまして、バルカンの火薬庫から第一次世界戦争が噴き出したのと違って、油の原産地に火がつくという前夜にいまあるのでありまして、そういう点において最も慎重なる行動をなさなければならない責任感を持っていべきはずのアメリカなりソ連の動きに対しては、世界を挙げて、いわゆる力の外交の権謀術策の限界点に来たという不安感と憤りがいま走っていると思うのであります。
ときに、日本はどっちの方に——アメリカについていくよりほかに日本の行き万はない、これも一つの見解ですが、このアメリカなりソ連なりに反省を求めていくという第三国における動き、あるいはシュミットらを初めとするドイツなりフランスなりのECの国々の、それぞれの立場の違いがあるが、動き、そういうものとどういうふうに結びついて、できるだけ戦争の惨禍を避けたいという考え方を具体的にどのように持っているかを、外務大臣だけの見解でよろしゅうございますが、承りたいと思います。
この発言だけを見る →恐らくは韓国においても、今明日のうちに暴発が起きるであろうということは想像されております。いままでの韓国のあり方というものは、北に備えて反共でありさえするならばそれがアメリカ防衛の一環としての存在であるというふうに容認し、それをあおってきた傾きもありますけれども、民心が離れて軍部独裁の政治というものが、長い習慣から、それから脱皮できない状態になったというときには、それに絶望した学生や青年達が暴発していくという例は、イラン、イラクあるいはかつての中国、かつてのソ連においてもドイツにおいても、至るところで起こった現象です。いまイギリスにおいても、一九一四年の第一次世界戦争の前夜を思わせるような不安定状況に世界がたたき込まれているという説すら有力に新聞で取り扱われておるのでありますが、いまからでは遅い、遅いけれどもそれをどうやって、どこから始めていくかという形においては、もっとソ連なりアメリカなり、謙虚な形で現状に対する客観的な観察と認識をしないと、この全体主義的なものはファシズムと共産主義だけではない、自分みずからがファシズムでないと思い込んでいるアメリカにおいても、メジャーや軍需産業が政治を腐敗させ、動かしている現実は、アメリカだけでなく、世界において暴露されておるんです。その抵抗が世界的な一つの油の原産地に火がついておるのでありまして、バルカンの火薬庫から第一次世界戦争が噴き出したのと違って、油の原産地に火がつくという前夜にいまあるのでありまして、そういう点において最も慎重なる行動をなさなければならない責任感を持っていべきはずのアメリカなりソ連の動きに対しては、世界を挙げて、いわゆる力の外交の権謀術策の限界点に来たという不安感と憤りがいま走っていると思うのであります。
ときに、日本はどっちの方に——アメリカについていくよりほかに日本の行き万はない、これも一つの見解ですが、このアメリカなりソ連なりに反省を求めていくという第三国における動き、あるいはシュミットらを初めとするドイツなりフランスなりのECの国々の、それぞれの立場の違いがあるが、動き、そういうものとどういうふうに結びついて、できるだけ戦争の惨禍を避けたいという考え方を具体的にどのように持っているかを、外務大臣だけの見解でよろしゅうございますが、承りたいと思います。
大
大来佐武郎#12
○国務大臣(大来佐武郎君) 私もただいま戸叶委員の御指摘のような点についていろいろ考えさせられてまいったわけでございますが、まあいわゆる第一世界といいますか、超大国、その超大国の動きに対する世界の他の部分のいろいろな疑いなり心配というものが存在しておると存じます。それからまあ第三世界という、この貧しい国々の問題、この間にまあ第二世界がというのが、そういうことになるのかどうかわかりませんが、ただいま御指摘のようなヨーロッパ諸国とか日本とか、そういう国々の役割りが今後の世界の平和を維持していく上に重要性を増しつつあるのではないか。第三世界も超大国に対して強い不信の念を持つ一面、いまの中流国と申しますか、ヨーロッパや日本に対しては比較的話し合いが通じる面を持っておるようにも思うわけでございます。
また共産圏の中でも、東欧諸国からもいろいろと日本に訪ねてまいりますけれども、意見を交換しますと、東欧諸国も非常に強く平和を願っておるという立場があるように印象を受けるわけでございまして、これからの一つの世界のあり方として、たとえば日本と西欧、ヨーロッパ諸国との連帯を強化していくことによって不安定な状態をできるだけ防いでいく、世界の平和の維持を進める、それから第三世界に対するより大きな理解を広げていくという行き方が一つ今後の日本の外交の基本的な方向として考えられるのではないか。そういう意味で、私どももこのイラン問題等を契機といたしまして、西独、フランスその他ヨーロッパ諸国との接触を強めてまいる。今回も大平総理が、たまたまチトー大統領の葬式参列の機会をとらえてシュミット西独首相といろいろ懇談をされた、こういうことも一つの行き方であろうかと考えるわけでございます。
この発言だけを見る →また共産圏の中でも、東欧諸国からもいろいろと日本に訪ねてまいりますけれども、意見を交換しますと、東欧諸国も非常に強く平和を願っておるという立場があるように印象を受けるわけでございまして、これからの一つの世界のあり方として、たとえば日本と西欧、ヨーロッパ諸国との連帯を強化していくことによって不安定な状態をできるだけ防いでいく、世界の平和の維持を進める、それから第三世界に対するより大きな理解を広げていくという行き方が一つ今後の日本の外交の基本的な方向として考えられるのではないか。そういう意味で、私どももこのイラン問題等を契機といたしまして、西独、フランスその他ヨーロッパ諸国との接触を強めてまいる。今回も大平総理が、たまたまチトー大統領の葬式参列の機会をとらえてシュミット西独首相といろいろ懇談をされた、こういうことも一つの行き方であろうかと考えるわけでございます。
戸
戸叶武#13
○戸叶武君 外務大臣が挙げられた中の第二のイラン問題については、平和的手段において解決を求める、このことを原則として、恐らくは大平さんもシュミットさんと会って意見を交換して、わが意を得たりという形で帰ってこられたと思いますが、二十一日から二十二日にかけて大来外務大臣もヨーロッパの方に参りますが、そのときの主たる一つの目的はどこに置きますか。
この発言だけを見る →大
大来佐武郎#14
○国務大臣(大来佐武郎君) これは、日仏と日英については定期外相会議の時期が来ておりますので、いずれにしても近いうちにやらなければならないという状況がございましたし、それから二十一日、二日とパリにおきましてIEA、国際エネルギー機関の閣僚理事会がございますので、これに出席する。それからドイツとも前から外相間の懇談を持ちたいという先方の要望、当方の希望もございますので、この日仏、日英、日独の外相会議とIEAの閣僚理事会の出席を目的といたしております。ことに先般のルクセンブルクの外相会議及びその後のECサミット会議で、対イランの措置として、五月十七日までに人質解放について顕著な前進が見られない場合には、各国共同してイランに対する経済制裁措置をとるという約束をいたしておりまして、日本もそれと同調するという立場にございますので、具体的にその動きが、ヨーロッパ側でどういう動きになるか、その点についての意見交換もやってまいりたい、こういうことが目的でございます。
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戸叶武#15
○戸叶武君 大来さんが言われた防衛問題は国民が自主的に決める問題であるが、問題は、日米間においては日米安保条約がすでにあるのだから、この協力関係ということもあるところまで守らなければならない、またカーター大統領が言われたのは、業務見積もりということでなく日本の中における中期計画を早期に早めてもらいたいのだというような先ほどの御答弁でしたが、日米首脳会談の焦点となった防衛力増強の問題について、大平首相は、米側の要請に対し、真剣に検討すると言っただけにすぎないと答えております。しかしながら、一般国民は、新聞報道及びテレビ等を通じて得た情報をもとに、防衛力増強に一歩踏み込んだと受けとめております。これに対してけさNHKより、外務省首脳の見解として、ある程度の防衛力を強めることなしに自主外交は進められないという意見が放送されました。私は国会に出てくる前にこの放送を聞いて、放送はそれだけでありますが、この外務省首脳の見解というものは直接大来外務大臣から承るのが一番妥当だと思いますので、その内容をいま承りたいと思います。
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大来佐武郎#16
○国務大臣(大来佐武郎君) 防衛問題につきまして、一つの大きな背景といたしましては、この委員会でも申し上げたかとも思いますが、たとえばいまの安保条約ができました二十年前と比べまして、日米経済力の比率は十対一から十対四に変わってきておる。世界経済の中に占める経済力は当時アメリカが三分の一、三〇%強、日本が三%ちょっとというようなことでございましたが、最近ではアメリカが四分の一弱、日本が八%。これは共産圏を含む世界の経済の総生産から見て、そういう相対的な経済力の変化がこの二十年間に起こっておるという事実が一つございます。二十年前にはアメリカが政治的、軍事的、経済的に圧倒的なウエート、比重を世界の中で持っておったわけでございますが、現在でももちろん世界で最強の国であると思いますけれども、相対的に以前に比べればウエートが下がってきておる。それに対して日本の経済力が大幅に大きくなったという現実が一つございます。それから、やはりソ連の軍事力の増強というのが着々と進行してまいりまして、ことに極東地域に大体全軍事力の三分の一が配備されるようになってまいった。また海上兵力の増強が非常に顕著であるというような現実もあるわけでございます。
まあ、そういった状況のもとで、日本国民としての安全を守るという立場を一体どう考えたらいいかということが基本にあるわけでございまして、これは先ほど来申しておりますように、日本国民自体がどう判断するかということにかかってまいると思いますが、基本的には自衛隊によって最小限の自己防衛能力を維持していく、それから核戦力を中心とするような面での抑止力については日米安保条約というものに依存するということで従来参っておるわけでございまして、この点は今後も変わらないと思うのでございますが、最小限の自己防衛能力というものについてはある程度自分で自分を守るという考え方が必要ではないか。余りよその国に自分の国を守ることをべったりと依存しておるという状態では、自主的な外交ということもなかなかむずかしくなるというような面を考えて、ある程度の増強が必要ではないか。この点で、しかし、そうかといって、平和憲法と専守防衛という大きな枠組み、これは日本国民が戦後行った選択でございまして、これはやはりあくまでも守っていくべきだと。長期的な世界の将来を考えれば、やはり全体的な軍縮と相互の信頼関係における国際関係というものを長期的には目指していかなければならないわけでございまして、そういう意味では日本の立場というのは、あすの世界を先取りする面があると私どもは考えておりますので、一面において自分で自分を守る能力をある程度強める、専守防衛の立場からもう少し強めると。たとえばレーダーサイトが全く攻撃に対して無防備であるとか、海上艦艇が空からの攻撃に対してほとんど防衛能力を持たないという状態では、貴重な税金が本当に有効に使われているかどうかという問題もございます。で、それに対して財政上のいろんな制約がございますが、ある程度のことはこれは国民の持つ優先順位の問題、道路をさらによくする部分を多少いまのレーダーサイトの防衛に回すのがいいのか悪いのかというような問題に具体的にはなってくると思うのでございますが、そういう意味で、大枠を崩さない範囲での防衛能力をある程度強めるということが、やはりいろいろな情勢を考えますと、いまの日本に必要になっておるのではないか。自主的な外交的行動についてもそのことが望ましい面があるのじゃないかというふうに考えるわけでございます。
この発言だけを見る →まあ、そういった状況のもとで、日本国民としての安全を守るという立場を一体どう考えたらいいかということが基本にあるわけでございまして、これは先ほど来申しておりますように、日本国民自体がどう判断するかということにかかってまいると思いますが、基本的には自衛隊によって最小限の自己防衛能力を維持していく、それから核戦力を中心とするような面での抑止力については日米安保条約というものに依存するということで従来参っておるわけでございまして、この点は今後も変わらないと思うのでございますが、最小限の自己防衛能力というものについてはある程度自分で自分を守るという考え方が必要ではないか。余りよその国に自分の国を守ることをべったりと依存しておるという状態では、自主的な外交ということもなかなかむずかしくなるというような面を考えて、ある程度の増強が必要ではないか。この点で、しかし、そうかといって、平和憲法と専守防衛という大きな枠組み、これは日本国民が戦後行った選択でございまして、これはやはりあくまでも守っていくべきだと。長期的な世界の将来を考えれば、やはり全体的な軍縮と相互の信頼関係における国際関係というものを長期的には目指していかなければならないわけでございまして、そういう意味では日本の立場というのは、あすの世界を先取りする面があると私どもは考えておりますので、一面において自分で自分を守る能力をある程度強める、専守防衛の立場からもう少し強めると。たとえばレーダーサイトが全く攻撃に対して無防備であるとか、海上艦艇が空からの攻撃に対してほとんど防衛能力を持たないという状態では、貴重な税金が本当に有効に使われているかどうかという問題もございます。で、それに対して財政上のいろんな制約がございますが、ある程度のことはこれは国民の持つ優先順位の問題、道路をさらによくする部分を多少いまのレーダーサイトの防衛に回すのがいいのか悪いのかというような問題に具体的にはなってくると思うのでございますが、そういう意味で、大枠を崩さない範囲での防衛能力をある程度強めるということが、やはりいろいろな情勢を考えますと、いまの日本に必要になっておるのではないか。自主的な外交的行動についてもそのことが望ましい面があるのじゃないかというふうに考えるわけでございます。
戸
戸叶武#17
○戸叶武君 日米首脳会談において防衛庁の中期業務見積もりというものがたたき台のような形で出てきたのに対して、それはそういう形でないというのを外務大臣はしさい先ほどから答弁しておりましたが、この防衛庁の当局の先走りか、この機会に軍備を増強しなけりゃチャンスを失うという焦りからか、しきりに中期業務見積もりの内容というものが外にも漏れてきて、大平さんに聞けばそういうものはないと言い、そのものはまだ一片の紙に書かれた試案にすぎないというような答弁で、内容のない押し問答になっておりましたが、事実上中期業務見積もりという表現ではないにしても、五ヵ年の予定のところを四ヵ年に繰り上げてもらいたいとか、防衛費を対国民総生産の一%まで引き上げることに、事実上防衛強化を認めるならば、努力してもらいたいとか、そういう注文にある程度合意を与えたのではないかという節もあるのですが、外務大臣はそれをどのように受けとめておりますか。
この発言だけを見る →大
大来佐武郎#18
○国務大臣(大来佐武郎君) 今回の会談では先ほど申し上げたようなことでございますが、先般三月に私がワシントンに参りまして、ブラウン長官と会談の際には、防衛庁の中期業務見積もりの一年繰り上げ達成はできないであろうかという希望表明があったわけでございます。そういう過去の経緯を考えますと、恐らくアメリカが期待しておりますのは、一年繰り上げ程度のことを日本側にやってほしいという気持ちではないかと思います。これは五年の見積もりでございまして、昭和五十五年から五十九年まで、それを五十八年に達成できるかどうかということであろうかと思います。しかし、この中期業務見積もりというのも毎年レビューをしていくし、三年ごとにはつくり変えていくというようなたてまえのように私どもも聞いておりまして、いま非常に何といいますか、きちっとしたそういう業務見積もりというものになっておるわけでもない見積もりであろうと思いますので、そういう点で防衛庁でもいろいろ内容に検討を加えているということを聞いておるわけでございます。しかし全体のこの姿として考えますと、いまの中期防衛見積もりを実行いたした場合には五年後に防衛支出のGNPに対する比率が現在の〇・九から一%に上がる、つまり防衛支出の比率が対GNPで〇・一、五年間で上がるということを意味するわけでございますが、米側ブラウン長官の要請というのは、それを五年でなくて四年でできないだろうかということでございます。
この点については、いろいろ世間に誤解もあると思うのでございますけれども、全般的に見て、そのことが大きく日本の従来の防衛に対する考え方を切りかえるんだとか、福祉をやめて防衛に回すんだとかいうことにはならないのではないか。GNPも年間の成長だけでも名目で一〇%、実質で四、五%経済が年々拡大しておるわけでもございますし、考え得る上限を選んでみましてもそれほど従来の経済力の配分、政策の優先に大きな変化をもたらすというようなものではないと存じますし、一方におきまして財政は、いま財政再建の計画の中でできるだけ一般会計の拡大を抑えている、その際に防衛費の伸びが他の費目より大きくなる、こういう問題は確かに出てくると思いますけれども、これからのこの予算の編成、財政上の考慮、それから国民のコンセンサス、国際情勢というような判断をもとにして五十六年度の予算編成の過程で一体この防衛費についてどこまで考えるのか、政府の意思決定が次第に行われていくことになるのじゃないか、それがいまの防衛費の横ばいでいくのか、多少ふやすのか、あるいは一年繰り上げ程度までいくのか、その旗の中でどこに落ちつくのかはこれからの予算編成の過程で決まってまいる性質のものだと思いますが、いずれにしてもマクロ経済的に見れば、国民経済全体のバランスに大きな影響を与えるような変更ではないと言えることだろうかと考えるわけでございます。
この発言だけを見る →この点については、いろいろ世間に誤解もあると思うのでございますけれども、全般的に見て、そのことが大きく日本の従来の防衛に対する考え方を切りかえるんだとか、福祉をやめて防衛に回すんだとかいうことにはならないのではないか。GNPも年間の成長だけでも名目で一〇%、実質で四、五%経済が年々拡大しておるわけでもございますし、考え得る上限を選んでみましてもそれほど従来の経済力の配分、政策の優先に大きな変化をもたらすというようなものではないと存じますし、一方におきまして財政は、いま財政再建の計画の中でできるだけ一般会計の拡大を抑えている、その際に防衛費の伸びが他の費目より大きくなる、こういう問題は確かに出てくると思いますけれども、これからのこの予算の編成、財政上の考慮、それから国民のコンセンサス、国際情勢というような判断をもとにして五十六年度の予算編成の過程で一体この防衛費についてどこまで考えるのか、政府の意思決定が次第に行われていくことになるのじゃないか、それがいまの防衛費の横ばいでいくのか、多少ふやすのか、あるいは一年繰り上げ程度までいくのか、その旗の中でどこに落ちつくのかはこれからの予算編成の過程で決まってまいる性質のものだと思いますが、いずれにしてもマクロ経済的に見れば、国民経済全体のバランスに大きな影響を与えるような変更ではないと言えることだろうかと考えるわけでございます。
戸
戸叶武#19
○戸叶武君 いま言われたように、大来さんが考えるようなこれからの予算編成の過程において問題が突き詰められるというのならば別ですが、先ほど大来さんがはしなくも正直に漏らしたように、ブラウン長官と大来外相の会談のときにすら中期業務見積もり、それを五年でなく四年に一年繰り上げ上げてくれないかというような話も出たという、こういう既成事実がありますのを見てもわかるように、私は若いころヨーロッパで、外国の方と、西洋の幽霊と日本の幽霊とはどこが違うかという議論をやったことがありましたが、端的に表現すると、日本の幽霊には足がない、西洋の幽霊には足がある。中期業務見積もり、日本では足がないが外国ではすでにその幽霊が足を持って歩いている。あしからずという形じゃないでしょうが。この幽霊問答のような形で、これは国民が知らない間に日本の防衛問題がアメリカの方の長官や外務大臣において議論せられ、大平さんも大分苦悩したでしょうが、筋道としては、大来さんの言うような一つの常識的な見解というものがあるところもわれわれ耳を傾けることができるのであります。
しかしながら、議会民主政治のあり方として、国民主権の国において、国民を代表する国会においても、この中期業務見積もりというものがあるらしいけれども足がない、アメリカに行くとちゃんと足がついている、これでは全く日本の議会政治というものも頼りげないことであって、やはり防衛庁長官あたりがシビリアンコントロールと言いながら、防衛庁における一つの軍部が、簡単に言うと昔の軍部と余り変わらないような発言をしている人が多いんですが、そういう人たち並びに党内における最終的には憲法改正をやらなければだめなんだ——これは大平さんや大来さんとは大分違います。そういう意味において、無理やりやっても具体的事実をつくり上げて、その積み上げの中にアメリカもバックしていることだし、日本を再軍備的な方向へ持っていかなければならぬという遠大なあほうな計画がなされている向きもあるということをわれわれは警戒しなければならないんです。
ファシズムの台頭期というものはいつもそうであって、第二次世界戦争が起きたときにも、第一次世界戦争が起きたときにおいても、その醸し出した雰囲気というものには共通なものがあるのであって、われわれは戦争かデタントかの問題について、戦争によってこれからの世界が救われるとは思ってないのです。アメリカもソ連も思ってないのです。思ってないから適当なところでSALTにおいて妥協はしていこう、核戦争はなるたけ避けようというところまでは来ているが、他の迷惑は余り考えない。最終的にソ連とアメリカが正面衝突することは避けるけれども、自分たちの勢力圏は拡大していって一向差し支えないのじゃないかと、言うがごとく言わざるがごとく、それを実践しているのがいまの米ソの権謀術策におけるところの世界戦略だと思うのです。これはアメリカではソ連が悪いと言い、ソ連ではアメリカが悪いと言い、中東ではいろんな情報が入っているから、この石油の問題で砂漠の中から黄金を掘り出したように、このアラビアの貧困を救い、アラビアの近代化をなさなければならないというふうに大きな希望を持ってみたところが、よくいろんな材料を集めてみると、いままですでにアメリカのメジャーがアメリカの政治家や財閥を動かしてシャーを——しゃあしゃあとしてどこかでまだ生きているが、ああいう連中をほとんど買収して、そして国民を貧困に陥れ、彼らだけがうまいことをやってきたのだからだまされないぞという不信感と猜疑心というものが、このイランにおいても、その他アラブ全体においても、サウジアラビアなんかにおいてでも根底に王制における危険ということを感じながらも、なおかつやはり私は不信感というものが横溢していると思うのであります。この問題は一気に片づけることは困難でしょう。奇跡に等しいでしょう。しかし、この不信感というものは米ソの対立における相互の話し合いが十分でないところから来る不信感以上に、最も深刻に私は中東においては根を張っているのだと思うのであります。
そういう点において、外務省のOBの人たちにも相当憂国の志士的な方はありますけれども、ソ連が二個師団を極東にふやしてきた、日本もこれにたえるだけの軍備を整えなければ、かつて連合国がスウェーデン、ノルウェーを抑えたときに、ソ連はそれと衝突しないで、おもむろに北のフィンランドを抑えてそれから次の変化を待ってドイツに対する抵抗をやり、それから後にヤルタ会議を通じて米英の謀略に同調したるがごとくして日本固有の領土も奪った、中国からもあいまいになっていたところの蒙古を奪い取った、こういうところから中ソ論争も出、日本のソ連との間のまずさというのは、いまごろになってからちょいちょい本当のことを漏らしかけてはいるけれども、ルーズベルト、チャーチル、スターリン、あの秘密謀略協定によってゆがめられた外交が今日までアジアにおいて尾を引き、中国も苦しみ、日本も苦しみ、フランスも最後の段階において、連合国の有力な国であるフランスと中国は戦力低下を名としてヤルタ会議からはオミットされ、しかも中国を入れると情報が漏れる危険性があるというので、そういう侮辱を受けながら中国は戦争に利用されただけで得るところはなかった。こういう現実の歴史を、自分に都合よいところだけうまく宣伝しているけれども、世界がみんなわかってしまった。だれも米ソの操るままに戦争に入ったならば、ひどい目に遭うのはおれたちだけであると、考え方は違うけれども、その警戒心はアメリカべったりと思われるようなエジプトにもイスラエルにもある、サウジアラビアにもある。強烈な懐疑心と抵抗がイランにもある、あるいはイラクにもある。イラクの保守派がソ連系と結んでも反米的な抵抗に似たものをやっていることや、いろいろ中東の問題も複雑多岐であるが、真実は何か。これは大国によってほとんど自分に都合のいいような余地が残されておりますけれども、われわれが痛いところを突くのじゃないが、もっとまともに第二次世界戦争後における権謀術策のあの外交政策をソ連なりアメリカなりが徐々にでもいいから反省して解消していかなければ、戦争以上の悲惨な戦いが、ゲリラ的な抵抗によって混乱が、私は中東を中心に置いて韓国でもどこでも噴き上がってくる危険性を感ずるのであります。
どうぞそういう意味において、私は、大来さんやあるいは大平さんが苦悩し、模索し、あるいは遠慮し過ぎてみたり、本当のことはこうだと小さく言ったりする悩みを持っていますが、あのコペルニクス的な転回を世界観において与えたコペルニクスやガリレオの徒が、神聖ローマ帝国の圧迫の中において研究を続けたときには、いつも真実を語って、その後でバット・ノーということを書き連ねれば弾圧を免れたんです。真実はここに書いてあるとおりだが、しかし、それを本当のことを言うと十字架にかけられちゃうから、バット・ノーとしまいの方に小さな文字で書いたということであります。あの世界観ですら、宇宙観ですらアレクサンドリアのアラブの科学者においてその示唆は与えられたものであって、ルネッサンスの独善の中からコペルニクスやガリレオだけが探索したものではないのです。世界の至るところから、素朴であっても真実以外にものを動かすものはないというこの声が、いま音を立てて私は聞こえるような気がします。むしろこっけいで知らないのは本人同士であって、だまされているやつがみんな大体おれたちはだまされているから気をつけろといいながら気をつけているのが現実じゃないかと思うのであります。こういう第一次世界戦争や第二次世界戦争で非常につらい目に遭ったところのドイツなりフランスなりヨーロッパにはいろんな体験があります。アメリカを孤独にさせてはいけない、何をしでかすか危ないから、この辺で慰めておかなけりゃならないという面もあるし、言うべきことは言わなければこれは大変だという考え方もあると思います。
シュミットさんと会って、大平さんは大変わが意を得たりという気持ちでしたでしょうが、その前に華国鋒さんと会って、ソ連をやっつけなけりゃならぬというような強硬論に接して、何かいろんな複雑な世界の動きを私は感じたと思います。中国に迷惑をかけた人々がいま中国に賓客として招かれているような時代です。アメリカの中にも、アメリカを中心として日本と中国とのこの軍事力によってソ連をやっつけなければならぬという力み返った人もおります。それがために意見を異にして国務長官をやめた人もあります。やめてもタカ派だけで固めることができないで、間一髪のところで、電光石火ハト派の国務長官にすりかえたという面もあります。そういう点において非常に私は世界が動いていると思うんです。うなりを発して動いていると思うんです。大平さんは、アメリカ、メキシコ、カナダにおいて失望した面を、ヨーロッパにおいてシュミットさんと話し合ったときに何かを感じたと思います。大平さんも私はより感じていると思います。苦労をしない者には苦労したやつの悩みはわからないのです。
どうぞそういう意味において、単に油の中にだけ埋没することなく、世界を破滅から救うために何をやらなければならないか。アメリカのきげんを取り、ソ連との摩擦を避けるというだけの小細工でなくて、ソ連といえども、アメリカといえども強引なことをやると、世界からあなたたちは孤立してだれからも相手にされないことになりますよという現実を、いま日本とEC及び南北問題で苦悩している後進国との間に大きな世論を形成していくならば、その力の方が——アメリカでもソ連でも全くむちゃくちゃなやつばかりはいないんです。英知を持った人たちがおるのです。その人たちが呼応して、一つの日本外交の持っている不動の思想を堅持することが日本にとっても世界にとっても必要なことであるということを認めてくれると思いますが、大来さん、今度のフランス行きは、一フランスだけでなくヨーロッパの先進国の首脳者との会談も待っておりますけれども、シュミットさんと大平さんの会談以上にそれは成果を期待されているんです。多くを望めないかもしれませんが、私はあえてその成果の大なることを望む者でありまして、この防衛の問題も、外務省、大蔵省もしっかりして、ただ単なる予算編成というだけでなく、国民がこれに、このようなふざけたことをやっていたのでは合意を与えないであろう、このおそれを大平さんだって受けてないはずはない。いま国民は怒っているんです。暴発の寸前にあるんです。これをひとつ大来さんから、簡単でよろしいですが、本当の今度のヨーロッパにおける決意が、この大来さんにとっては非常に大きな私は決意でなければならないと思いますので、そのことをお伺いいたします。
この発言だけを見る →しかしながら、議会民主政治のあり方として、国民主権の国において、国民を代表する国会においても、この中期業務見積もりというものがあるらしいけれども足がない、アメリカに行くとちゃんと足がついている、これでは全く日本の議会政治というものも頼りげないことであって、やはり防衛庁長官あたりがシビリアンコントロールと言いながら、防衛庁における一つの軍部が、簡単に言うと昔の軍部と余り変わらないような発言をしている人が多いんですが、そういう人たち並びに党内における最終的には憲法改正をやらなければだめなんだ——これは大平さんや大来さんとは大分違います。そういう意味において、無理やりやっても具体的事実をつくり上げて、その積み上げの中にアメリカもバックしていることだし、日本を再軍備的な方向へ持っていかなければならぬという遠大なあほうな計画がなされている向きもあるということをわれわれは警戒しなければならないんです。
ファシズムの台頭期というものはいつもそうであって、第二次世界戦争が起きたときにも、第一次世界戦争が起きたときにおいても、その醸し出した雰囲気というものには共通なものがあるのであって、われわれは戦争かデタントかの問題について、戦争によってこれからの世界が救われるとは思ってないのです。アメリカもソ連も思ってないのです。思ってないから適当なところでSALTにおいて妥協はしていこう、核戦争はなるたけ避けようというところまでは来ているが、他の迷惑は余り考えない。最終的にソ連とアメリカが正面衝突することは避けるけれども、自分たちの勢力圏は拡大していって一向差し支えないのじゃないかと、言うがごとく言わざるがごとく、それを実践しているのがいまの米ソの権謀術策におけるところの世界戦略だと思うのです。これはアメリカではソ連が悪いと言い、ソ連ではアメリカが悪いと言い、中東ではいろんな情報が入っているから、この石油の問題で砂漠の中から黄金を掘り出したように、このアラビアの貧困を救い、アラビアの近代化をなさなければならないというふうに大きな希望を持ってみたところが、よくいろんな材料を集めてみると、いままですでにアメリカのメジャーがアメリカの政治家や財閥を動かしてシャーを——しゃあしゃあとしてどこかでまだ生きているが、ああいう連中をほとんど買収して、そして国民を貧困に陥れ、彼らだけがうまいことをやってきたのだからだまされないぞという不信感と猜疑心というものが、このイランにおいても、その他アラブ全体においても、サウジアラビアなんかにおいてでも根底に王制における危険ということを感じながらも、なおかつやはり私は不信感というものが横溢していると思うのであります。この問題は一気に片づけることは困難でしょう。奇跡に等しいでしょう。しかし、この不信感というものは米ソの対立における相互の話し合いが十分でないところから来る不信感以上に、最も深刻に私は中東においては根を張っているのだと思うのであります。
そういう点において、外務省のOBの人たちにも相当憂国の志士的な方はありますけれども、ソ連が二個師団を極東にふやしてきた、日本もこれにたえるだけの軍備を整えなければ、かつて連合国がスウェーデン、ノルウェーを抑えたときに、ソ連はそれと衝突しないで、おもむろに北のフィンランドを抑えてそれから次の変化を待ってドイツに対する抵抗をやり、それから後にヤルタ会議を通じて米英の謀略に同調したるがごとくして日本固有の領土も奪った、中国からもあいまいになっていたところの蒙古を奪い取った、こういうところから中ソ論争も出、日本のソ連との間のまずさというのは、いまごろになってからちょいちょい本当のことを漏らしかけてはいるけれども、ルーズベルト、チャーチル、スターリン、あの秘密謀略協定によってゆがめられた外交が今日までアジアにおいて尾を引き、中国も苦しみ、日本も苦しみ、フランスも最後の段階において、連合国の有力な国であるフランスと中国は戦力低下を名としてヤルタ会議からはオミットされ、しかも中国を入れると情報が漏れる危険性があるというので、そういう侮辱を受けながら中国は戦争に利用されただけで得るところはなかった。こういう現実の歴史を、自分に都合よいところだけうまく宣伝しているけれども、世界がみんなわかってしまった。だれも米ソの操るままに戦争に入ったならば、ひどい目に遭うのはおれたちだけであると、考え方は違うけれども、その警戒心はアメリカべったりと思われるようなエジプトにもイスラエルにもある、サウジアラビアにもある。強烈な懐疑心と抵抗がイランにもある、あるいはイラクにもある。イラクの保守派がソ連系と結んでも反米的な抵抗に似たものをやっていることや、いろいろ中東の問題も複雑多岐であるが、真実は何か。これは大国によってほとんど自分に都合のいいような余地が残されておりますけれども、われわれが痛いところを突くのじゃないが、もっとまともに第二次世界戦争後における権謀術策のあの外交政策をソ連なりアメリカなりが徐々にでもいいから反省して解消していかなければ、戦争以上の悲惨な戦いが、ゲリラ的な抵抗によって混乱が、私は中東を中心に置いて韓国でもどこでも噴き上がってくる危険性を感ずるのであります。
どうぞそういう意味において、私は、大来さんやあるいは大平さんが苦悩し、模索し、あるいは遠慮し過ぎてみたり、本当のことはこうだと小さく言ったりする悩みを持っていますが、あのコペルニクス的な転回を世界観において与えたコペルニクスやガリレオの徒が、神聖ローマ帝国の圧迫の中において研究を続けたときには、いつも真実を語って、その後でバット・ノーということを書き連ねれば弾圧を免れたんです。真実はここに書いてあるとおりだが、しかし、それを本当のことを言うと十字架にかけられちゃうから、バット・ノーとしまいの方に小さな文字で書いたということであります。あの世界観ですら、宇宙観ですらアレクサンドリアのアラブの科学者においてその示唆は与えられたものであって、ルネッサンスの独善の中からコペルニクスやガリレオだけが探索したものではないのです。世界の至るところから、素朴であっても真実以外にものを動かすものはないというこの声が、いま音を立てて私は聞こえるような気がします。むしろこっけいで知らないのは本人同士であって、だまされているやつがみんな大体おれたちはだまされているから気をつけろといいながら気をつけているのが現実じゃないかと思うのであります。こういう第一次世界戦争や第二次世界戦争で非常につらい目に遭ったところのドイツなりフランスなりヨーロッパにはいろんな体験があります。アメリカを孤独にさせてはいけない、何をしでかすか危ないから、この辺で慰めておかなけりゃならないという面もあるし、言うべきことは言わなければこれは大変だという考え方もあると思います。
シュミットさんと会って、大平さんは大変わが意を得たりという気持ちでしたでしょうが、その前に華国鋒さんと会って、ソ連をやっつけなけりゃならぬというような強硬論に接して、何かいろんな複雑な世界の動きを私は感じたと思います。中国に迷惑をかけた人々がいま中国に賓客として招かれているような時代です。アメリカの中にも、アメリカを中心として日本と中国とのこの軍事力によってソ連をやっつけなければならぬという力み返った人もおります。それがために意見を異にして国務長官をやめた人もあります。やめてもタカ派だけで固めることができないで、間一髪のところで、電光石火ハト派の国務長官にすりかえたという面もあります。そういう点において非常に私は世界が動いていると思うんです。うなりを発して動いていると思うんです。大平さんは、アメリカ、メキシコ、カナダにおいて失望した面を、ヨーロッパにおいてシュミットさんと話し合ったときに何かを感じたと思います。大平さんも私はより感じていると思います。苦労をしない者には苦労したやつの悩みはわからないのです。
どうぞそういう意味において、単に油の中にだけ埋没することなく、世界を破滅から救うために何をやらなければならないか。アメリカのきげんを取り、ソ連との摩擦を避けるというだけの小細工でなくて、ソ連といえども、アメリカといえども強引なことをやると、世界からあなたたちは孤立してだれからも相手にされないことになりますよという現実を、いま日本とEC及び南北問題で苦悩している後進国との間に大きな世論を形成していくならば、その力の方が——アメリカでもソ連でも全くむちゃくちゃなやつばかりはいないんです。英知を持った人たちがおるのです。その人たちが呼応して、一つの日本外交の持っている不動の思想を堅持することが日本にとっても世界にとっても必要なことであるということを認めてくれると思いますが、大来さん、今度のフランス行きは、一フランスだけでなくヨーロッパの先進国の首脳者との会談も待っておりますけれども、シュミットさんと大平さんの会談以上にそれは成果を期待されているんです。多くを望めないかもしれませんが、私はあえてその成果の大なることを望む者でありまして、この防衛の問題も、外務省、大蔵省もしっかりして、ただ単なる予算編成というだけでなく、国民がこれに、このようなふざけたことをやっていたのでは合意を与えないであろう、このおそれを大平さんだって受けてないはずはない。いま国民は怒っているんです。暴発の寸前にあるんです。これをひとつ大来さんから、簡単でよろしいですが、本当の今度のヨーロッパにおける決意が、この大来さんにとっては非常に大きな私は決意でなければならないと思いますので、そのことをお伺いいたします。
大
大来佐武郎#20
○国務大臣(大来佐武郎君) ただいまお話しいただきましたことを、大体私も同じような筋で考えておりますので、今回参りましてもできるだけ努力してまいりたいと思いますし、今後も継続的なヨーロッパと日本の対話を強めること、第三世界との話し合いを強めることということをやはり日本としては進めるべきことだと考えております。
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田中寿美子#21
○田中寿美子君 ただいま戸叶委員より大平さんの訪米その他今回の外遊の問題について、非常にたくさんのことを意見も述べられ、お聞きになりました。どちらかと言えば、大平さんに同情の念を持ちながらの御発言であったような気がいたします。ですけれども、私、やっぱり何点か明らかにしておかなければならないことがあるように思います。
私は、きょうはほかの問題をやりたいと思っておりますので、ごく簡単にお尋ねいたしますけれども、まず大平さんは、カーター大統領から防衛庁の中期業務見積もり計画を早めてくれと言われたのじゃないと、日本の政府部内にある計画を早目に進めてほしいと、そうして大平さんは、そのために真剣になって努力いたしますと答えたのにすぎない、具体的には何も約束をしていないというふうにおっしゃっておりますけれども、これはもうすでに先ほど大来外相からも、三月にブラウン国防長官と会ったときに、中期業務見積もり計画は一年繰り上げてほしいという要望があったということですから、すでにカーター大統領も十分承知していたことだと思います。ですから、日本の政府部内にある計画を早目に進めてほしいと言ったことは、この中期業務見積もり計画の繰り上げ実施ということにほかならなかったと思うのですが、ですから、大来外相は大平総理のそばにいらっしゃって、そのことはそうであったというふうに理解されているのではないでしょうか、いかがですか。
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大
田
田中寿美子#23
○田中寿美子君 それは、ですから新聞記者がすっぱ抜いたとか何とかいうことじゃなくて、それが事実だろうと私は思うのですが、ただ、大平さんはアメリカの上下両院でのスピーチなどで見ましても、国会議員というのは平たく言えばうるさくて、うっかりしたことを言ったら大変だからというような気持ちがあって、言葉は抽象的におっしゃっている。しかし、大平さんのカーターさんへのあいさつとかスピーチは、大変親愛の情がこもっております。そして、やはり日本の防衛庁の中期業務見積もり計画を早目にやりたいという熱意を伝えたと思います。つまり、私たちの受け取る感じでは、アメリカ向けと国内向けとどうも態度が違う、これは、しばしば政府のとる態度でございますけれども、そのように大来外相はおとりにはなりませんでしょうか。
この発言だけを見る →大
大来佐武郎#24
○国務大臣(大来佐武郎君) 先ほどお尋ねの点は、つまり、政府内部の計画を早目にというカーター大統領の発言は、ブラウン長官の中業見積もりの一年繰り上げと大体共通しているのではないかという御質問だったと思いますので、私大体そう思いますとお答えしたわけですが、大平総理の答弁というか、発言は、真剣に検討していきたいということで、ただ、米側の記者会見の発表等にも具体的な内容についての約束はなかったということになっております。これは先ほど来申しました、今後の予算の問題、財政上の問題、国内の反応、いろいろな点を考慮して決められていくことだろうと思いますので、たとえば、中業一年繰り上げに賛成したとか、そういうことには発言はなってないと思います。
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田中寿美子#25
○田中寿美子君 ですから、大平さんとカーター大統領との間は、あうんの呼吸というか、ちゃんとわかっていたということだろうと思うのです。
そこで、私が問題にしたいのは、中期業務見積もり計画というのは、私ども国民にはその全容を知らされていない。閣議でも別にそれの繰り上げ実施などということについてはまだ決定もされていないものと思います。ですから、アメリカの方に、先にブラウン国防長官の手元にそういうものが行っているということはおかしいのじゃないか。つまり、シビリアンコントロールというのは一体どこにあるのか。これは全くおかしいというふうに思いますし、そうやってアメリカ側が一年の繰り上げを望む、それを望んでいるということ自体、それを望むということの意思表示があること自体が内政干渉じゃないかと思いますが、いかがですか。
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大
大来佐武郎#26
○国務大臣(大来佐武郎君) この点はやはり日米安保条約がございますので、共同防衛という立場からの防衛当局のいろいろな意見交換が従来からも行われていると承知しているわけでございまして、それからブラウン長官にいたしましてもカーター大統領にいたしましても、その発言の中で、必ず、日本側の事情は了承しているつもりであるし、日本側自体が決めることであるが、われわれの希望としては、という表現になっておりますので、私どもは内政干渉というような受け取り方はしておらないわけでございます。
この発言だけを見る →田
田中寿美子#27
○田中寿美子君 私どもは、アメリカに言われてアメリカに従うという自主性のない態度というのを問題にしているわけです。しかし、けさほど、先ほど戸叶委員も言われましたけれども、外務省自体が防衛力増強の必要を唱え始めた。外務省首脳というのはどの方たちを意味しているのでしょうか。財界が防衛力増強を言っているだけじゃなくて、外務省も自主外交のためにという、大変うまい言い方で防衛庁への援護射撃をし始めた。このことは、大来外務大臣もやっぱり防衛力増強ということが自主外交に絶対に必要だとお考えになるんですか。
この発言だけを見る →大
大来佐武郎#28
○国務大臣(大来佐武郎君) 防衛力増強と一口に申しますけれども、その程度にずいぶん開きがあると思うのでございます。GNPの二%に上げろというようなことになれば、これは大変な、現状から見れば大幅な増強ということになりましょうけれども、現状の〇・九を数年がかりで一%に持っていくという程度の増強であれば、先ほど来いろいろ申しましたように、日本の予算なり、経済全般から見て、そんなに大きな基本的な方向転換ではないという、手直しと言っていい範囲の問題ではないかと考えておるわけでございまして、いろいろ聞きますところでは、先ほどもちょっと申しましたいろいろな点で、いま持っておる防衛のいろいろな装備をもう少し手を加えれば使い物になるといいますか、ちゃんとしたものになるというような面があるように聞いておるものですから、その程度のことはあるいは必要なんじゃないか……
この発言だけを見る →田
田中寿美子#29
○田中寿美子君 済みません、その程度のこととおっしゃいますが、日本のGNPは非常に大きいものでございますから、その一%というのは大変なことだし、それから、いままさに冷戦構造に戻らんとするような状態でソ連側とアメリカのブロックとが対立している、そういうときに、日本の防衛力を増強していくということが自主外交である、日米安保条約を一方に持っておきながらそういうことを言うということは、非常の際には、米軍が極東からペルシャ湾あたりに出ていく、そしてあと、すきができたところは日本が守る、しかし、ペルシャ湾も、インド洋も、そうしてあるいは日本海の方だってみんな続いておりますから、そんな専守防衛というふうに行くという言葉では片づけられない危険をはらんでいる、そういう意味で私は問題だと思うのですが、自主外交のために防衛力増強が必要だという外務省の首脳の考え方に大来外相も賛成なさいますですか。
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