戸叶武の発言 (外務委員会)

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○戸叶武君 これは政治は常に具体的でなければならないのであって、私は、抽象的な意味における議会民主主義の念仏を申そうとしているのではありません。しかしながら、アメリカの世界政策の中において、いままで反共でありさえするならば軍部独裁の、あるいはその種の独裁政治でもよろしいという形において、各国の政治が発展途上国において腐敗してきた現状というものを、アメリカ自身もこれは困ったことだとしてあわてている面が私はあるのじゃないかと思います。
 恐らくは韓国においても、今明日のうちに暴発が起きるであろうということは想像されております。いままでの韓国のあり方というものは、北に備えて反共でありさえするならばそれがアメリカ防衛の一環としての存在であるというふうに容認し、それをあおってきた傾きもありますけれども、民心が離れて軍部独裁の政治というものが、長い習慣から、それから脱皮できない状態になったというときには、それに絶望した学生や青年達が暴発していくという例は、イラン、イラクあるいはかつての中国、かつてのソ連においてもドイツにおいても、至るところで起こった現象です。いまイギリスにおいても、一九一四年の第一次世界戦争の前夜を思わせるような不安定状況に世界がたたき込まれているという説すら有力に新聞で取り扱われておるのでありますが、いまからでは遅い、遅いけれどもそれをどうやって、どこから始めていくかという形においては、もっとソ連なりアメリカなり、謙虚な形で現状に対する客観的な観察と認識をしないと、この全体主義的なものはファシズムと共産主義だけではない、自分みずからがファシズムでないと思い込んでいるアメリカにおいても、メジャーや軍需産業が政治を腐敗させ、動かしている現実は、アメリカだけでなく、世界において暴露されておるんです。その抵抗が世界的な一つの油の原産地に火がついておるのでありまして、バルカンの火薬庫から第一次世界戦争が噴き出したのと違って、油の原産地に火がつくという前夜にいまあるのでありまして、そういう点において最も慎重なる行動をなさなければならない責任感を持っていべきはずのアメリカなりソ連の動きに対しては、世界を挙げて、いわゆる力の外交の権謀術策の限界点に来たという不安感と憤りがいま走っていると思うのであります。
 ときに、日本はどっちの方に——アメリカについていくよりほかに日本の行き万はない、これも一つの見解ですが、このアメリカなりソ連なりに反省を求めていくという第三国における動き、あるいはシュミットらを初めとするドイツなりフランスなりのECの国々の、それぞれの立場の違いがあるが、動き、そういうものとどういうふうに結びついて、できるだけ戦争の惨禍を避けたいという考え方を具体的にどのように持っているかを、外務大臣だけの見解でよろしゅうございますが、承りたいと思います。

発言情報

speech_id: 109113968X00819800513_011

発言者: 戸叶武

speaker_id: 23841

日付: 1980-05-13

院: 参議院

会議名: 外務委員会