大来佐武郎の発言 (外務委員会)

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○国務大臣(大来佐武郎君) 日本の安全というのは戦後平和憲法のもとでミニマムの、最小限の自衛力の保持と、それから核戦力を含む大規模な攻撃に対しての抑止力としての日米安保と、それから世界各国、アジア諸国等に対する平和外交の展開と、大体この三つの柱によって日本国民の安全を保障するというのがいままでとられてきた政策だろうと思います。ヨーロッパにおきましては、自国の防衛努力と、それにNATO、あるいは東側ではワルシャワ条約というようなことで、現代の世界では一国だけで防衛を完結させるということはなかなかむずかしい時代であろうかと思いますし、日本の場合もやはりいまの三本柱、自衛隊とそれから日米安保とそれからいまの平和外交、こういう柱を土台にして日本国民の安全を保障するということで将来あるべきだと思うわけでございます。ただその場合に、長期的な見通しとしては、やはり午前中も申しましたけれども、アメリカのいまから二十年ぐらい前の非常にパワフルな、経済力、軍事力、政治力を含めて非常に絶対的な強さを持っていた時代に比べて、相対的に低下してきておるわけでございますし、そういう傾向が将来も続く可能性がある。一方におきまして、ソ連の世界的な軍事力は着実に増強されつつあるし、特に極東においては、急速に増強が行われているという客観的な情勢のもとで、ある程度の日本の安全を確保していく。非常に危険なのは、一種の何といいますか、無言の圧力、これは恐らくホット・ウォーという本当の戦争になることはなかなか将来も起こらない、局地的なものは別といたしまして。ただ、強大な軍事力によって無言の圧力が及ぼされる、それによって周りの国が直接軍事攻撃を受けるわけではないけれども、その意思に従っていかなければならぬというような状況に置かれるということは、一つ危険な可能性でございまして、日本はあくまでも守りに徹するわけでございますから、この守りに徹するという立場がとられている限りは大きく軌道を外れることもないし、それからそう簡単に外からは侵入できないという情勢があればそれは国民の自信につながる。ある程度のものがないと一種の敗北主義が出てくる恐れもあるわけでございまして、そういう意味での最小限の自衛力という立場で考えるべきだと。またそういうものがあることがやはり外交の自主性に対する支えになる。つまり軍事力を背景にした外交というのは日本は絶対にとるべきでないということは以前にも私が申したことがあると思いますが、ただ、自分の防衛力という面についてのある程度の力を持っておることが、そういう意味での受け身の外交と申しますか、そういう意味での自主的な立場を守っていく一つの要件になる。決して外へ出ていくための軍事力ということではなくて、日本自身の安全という意味での立場から考えることだと思っておるわけです。

発言情報

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発言者: 大来佐武郎

speaker_id: 17223

日付: 1980-05-13

院: 参議院

会議名: 外務委員会