野口悠紀雄の発言 (大蔵委員会)

⚠️ コピーしたテキストを転載する際は、転載元URL(kokkai-data.com)および原典URL(kokkai.ndl.go.jp)を必ず残してください。発言内容の改変・出典削除は禁止です。 詳細は利用規約をご確認ください。

○参考人(野口悠紀雄君) 最初の、行政サービスのレベルを長期的にどういうふうに考えていくべきかという問題でございますが、これは御指摘にもありましたように、非常にむずかしい問題であることは事実ではないかと思います。ただ私は、この問題は必ずしもたとえば租税負担率というようなマクロ的な数字だけでは判断ができない問題なのではないか、特に中身を考えることが重要なのではないかということを常々考えております。
 特に、最後で御指摘になりました社会保障の問題についてもそのことが言えるわけですが、一般に社会保障といいますと、福祉という名前だけで、これを見直すのは福祉の後退であるというような意見が間々見られますけれども、私は決してそうではないのであって、やはり社会保障という名前のもとに現在行われている施策が本当に重要なものかどうかという内容を検討することが、非常に重要なのではないかというふうに思います。
 これは細かいことを申し上げますと切りがないわけですけれども、たとえばわが国の社会保障関係費はその半分近くが医療費で占められているということからもわかりますように、非常に医療に偏った構造になっておるわけでございます。したがって、医療費についてむだ遣いがないかどうかということを考えるのが、非常に重要なことであろうと思います。これは私は余り専門的に存じているわけではございませんが、しばしば薬代においてむだ遣いがあるというようなことがよく言われるわけですけれども、そういったようなことがあるとすれば、非常に重要な問題であるわけで、そういう行政サービスの中身を検討していくと、それを福祉とか社会保障とかという言葉に惑わされないで、その中身の本質がどういったようなものであるかということを考えていくことが、きわめて重要なのではないかというふうに思っております。
 それから二番目の公共事業の問題でございますが、これも私は二百四十兆という数字自体がどうかという判断は非常にむずかしいと思いますが、やはりここでも、この公共事業の中身の問題があるのではないかというふうに思います。この二百四十兆の公共事業費をどういったような目的のために配分していくかということでございまして、私は、やはり従来のような産業基盤の整備に重点を置いたような方向から生活環境の整備に重点を置いた方向、特に都市の生活基盤を充実させるという方向に転換させていくということが必要ではないかと思います。
 確かに御指摘のように、これが将来非常に大きな財政負担になるということは事実かと思いますが、ただ、御案内のように、この二百四十兆という数字は一般会計の公共事業だけではございませんで、国民経済計算ベースでの政府投資ということですから、そこには財政投融資で賄われるものとか、あるいは地方財政で賄われるものが含まれているわけでございます。私は、財政投融資で担当すべきものがどうなっていくかということも、かなり重要な問題ではないかと思います。
 特に、財源という問題を考えますときには、現在、財政投融資で行われているいろいろな事業の内容を再点検して、その内容を先ほど申しましたような方向に沿ったような公共事業の方向に編成をし直していくということが、重要なのではないかというふうに考えております。
 以上でございます。

発言情報

speech_id: 109114629X00719800326_012

発言者: 野口悠紀雄

speaker_id: 18563

日付: 1980-03-26

院: 参議院

会議名: 大蔵委員会