山内一郎の発言 (本会議)
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○山内一郎君 ただいま議題となりました昭和五十四年度補正予算三案につきまして、委員会における審査の経過並びに結果を御報告申し上げます。
今回の補正は、歳出面において、災害復旧等事業費、給与改善費など、当初予算作成後に生じた事由に基づき、特に緊要となった事項について措置を講ずることにしており、歳出の追加総額は一兆六百七十四億円となっております。
他方、一般行政経費の節減及び公共事業等予備費の減額を行うことによる歳出の修正減少額は二千七百四十六億円となっておりますので、歳出予算の純追加額は一兆三千四百二十一億円となります。
歳入につきましては、租税印紙収入で一兆九千九十億円の増収を見込むとともに、前年度剰余金の受け入れを行い、他方、公債金の一兆二千二百億円の減額と専売納付金の減収千五百六十八億円を計上することとしております。
本補正の結果、昭和五十四年度一般会計予算の総額は、歳入歳出とも当初予算に対し一兆六百七十四億円増加して、三十九兆六千六百七十六億円となります。
また、一般会計予算の補正等に関連して、国立病院特別会計等九特別会計についても所要の補正が行われております。政府関係機関予算の補正は、日本専売公社の製造たばこの定価改定実施期日のおくれに伴う事業収入の減収等の補正を行っております。
補正予算三案は、一月二十四日国会に提出され、一月三十日竹下大蔵大臣より趣旨説明を聴取し、衆議院からの送付を待って二月十三、十四の両日、大平総理大臣並びに関係各大臣に対し、国政全般にわたり質疑が行われました。
以下、質疑の主なるもの若干につき、その要旨を御報告申し上げます。
まず、現在最も国民の関心を集めている物価問題に関する質疑として、「昨年来の卸売物価の騰勢はますます強まっており、これが消費者物価に波及するのは必至だと思うが、政府の対策はどうか。また、このようなときに、公共料金を初め、電気、ガス料金等の大幅値上げは、物価安定の政府の方針に反するもので、取りやめるか、大幅圧縮をすべきではないか。さらに、五十五年度政府経済見通しの消費者物価上昇率六・四%の達成は困難ではないか」などの質疑がありました。
これに対し、大平総理大臣初め関係各大臣より、「卸売物価の動向は御指摘のとおり大変な状況にあるが、今日までのところ、素原材料二八%、中間製品五ないし六%、末端価格四ないし五%という値上がりで、消費者段階への影響は比較的少ない。政府は、財政金融政策を物価最優先で運営するとともに、仮需や買い占め売り惜しみ、便乗値上げ等を厳しく監視し、インフレマインドの回避によって消費者物価への波及をできるだけ小さくするように努力する決意である。電気、ガス料金の値上げについては、その主な原因が海外の原油値上げと円安の影響によるもので、やむを得ない部分があることは承知してほしい。しかし、電気料金値上げでも、八社平均六四%の値上げ申請をそのまま認める考えはなく、原価主義の原則を守りつつ、査定では原価構成項目を慎重に審査するほか、経営の徹底的合理化と国民生活への影響を十分考慮して、慎重かつ厳正に査定する。公共料金の値上げは、財政再建の一環として必要最小限度のものに限っており、消費者物価への影響は二形前後である。五十五年度の消費者物価上昇率を六・四%にとめるには努力を要することは確かであるが、公共料金の値上げ分は織り込み済みであり、さらに便乗値上げの防止対策等を講じ、また消費者の協力が得られるならば達成不可能な数字とは思われないし、努力目標としてぜひ達成するようにしたい」旨の答弁がありました。
次に、財政問題に関する質疑として、「五十四年度補正予算に租税印紙収入の増加一兆九千九十億円が計上されているが、当初予算が意図的に歳入の過小見積もりを行ったのではないか。また、租税収入の当初見込みとの乖離についての国会説明ははなはだ不十分で、租税印紙収入予算の補正版を提出すべきではないか。さらに、国会審議の中で作成を要請された中期財政計画の作業はどの程度まで進んでいるか」などの質疑がありました。
これに対し、竹下大蔵大臣並びに政府委員より、「五十四年度当初予算編成時の租税収入の見積もりは、五十三年十月時点で使える判断材料で積算したもので、約一年半先までの税収を間違いなく見積もることは非常にむずかしいが、今後とも正確を期するよう一層努力したい。ただ、五十四年度当初見積もりの段階では、五十三年度税収が予算額を確保できるかどうかを心配されたほどで、その後の予想外の景気回復が雇用者所得や企業収益の増加をもたらし、さらに五十四年度の輸入の著しい伸びと海外要因による値上がりで石油税、関税等に増収が出たもので、故意に過小見積もりをしたものではない。歳入予算の補正について、現在は国会提出の予算書及び予算の説明等で行っているが、当初見込みとの乖離の理由等については必ずしも十分とは言えないかもしれないので、租税印紙収入予算の説明の補正版については検討することとしたい。中期財政計画の作成については、これまでの財政収支試算が経済社会七カ年計画に基づく昭和六十年度の財政経済の姿を前提にこれを各年度に投影させるというものであったのとは根本的に異なり、五十五年度を出発点とするいわゆる後年度負担と税収の推計型のものを考えている。目下各省庁の理解と協力を得て作業を進めることにしており、今年中には試作的な中期財政計画をまとめるべくせっかく努力中である」旨の答弁がありました。
なお、質疑はその他広範多岐にわたって行われましたが、その詳細は会議録によって御承知願いたいと存じます。
本日をもって質疑を終局し、討論に入りましたところ、日本社会党を代表して対馬委員が反対、自由民主党・自由国民会議を代表して下条委員が賛成、公明党を代表して原田委員が反対、日本共産党を代表して内藤委員が反対、民社党を代表して栗林委員が反対の旨、それぞれ意見を述べられました。
討論を終局し、採決の結果、可否同数となりましたので、国会法第五十条により、委員長は原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
以上御報告申し上げます。(拍手)