本会議

1980-02-14 参議院 全50発言

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会議録情報#0
昭和五十五年二月十四日(木曜日)
   午後四時四分開議
    —————————————
○議事日程 第五号
  昭和五十五年二月十四日
   午後四時開議
第一 国家公務員等の任命に関する件
    —————————————
○本日の会議に付した案件
 一、永年在職議員表彰の件
 一、日程第一
 一、昭和五十四年度一般会計補正予算(第1号)
 一、昭和五十四年度特別会計補正予算(特第1
  号)
 一、昭和五十四年度政府関係機関補正予算(機
  第1号)
 一、昭和五十四年度の水田利用再編奨励補助金
  についての所得税及び法人税の臨時特例に関
  する法律案(衆議院提出)
 一、農業共済再保険特別会計における果樹共済
  に係る再保険金及び漁船再保険及漁業共済保
  険特別会計における漁業共済に係る保険金の
  支払財源の不足に充てるための一般会計から
  する繰入金に関する法律案(内閣提出、衆議院
  送付)
 一、日本専売公社法等の一部を改正する法律案
  (趣旨説明)
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安井謙#1
○議長(安井謙君) これより会議を開きます。
 この際、永年在職議員表彰の件についてお諮りいたします。
 議員塚田十一郎君は、国会議員として在職すること二十五年に達せられました。
 つきましては、院議をもって同君の永年の功労を表彰することとし、その表彰文は議長に一任せられたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
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安井謙#2
○議長(安井謙君) 御異議ないと認めます。
 議長において起草いたしました表彰文を朗読いたします。
   〔塚田十一郎君起立〕
 議員塚田十一郎君 君は国会議員としてその職にあること二十五年に及び常に憲政のために力を尽くされました
 参議院は君の永年の功労に対しここに院議をもって表彰します
   〔拍手〕
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 表彰状の贈呈方は、議長において取り計らいます。
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安井謙#3
○議長(安井謙君) 徳永正利君から発言を求められております。発言を許します。徳永正利君。
   〔徳永正利君登壇、拍手〕
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徳永正利#4
○徳永正利君 私は、本院議員を代表いたしまして、ただいま永年在職のゆえをもって表彰せられました塚田十一郎君に対し、一言お祝いの言葉を申し述べます。
 塚田十一郎君は、昭和二十一年第二十二回衆議院議員総選挙に当選され、政界に入られました。以来、衆議院議員に当選されること連続八回、その後、新潟県知事を経て、昭和四十三年参議院通常選挙に当選され本院に転ぜられて、今日まで国会議員として二十五年の長きにわたり憲政のために尽くしてこられました。
 その間、衆議院予算委員長、本院の内閣委員長、沖繩及び北方問題に関する特別委員長の国会役員等、並びに第二次吉田内閣の大蔵政務次官、第五次吉田内閣の郵政大臣兼自治庁長官及び行政管理庁長官を歴任され、一方、自由民主党内におかれましては、政務調査会長、参議院自由民主党政策審議会長等のほか、現在は自由民主党両院議員総会長の要職につかれております。
 このように、君は、その高通なる人格とすぐれた見識を持ち、議会政治発展のため活躍されてまいりました。
 ここに、われわれ一同は、君の二十五年間の御功績に対しまして深く敬意を表しますとともに、本日栄誉ある表彰を受けられましたことに対し心から祝意を表する次第であります。
 現下わが国内外の諸情勢はまことに多事多端であり、本院に対する国民の期待もまたますます高まっております。どうか、塚田君におかれましては、この上とも御健康に留意せられ、本院の使命達成と議会制民主主義の発展のため、より一層の御尽力を賜りますよう切にお願い申し上げる次第であります。
 簡単でございますが、お祝いの言葉といたします。拍手
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安井謙#5
○議長(安井謙君) ただいま表彰を受けられました塚田十一郎君から発言を求められております。発言を許します。塚田十一郎君。
   〔塚田十一郎君登壇、拍手〕
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塚田十一郎#6
○塚田十一郎君 私は、このたび、国会議員として勤続二十五年に達したとのゆえをもちまして、本院において表彰をいただきました。ただいまはまた徳永正利先生から議院を代表して丁重な御祝辞をちょうだいいたしまして、まことに光栄これに過ぎるものはございません。
 顧みますれば、私が最初に国会に議席を得ましたのは、昭和二十一年四月、衆議院においてでありました。自来、引き続いて連続八回当選の栄を得まして、在籍十五年七カ月に及びました。その後しばらく新潟県の知事をやらせていただきまして、再度国会に議席を得ましたのは本院において昭和四十三年七月からであります。
 衆議院における八回の選挙は比較的順調に戦わせていただきましたが、本院における今日までの約十年は私にとりましてはまことに苦戦の連続でありました。四十三年の選挙には、自由民主党の公認を得られませんままに無所属で立候補いたしましたために、党から除名の処分を受ける羽目に立ち至りました。四十九年には、逆に公認を受けながら失敗いたし、その後補欠選挙に出ておりますので、いままで参議院を戦うこと四回に及んでおります。これに二回の知事選を含めますと、昭和二十一年から今日までの三十四年間に通算十四回選挙の試練を受けたわけでございます。
 したがいまして、表彰を受け、この壇上に立たせていただいているただいま、よくもここまでたどり着くことができたものだなあというのが私の率直な感想でございます。
 もとより、今日に至ることができましたのは、一つには、この長い年月変わらない御支援を賜った新潟県の有権者の方々の御厚情のたまものであり、加えて、衆参両院の同僚先輩各位の温かい御指導があったればこそでありまして、この機会に謹んで厚く御礼を申し上げます。
 ただ、この間、何らなすこともなく、いたずらに貴重な国会の議席をふさいでいたことをまことに恥じ入っている次第でございます。
 今後なお幾ばくの歳月本院に籍を置くことを許されるかははかり知れませんが、今後も御支援の続く限り全力を傾けて皆様方の驥尾に付してがんばりたいと考えますので、諸先生方の変わらない御友情のほどをひたすらにお願い申し上げて、御礼のごあいさつといたします。
 まことにありがとうございました。拍手
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安井謙#7
○議長(安井謙君) 日程第一 国家公務員等の任命に関する件
 内閣から、中央社会保険医療協議会委員に伊藤善市君、高橋正雄君を、
 航空事故調査委員会委員長に八田桂三君を、同委員に榎本善臣君、小一原正君、幸尾治朗君、諏訪勝義君を、
 労働保険審査会委員に浦田純一君、八木高生君を任命することについて、本院の同意を求めてまいりました。
 まず、中央社会保険医療協議会委員、労働保険審査会委員、及び、航空事故調査委員会委員のうち、幸尾治朗君、諏訪勝義君の任命について採決をいたします。
 内閣申し出のとおり、いずれも同意することに賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
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安井謙#8
○議長(安井謙君) 総員起立と認めます。よって、全会一致をもっていずれも同意することに決しました。
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安井謙#9
○議長(安井謙君) 次に、航空事故調査委員会委員長、及び、航空事故調査委員会委員のうち、榎本善臣君、小一原正君の任命について採決をいたします。
 内閣申し出のとおり、いずれも同意することに賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
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安井謙#10
○議長(安井謙君) 過半数と認めます。よって、いずれも同意することに決しました。
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安井謙#11
○議長(安井謙君) この際、日程に追加して、
 昭和五十四年度一般会計補正予算(第1号)
 昭和五十四年度特別会計補正予算(特第1号)
 昭和五十四年度政府関係機関補正予算(機第1号)
 以上三案を一括して議題とすることに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
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安井謙#12
○議長(安井謙君) 御異議ないと認めます。
 まず、委員長の報告を求めます。予算委員長山内一郎君。
   〔山内一郎君登壇、拍手〕
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山内一郎#13
○山内一郎君 ただいま議題となりました昭和五十四年度補正予算三案につきまして、委員会における審査の経過並びに結果を御報告申し上げます。
 今回の補正は、歳出面において、災害復旧等事業費、給与改善費など、当初予算作成後に生じた事由に基づき、特に緊要となった事項について措置を講ずることにしており、歳出の追加総額は一兆六百七十四億円となっております。
 他方、一般行政経費の節減及び公共事業等予備費の減額を行うことによる歳出の修正減少額は二千七百四十六億円となっておりますので、歳出予算の純追加額は一兆三千四百二十一億円となります。
 歳入につきましては、租税印紙収入で一兆九千九十億円の増収を見込むとともに、前年度剰余金の受け入れを行い、他方、公債金の一兆二千二百億円の減額と専売納付金の減収千五百六十八億円を計上することとしております。
 本補正の結果、昭和五十四年度一般会計予算の総額は、歳入歳出とも当初予算に対し一兆六百七十四億円増加して、三十九兆六千六百七十六億円となります。
 また、一般会計予算の補正等に関連して、国立病院特別会計等九特別会計についても所要の補正が行われております。政府関係機関予算の補正は、日本専売公社の製造たばこの定価改定実施期日のおくれに伴う事業収入の減収等の補正を行っております。
 補正予算三案は、一月二十四日国会に提出され、一月三十日竹下大蔵大臣より趣旨説明を聴取し、衆議院からの送付を待って二月十三、十四の両日、大平総理大臣並びに関係各大臣に対し、国政全般にわたり質疑が行われました。
 以下、質疑の主なるもの若干につき、その要旨を御報告申し上げます。
 まず、現在最も国民の関心を集めている物価問題に関する質疑として、「昨年来の卸売物価の騰勢はますます強まっており、これが消費者物価に波及するのは必至だと思うが、政府の対策はどうか。また、このようなときに、公共料金を初め、電気、ガス料金等の大幅値上げは、物価安定の政府の方針に反するもので、取りやめるか、大幅圧縮をすべきではないか。さらに、五十五年度政府経済見通しの消費者物価上昇率六・四%の達成は困難ではないか」などの質疑がありました。
 これに対し、大平総理大臣初め関係各大臣より、「卸売物価の動向は御指摘のとおり大変な状況にあるが、今日までのところ、素原材料二八%、中間製品五ないし六%、末端価格四ないし五%という値上がりで、消費者段階への影響は比較的少ない。政府は、財政金融政策を物価最優先で運営するとともに、仮需や買い占め売り惜しみ、便乗値上げ等を厳しく監視し、インフレマインドの回避によって消費者物価への波及をできるだけ小さくするように努力する決意である。電気、ガス料金の値上げについては、その主な原因が海外の原油値上げと円安の影響によるもので、やむを得ない部分があることは承知してほしい。しかし、電気料金値上げでも、八社平均六四%の値上げ申請をそのまま認める考えはなく、原価主義の原則を守りつつ、査定では原価構成項目を慎重に審査するほか、経営の徹底的合理化と国民生活への影響を十分考慮して、慎重かつ厳正に査定する。公共料金の値上げは、財政再建の一環として必要最小限度のものに限っており、消費者物価への影響は二形前後である。五十五年度の消費者物価上昇率を六・四%にとめるには努力を要することは確かであるが、公共料金の値上げ分は織り込み済みであり、さらに便乗値上げの防止対策等を講じ、また消費者の協力が得られるならば達成不可能な数字とは思われないし、努力目標としてぜひ達成するようにしたい」旨の答弁がありました。
 次に、財政問題に関する質疑として、「五十四年度補正予算に租税印紙収入の増加一兆九千九十億円が計上されているが、当初予算が意図的に歳入の過小見積もりを行ったのではないか。また、租税収入の当初見込みとの乖離についての国会説明ははなはだ不十分で、租税印紙収入予算の補正版を提出すべきではないか。さらに、国会審議の中で作成を要請された中期財政計画の作業はどの程度まで進んでいるか」などの質疑がありました。
 これに対し、竹下大蔵大臣並びに政府委員より、「五十四年度当初予算編成時の租税収入の見積もりは、五十三年十月時点で使える判断材料で積算したもので、約一年半先までの税収を間違いなく見積もることは非常にむずかしいが、今後とも正確を期するよう一層努力したい。ただ、五十四年度当初見積もりの段階では、五十三年度税収が予算額を確保できるかどうかを心配されたほどで、その後の予想外の景気回復が雇用者所得や企業収益の増加をもたらし、さらに五十四年度の輸入の著しい伸びと海外要因による値上がりで石油税、関税等に増収が出たもので、故意に過小見積もりをしたものではない。歳入予算の補正について、現在は国会提出の予算書及び予算の説明等で行っているが、当初見込みとの乖離の理由等については必ずしも十分とは言えないかもしれないので、租税印紙収入予算の説明の補正版については検討することとしたい。中期財政計画の作成については、これまでの財政収支試算が経済社会七カ年計画に基づく昭和六十年度の財政経済の姿を前提にこれを各年度に投影させるというものであったのとは根本的に異なり、五十五年度を出発点とするいわゆる後年度負担と税収の推計型のものを考えている。目下各省庁の理解と協力を得て作業を進めることにしており、今年中には試作的な中期財政計画をまとめるべくせっかく努力中である」旨の答弁がありました。
 なお、質疑はその他広範多岐にわたって行われましたが、その詳細は会議録によって御承知願いたいと存じます。
 本日をもって質疑を終局し、討論に入りましたところ、日本社会党を代表して対馬委員が反対、自由民主党・自由国民会議を代表して下条委員が賛成、公明党を代表して原田委員が反対、日本共産党を代表して内藤委員が反対、民社党を代表して栗林委員が反対の旨、それぞれ意見を述べられました。
 討論を終局し、採決の結果、可否同数となりましたので、国会法第五十条により、委員長は原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 以上御報告申し上げます。拍手
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安井謙#14
○議長(安井謙君) 三案に対し、討論の通告がございます。発言を許します。寺田熊雄君。
   〔寺田熊雄君登壇、拍手〕
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寺田熊雄#15
○寺田熊雄君 私は、日本社会党を代表して、ただいま提案せられました昭和五十四年度補正予算三案に対し、反対の討論を行います。
 第一に、この補正予算案は、当初予算と一体をなし、当初予算の持つ大企業に甘く中小企業や勤労者に渋い段級的性格から脱却することができないものであります。
 本補正予算案の内容を見ますと、その歳出は、災害復旧事業の追加や給与改善費、義務教育費国庫負担など、もっぱら論議の余地なき当然増的経費や義務的経費の追加であり、論議すべき特段の価値を認めないのであります。
 これに反し、それは歳入面において租税及び印紙収入の増収を一兆九千九十億円と見込み、その大部分を公債発行の減額に振り向けるなど注目すべき特色を持つのであります。これは、五十三年度予算が、五十四年五月分税収を取り込むという特異な財政技術を弄しながら、なおかつ補正予算において国債三千億円の追加発行を行ったことと著しい対照をなすものであります。
 その後、政府は、昭和五十四年度予算の編成に当たり、われわれに対して、五十四年度の財政事情は税の自然増収に多くを期待することができず、現行税制下の租税及び印紙収入の予算額は五十三年度当初予算の水準を下回ると説明し、国民大衆の生活にとっていささかの福音たり得た物価調整減税三千億円の要求をもかたくなに拒否したのでありました。
 政府は、右のごとき歳入見積もりの誤りを恥ずべきであります。
 それはともあれ、右の税収の自然増には法人税の増収が大きく寄与しているのでありますが、これは大法人が政府の温かい庇護を受けつつ減量経営に徹し、営業利益を爆発的に増大させたことによるのであります。
 試みに、大蔵省証券局発行の財政経済統計月報によれば、法人の売上高は昭和五十三年一−三月期以来七期連続上昇を続け、昨年九月期におけるそれは百四十兆三千億円に上り、前年同期に比べ一七・七%増となっているのでありますが、これに伴い、営業利益は四二・四%増、経常利益は三六・二%増と目覚ましく、とりわけ大企業は史上空前の利益を上げているのであります。言うまでもなく、その陰には、不況や合理化の名により職場から放逐され職を失った労働者、失業は免れたものの低賃金と労働強化を押しつけられた労働者の犠牲が横たわっているのであります。
 一方、中小企業庁の調査によれば、中小企業の収益は、五十三年度においては辛うじて五十一年度の水準に回復したにとどまったばかりか、最近の著しい原材料価格の高騰を製品価格に転嫁し得ず、採算の悪化に苦しみつつあるのでありますが、その苦しみは大企業の中小企業分野への絶え間なき侵入によって一層大きなものとなりつつあるのであります。
 今回の補正予算は、要するに、勤労者や中小企業など弱き者の犠牲において繁栄を謳歌する大企業主導型の経済動向を背景として編成されたものでありまして、とうてい賛同し得ないものであります。
 次に、右の税収の自然増は、そのうち所得税が約六千億円を占めるのでありますが、これは、この二年間、所得税減税を実施せず、課税最低限を据え置いたことによる納税者の増加、負担額の増大という大衆課税の強化によるものであります。われわれは、その結果所得税の租税弾性値が二を超えていることに注目せざるを得ないのであります。
 第二に、この補正予算における既定経費の節減は七百四十六億円に過ぎず、昨年度の二千二百億円に比し少なきに失すると言わなければなりません。しかも、その六〇%以上は国債発行額の圧縮に随伴するものであり、政府の積極的努力によるものではありません。
 第三に、われわれは財政投融資計画における次年度繰越額と不用額増大の傾向に注目するものでありますが、この傾向は今年度にもやまず、昨年十一月現在で七〇%近い未消化を生じているのであります。この事実は、五十三年度における住宅金融公庫の一千七百六十億円、中小企業金融公庫の九百五億円、日本開発銀行の六百億円、日本輸出入銀行の四千九百八十四億円という巨大な不用額の発生からしても当然予想し得たものであり、政府はすべからく計画自体の見直しと国会議決を要せざる制度のあり方について慎重に検討すべきであったのであります。
 第四は、防衛費の問題でありますが、最近、政府の対米従属の姿勢が目立ってまいりまして、自衛隊は次第にアメリカの軍事戦略の一環に組み込まれつつあります。
 言うまでもなく、安保条約は、日本が外国の侵略を受け、自力で防衛し得ない場合に米軍の援助にまつことを理想像とするものでありますが、いまやそれが遠く海を隔てた異国の地における米ソ間の軍事的対決にわが国を巻き込むくびきとなりかねないなど、国民の脳裏に描く安保像とは著しくかけ離れたものに変貌しつつあるのを憂うるものであります。わが党の主張によれば、自衛隊はもともと違憲の存在であり、これに財政力を投ずること自体許されないのであります。いわんやそれは今後アメリカ側の要請により次第に膨張を余儀なくされる気配が濃いのでありますが、政府は「パンと大砲は両立し得ない」という財政運用の鉄則を片時も忘れるべきではありません。
 いまや、原油、非鉄金属など輸入原材料価格の高騰が主因となり、卸売物価の大幅な上昇が見られ、やがてこれが消費者物価に波及することが予想せられるのであります。
 政府は、この際、あとう限り公共料金の値上がりを防ぎ、行政改革を促進し、防衛費を縮小させ、インフレ・物価高の脅威を最小限度に抑えるとともに、臨時利得税の復活や法人税率の引き上げなど、あらゆる手法を駆使して大法人の課税を強化し、財政の再建を図り、もって国民生活の安定を実現すべきであります。
 以上、本予算案の反国民的性格を明らかにするとともに、政府の猛省を促して、反対討論を終わります。拍手
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安井謙#16
○議長(安井謙君) これにて討論は終局いたしました。
 これより三案を一括して採決いたします。
 三案に賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
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安井謙#17
○議長(安井謙君) 過半数と認めます。よって、三案は可決されました。拍手
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安井謙#18
○議長(安井謙君) この際、日程に追加して、
 昭和五十四年度の水田利用再編奨励補助金についての所得税及び法人税の臨時特例に関する法律案(衆議院提出)
 農業共済再保険特別会計における果樹共済に係る再保険金及び漁船再保険及漁業共済保険特別会計における漁業共済に係る保険金の支払財源の不足に充てるための一般会計からする繰入金に関する法律案(内閣提出、衆議院送付)
 以上両案を一括して議題とすることに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
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安井謙#19
○議長(安井謙君) 御異議ないと認めます。
 まず、委員長の報告を求めます。大蔵委員長世耕政隆君。
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世耕政隆#20
○世耕政隆君 ただいま議題となりました二法律案につきまして、大蔵委員会における審査の経過及び結果を御報告いたします。
 まず、昭和五十四年度の水田利用再編奨励補助金についての所得税及び法人税の臨時特例に関する法律案は、衆議院大蔵委員長提出によるものでありまして、昭和五十四年度に政府から交付される水田利用再編奨励補助金について、個人が交付を受けるものについてはこれを一時所得とみなすとともに、農業生産法人が交付を受けるものについては交付を受けた後二年以内に固定資産の取得または改良に充てた場合に圧縮記帳の特例を認めようとするものであります。
 次に、農業共済再保険特別会計における果樹共済に係る再保険金及び漁船再保険及漁業共済保険特別会計における漁業共済に係る保険金の支払財源の不足に充てるための一般会計からする繰入金に関する法律案は、異常災害等によって発生いたしました農業共済再保険特別会計の果樹勘定の再保険金の支払財源の不足並びに漁船再保険及漁業共済保険特別会計の漁業共済保険勘定の保険金の支払財源の不足に充てるため、昭和五十四年度において一般会計からこれらの勘定に資金を繰り入れる等の措置を講じようとするものであります。
 委員会におきましては両案を一括して質疑を行いましたが、その詳細は会議録に譲ります。
 質疑を終了し、討論なく、順次採決の結果、両案はいずれも全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 以上御報告いたします。拍手
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安井謙#21
○議長(安井謙君) これより両案を一括して採決いたします。
 両案に賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
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安井謙#22
○議長(安井謙君) 総員起立と認めます。よって、両案は全会一致をもって可決されました。
     —————・—————
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安井謙#23
○議長(安井謙君) この際、日程に追加して、
 日本専売公社法等の一部を改正する法律案について、提出者の趣旨説明を求めたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
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安井謙#24
○議長(安井謙君) 御異議ないと認めます。竹下大蔵大臣。
   〔国務大臣竹下登君登壇、拍手〕
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竹下登#25
○国務大臣(竹下登君) 日本専売公社法等の一部を改正する法律案につきまして、その趣旨を御説明申し上げます。
 わが国財政は、昭和五十年度以降、特例公債を含む大量の公債発行に依存する異常な状況にあり、わが国経済の安定的発展を達成するためには財政再建は緊急の課題であります。
 このような厳しい財政事情にかんがみ、小売定価が昭和五十年末以来据え置かれてきた結果、製造原価の上昇に伴い売り上げに占める専売納付金の比率が相当の低下を見ている製造たばこについて、その小売定価を改定することとし、所要の改正を行うことといたしたものであります。
 また、現行の専売納付金制度のあり方等につきましては、従来から種々の論議があり、制度の改正の必要を生じております。このため、昭和五十三年十二月の専売事業審議会の答申を踏まえ、製造たばこの価格形成方式の明確化、財政収入の安定的確保と日本専売公社の自主性の向上及びその経営の効率化を図る見地から所要の改正を行うことといたしております。
 製造たばこの小売定価の改定等による専売納付金の増収額は、昭和五十四年度予算におきましても重要な財源となっております。また、現行の専売納付金制度に対しては、最近諸外国からの批判が強まっており、制度改正の速やかな実現がぜひとも必要であります。
 このような状況にかんがみ、ここに日本専売公社法等の一部を改正する法律案を提出した次第であります。
 以下、その大要を申し上げます。
 第一に、製造たばこの小売定価を改定するため、その種類ごと、等級別に法定されている最高価格を、紙巻たばこについては十本当たり十円ないし三十円、パイプたばこについては十グラム当たり十二円、葉巻たばこについては一本当たり十円ないし四十円、それぞれ引き上げることとしております。
 第二に、専売納付金制度の改正につきましては、現在、専売納付金の額は、日本専売公社の純利益から内部留保の額を控除した額とされておりますが、これを製造たばこの種類ごと、等級別に応じ、小売定価に売り渡し数量を乗じた額に法律で定める一定の割合を乗じて得た額から地方たばこ消費税の額を差し引いた額とすることとし、財政収入の安定的確保を図るとともに、小売定価に占める国及び地方の財政収入となる金額の割合を明らかにすることとしております。
 第三に、専売納付金制度を改正することに伴って、日本専売公社の経営がその企業努力だけでは吸収し得ない原価の上昇によって圧迫されるおそれが生ずることとなることにかんがみ、現行の最高価格法定制を基本的に維持しつつ、たばこ事業において損失が生じた場合または生ずることが確実な場合に限り、大蔵大臣は、あらかじめ専売事業審議会の議を経た上、法定された限度内で暫定的な最高価格を定めることができることとしております。
 このほか、専売納付金制度の改正に関連し、輸入製造たばこに係る関税率を改定する等、所要の改正を行うこととしております。
 以上、日本専売公社法等の一部を改正する法律案につきまして、その趣旨を御説明申し上げた次第であります。拍手
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安井謙#26
○議長(安井謙君) ただいまの趣旨説明に対し、質疑の通告がございます。順次発言を許します。竹田四郎君。
   〔竹田四郎君登壇、拍手〕
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竹田四郎#27
○竹田四郎君 私は、日本社会党を代表して、ただいま提案されました日本専売公社法等の一部を改正する法律案に対し、若干の質問をするものであります。
 八〇年代に入って、国民の生活は物価の脅威にさらされ、不安と不満はうっせきし、それが政治不信や社会不安を生みつつあります。
 折しも、去る二月十二日、日本銀行は一月の卸売物価の動向を発表しましたが、この数字はまさに驚くべきものであります。前月比二・一%、年率にして二八・三%、前年同月比一九・三%で、昭和四十九年以来の狂乱ぶりであります。しかも、この数字内容を分析していくと、輸入品が前月比〇・九%上昇に対して、国内品が一・二%上昇となっているのであります。OPECの原油価格の引き上げ、アフガニスタン情勢から金属市況の高騰などが卸売物価高騰の第一次要因であったことは事実といたしましても、一月の卸売物価指数の中で中間品の値上がりが一番大きいということは大変問題であります。このことは、業者が素原材料の価格を中間製品に過剰に転嫁していることを示していると思います。便乗値上げや先高を見込んだ仮需の発生が起こってきているものと見なければなりません。輸入インフレが逆にホームメードインフレへと転換し始めていることを示すものと言ってよいと思います。
 大平首相は、過日、石油価格の転嫁は市場原理に任せて政府は介入しないと言ってまいりました。総理の期待に反して、数カ月を経ずして値上げと投機によって物価は危機的な状況に達してしまいました。総理は物価を暴騰させた責任をとるべきであると思うが、御心境はいかがか、お尋ねいたします。
 この状況がそのまま推移するならば、当然消費者物価にはね返っていくことになるのでありますが、政府はこれに対していかなる施策を準備しているのか、明らかにしてほしいと存じます。
 例の六・一国債は、金利の先高を見込んで暴落しております。公定歩合は引き上げるのかどうなのか、金融引き締めはどう強めていくのか、あるいは国民生活安定緊急措置法や生活関連物資等の緊急措置法を発動して在庫調査、価格監視体制を強化して反社会的経済行為を取り締まろうとする意思があるかどうか、御答弁を求めます。
 第二に、今日最も必要なことは、ホームメードインフレを封殺することが政府の最大の責任であります。もちろん、国際商品価格の高騰防止にも十分な配慮を加えることは必要であります。政府の五十五年度経済見通しにおいては、卸売物価指数九・三%、消費者物価指数六・四%の値上がりとなっているが、この程度で物価上昇を抑える自信があるかどうか。
 卸売物価九・三%のうち、国内要因分は約六%、海外要因分は約三%ぐらいに見込んでおり、消費者物価指数については、六・四%のうち、公共料金値上げ分が、直接的には二%、間接的には四%を占めていると言われておりますが、経済企画庁長官はどう考えているか、お示しをいただきたいのであります。
 そして、この中で電力、ガス料金分はどれだけ含まれているのかもあわせてお答えいただきたいのであります。
 通産大臣は、電力、ガス料金の大幅な値上げ申請にどのように対処し、値上げ幅はどのように抑えるつもりか、あわせて御答弁をいただきたいのであります。
 第三に、今日インフレの高進を防ぐために政府のとるべき最重点政策は、国民の間にいささかなりともインフレマインドを起こさせないことであろうと思います。いま、各企業は、生産量や営業量を上げることの限界を知って、価格値上げ指向によってその利益を得ることを図っております。いまそれがわずかに消費者の慎重な態度によってやっと食いとめられているのが現状であります。かずのこによる北商の倒産はその見本であります。
 しかるに、大平内閣は、続々と公共料金の値上げを行ってきましたし、今後も続々と決行しようとしているのであります。かかる政府の行動は、企業に対してインフレマインドをかき立てる危険性を有するきわめて遺憾な政策と言わざるを得ません。公共料金の値上げは今日の段階においてはやめるべきであります。
 特に、たばこの販売価格の引き上げは、会計の赤字によるものではなく、国の取り分の減少を一般国民の負担に転嫁させようとするもので、全く理解に苦しむものであります。歳入の不足については、わが党がすでに指摘し要求しておりますように、法人税の引き上げ、キャピタルゲイン課税の強化によってカバーできるのであります。今日の物価情勢の中でたばこの値上げは延期すべきが妥当であろうと思いますが、総理の決意をお伺いいたします。
 第四に、納付金率を五六%に法定化することは、専売益金納付制度を廃止し、消費税制度への抜本的な改革であり、たばこ専売事業の民営化への基本的な布石であろうと考えますが、いかがでしょうか。いままでの専売納付金制度は、売り上げ総額からコストと地方たばこ消費税分を差し引いた純利益から専売公社の内部留保金を引いた残りを財政収入として国税へ納付するのであって、納付金の額が不安定であること、企業努力の成果がつかみにくいこと、経営意欲を阻害することなどの点があったことは確かであります。今度の改正は、一般消費税制度の導入とともに民営へ移していくための基本的な改正であり、許すことのできない改正であります。
 また、納付金率を法定化することは、経営成果を具体的に見ることのできる反面、コストを最小限にして利益を最大限にすることに走るため、従業員や葉たばこ耕作者、たばこ小売人などの関係者に過度の合理化や納入価格の値引きを迫ることにならないか。また、たばこの品質の劣悪化を招き、消費者に犠牲を強いることになる懸念があると思いますが、大蔵大臣の御答弁を求めます。
 第五に、販売価格の法定化緩和について、一定の制約はあるものの、たばこの販売価格値上げの歯どめを失ってしまう結果、政府に納付する金額が予想どおり伸びない場合には、小売定価を引き上げるか、納付率の五六%を引き上げるかでありましょう。納付金率が法定されているため安易に価格の引き上げに走ることは明らかであって、独占的企業体の常道として、サービスの低下もこれに並行して行われる可能性が強くなるわけであります。真に法定化緩和を考えるというならば、これにかわる歯どめ策を持つことが絶対に必要であると考えます。
 たとえば、専売事業に関する審議会をつくり、消費者代表を参加させ、その審議状況を公開し、あるいはその詳細な審議会速記録を公開するなどの措置をあわせ行うべきであります。これなくして、国営企業の実態、内容、もうけ過ぎ、サービスの劣悪化などについて国民は知ることができないし、また是正する方法がなくなってしまうのであります。販売価格法定化緩和に対置するチェック機能は絶対につくるべきであると思いますが、いかがでしょうか。
 第六に、「国の独占に属する事業における専売価格若しくは事業料金については、すべて法律又は国会の議決に基いて定めなければならない。」とする財政法第三条に明らかに違反するのが今度の改正であると言わなければなりません。財政法第三条は、租税が大宗を占めていようがいまいが、それは法定あるいは国会の議決を必要とすることをうたっているものであって、消費税部分が納付金率五六%と明確に法定したからといって、価格、料金の法律化は必要ないとか、租税部分以外は具体的金額について法定を要求するものでないとか、価格の上限を決めればよいとか、基準を示せば足りるとか、審査を経るべき方式を示せば足りるとするなどの見解を根拠とされているようでありますが、価格についての法定化を緩和しようとするかかる態度は、法律を故意にこじつけて解釈するやり方であって、いわゆる牽強付会の説と言うべきであります。民主主義の原理は、常識的な、国民だれでもが素直にわかる法律に基づいて解釈するのが当然であるにもかかわらず、政府の考え方は全く官僚独善で、国民生活に対する配慮の欠けたものとして認めるわけにはまいりません。国民の代表の国会を無視し、法律を空洞化するものと言わなければなりません。
 あえて緩和するというならば、まず財政法第三条を改正することが先であると考えるがどうか、お伺いいたします。
 第七に、たばこ消費税率の五六%は、中長期にわたって不変の税率として考えてよいのか、それとも、財政再建上の必要があるならばそのときどきの財政事情に即応して変更することがあり得ると解してもよいのか、また、逆に、財政事情が好転すれば、税率を引き下げ、価格の引き下げを行う可能性があるのかどうか、大蔵大臣に質問いたします。
 最後に、たばこと健康についてお尋ねいたします。
 たばこの喫煙は百害あって一利なしと言われており、喫煙者には肺がんや心臓関係疾患が多く、死亡率も高いと言われておりますが、どうでありましょうか。一方でたばこ消費による税収がふえると、他方では喫煙による罹病率が高まり、これに対する医療費が多くなるということになれば、財政的にも決してプラスになるものではないと存じます。専売公社はかつて「たばこは動くアクセサリー」というスローガンを広く流行させて問題になり、国会を初め各方面から故意にたばこ消費をふやさせないようにとのことで、たばこの人体に与える害を宣伝するように要請され、今日、「たばこの吸い過ぎに注意しましょう」とたばこの包装に表示することになったわけであります。
 ことしはWHOが決めた世界禁煙年でありまして、日本循環器学会は、「患者さんはあなたをみています。まずわれわれドクターからやめようではありませんか」というポスターをつくろうとしておりますし、厚生省は世界禁煙年を受けて「喫煙か健康か」でシンポジウムを開こうというのに、公社は再び「たばこは心の日曜日」などというスローガンを掲げるようになったことははなはだ遺憾であります。総理大臣、厚生大臣、大蔵大臣に伺いますが、「たばこは心の日曜日」になるのかどうか、お答えをいただきたいのであります。
 故意にたばこの消費を促進するあり方を即刻中止するだけでなく、たばこが具体的に健康を阻害する実例を示し、たばこの弊害から国民の健康を守るようにすべきであると思うのですが、いかがでしょうか。
 以上をお尋ねして、私の質問を終わります。拍手
   〔国務大臣大平正芳君登壇、拍手〕
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大平正芳#28
○国務大臣(大平正芳君) 竹田さんの最初の御質問は、政府が市場の物価形成に不介入という立場をとっておることが今日の物価高を招いた原因ではなかろうか、その責任はどうかという意味のお尋ねでございました。
 私は、価格の安定を図っていくためには、その物の需給のバランスを図っていくことが大事だと考えております。市場機能が正常に作用いたしている限りにおきまして政府は価格形成には介入すべきでないと考えております。その方が価格形成上健全であると考えておるわけでございます。もし需給のバランスがとれないというような事態になりますならば、石油製品にいたしましても、石油関係の立法を発動することにがえんじないわけではございません。けれども、今日の事態はバランスは十分とれておりますし、在庫も去年以上確保されておるし、備蓄も多いわけでございまするので、そういう必要はないと判断しておるわけでございます。事実、原油の値上がりの状況よりは石油製品の値上がりの状況が低目に抑えられておることから見ましても、われわれがとっておる態度は間違いでないと考えております。
 第二は、インフレマインドを抑えるために公共料金の値上げについて慎重でなければならぬじゃないかということでございます。
 仰せのとおりでございまして、私ども、インフレマインドを鎖静さすということは経済政策の第一の眼目でなければならぬと考えております。したがって、公共料金政策におきましても、受益者負担の原則、原価主義の原則というようなものを踏まえておりまするけれども、極力それを最小限度にいたしまして、時期、幅等も今日まで個々のものにつきまして慎重な配慮を加えてきておるわけでございまして、この態度は今後も厳重に貫いていかなければならぬと考えております。たばこにつきましても同様に考えております。
 それからたばこの価格の定価法定制の緩和についての御批判を込めての御質問がございました。
 財政法第三条は、仰せのように、国の専売事業の価格形成につきましては法律に基づかなければならぬということが決まっておりまして、今回私どもの提案いたしておりますことも、一定の厳格な条件のもとで大蔵大臣による最高価格の改定ができるよう法律で定めようといたしておるものでございまして、この財政法の枠組みを超えたものではないと判断いたしております。
 それから専売公社の広告宣伝活動についてのお尋ねがございました。
 たばこ事業も、一つの事業である以上、広告宣伝活動は必要であると思いますけれども、しかし御指摘のように専売公社という公的な立場があるわけでございますので、その宣伝広告活動は社会的に専売公社として許容される範囲内のものでなければならぬことは申すまでもないと私も考えております。拍手
   〔国務大臣竹下登君登壇、拍手〕
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竹下登#29
○国務大臣(竹下登君) お答えいたします。
 まず、物価問題からする公定歩合問題についてのお尋ねがございましたが、もう竹田さん御案内のとおりでございまして、公定歩合操作は、日本銀行法第十三条ノ三第二号によりまして決定され、日銀法第二十一条によって公告されるという、まさに日銀の専管事項でございますので、これに言及することは差し控えさしていただきたいということで御理解を賜りたいとお願いをいたします。したがいまして、私といたしまして一般論として申し上げますことは、これまでの公定歩合引き上げや窓口指導等の効果浸透をまさに平静に見守っておるところであるという答えで御了解をいただきたいと思います。
 次に、納付金率法定化は消費税制度の導入でもあって、公社の民営化への布石ではないかという趣旨の御質問でございましたが、今回の納付金率の法定化は、製造たばこの価格形成方式の明確化、それから財政収入の安定的確保、そして公社の自主性の向上と経営の効率化というものを図るものでありまして、公社の経営基盤の確立及び企業性の向上に寄与するものと考えております。
 このように、今回の制度改正は、公共企業体としての公社制度を前提としつつ、その枠内において制度の改善を図ったものでありまして、今回の改正によってその経営形態に変更を加えるものではありません。民営化への布石であるということは考えておりません。
 さらに、利潤追求の余り公社職員の方等の労働条件の改悪を招くことになってはいけないという御注意を交えた御指摘でございます。
 公社職員の方を含め、たばこ産業にかかわる方全体の一層の経営努力を促すものであることは確かに相違ございませんが、これが直ちに公社職員等の労働条件の悪化につながるものであるとは考えておりません。
 それからたばこ定価法定制の緩和による、むやみに値上げをすることに対する歯どめの問題につきまして、御提言を交えての御質問がありました。
 まず、厳格な条件を付した緩和であるということに御理解を賜りたいと思います。すなわち、一つには、法定された最高価格の一・三倍の範囲内である、二番目には、公社の経営に赤字が発生し、または赤字の発生が確実な場合に限られる、三番目は、最高価格の改定は物価等変動率という客観的合理的基準の範囲内であるなど、法律で幾つかの厳格な要件を定めておりますので、恣意的に、かつ毎年のように定価の改定が行えるわけのものではありません。今回の改正によりまして定価改定に歯どめがかからなくなるとは考えておりません。
 そこで、御提言の趣もございましたが、まず暫定最高価格制度に基づく定価改定に当たりましては、たばこの消費動向、物価動向に十分配意いたしますとともに、事前に特別委員として消費者代表も参加する専売事業審議会の議を経ることとしておることが一つであります。次が、消費者代表等も参加されております物価安定政策会議の意見を聴取する。そのようなこととしておりまして、実際の運用におきましては安易な値上げとならないよう慎重に対処してまいりたい、このように考えております。
 さらに、法定する納付金率五六%の税率については随時変更するのではないかという御懸念の向きでありました。
 納付金率は、いわば一種の消費税率に相当するものでありますので、随時変更するような性格のものであってはならないと考えております。
 それからたばこと健康の問題でございますが、いま総理からお話がございまして、あえて私にも御指名がございました。
 医学的見地から総合しますと、明確に結論づけられる問題ではないとの意見であった、委託研究の学識者の意見はそうであったというふうに聞いておりますが、したがって、これはやっぱり引き続き研究をすべき課題であると思っております。
 ただ、広告宣伝でございますから、厳しい自主規制と、そして未成年者の喫煙防止でございますとか、公的機関としての立場の自覚でございますとか、営業姿勢が言ってみれば喫煙奨励的なものにならないように努めてきたというふうに私どもは承知いたしております。しかし、商品知識の周知のための広報活動を全く否定するものではないと思うのでありますが、御指摘のキャッチフレーズが喫煙奨励的であるかどうかは各人の受けとめ方によってこれは違う問題であろうと思いますので、私も、指摘を受けましたが、どういうふうに答えた方がいいか、やはり各人の受けとめ方によってそれぞれ違うものではなかろうかというふうにお答えをいたします。拍手
   〔国務大臣正示啓次郎君登壇、拍手〕
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