大平正芳の発言 (本会議)

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○国務大臣(大平正芳君) 鈴木さんの最初の御質問は、財政再建の基本は何と言っても歳出の削減でなければならぬと思うが、行政改革から見ましても補助金の整理から見ましても不徹底ではないかという御趣旨の御質問でございました。
 仰せのように、財政再建の基本は歳出の削減が本筋であることは政府もよく承知いたしておるわけでございます。五十五年度の予算は、その意味におきまして、この二十年来伸び率を最小限度に抑えた予算でございます。とりわけ一般行政費は五・一%という抑えに抑えた規模にいたしたつもりでございますが、なおこれをもって満足いたしているわけではございません。御指摘のように不満なところがあることは私もよく承知いたしておりまするけれども、この方向で今後も財政再建はしんぼう強く続けていかなければならぬと考えております。
 行政整理でございますけれども、これはたびたび申し上げておりまするように、五十五年行革におきまして、公務員の定員削減、それから事務の整理、補助金の整理、特殊法人の整理、特殊法人の役員の削減、それから給与の見直し等、一連の行政整理に加えて地方ブロック機関の整理につきましてもいま鋭意やっておるところでございます。御指摘のように、必ずしも十分満足できるものとは思いませんけれども、われわれといたしましては、かつてない規模の行政整理に手を染めることができたと考えておりまするし、これをさらに第二次、第三次の行政改革というものを積み重ねてまいりまして財政再建にも寄与していかなければならぬと考えております。
 補助金でございますが、補助金はふえておるじゃないかという御指摘でございますが、補助金の制度につきましては、この補助金制度によりまして地方に金を配らなければならぬ、あるいは社会福祉行政に対応しなければならぬという制度上の必要がございまして、補助金という枠組みの中での歳出はふえておりまするけれども、実質的にわれわれが削減の対象といたしました補助金につきましては相当思い切った斧鉞を加えておるつもりでございます。千六百六十七億円という具体的な整理はかつてない規模のものだと承知いたしておるわけでございますが、さらに一層努力をしなければならぬと考えております。
 第二に、一般消費税導入問題でございます。
 これは先ほど和田さんにもお答えしたところでございます。一般消費税の問題その他の増税問題というのは歳出との関連において考えなければならぬと思っておるわけでございまして、歳入歳出両面を通じまして財政構造の健全化を図る見地から各界の意見を十分聴取しながら検討して結論を出さなければならぬと考えております。
 第三の問題は、国債依存度が諸外国に比べて異常に高いが、これについての反省と責任でございます。
 これは先ほど和田さんにもお答えいたしたことでございまして、わが国の逢着しました石油ショックの衝撃でございますが、これはわが国のエネルギーの源泉が輸入石油に八〇%も依存しておるという事態は各国に類例のない状況でございます。したがって、二〇%、三〇%の依存度を持っておる国の受けたショック、振幅に比較いたしまして、わが国がいかに深刻なショックを受けたかということにつきましては、鈴木さんも御承知のとおりと思うのでございまして、一会計年度に三兆八千億円もの歳入減を記録したことも御案内のとおりでございます。そういったように、この石油ショックがもたらしました歳出と歳入の構造的なギャップの深さというのは、諸外国と比較いたしまして比較にならない深刻なものであったのでございます。
 これをどのようにして埋めて次の安定をもたらすかということにつきまして政府として考えたのは、公債政策であったのでございます。公債政策自体を問題にいたしますと問題はございますけれども、この事態を乗り切るためにやむを得ない措置であったということも御評価いただきたいと思うのでございます。
 しかし、今日、後遺症として残りました御指摘の公債依存度の異帯な高さという点は改めなければならぬわけでございまして、公債依存から漸次脱却の道を歩み、財政の対応力の回復を図ることが急務でございまして、いま財政再建に取りかかっておりますことは御案内のとおりでございます。私どもはそういう経過を踏まえた上でいま財政再建に取りかかっておるということを御理解いただきたいと思うのでございます。
 第四の問題は、財政再建法を制定する考えはないかということでございます。
 御意見の御趣旨は理解できないわけじゃございませんけれども、政府としては、まず立法を考えるということより、立法の基礎になるところの財政再建の進め方についての国民的なコンセンサスをどのように固めてまいるかということが先決の問題と考えるのでございまして、このコンセンサスができ上がりますと、その上に立ちまして財政再建の道は着実に進むことができるということになるわけでありまして、あえて立法に援助を求めなくても、コンセンサスがはっきりしておれば財政再建は軌道に乗るのではないかと考えておるわけでございまして、いまのところ財政再建法の制定というふうなことにつきましてお願いする考えはございませんで、鋭意国民のコンセンサスを得ることに最善の努力を傾けてまいるつもりでございます。(拍手)
   〔国務大臣竹下登君登壇、拍手〕

発言情報

speech_id: 109115254X00819800331_019

発言者: 大平正芳

speaker_id: 28089

日付: 1980-03-31

院: 参議院

会議名: 本会議