大来佐武郎の発言 (予算委員会第一分科会)
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○国務大臣(大来佐武郎君) 日本の防衛ということについての問題でございますけれども、これはそうもろいといいますか、必ずしもそうでない。とにかく海に囲まれた島国であるということは、いろいろな条件から考えてこの国の安全に非常に大きな力になっている面がございます。それから仮にソ連の問題を考えましても、欧州があり、中東があり、中国があり、一番東の端が極東になっておるわけでございまして、ソ連と日本のGNPはほぼ同じという経済力の規模になっておるわけでございますし、日本の持っておる技術力というのも非常に高いということもございますので、こちらは攻めていく、外へ出る考えは全然ないわけでございまして、もっぱら自分の国を守ればいい、もし万一外からの侵略がある場合に守ればいいということでございますから、そんなに日本国民としてできないような問題では恐らくない。それが抑止力として働くということが日本の安全にとって一番必要だと思いますし、それを超えるような事態が起これば、これは日米安保というものが大きな抑止力として働く。どこの国でも、先ほども出ましたけれども、日本にある基地を攻撃するときには、自分たちが原爆を見舞われるという決意を持ってでなければそういうことはできないのじゃないか、全面的な戦争というものを覚悟しなければ日本に大規模な攻撃をかけるということができないという情勢、これはやっぱり一つの大きな抑止力になると思いますし、そういう意味で日本の安全を守っていく自衛隊自体の力と、それから先般的な抑止力としての日米安保条約、これをできるだけ効果的なものに維持していく、そして日米安保条約が相互の信頼に基づいて効果的に働き得るということは、日米両国間に、何といいますか、友好的な関係が存在することがやっぱり必要でございますから、先ほど来渋谷先生の言われるいろいろな問題点、その面からも考えてみる必要があると私どもも考えております。
そういう情勢全般的なことからいって、アメリカの国内でも極端なことを言う人たちもそれはいろいろいるわけでございますけれども、ある程度日本の事情、世界の情勢を深く考えているところでは、日本に要求すべきことの限界というものをアメリカ側も相当程度心得ているのではないか。日本の対応がアメリカのそういう余り極端な要求に対してはとうていこたえられるものではありませんけれども、ある程度リーズナブルといいますか、な要請に対しては、これは日本自身の利益のために対処していかなければならない面が多いわけでございまして、そういうことで私としては何とか、日米関係というのはいろいろな局面がこれまでもございましたし、これからもあると思いますけれども、絶えずこれは日米双方の努力によって余り厳しい緊張状態、摩擦状態を生み出さないように、何か起こってくればそれを両側で消火活動に努力しながらいまの基本的な経済問題、安全保障問題にかかわっておるわけでございますし、また、これは日本の一方的な利益だけじゃなくて、日本が民主的なデモクラシーの国として、アジアに安定した国として存在することがアメリカ自身にとっても非常に大きなプラスになっておるということは当然のことでございまして、そういう双方の利益のもとに何とかこういう状態で理解、了解が得られる、双方の了解が取りつけられるんじゃないか。
それからもう一方、基本的には世界的な意味でのデタントというものの維持、それを通じて米ソ間の緊張が緩和すれば、その状況のもとにおける日本の立場もかなり道が開けるといいますか、やりやすくなりますし、ただ、いまのような情勢で、米ソの対立という問題がございますし、だから基本的にはデタントの線を崩さない。ただ、最近のこの緊張状態にはかなりソ連側の軍事力のビルドアップといいますか、またその軍事力を政治的に使うという行き方、これがかなり緊張の大きな原因になっておる面もあるように思うのでございまして、そういう世界情勢のもとで日本としては日米関係を基本的に崩すべきではないと思いますので、いろいろむずかしい局面には遭遇すると思いますけれども、何とかやっていけるのじゃないか。そう言うと楽観的と言われるかもしれませんけれども、また、やっていかなければいけないのじゃないかというふうに考える次第でございます。