伊東正義の発言 (外務委員会)

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○伊東国務大臣 お答え申し上げます。
 いま先生、外交青書をお読みになっての御質問があったわけでございますが、前々から外交青書では全方位外交という言葉は使ってなかったと思うのでございますが、時の大臣や何かがそう言われたことがあったことを私も予算委員会などで聞いたことを覚えております。全方位外交ということを言われた当時からも外交青書に書いてありますが、基本は、日米安保条約を基軸とした日米の友好親善がまず日本の外交の基軸であるということはずっと青書でも言ってきているわけでございまして、その点には全然変わりないわけでございます。変わりないわけでございまして、日米の友好ということが日本の外交の基軸になって、そして経済あるいは政治につきまして理念を同じくするものが協調するということは、ずっと前からもその考え方でやっておるのでございますが、そういうことを基礎にして、各地域で政治形態は異なっても、中国の問題あるいはソ連との問題、そういう地域、地域で友好、協調を図っていくということをずっと外交青書は言ってきているわけでございます。その点は変わってない。ASEANはASEAN、アフリカはアフリカというような地域、地域で友好、協調を図っていくのだ、その基礎は日米友好関係が基軸なんだということを言っているわけでございます。
 しかし、昨年イランの人質問題が起きた、ソ連のアフガニスタンに対する軍事介入が起きたということがございまして、ことしの一月の大平総理の施政方針演説で、世界の平和、安定を守るためには犠牲もある場合には考えなければいかぬというような演説をしたことは私も記憶にございます。大平総理が言いましたのは、世界の平和、安定を守っていくということはどうしても必要なんだ。そのためには場合によっては日本が犠牲を払わなければならぬということもあるかもしらぬ。しかし、その上に立って自由あるいは民主主義というものを守っていくのだということを言ったのでございまして、現象的に起きましたのは、イランに対する経済の制裁の問題、それからソ連がアフガニスタンに対して軍事介入をしたということに対しまして、アメリカを中心に西側が一致して経済措置を考える、人的交流に配慮を払う、あるいはオリンピックのボイコットをするとか、新しい信用供与をしないということを実はやったのは御承知のとおりでございまして、それが一部は日本の犠牲になっても、やはり武力で外国に介入するというようなことをすれば高い代償がつくのだということは、西側陣営の一人としてみんな歩調をとってわかってもらわなければいかぬということをやったわけでございます。外交が特にここは敵対関係を考えるのだとか、ここはどうだということではなくて、それは同じで、基本はアメリカとの友好関係が基軸、そして自由とか民主主義を守るという西側の側に立って、その一員として、しかしその地域、地域では、政体は異なることはあっても、友好、協調はなるべく図っていくというのが日本の外交でございまして、そういう意味で外交青書でもそう日本の外交は変わったわけじゃない、私はこう思っております。ただ、現象をとらえてみますと、やはりそのときに対応してやらなければならぬことがあるということだと私は思っております。

発言情報

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発言者: 伊東正義

speaker_id: 26691

日付: 1980-10-15

院: 衆議院

会議名: 外務委員会