小沢和秋の発言 (社会労働委員会)
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○小沢(和)委員 私は日本共産党を代表して、わが党が提出いたしました国民年金法等の一部を改正する法律案に対する修正案について、その趣旨を御説明申し上げます。
わが国の年金制度は、昭和三十六年国民年金制度の発足により国民皆年金の姿をとることになりました。この制度は、従来、個人の力や家族の共同意識によって支えられていた老後等の私的扶養を、社会的連帯の思想に基づく公的な扶養に切りかえるという高い理想を掲げて発足したものであります。
自来二十年を経過した今日、平均寿命の大幅な伸びと出生率の減少という事態の中で人口の高齢化は急速に進み、一方、昭和五十年以来の長期にわたる深刻な不況のもとで、この理想の実現化はいよいよ緊急かつ重要なものとなっているのであります。
しかるに政府は、軍事費を異常なまでに増大させながら、逆に財政危機を口実として福祉予算の切り詰め、なかんずく児童手当、老齢福祉年金の所得制限を強化しようとしているのであります。
老齢福祉年金について言えば、戦前戦後を通じて最も苦痛に満ちた時代を生き抜き、日本経済の復興の主役としてその労を惜しまなかった人々が、公的年金制度の未確立のためその恩恵に浴することができないため設けられたものであります。その意味で、社会的連帯の思想に基づく公的な扶養という制度を最も具現化したものと言え、本来これに扶養義務者の所得による支給制限を設けること自体、制度の本質になじまないのであります。にもかかわらず、逆に所得制限を強化する政府原案に盛られた措置は、断じて容認することはできません。
かつて昭和四十七年に当時の齋藤邦吉厚生大臣は、扶養義務者の所得制限は撤廃の方向で努力をいたしたいとも述べているのであります。老齢福祉年金の新規の受給権者は、本年四月よりもう発生せず、年々漸減していくのであり、また政府の新たな所得制限によって節約できる金額は本年度わずか七億円、平年度でも二十億円程度のものであり、所得制限強化の根拠にはとうていなり得るものではありません。
さらに重大なことは、一部支給停止による所得制限の強化の手法が、他の関連諸制度への適用拡大のおそれが十分考えられることであります。
以上、申し述べましたとおり、本修正案は、政府原案のうち重大な改悪部分である老齢福祉年金の一部支給停止を定める条項を削除せんとするものであります。
何とぞ、委員各位の御賛同をいただきますようお願い申し上げ、趣旨の説明といたします。