社会労働委員会
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会
会議録情報#0
昭和五十六年四月二十三日(木曜日)
午前十時七分開議
出席委員
委員長 山下 徳夫君
理事 今井 勇君 理事 戸井田三郎君
理事 戸沢 政方君 理事 湯川 宏君
理事 田口 一男君 理事 森井 忠良君
理事 平石磨作太郎君 理事 米沢 隆君
小沢 辰男君 金子 岩三君
木野 晴夫君 小坂徳三郎君
古賀 誠君 竹内 黎一君
谷垣 專一君 友納 武人君
中野 四郎君 長野 祐也君
丹羽 雄哉君 葉梨 信行君
八田 貞義君 浜田卓二郎君
船田 元君 牧野 隆守君
箕輪 登君 村岡 兼造君
大原 亨君 川本 敏美君
後藤 茂君 佐藤 誼君
城地 豊司君 中村 重光君
塩田 晋君 浦井 洋君
小沢 和秋君 石原健太郎君
菅 直人君
出席国務大臣
厚 生 大 臣 園田 直君
出席政府委員
内閣法制局第四
部長 工藤 敦夫君
厚生省公衆衛生
局長 大谷 藤郎君
厚生省援護局長 持永 和見君
委員外の出席者
議 員 森井 忠良君
内閣官房内閣審
議官 造酒亶十郎君
外務省条約局法
規課長 野村 一成君
文部大臣官房人
事課長 齊藤 尚夫君
社会労働委員会
調査室長 河村 次郎君
—————————————
委員の異動
四月二十三日
辞任 補欠選任
中尾 栄一君 村岡 兼造君
池端 清一君 大原 亨君
金子 みつ君 後藤 茂君
栂野 泰二君 城地 豊司君
永井 孝信君 中村 重光君
同日
辞任 補欠選任
村岡 兼造君 中尾 栄一君
大原 亨君 池端 清一君
後藤 茂君 金子 みつ君
城地 豊司君 栂野 泰二君
中村 重光君 永井 孝信君
—————————————
四月二十二日
腎臓病の予防、治療対策の拡充等に関する請願
(草川昭三君紹介)(第三四一三号)
地元建設労働者の就労確保等に関する請願外一
件(川俣健二郎君紹介)(第三四一四号)
同(長谷川正三君紹介)(第三五〇八号)
労働基準法改悪阻止及び婦人の権利、地位の向
上に関する請願(小林政子君紹介)(第三四一
五号)
同(村上弘君紹介)(第三五一〇号)
新鮮血液の確保及び心臓病児者の内科的医療費
補助に関する請願(石原健太郎君紹介)(第三
四一六号)
公的無年金者となった重度身体障害者の救済等
に関する請願(神田厚君紹介)(第三四四一
号)
労働者災害補償保険法の改善に関する請願(神
田厚君紹介)(第三四四二号)
身体障害者に対する福祉行政に関する請願(神
田厚君紹介)(第三四四三号)
民間保育事業振興に関する請願(平泉渉君紹
介)(第三五〇〇号)
同(上原康助君紹介)(第三五三八号)
原子爆弾被爆者等の援護法の制定に関する請願
(長谷川正三君紹介)(第三五〇一号)
療術の制度化促進に関する請願(阿部文男君紹
介)(第三五〇二号)
同(川田正則君紹介)(第三五〇三号)
同(中川一郎君紹介)(第三五〇四号)
同(箕輪登君紹介)(第三五〇五号)
旅館業の経営安定のため旅館業法改正等に関す
る請願(竹下登君紹介)(第三五〇六号)
同(長野祐也君紹介)(第三五〇七号)
同(小此木彦三郎君紹介)(第三五三九号)
原子爆弾被爆者等の援護法制定に関する請願
(枝村要作君紹介)(第三五〇九号)
社会保険診療報酬の引き上げに関する請願(河
上民雄君紹介)(第三五四〇号)
指定自動車教習所における労働条件改善等に関
する請願(田口一男君紹介)(第三五四一号)
は本委員会に付託された。
—————————————
本日の会議に付した案件
国民年金法等の一部を改正する法律案(内閣提
出第二八号)
原子爆弾被爆者に対する特別措置に関する法律
の一部を改正する法律案(内閣提出第二九号)
原子爆弾被爆者等援護法案(森井忠良君外七名
提出、衆法第一二号)
————◇—————
この発言だけを見る →午前十時七分開議
出席委員
委員長 山下 徳夫君
理事 今井 勇君 理事 戸井田三郎君
理事 戸沢 政方君 理事 湯川 宏君
理事 田口 一男君 理事 森井 忠良君
理事 平石磨作太郎君 理事 米沢 隆君
小沢 辰男君 金子 岩三君
木野 晴夫君 小坂徳三郎君
古賀 誠君 竹内 黎一君
谷垣 專一君 友納 武人君
中野 四郎君 長野 祐也君
丹羽 雄哉君 葉梨 信行君
八田 貞義君 浜田卓二郎君
船田 元君 牧野 隆守君
箕輪 登君 村岡 兼造君
大原 亨君 川本 敏美君
後藤 茂君 佐藤 誼君
城地 豊司君 中村 重光君
塩田 晋君 浦井 洋君
小沢 和秋君 石原健太郎君
菅 直人君
出席国務大臣
厚 生 大 臣 園田 直君
出席政府委員
内閣法制局第四
部長 工藤 敦夫君
厚生省公衆衛生
局長 大谷 藤郎君
厚生省援護局長 持永 和見君
委員外の出席者
議 員 森井 忠良君
内閣官房内閣審
議官 造酒亶十郎君
外務省条約局法
規課長 野村 一成君
文部大臣官房人
事課長 齊藤 尚夫君
社会労働委員会
調査室長 河村 次郎君
—————————————
委員の異動
四月二十三日
辞任 補欠選任
中尾 栄一君 村岡 兼造君
池端 清一君 大原 亨君
金子 みつ君 後藤 茂君
栂野 泰二君 城地 豊司君
永井 孝信君 中村 重光君
同日
辞任 補欠選任
村岡 兼造君 中尾 栄一君
大原 亨君 池端 清一君
後藤 茂君 金子 みつ君
城地 豊司君 栂野 泰二君
中村 重光君 永井 孝信君
—————————————
四月二十二日
腎臓病の予防、治療対策の拡充等に関する請願
(草川昭三君紹介)(第三四一三号)
地元建設労働者の就労確保等に関する請願外一
件(川俣健二郎君紹介)(第三四一四号)
同(長谷川正三君紹介)(第三五〇八号)
労働基準法改悪阻止及び婦人の権利、地位の向
上に関する請願(小林政子君紹介)(第三四一
五号)
同(村上弘君紹介)(第三五一〇号)
新鮮血液の確保及び心臓病児者の内科的医療費
補助に関する請願(石原健太郎君紹介)(第三
四一六号)
公的無年金者となった重度身体障害者の救済等
に関する請願(神田厚君紹介)(第三四四一
号)
労働者災害補償保険法の改善に関する請願(神
田厚君紹介)(第三四四二号)
身体障害者に対する福祉行政に関する請願(神
田厚君紹介)(第三四四三号)
民間保育事業振興に関する請願(平泉渉君紹
介)(第三五〇〇号)
同(上原康助君紹介)(第三五三八号)
原子爆弾被爆者等の援護法の制定に関する請願
(長谷川正三君紹介)(第三五〇一号)
療術の制度化促進に関する請願(阿部文男君紹
介)(第三五〇二号)
同(川田正則君紹介)(第三五〇三号)
同(中川一郎君紹介)(第三五〇四号)
同(箕輪登君紹介)(第三五〇五号)
旅館業の経営安定のため旅館業法改正等に関す
る請願(竹下登君紹介)(第三五〇六号)
同(長野祐也君紹介)(第三五〇七号)
同(小此木彦三郎君紹介)(第三五三九号)
原子爆弾被爆者等の援護法制定に関する請願
(枝村要作君紹介)(第三五〇九号)
社会保険診療報酬の引き上げに関する請願(河
上民雄君紹介)(第三五四〇号)
指定自動車教習所における労働条件改善等に関
する請願(田口一男君紹介)(第三五四一号)
は本委員会に付託された。
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本日の会議に付した案件
国民年金法等の一部を改正する法律案(内閣提
出第二八号)
原子爆弾被爆者に対する特別措置に関する法律
の一部を改正する法律案(内閣提出第二九号)
原子爆弾被爆者等援護法案(森井忠良君外七名
提出、衆法第一二号)
————◇—————
山
山下徳夫#1
○山下委員長 これより会議を開きます。
内閣提出、国民年金法等の一部を改正する法律案を議題といたします。
他に質疑の申し出がありませんので、本案に対する質疑は終局いたしました。
—————————————
この発言だけを見る →内閣提出、国民年金法等の一部を改正する法律案を議題といたします。
他に質疑の申し出がありませんので、本案に対する質疑は終局いたしました。
—————————————
山
山下徳夫#2
○山下委員長 この際、森井忠良君外三名から、日本社会党、公明党・国民会議及び民社党・国民連合三派共同提案に係る修正案が、また小沢和秋君外一名から、日本共産党提案に係る修正案が、それぞれ委員長の手元に提出されております。
両修正案について、提出者より順次趣旨の説明を求めます。田口一男君。
この発言だけを見る →両修正案について、提出者より順次趣旨の説明を求めます。田口一男君。
田
田口一男#3
○田口委員 ただいま議題となりました国民年金法等の一部を改正する法律案に対する修正案につきまして、日本社会党、公明党・国民会議、民社党・国民連合を代表いたしまして、その趣旨を御説明申し上げます。
修正の要旨は、
一 老齢福祉年金について、扶養義務者等に一定の所得があるときは、政令の定めるところにより、その一部の支給を停止する改正規定を削除すること。
二 昭和五十六年度における年金額の物価スライドの実施時期を、厚生年金保険及び船員保険については昭和五十六年六月から同年四月に、国民年金については昭和五十六年七月から同年四月に、それぞれ繰り上げること。
以上であります。
何とぞ委員各位の御賛同をお願いいたします。
この発言だけを見る →修正の要旨は、
一 老齢福祉年金について、扶養義務者等に一定の所得があるときは、政令の定めるところにより、その一部の支給を停止する改正規定を削除すること。
二 昭和五十六年度における年金額の物価スライドの実施時期を、厚生年金保険及び船員保険については昭和五十六年六月から同年四月に、国民年金については昭和五十六年七月から同年四月に、それぞれ繰り上げること。
以上であります。
何とぞ委員各位の御賛同をお願いいたします。
山
小
小沢和秋#5
○小沢(和)委員 私は日本共産党を代表して、わが党が提出いたしました国民年金法等の一部を改正する法律案に対する修正案について、その趣旨を御説明申し上げます。
わが国の年金制度は、昭和三十六年国民年金制度の発足により国民皆年金の姿をとることになりました。この制度は、従来、個人の力や家族の共同意識によって支えられていた老後等の私的扶養を、社会的連帯の思想に基づく公的な扶養に切りかえるという高い理想を掲げて発足したものであります。
自来二十年を経過した今日、平均寿命の大幅な伸びと出生率の減少という事態の中で人口の高齢化は急速に進み、一方、昭和五十年以来の長期にわたる深刻な不況のもとで、この理想の実現化はいよいよ緊急かつ重要なものとなっているのであります。
しかるに政府は、軍事費を異常なまでに増大させながら、逆に財政危機を口実として福祉予算の切り詰め、なかんずく児童手当、老齢福祉年金の所得制限を強化しようとしているのであります。
老齢福祉年金について言えば、戦前戦後を通じて最も苦痛に満ちた時代を生き抜き、日本経済の復興の主役としてその労を惜しまなかった人々が、公的年金制度の未確立のためその恩恵に浴することができないため設けられたものであります。その意味で、社会的連帯の思想に基づく公的な扶養という制度を最も具現化したものと言え、本来これに扶養義務者の所得による支給制限を設けること自体、制度の本質になじまないのであります。にもかかわらず、逆に所得制限を強化する政府原案に盛られた措置は、断じて容認することはできません。
かつて昭和四十七年に当時の齋藤邦吉厚生大臣は、扶養義務者の所得制限は撤廃の方向で努力をいたしたいとも述べているのであります。老齢福祉年金の新規の受給権者は、本年四月よりもう発生せず、年々漸減していくのであり、また政府の新たな所得制限によって節約できる金額は本年度わずか七億円、平年度でも二十億円程度のものであり、所得制限強化の根拠にはとうていなり得るものではありません。
さらに重大なことは、一部支給停止による所得制限の強化の手法が、他の関連諸制度への適用拡大のおそれが十分考えられることであります。
以上、申し述べましたとおり、本修正案は、政府原案のうち重大な改悪部分である老齢福祉年金の一部支給停止を定める条項を削除せんとするものであります。
何とぞ、委員各位の御賛同をいただきますようお願い申し上げ、趣旨の説明といたします。
この発言だけを見る →わが国の年金制度は、昭和三十六年国民年金制度の発足により国民皆年金の姿をとることになりました。この制度は、従来、個人の力や家族の共同意識によって支えられていた老後等の私的扶養を、社会的連帯の思想に基づく公的な扶養に切りかえるという高い理想を掲げて発足したものであります。
自来二十年を経過した今日、平均寿命の大幅な伸びと出生率の減少という事態の中で人口の高齢化は急速に進み、一方、昭和五十年以来の長期にわたる深刻な不況のもとで、この理想の実現化はいよいよ緊急かつ重要なものとなっているのであります。
しかるに政府は、軍事費を異常なまでに増大させながら、逆に財政危機を口実として福祉予算の切り詰め、なかんずく児童手当、老齢福祉年金の所得制限を強化しようとしているのであります。
老齢福祉年金について言えば、戦前戦後を通じて最も苦痛に満ちた時代を生き抜き、日本経済の復興の主役としてその労を惜しまなかった人々が、公的年金制度の未確立のためその恩恵に浴することができないため設けられたものであります。その意味で、社会的連帯の思想に基づく公的な扶養という制度を最も具現化したものと言え、本来これに扶養義務者の所得による支給制限を設けること自体、制度の本質になじまないのであります。にもかかわらず、逆に所得制限を強化する政府原案に盛られた措置は、断じて容認することはできません。
かつて昭和四十七年に当時の齋藤邦吉厚生大臣は、扶養義務者の所得制限は撤廃の方向で努力をいたしたいとも述べているのであります。老齢福祉年金の新規の受給権者は、本年四月よりもう発生せず、年々漸減していくのであり、また政府の新たな所得制限によって節約できる金額は本年度わずか七億円、平年度でも二十億円程度のものであり、所得制限強化の根拠にはとうていなり得るものではありません。
さらに重大なことは、一部支給停止による所得制限の強化の手法が、他の関連諸制度への適用拡大のおそれが十分考えられることであります。
以上、申し述べましたとおり、本修正案は、政府原案のうち重大な改悪部分である老齢福祉年金の一部支給停止を定める条項を削除せんとするものであります。
何とぞ、委員各位の御賛同をいただきますようお願い申し上げ、趣旨の説明といたします。
山
山下徳夫#6
○山下委員長 以上で両修正案の趣旨説明は終わりました。
この際、両修正案について、それぞれ、国会法第五十七条の三の規定により、内閣の意見を聴取いたします。園田厚生大臣。
この発言だけを見る →この際、両修正案について、それぞれ、国会法第五十七条の三の規定により、内閣の意見を聴取いたします。園田厚生大臣。
園
園田直#7
○園田国務大臣 ただいまの日本社会党、公明党・国民会議及び民社党・国民連合提出の修正案については、政府としては反対でございます。
なお、ただいまの日本共産党提出の修正案については政府としては反対でございます。
この発言だけを見る →なお、ただいまの日本共産党提出の修正案については政府としては反対でございます。
山
山下徳夫#8
○山下委員長 討論の申し出がありませんので、直ちに採決に入ります。
採決の順序は、まず、森井忠良君外三名提出の修正案について、次に、小沢和秋君外一名提出の修正案について、最後に、原案について採決いたします。
まず、森井忠良君外三名提出の修正案について採決いたします。
本修正案に賛成の諸君の起立を求めます。
〔賛成者起立〕
この発言だけを見る →採決の順序は、まず、森井忠良君外三名提出の修正案について、次に、小沢和秋君外一名提出の修正案について、最後に、原案について採決いたします。
まず、森井忠良君外三名提出の修正案について採決いたします。
本修正案に賛成の諸君の起立を求めます。
〔賛成者起立〕
山
山下徳夫#9
○山下委員長 起立少数。よって、本修正案は否決いたしました。
次に、小沢和秋君外一名提出の修正案について採決いたします。
本修正案に賛成の諸君の起立を求めます。
〔賛成者起立〕
この発言だけを見る →次に、小沢和秋君外一名提出の修正案について採決いたします。
本修正案に賛成の諸君の起立を求めます。
〔賛成者起立〕
山
山
山
山下徳夫#12
○山下委員長 この際、戸沢政方君外六名から、自由民主党、日本社会党、公明党・国民会議、民社党・国民連合、日本共産党、新自由クラブ及び社会民主連合七派共同提案に係る本案に附帯決議を付すべしとの動議が提出されております。
提出者より趣旨の説明を求めます。平石磨作太郎君。
この発言だけを見る →提出者より趣旨の説明を求めます。平石磨作太郎君。
平
平石磨作太郎#13
○平石委員 私は、自由民主党、日本社会党、公明党・国民会議、民社党・国民連合、日本共産党、新自由クラブ及び社会民主連合を代表いたしまして、本動議について御説明申し上げます。
案文を朗読して説明にかえさせていただきます。
国民年金法等の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)
政府は、次の事項について、適切な措置を講ずるよう配慮すべきである。
一 本格的な高齢化社会の到来を迎え、中高年齢者の雇用の改善と公的年金制度全体の抜本的改善を図ること。特に制度間の不均衡の是正など体系的な整備充実に努めるとともに、年金制度の長期的安定化方策につき検討を行うこと。
二 婦人の年金権のあり方については、被用者の妻の国民年金への任意加入制度との関連も含め総合的な見地から検討を進め、速やかにその確立に努めること。
三 各福祉年金については、引き続きその充実に努めるとともに、関係諸制度との関連を含め、基本的な検討を行うこと。
四 本格的な年金時代を迎えるに当たり、受給者、被保険者に個別的かつ具体的に対応できるよう年金相談体制を充実するとともに、業務処理体制の強化を図り、もって国民に対するサービスの向上に一層努めること。
五 年金の給付については、老後の生活安定を図る立場から、業務処理体制の整備とあわせて支払期月、支払回数及び支払方法の制度間の整合について検討すること。
六 すべての年金は、非課税とするように努めること。
七 五人未満事業所の従業員に対する厚生年金保険の適用の問題について、具体的方策を樹立し、その適用の促進に努めること。
八 積立金の管理運用については、極力、有利運用を図るとともに、民主的な運用に努めること。また、被保険者に対する福祉還元についても、なお一層努力すること。
九 児童手当については、高齢化社会の担い手となる年少世代の長期的な展望に立って、制度の基本的な検討を進めること。
十 国際障害者年に当たり、障害者の所得保障施策について、総合的に検討すること。
以上であります。
何とぞ委員各位の御賛同をお願いいたします。拍手
この発言だけを見る →案文を朗読して説明にかえさせていただきます。
国民年金法等の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)
政府は、次の事項について、適切な措置を講ずるよう配慮すべきである。
一 本格的な高齢化社会の到来を迎え、中高年齢者の雇用の改善と公的年金制度全体の抜本的改善を図ること。特に制度間の不均衡の是正など体系的な整備充実に努めるとともに、年金制度の長期的安定化方策につき検討を行うこと。
二 婦人の年金権のあり方については、被用者の妻の国民年金への任意加入制度との関連も含め総合的な見地から検討を進め、速やかにその確立に努めること。
三 各福祉年金については、引き続きその充実に努めるとともに、関係諸制度との関連を含め、基本的な検討を行うこと。
四 本格的な年金時代を迎えるに当たり、受給者、被保険者に個別的かつ具体的に対応できるよう年金相談体制を充実するとともに、業務処理体制の強化を図り、もって国民に対するサービスの向上に一層努めること。
五 年金の給付については、老後の生活安定を図る立場から、業務処理体制の整備とあわせて支払期月、支払回数及び支払方法の制度間の整合について検討すること。
六 すべての年金は、非課税とするように努めること。
七 五人未満事業所の従業員に対する厚生年金保険の適用の問題について、具体的方策を樹立し、その適用の促進に努めること。
八 積立金の管理運用については、極力、有利運用を図るとともに、民主的な運用に努めること。また、被保険者に対する福祉還元についても、なお一層努力すること。
九 児童手当については、高齢化社会の担い手となる年少世代の長期的な展望に立って、制度の基本的な検討を進めること。
十 国際障害者年に当たり、障害者の所得保障施策について、総合的に検討すること。
以上であります。
何とぞ委員各位の御賛同をお願いいたします。拍手
山
山
山
山下徳夫#16
○山下委員長 お諮りいたします。
本案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
この発言だけを見る →本案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
山
山
園
山
山下徳夫#20
○山下委員長 内閣提出、原子爆弾被爆者に対する特別措置に関する法律の一部を改正する法律案及び森井忠良君外七名提出、原子爆弾被爆者等援護法案の両案を議題とし、質疑に入ります。
質疑の申し出がありますので、順次これを許します。今井勇君。
この発言だけを見る →質疑の申し出がありますので、順次これを許します。今井勇君。
今
今井勇#21
○今井委員 日本社会党、公明党・国民会議、民社党・国民連合、日本共産党、新自由クラブ及び社会民主連合の共同提案による原子爆弾被爆者等援護法案につきまして、自由民主党の立場から、提案者の一人であられます森井議員に対し、質問をいたします。これからこの法案を被爆者援護法と縮めてまず呼ばせていただきたいと思います。
自民党としては、従来から原爆被爆者の方々が不幸にして放射能を多量に浴び、健康上格別の配慮を必要とするという特殊事情に着目をいたしまして、昭和三十二年原爆医療法を、続いて四十三年原爆特別措置法を制定して、当初の健康診断、医療給付等の現物給付から次第に健康管理手当、特別手当、医療手当、保健手当、介護手当、葬祭料等の金銭給付に至るまで幅広く施策を広げてまいっております。このことにつきましては基本懇の答申におきましても、「他の戦争被害者に対する救済措置と対比して」「それ相応の配慮をしてきたものといってよい」というふうな評価を受けたと思っております。特に昭和五十六年度の被爆者対策については、基本懇の答申の趣旨を尊重して、医療特別手当及び原子爆弾小頭症手当を創設をし、これらの手当に対します所得制限を撤廃するなど思い切った措置をとろうとしております。
さて、私といたしましても戦争体験者の一人として、広島、長崎の原爆投下による被爆者の犠牲者が数多くの戦争犠牲の中でも最も悲惨なものであったこと、したがってできる限り手厚い手当てをしなければならないこと、及び、このような悲劇を再び繰り返さないためにも世界の恒久平和が不可欠な要件であることを認識している点におきましては、被爆者等援護法を提案されております野党の皆さん方の人後に落ちないことをまず申し上げまして、以下順を追って被爆者援護法の基本的な考え方について質問をいたしたい。
まず第一は、国家補償についての考え方であります。被爆者援護法案では、三つの理由を挙げて、「国家補償の精神による被爆者援護法をつくることは、われわれの当然の責務」と言っておられますが、私はこの考え方に疑念を持つものであります。
まず最初に、戦争による国民の損害に対して国は補償義務を負うかどうかにつきましては、昭和四十三年十一月二十七日の最高裁の大法廷におきまして明確に否定しておられます。すなわち判決理由の中で、
戦争中から戦後占領時代にかけての国の存亡にかかわる非常事態にあっては、国民のすべてが、多かれ少なかれ、その生命・身体・財産の犠牲を堪え忍ぶべく余儀なくされていたのであって、これらの犠牲は、いずれも、戦争犠牲または戦争損害として、国民のひとしく受忍しなければならなかったところであり、右の在外資産の賠償への充当による損害のごときも、一種の戦争損害として、これに対する補償は、憲法の全く予想しないところというべきである。
と言って、途中幾らかの言葉がありますその後で、
したがって、これら在外資産の喪失による損害に対し、国が、政策的に何らかの配慮をするかどうかは別問題として、憲法二九条三項を適用してその補償を求める所論主張は、その前提を欠くに帰するものであって、
云々と言っているのであります。
すなわち、政治論として国の戦争責任等を云々するというのはともかくといたしまして、法律論として、開戦、講和というようないわゆる国の統治行為につきまして、国の不法行為責任など法律上の責任を追及してその法律的な救済を求める道は開かれていないと解すべきであると私は思います。
しかし、この判決で言っておりますように、国が政策的に何らかの配慮をするかどうかは別問題でありまして、戦争犠牲者に対しどのような救済策を講ずるかどうかは別に考慮に値する問題でありまして、社会的公正を確保する見地からいっても意義のあるものであると私は思っております。しかしながら原爆被爆者対策の基本理念についてはいま一つはっきりしていなかった、私はこう思っております。
ところが、昨年十二月の基本懇の報告で実に明確になったと私は考えております。すなわち
最高裁判所の判決も述べているように、従来国のとってきた原爆被爆者対策は、原爆被害という特殊性の強い戦争損害に着目した一種の戦争損害救済制度と解すべきであり、これを単なる社会保障制度と考えるのは適当でない。また、原爆被爆者の犠牲は、その本質及び程度において他の一般の戦争損害とは一線を画すべき特殊性を有する「特別の犠牲」であることを考えれば、国は原爆被爆者に対し、広い意味における国家補償の見地に立って被害の実態に即応する適切妥当な措置対策を講ずべきものと考える。
こう言っておるわけであります。
そして、次いで、「広い意味における国家補償」というものはどういうことなんだということについても言及をして、
国家補償の見地に立って考えるというのは、今次の戦争の開始及び遂行に関して国の不法行為責任を肯認するとか、原爆被爆者が違法な原爆投下をしたアメリカ合衆国に対して有する損害賠償請求権の講和条約による放棄に対する代償請求権を肯認するという意味ではなく、今次戦争の過程において原爆被爆者が受けた放射線による健康障害すなわち「特別の犠牲」について、その原因行為の違法性、故意、過失の有無等にかかわりなく、結果責任として、戦争被害に相応ずる「相当の補償」を認めるべきだという趣旨である。
と言っておるのであります。
この考え方は、前に述べました昭和四十三年十一月二十七日の最高裁の大法廷の判決を踏まえ、さらに従来から言われてきた違法な行為に起因する損害に対する国家賠償と、適法な行為に起因する損害に対する損失補償、その中間に、原因行為の違法、適法を問わない結果責任に基づく国家補償、こういう概念を明らかにしたものと私は受け取っておりまして、苦心のたまものであると同時に共感を覚えるものであります。
さらに「相当の補償」の範囲についても、原爆被爆者対策は国民の租税負担によって賄われることになるので、他の戦争被害者に対する対策に比し著しい不均衡が生ずるようであってはならず、国民的合意を得ることのできる公正妥当な範囲にとどまらなければならないと言っておるわけであります。
さて、一方、被爆者援護法の提案理由を読ませていただきますと、前にも触れましたごとく、「現行の医療法と特別措置法を乗り越え、国家補償の精神による被爆者援護法をつくることは、われわれの当然の責務と言わなければなりません。」と言っておられる。また参議院に全野党が共同提案しておられます戦時災害援護法案の提案理由を読ませていただきましても同じような考えがうかがえるのであります。
そこでお尋ねをいたしたいのは、被爆者援護法では国の戦争責任を認めて、被爆者が受けた一切の身体的、精神的な損害について国家賠償をせよという考え方が基調になっていると思うがどうか。もしそうだとするならば、まず第一点は、昭和四十三年十一月の最高裁判所の大法廷の判決をどう理解をしておられるのか、さらに基本懇の報告をどう理解されているのか、これが第一点であります。
二番目は、そうだとするならば、他の戦争犠牲者についても同一に考えるべきであろうと思うが、どうか。
三番目は、戦争犠牲者がこうむった一切の戦争損害を、国が、すなわち国民が今日改めて賠償することになれば莫大な額になると思うが、一体どのくらいになると思われているのか。
第四点は、これに対しまして国民はその負担にたえ得る、こう考えておられるのかどうか。
まず、申し上げた四点についてお考えをお聞きしたいと思います。
この発言だけを見る →自民党としては、従来から原爆被爆者の方々が不幸にして放射能を多量に浴び、健康上格別の配慮を必要とするという特殊事情に着目をいたしまして、昭和三十二年原爆医療法を、続いて四十三年原爆特別措置法を制定して、当初の健康診断、医療給付等の現物給付から次第に健康管理手当、特別手当、医療手当、保健手当、介護手当、葬祭料等の金銭給付に至るまで幅広く施策を広げてまいっております。このことにつきましては基本懇の答申におきましても、「他の戦争被害者に対する救済措置と対比して」「それ相応の配慮をしてきたものといってよい」というふうな評価を受けたと思っております。特に昭和五十六年度の被爆者対策については、基本懇の答申の趣旨を尊重して、医療特別手当及び原子爆弾小頭症手当を創設をし、これらの手当に対します所得制限を撤廃するなど思い切った措置をとろうとしております。
さて、私といたしましても戦争体験者の一人として、広島、長崎の原爆投下による被爆者の犠牲者が数多くの戦争犠牲の中でも最も悲惨なものであったこと、したがってできる限り手厚い手当てをしなければならないこと、及び、このような悲劇を再び繰り返さないためにも世界の恒久平和が不可欠な要件であることを認識している点におきましては、被爆者等援護法を提案されております野党の皆さん方の人後に落ちないことをまず申し上げまして、以下順を追って被爆者援護法の基本的な考え方について質問をいたしたい。
まず第一は、国家補償についての考え方であります。被爆者援護法案では、三つの理由を挙げて、「国家補償の精神による被爆者援護法をつくることは、われわれの当然の責務」と言っておられますが、私はこの考え方に疑念を持つものであります。
まず最初に、戦争による国民の損害に対して国は補償義務を負うかどうかにつきましては、昭和四十三年十一月二十七日の最高裁の大法廷におきまして明確に否定しておられます。すなわち判決理由の中で、
戦争中から戦後占領時代にかけての国の存亡にかかわる非常事態にあっては、国民のすべてが、多かれ少なかれ、その生命・身体・財産の犠牲を堪え忍ぶべく余儀なくされていたのであって、これらの犠牲は、いずれも、戦争犠牲または戦争損害として、国民のひとしく受忍しなければならなかったところであり、右の在外資産の賠償への充当による損害のごときも、一種の戦争損害として、これに対する補償は、憲法の全く予想しないところというべきである。
と言って、途中幾らかの言葉がありますその後で、
したがって、これら在外資産の喪失による損害に対し、国が、政策的に何らかの配慮をするかどうかは別問題として、憲法二九条三項を適用してその補償を求める所論主張は、その前提を欠くに帰するものであって、
云々と言っているのであります。
すなわち、政治論として国の戦争責任等を云々するというのはともかくといたしまして、法律論として、開戦、講和というようないわゆる国の統治行為につきまして、国の不法行為責任など法律上の責任を追及してその法律的な救済を求める道は開かれていないと解すべきであると私は思います。
しかし、この判決で言っておりますように、国が政策的に何らかの配慮をするかどうかは別問題でありまして、戦争犠牲者に対しどのような救済策を講ずるかどうかは別に考慮に値する問題でありまして、社会的公正を確保する見地からいっても意義のあるものであると私は思っております。しかしながら原爆被爆者対策の基本理念についてはいま一つはっきりしていなかった、私はこう思っております。
ところが、昨年十二月の基本懇の報告で実に明確になったと私は考えております。すなわち
最高裁判所の判決も述べているように、従来国のとってきた原爆被爆者対策は、原爆被害という特殊性の強い戦争損害に着目した一種の戦争損害救済制度と解すべきであり、これを単なる社会保障制度と考えるのは適当でない。また、原爆被爆者の犠牲は、その本質及び程度において他の一般の戦争損害とは一線を画すべき特殊性を有する「特別の犠牲」であることを考えれば、国は原爆被爆者に対し、広い意味における国家補償の見地に立って被害の実態に即応する適切妥当な措置対策を講ずべきものと考える。
こう言っておるわけであります。
そして、次いで、「広い意味における国家補償」というものはどういうことなんだということについても言及をして、
国家補償の見地に立って考えるというのは、今次の戦争の開始及び遂行に関して国の不法行為責任を肯認するとか、原爆被爆者が違法な原爆投下をしたアメリカ合衆国に対して有する損害賠償請求権の講和条約による放棄に対する代償請求権を肯認するという意味ではなく、今次戦争の過程において原爆被爆者が受けた放射線による健康障害すなわち「特別の犠牲」について、その原因行為の違法性、故意、過失の有無等にかかわりなく、結果責任として、戦争被害に相応ずる「相当の補償」を認めるべきだという趣旨である。
と言っておるのであります。
この考え方は、前に述べました昭和四十三年十一月二十七日の最高裁の大法廷の判決を踏まえ、さらに従来から言われてきた違法な行為に起因する損害に対する国家賠償と、適法な行為に起因する損害に対する損失補償、その中間に、原因行為の違法、適法を問わない結果責任に基づく国家補償、こういう概念を明らかにしたものと私は受け取っておりまして、苦心のたまものであると同時に共感を覚えるものであります。
さらに「相当の補償」の範囲についても、原爆被爆者対策は国民の租税負担によって賄われることになるので、他の戦争被害者に対する対策に比し著しい不均衡が生ずるようであってはならず、国民的合意を得ることのできる公正妥当な範囲にとどまらなければならないと言っておるわけであります。
さて、一方、被爆者援護法の提案理由を読ませていただきますと、前にも触れましたごとく、「現行の医療法と特別措置法を乗り越え、国家補償の精神による被爆者援護法をつくることは、われわれの当然の責務と言わなければなりません。」と言っておられる。また参議院に全野党が共同提案しておられます戦時災害援護法案の提案理由を読ませていただきましても同じような考えがうかがえるのであります。
そこでお尋ねをいたしたいのは、被爆者援護法では国の戦争責任を認めて、被爆者が受けた一切の身体的、精神的な損害について国家賠償をせよという考え方が基調になっていると思うがどうか。もしそうだとするならば、まず第一点は、昭和四十三年十一月の最高裁判所の大法廷の判決をどう理解をしておられるのか、さらに基本懇の報告をどう理解されているのか、これが第一点であります。
二番目は、そうだとするならば、他の戦争犠牲者についても同一に考えるべきであろうと思うが、どうか。
三番目は、戦争犠牲者がこうむった一切の戦争損害を、国が、すなわち国民が今日改めて賠償することになれば莫大な額になると思うが、一体どのくらいになると思われているのか。
第四点は、これに対しまして国民はその負担にたえ得る、こう考えておられるのかどうか。
まず、申し上げた四点についてお考えをお聞きしたいと思います。
森
森井忠良#22
○森井議員 私の記憶では、野党案を提出いたしまして与党から御質問をいただくということは初めてでございまして、きわめて光栄に存じます。
御質問がずいぶん長うございましたから、正確に全部お答えできないかと思いますが、骨子につきましては明確にお答えしたいと思っております。
与党の方では、現行二法を年々充実をしてかなりな成果を上げているじゃないか、こういう御指摘がございました。私もそれを否定するものではありません。すでに厚生省の原爆関係の予算も九百六十億に近くなってまいりまして、対前年の伸びもたしか一四%ぐらいでございまして、それなりに努力をされました跡については私どもも一定の評価をすることにはやぶさかでないわけでございます。
しかし、何といいましても根底にあっております考え方が、やはり社会保障でございます。先ほど今井委員御指摘のような原爆基本問題懇談会の答申が出されまして、広い意味での国家補償ということがうたわれましたけれども、もしそうだとすれば、わずかしか残っていない所得制限を受けている人の、せめて所得制限ぐらいは撤廃をしてしかるべきだ、こう考えておりましたけれども、残念ながら七人委員会の答申を受けた後の政府提出の特別措置法の改正案にはそれが盛られておりません等々、やはり国家補償の見地からすればまだ現行二法では足りない部分が非常に多いという認識をいたしました。その結果、原爆被爆者等援護法案を提出したわけでございます。
次に、そういたしますと、いわゆる国家補償というのは一体どういうことなのか、国家補償しなければならない積極的な理由は何なのか。具体的な質問ではございませんでしたけれども、意見の中で出てまいりました。議員立法ですからある程度討論的な御答弁になると思うわけでございますけれども、やはりまず第一に挙げなければならないのは、日本の政府が起こした戦争がいわゆる侵略戦争であったということでございます。当時国民を欺瞞をいたしまして、あたかも日本が起こした戦争が正当なものであるかの宣伝を国民にされまして、率直なところ一億国民すべて日本の軍国主義に欺瞞をされておった、だまされておったという認識をしなければなりません。現にアジアの諸国におきまして、いまなお日本軍国主義の植民地政策あるいは侵略戦争による数々のつめ跡が残っておることをお考えいただけば、十分御理解がいただけると思うわけでございます。
二つ目は、そういった軍国主義が起こした戦争に対して、結果としてアメリカの原爆投下を招いたわけでございます。アメリカの原爆投下の行為につきましては、私どもは明確に国際法違反だという認識をいたしております。ですからこそ、日本政府も原爆が投下された直後、昭和二十年八月十日にあえて政府声明を出しまして、へーグの陸戦法規その他を対照しながらアメリカ政府を糾弾する政府声明を出していることから見ても明らかでございます。
なるほど原爆というものは、その当時の戦時国際法におきまして、禁止兵器の中に明確に原子爆弾という言葉は使ってありません。毒ガスでありますとかあるいは生物化学兵器でありますとか、そういった大量無差別に殺戮をする兵器については禁止がされておるわけでございます。しかし、毒ガスですら禁止されておったわけでございますから、それ以上の悲惨きわまりない原爆が明らかに国際法違反であるということは当然であります。
先ほど今井委員は、昭和四十三年の最高裁判決を引き合いにお出しになりましたけれども、その前に昭和三十八年に東京地裁の判決が出されておりまして、原爆は明確に国際法違反だと断定をしているくだりがあるわけでございます。そのほか、判決の引用についてお願いをしたいのは、たとえば昭和五十三年三月三十日の孫振斗事件に対します最高裁の判決をむしろお読みをいただきたいと思うわけでございまして、今井委員御指摘の判決につきましては、なるほどその判決があったことは認めますが、大方の日本でいままで出されました判決の流れを見ますと、国が国家補償しなければならぬ、こう書いてあると私どもは理解をいたしておるわけでございます。
いずれにいたしましても、原爆は国際法違反であったという私どもの認識の上に、そういたしますと、アメリカに対して日本国政府は、国際法違反ですから損害賠償の請求をしなければならぬ。しかし、昭和二十七年のサンフランシスコ条約におきまして、一切の対米請求権を日本国政府は放棄をしておるのです。
ここで今井委員に御理解いただきたいわけでありますが、損害賠償の請求権を日本政府は放棄をいたしましたが、広島や長崎を中心といたします全国の被爆者が損害賠償をしなくてもよろしいと言ったのじゃないわけでございます。あくまでも政府が独断で損害賠償の請求権を放棄したわけでございますから、放棄した日本国政府に対して被爆者やその遺族の皆さんが国家補償を求めるのは当然だという理解をいたしておるわけでございます。
次に、七人委員会の意見書について言及をなさっておられまして、今井委員は全面的に七人委員会の答申は正しいというふうに認識をしていらっしゃいます。残念でありますけれども、ここが違うわけでございます。私どもも、審議に当たりましては七人の先生方に御期待を申し上げておりましたし、そして一年半に及びます審議の経過については敬意を表しています。しかし、残念ですけれども中身につきましては、被爆者あるいは死没者、その遺族、そういった皆さんの気持ちからすれば耐えられないほどかけ離れた、期待を裏切るものであったというふうに私どもは認識をいたしておるわけでございます。したがって七人委員会の答申は、私どもとしては残念ながら認めるわけにいかない。
たとえば先ほどもちょっと話が出ましたけれども、いまになって被爆者援護法、野党案のとおり実施をするとすれば国民的な合意を得てきなさい、こういう言い方になっています。しかし申し上げるまでもなく、あの日本が起こした太平洋戦争を終結したのは、原爆投下が大きなきっかけになったことは間違いありません。そして、もちろん戦争犠牲者はすべての国民にわたりますけれども、その中でも、今井委員御認識のとおり、特に原爆被爆者の被害というものは、熱線、爆風あるいは放射線といった史上初の、しかも他に類例を見ない悲惨なものでございました。したがって、とりあえず原爆被爆者から救済をしていかなくてはならぬということになるわけでございますが、もし政府が戦後三十六年たった今日まで放置していなければ、つまり原爆が投下されてなるべく早い時期に被爆者援護法をつくっておれば、いまさら被爆者援護法をつくることについて国民的な合意が必要ということはなかったはずであります。直ちにできたはずでございます。戦争体験も風化した今日になって国民的なコンセンサスを得ろということにつきましては、私は非常に大きな抵抗を感じています。
いずれにいたしましても、そういうことからいたしまして、七人委員会の答申につきましては、残念ながら私どもは賛成をするわけにいかないという立場で、改めて被爆者援護法案を提出したというふうに御理解をいただきたいと思います。
答弁が長くなりますから、この辺で具体的にお尋ねをいただきました点について御答弁をしたいと思います。
国の戦争責任につきましては先ほど申し上げましたが、それではすべての被害について損害賠償しろというのかということでございます。
実は私どもいろいろ考えましたけれども、きわめて控え目でございます。戦争被害について、たとえば在外資産等を補償した例がございます。しかし私どもは、受けた被害の中で財産被害はこの際言いたいけれども言わない。命と健康の被害に限って被爆者援護法に盛り込もうじゃないか、こういう思想に基づいていまして、したがって財産被害はこの際問わないが、亡くなられた方に対する弔慰あるいは遺族に対します年金等々、また健康被害を受けていらっしゃる方には十分な医療と所得の保障ができる、そういうことに限っておるということを申し上げておきたいと思うわけでございます。
二つ目は、他の戦争犠牲者との関係があるじゃないか。まさにそのとおりでございます。たとえば亡くなられた方に関しまして申し上げますと、あの静岡や浜松のように艦砲射撃で亡くなられた方あるいは障害を受けられた方、それから三月十日は東京の大空襲でございましたけれども、そういった空襲によって全国主要都市ほとんどが焼かれたわけでございますけれども、そういった一般戦災者の方々、特に死没者と障害を持たれる皆さんに対する国家の補償につきましては、私どもは、悲惨さにおいて原爆被爆者が優先をいたしますが、同時に他の一般戦災者の皆さんも救済をしなければならぬ、こういうふうに考えていまして、余談にわたりますが、参議院から戦時災害援護法案を提出いたしておるところでございます。
三番目の御質問は、野党案が成立をした場合に一体幾ら金がかかるのだ、それは国民の負担にたえられるのか、こういう御質問でございました。実は私どもも、たとえば昭和四十九年ごろやはり全野党で提出をしたことがございますけれども、その当時は五千億ないし六千億の予算を組んでまいりました。あるとき、いまは行管庁長官をしていらっしゃいます中曽根さんが広島へお見えになりまして、援護法案をつくれといっても一遍に五千億も六千億も金がかかる、とてもこれでは政権政党として負担にたえられない、こういう意味の発言をしておられます。私どもは、いま国の財政がきついことも十分理解いたしまして、良識を持って被爆者等援護法案を提出いたしました。先ほど申し上げましたように、政府の予算もかれこれ一千億になろうとしておるわけでございます。私どもも要求をうんと縮めまして、たとえば弔慰金でありますとか遺族年金でありますとか、そういったものを支給したい気持ちはやまやまありましても、特別給付金でかえるなどいたしまして二千三十六億五千万円、政府の額の約倍というところに抑えたわけでございます。この点十分御理解いただきまして、むしろ与党の皆さんも積極的に、すでに政府案も一千億に近くなった、野党案も二千億、かつての五千億、六千億の考え方をこの際放棄しています。勝手でございますが、共同提案者の皆さんの御理解が得られれば、二千億が千五百億でも与党の皆さんと話し合いによっては応ずる用意があることをこの際明確に申し上げておきたいと思うわけでございます。
以上で私の答弁を終わります。
この発言だけを見る →御質問がずいぶん長うございましたから、正確に全部お答えできないかと思いますが、骨子につきましては明確にお答えしたいと思っております。
与党の方では、現行二法を年々充実をしてかなりな成果を上げているじゃないか、こういう御指摘がございました。私もそれを否定するものではありません。すでに厚生省の原爆関係の予算も九百六十億に近くなってまいりまして、対前年の伸びもたしか一四%ぐらいでございまして、それなりに努力をされました跡については私どもも一定の評価をすることにはやぶさかでないわけでございます。
しかし、何といいましても根底にあっております考え方が、やはり社会保障でございます。先ほど今井委員御指摘のような原爆基本問題懇談会の答申が出されまして、広い意味での国家補償ということがうたわれましたけれども、もしそうだとすれば、わずかしか残っていない所得制限を受けている人の、せめて所得制限ぐらいは撤廃をしてしかるべきだ、こう考えておりましたけれども、残念ながら七人委員会の答申を受けた後の政府提出の特別措置法の改正案にはそれが盛られておりません等々、やはり国家補償の見地からすればまだ現行二法では足りない部分が非常に多いという認識をいたしました。その結果、原爆被爆者等援護法案を提出したわけでございます。
次に、そういたしますと、いわゆる国家補償というのは一体どういうことなのか、国家補償しなければならない積極的な理由は何なのか。具体的な質問ではございませんでしたけれども、意見の中で出てまいりました。議員立法ですからある程度討論的な御答弁になると思うわけでございますけれども、やはりまず第一に挙げなければならないのは、日本の政府が起こした戦争がいわゆる侵略戦争であったということでございます。当時国民を欺瞞をいたしまして、あたかも日本が起こした戦争が正当なものであるかの宣伝を国民にされまして、率直なところ一億国民すべて日本の軍国主義に欺瞞をされておった、だまされておったという認識をしなければなりません。現にアジアの諸国におきまして、いまなお日本軍国主義の植民地政策あるいは侵略戦争による数々のつめ跡が残っておることをお考えいただけば、十分御理解がいただけると思うわけでございます。
二つ目は、そういった軍国主義が起こした戦争に対して、結果としてアメリカの原爆投下を招いたわけでございます。アメリカの原爆投下の行為につきましては、私どもは明確に国際法違反だという認識をいたしております。ですからこそ、日本政府も原爆が投下された直後、昭和二十年八月十日にあえて政府声明を出しまして、へーグの陸戦法規その他を対照しながらアメリカ政府を糾弾する政府声明を出していることから見ても明らかでございます。
なるほど原爆というものは、その当時の戦時国際法におきまして、禁止兵器の中に明確に原子爆弾という言葉は使ってありません。毒ガスでありますとかあるいは生物化学兵器でありますとか、そういった大量無差別に殺戮をする兵器については禁止がされておるわけでございます。しかし、毒ガスですら禁止されておったわけでございますから、それ以上の悲惨きわまりない原爆が明らかに国際法違反であるということは当然であります。
先ほど今井委員は、昭和四十三年の最高裁判決を引き合いにお出しになりましたけれども、その前に昭和三十八年に東京地裁の判決が出されておりまして、原爆は明確に国際法違反だと断定をしているくだりがあるわけでございます。そのほか、判決の引用についてお願いをしたいのは、たとえば昭和五十三年三月三十日の孫振斗事件に対します最高裁の判決をむしろお読みをいただきたいと思うわけでございまして、今井委員御指摘の判決につきましては、なるほどその判決があったことは認めますが、大方の日本でいままで出されました判決の流れを見ますと、国が国家補償しなければならぬ、こう書いてあると私どもは理解をいたしておるわけでございます。
いずれにいたしましても、原爆は国際法違反であったという私どもの認識の上に、そういたしますと、アメリカに対して日本国政府は、国際法違反ですから損害賠償の請求をしなければならぬ。しかし、昭和二十七年のサンフランシスコ条約におきまして、一切の対米請求権を日本国政府は放棄をしておるのです。
ここで今井委員に御理解いただきたいわけでありますが、損害賠償の請求権を日本政府は放棄をいたしましたが、広島や長崎を中心といたします全国の被爆者が損害賠償をしなくてもよろしいと言ったのじゃないわけでございます。あくまでも政府が独断で損害賠償の請求権を放棄したわけでございますから、放棄した日本国政府に対して被爆者やその遺族の皆さんが国家補償を求めるのは当然だという理解をいたしておるわけでございます。
次に、七人委員会の意見書について言及をなさっておられまして、今井委員は全面的に七人委員会の答申は正しいというふうに認識をしていらっしゃいます。残念でありますけれども、ここが違うわけでございます。私どもも、審議に当たりましては七人の先生方に御期待を申し上げておりましたし、そして一年半に及びます審議の経過については敬意を表しています。しかし、残念ですけれども中身につきましては、被爆者あるいは死没者、その遺族、そういった皆さんの気持ちからすれば耐えられないほどかけ離れた、期待を裏切るものであったというふうに私どもは認識をいたしておるわけでございます。したがって七人委員会の答申は、私どもとしては残念ながら認めるわけにいかない。
たとえば先ほどもちょっと話が出ましたけれども、いまになって被爆者援護法、野党案のとおり実施をするとすれば国民的な合意を得てきなさい、こういう言い方になっています。しかし申し上げるまでもなく、あの日本が起こした太平洋戦争を終結したのは、原爆投下が大きなきっかけになったことは間違いありません。そして、もちろん戦争犠牲者はすべての国民にわたりますけれども、その中でも、今井委員御認識のとおり、特に原爆被爆者の被害というものは、熱線、爆風あるいは放射線といった史上初の、しかも他に類例を見ない悲惨なものでございました。したがって、とりあえず原爆被爆者から救済をしていかなくてはならぬということになるわけでございますが、もし政府が戦後三十六年たった今日まで放置していなければ、つまり原爆が投下されてなるべく早い時期に被爆者援護法をつくっておれば、いまさら被爆者援護法をつくることについて国民的な合意が必要ということはなかったはずであります。直ちにできたはずでございます。戦争体験も風化した今日になって国民的なコンセンサスを得ろということにつきましては、私は非常に大きな抵抗を感じています。
いずれにいたしましても、そういうことからいたしまして、七人委員会の答申につきましては、残念ながら私どもは賛成をするわけにいかないという立場で、改めて被爆者援護法案を提出したというふうに御理解をいただきたいと思います。
答弁が長くなりますから、この辺で具体的にお尋ねをいただきました点について御答弁をしたいと思います。
国の戦争責任につきましては先ほど申し上げましたが、それではすべての被害について損害賠償しろというのかということでございます。
実は私どもいろいろ考えましたけれども、きわめて控え目でございます。戦争被害について、たとえば在外資産等を補償した例がございます。しかし私どもは、受けた被害の中で財産被害はこの際言いたいけれども言わない。命と健康の被害に限って被爆者援護法に盛り込もうじゃないか、こういう思想に基づいていまして、したがって財産被害はこの際問わないが、亡くなられた方に対する弔慰あるいは遺族に対します年金等々、また健康被害を受けていらっしゃる方には十分な医療と所得の保障ができる、そういうことに限っておるということを申し上げておきたいと思うわけでございます。
二つ目は、他の戦争犠牲者との関係があるじゃないか。まさにそのとおりでございます。たとえば亡くなられた方に関しまして申し上げますと、あの静岡や浜松のように艦砲射撃で亡くなられた方あるいは障害を受けられた方、それから三月十日は東京の大空襲でございましたけれども、そういった空襲によって全国主要都市ほとんどが焼かれたわけでございますけれども、そういった一般戦災者の方々、特に死没者と障害を持たれる皆さんに対する国家の補償につきましては、私どもは、悲惨さにおいて原爆被爆者が優先をいたしますが、同時に他の一般戦災者の皆さんも救済をしなければならぬ、こういうふうに考えていまして、余談にわたりますが、参議院から戦時災害援護法案を提出いたしておるところでございます。
三番目の御質問は、野党案が成立をした場合に一体幾ら金がかかるのだ、それは国民の負担にたえられるのか、こういう御質問でございました。実は私どもも、たとえば昭和四十九年ごろやはり全野党で提出をしたことがございますけれども、その当時は五千億ないし六千億の予算を組んでまいりました。あるとき、いまは行管庁長官をしていらっしゃいます中曽根さんが広島へお見えになりまして、援護法案をつくれといっても一遍に五千億も六千億も金がかかる、とてもこれでは政権政党として負担にたえられない、こういう意味の発言をしておられます。私どもは、いま国の財政がきついことも十分理解いたしまして、良識を持って被爆者等援護法案を提出いたしました。先ほど申し上げましたように、政府の予算もかれこれ一千億になろうとしておるわけでございます。私どもも要求をうんと縮めまして、たとえば弔慰金でありますとか遺族年金でありますとか、そういったものを支給したい気持ちはやまやまありましても、特別給付金でかえるなどいたしまして二千三十六億五千万円、政府の額の約倍というところに抑えたわけでございます。この点十分御理解いただきまして、むしろ与党の皆さんも積極的に、すでに政府案も一千億に近くなった、野党案も二千億、かつての五千億、六千億の考え方をこの際放棄しています。勝手でございますが、共同提案者の皆さんの御理解が得られれば、二千億が千五百億でも与党の皆さんと話し合いによっては応ずる用意があることをこの際明確に申し上げておきたいと思うわけでございます。
以上で私の答弁を終わります。
今
今井勇#23
○今井委員 いま森井さんから大変心のこもった、しかも確信に満ちた御答弁がありましたが、ただ私はあえてまたもう一つ森井さんに論戦をいどまなければなりません。それはどうしても国の戦争責任を認めて、違法な行為であった、それに起因する損害だから国家賠償せよという所論をあくまで貫かれるわけであります。そういたしますと、あなたは他の戦争犠牲者についても波及することはわかる、こうおっしゃいました。広島、長崎の原爆のみならず、戦時災害援護法案というのも現に出しておられる。これについてのお考えはまだ具体的に承っておりませんが、いまの考え方からいえばすべて国が悪かった、そういう違法な行為に起因するんだから全部やらなければいかぬ、これは私はとめどがないことだと思います。といって適法な行為でもないわけであります。
そこで今度の基本懇で、考え方の真ん中に、原因行為が違法であるか適法であるかということを問わない結果責任に基づく国家補償というものを特別な被害に対して認めようじゃないかという考え方は十分私は納得できますし、との考え方でいかなければわれわれの念願するものが基本的に解決できないんだ、私はあえてそう考えているわけであります。あなたは昭和四十三年十一月の大法廷のことにも言及されました。そのほかにも五十三年の法廷があるじゃないか、いろいろ言われました。しかし戦争責任云々でなくて、戦争による損害賠償問題については、昭和四十三年十一月の大法廷の判決で明確になっていると私は思います。しかもその判決の中では、政策的に何らかの配慮をするかどうかは別問題だというふうなことがわざわざ言ってあるわけであります。基本はだめなんだ。しかし政策的に判断する余地があるじゃないかと言っておられるところを十分くみ取らなければならぬ。
そこで再度あなたにお伺いしたいのは、広島、長崎の原爆のみならず、あなたの所論でいくならば、戦争犠牲者は全部救わなければならないことに当然帰着すると思うが、その一点についてあなたのお考えを聞きたい。
この発言だけを見る →そこで今度の基本懇で、考え方の真ん中に、原因行為が違法であるか適法であるかということを問わない結果責任に基づく国家補償というものを特別な被害に対して認めようじゃないかという考え方は十分私は納得できますし、との考え方でいかなければわれわれの念願するものが基本的に解決できないんだ、私はあえてそう考えているわけであります。あなたは昭和四十三年十一月の大法廷のことにも言及されました。そのほかにも五十三年の法廷があるじゃないか、いろいろ言われました。しかし戦争責任云々でなくて、戦争による損害賠償問題については、昭和四十三年十一月の大法廷の判決で明確になっていると私は思います。しかもその判決の中では、政策的に何らかの配慮をするかどうかは別問題だというふうなことがわざわざ言ってあるわけであります。基本はだめなんだ。しかし政策的に判断する余地があるじゃないかと言っておられるところを十分くみ取らなければならぬ。
そこで再度あなたにお伺いしたいのは、広島、長崎の原爆のみならず、あなたの所論でいくならば、戦争犠牲者は全部救わなければならないことに当然帰着すると思うが、その一点についてあなたのお考えを聞きたい。
森
森井忠良#24
○森井議員 戦争をすれば高くつく。なるほど戦争犠牲者は軍人、軍属、準軍属、一般国民各般にわたっています。いままで政府がとってまいりましたのは、その中に順序をつけまして、いまもって積み残したものが非常にあるわけでございます。御承知のとおり、ようやく近年になりまして日赤の看護婦さん、さらにそれ以外の一般の従軍看護婦さんが救済されるという形であります。せんだっては満蒙開拓青少年義勇軍、義勇開拓団にまでようやく戦争犠牲者の援護措置が広がってまいりました。いきなりすべてということはむずかしいかと思いますけれども、しかし申し上げましたように、予算はかかっても国が起こした戦争についてはすべて最終的には責任を持たなければならない、こう考えております。先ほど今井委員の御意見の中にありましたけれども、七人委員会の考え方は、国が起こした戦争責任、これは国家の統治行為である、政府の権限である、これだけで七人委員会の答申は片づけられています。しかし、戦争を体験した私どもとしては、それでは納得できない。アジアの侵略を目指して起こした戦争の犠牲をなぜ国民が全部受けなければならないか。釈迦に説法になるかと思いますが、いずれにいたしましても、仮に百歩譲りまして統治行為論をとるにいたしましても、日本の国に経済的にも非常に近い西ドイツが、軍人等に限らずそのほかの一般国民にも平等に国家が補償しておるという点に特に着目をしていただきたいと思うわけでございます。
以上です。
この発言だけを見る →以上です。
今
今井勇#25
○今井委員 森井議員の言わんとするところはややわかるわけでありますが、私は軍人と民間人とを分けているのはけしからぬというのを必ずしも言っているわけじゃない。私は、あなたの所論に従えば一切の日本国民が受けた損害、戦争による損害というのは償われなければならないという結論が自動的に出てくるであろう、それでよろしいのかということをあなたに聞いているわけです。それはどうですか。
この発言だけを見る →森
森井忠良#26
○森井議員 先ほど申しましたようにまず私どもの基本的な考え方は、言いたいけれども財産の損害については割愛をしよう、これが第一です。二番目は、受けた犠牲の深刻な度合いから、国の予算との関係もありますから順次広げていこう、こういう考え方でございます。
この発言だけを見る →今
今井勇#27
○今井委員 そうであるならば、私はあえて申し上げますが、基本懇の考え方で、二つの違法か適法かという真ん中に、原因行為の違法、適法を問わない、結果責任に基づく国家補償であなたのおっしゃる非常に気の毒な、際立った損害を受けた人たちに相当な補償をするという考え方が、そう考える方が素直だと私はあえて思うのです。
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森井忠良#28
○森井議員 失礼いたしました。答弁が落ちておりましたが、私どもは結果責任論はどうしてもとることができません。現に被爆者の皆さんの立場から申し上げますと、自分たちは原爆投下という非常に悲惨な目に遭って、肉親を殺された、いまなお深刻な健康被害にさいなまれて坤吟をしている。もう被爆者は、自分たちだけで終わりにしたい。つまり被爆者の皆さんは、なるほど暮らしに困るといたしまして国家に補償を要求していますが、その根底には二度と日本の国を戦争に巻き込むことのないようにしたい、ここに基本がございます。したがいまして、国が起こした戦争責任は問わない、しかし国家補償は結果責任として大きな犠牲を受けたのだからしろということになりますと、私はまたぞろ被爆者をつくる可能性が出てくる、このことを非常に憂えます。
なお、これも一言余談でございますが、お隣にいらっしゃいます園田厚生大臣が外務大臣のときに国連でりっぱな演説をなさっていらっしゃいますが、私は、核軍縮ということもありますけれども、園田演説を読ましていただきましたけれども、やはり根底にはいま申し上げました国が戦争を起こしてはならない、二度と被爆者をつくっちゃならないということが脈々と演説の中に入っておったということを申し上げておきます。
この発言だけを見る →なお、これも一言余談でございますが、お隣にいらっしゃいます園田厚生大臣が外務大臣のときに国連でりっぱな演説をなさっていらっしゃいますが、私は、核軍縮ということもありますけれども、園田演説を読ましていただきましたけれども、やはり根底にはいま申し上げました国が戦争を起こしてはならない、二度と被爆者をつくっちゃならないということが脈々と演説の中に入っておったということを申し上げておきます。
今
今井勇#29
○今井委員 私も二度とあの惨劇を繰り返すまい、そのことはあなたと全く同意見であります。しかもまた、原爆被爆の人たちを手厚く救済することについても全く同じであります。ただ、どういう基本理念でやるかという一点について、残念ながらあなたと私とは意見の一致を見ることができませんでした。続いてまた議論をさしていただきたいと思います。
時間が非常にないものですから、あと二点だけお尋ねをしておきたいと思います。
一つは、原爆二世、三世の問題でございます。原爆放射線の遺伝的な影響に関する現在までのいろいろな研究、調査段階では、私は少なくとも有意な影響が認められたという報告例はないように思います。また、数年前から日本公衆衛生協会がやっております原爆の後障害の研究、この一環として行っています二世健診、ここでも一般国民の健康状態と全く変わりはないという結果が出ていると聞いております。
私は、このような状態にありますのに二世、三世対策を法制度の中で取り上げるのはかえって関係者に無用な不安を与えるのではなかろうかという危惧の念を持ちますが、いかがでございますか。
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一つは、原爆二世、三世の問題でございます。原爆放射線の遺伝的な影響に関する現在までのいろいろな研究、調査段階では、私は少なくとも有意な影響が認められたという報告例はないように思います。また、数年前から日本公衆衛生協会がやっております原爆の後障害の研究、この一環として行っています二世健診、ここでも一般国民の健康状態と全く変わりはないという結果が出ていると聞いております。
私は、このような状態にありますのに二世、三世対策を法制度の中で取り上げるのはかえって関係者に無用な不安を与えるのではなかろうかという危惧の念を持ちますが、いかがでございますか。