田中恒利の発言 (農林水産委員会)

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○田中(恒)委員 いろいろ計算が複雑なようですのでこの点は余り突っ込んで議論できませんが、ただ全体を見まして、やはり飼料用穀物の自給率というのは他の作物に比べて伸びていない、濃厚飼料などについては逆に下がっておる、こういうことでありますが、日本は米で国のいわゆる食糧安全保障というものを今日まで維持してきた、こう思います。アジアモンスーン地帯の高温多湿の中で芽生えた水田稲作というものによって、日本の食生活がいわゆる日本型の食生活として定着してき、それが国の安全保障というものを維持してきたと思うのです。
 ところが、特に戦後高度経済段階に入りまして、工業の論理が農業の中に厳しく食い込んできて、近代化ということが言われ始めて、ここで外国食糧の輸入政策が大胆に取り上げられていく、そういう中から日本の米を中心とした食事のタイプが洋風化してくるという状況になって、米作自体も減反、こういうことになってきておるわけです。
 しかし、今日国際的に食糧に対する需給問題が非常に憂慮されて、一九七〇年代から二十一世紀に入ってくると食糧危機が訪れるのではないか、こういう状態になって、改めて内閣の方も食糧安全保障を総合安全保障の一環の中に繰り込む、こういう立場をとられて、今回の答申の中にも一本の柱になっておるわけであります。それはいろいろ考えてみても、日本の場合は米が軸になって組み立てられねばならないのだろう。しかし、その米は今日需要が減退しておることも事実でありますし、それを昔に戻すこともなかなか大変でしょう。そうすると、米の消費について多角的に考えなければいけない。
 その場合に、この委員会でもずっと問題になっております一つは、えさ米の問題をいやおうなしに日本の農業は取り上げなければいけないと思います。各国の歴史を見ても、主食であったものからえさ用に転換しておるというのが主要食糧の一つの流れであります。同時に、アルコールなどを中心とした工業用原料への転換、こういう問題がいやおうなしに迫ってきていると思います。それが一九八〇年代のわが国農政の一つの大きな方向でなければいけないのだと思うのです。
 もちろんそのことを採択する場合には、政府が御心配になっておるように、今日損か得かといういわゆる所得計算上の、経常採算上の問題があることも承知をいたしておりますし、それが一番の問題であることも理解できます。しかし政策がそういうものをどうバックアップしていくのかというところに焦点が向けられないと、ただ安いからたくさん入れればいいじゃないか、こういう議論だけでやられていくと、食糧の安全保障政策なりあるいは日本型食生活の定着なりというものは基本的に崩れていく、私はこういうふうに理解しておるわけでございまして、これは非常に抽象的な一般論でありますけれども、やはり八〇年代農政の基本方向を、そういう米作を中心とした方向に切りかえ、今日の米というものについて、私どもも皆さんもいままで主張しておりますえさ化の問題やアルコール化の問題に大胆に踏み出していく、そういう方向を亀岡農林大臣はお考えになっていらっしゃるかどうか、この際お尋ねしておきたいのです。

発言情報

speech_id: 109405007X00319810303_018

発言者: 田中恒利

speaker_id: 5346

日付: 1981-03-03

院: 衆議院

会議名: 農林水産委員会